コラム

毎日ネットで物件検索をしていると、魅力あふれる物件は数日で消えていきます。

しかし、僕のようなサラリーマン投資家が内見にいけるのは土日だけ。

遠方物件であれば気軽に内見に行くことができず、尚更購入のチャンスが少なくなってしまいます。

そこで、僕は内見せずに物件を購入する「ノールック買付」をこれまで4軒ほど行ってきました。

ノールック買付の際,僕がどのように何を調べているか?

今回は、ノールック買付時の調査方法とそのデメリット(危険性)も含めて解説します。

 

●検索:グーグルマップ

一番大事なのは、物件住所の近隣検索(画像の赤の四角が仮の検索場所)。

検索の際は、グーグルマップの縮尺を拡大したり縮小したりしながら(右下の+-ボタンを押す)、自動で表示される近隣施設や地形、道路や路線等の物件近隣の環境を詳細に把握します。

 

 

下図の例で加点ポイントとなる近隣施設は赤線の施設です。

 

①小中高の教育施設

→特に自転車通学が難しい小学校の距離は客付に影響大。広めの戸建てだと特にファミリー層がターゲットになる為。

②コンビニ・スーパー

→利便性の高さを測る指標。マイソク等に近隣商業施設としてアピールポイントに。

③マクドナルド・吉野家等のチェーンの飲食店

→田舎でも廃れていないことの証。一流企業の立地戦略は侮れない。

④ホームセンター

→DIYする上で、効率に影響するので重要。木材を販売しているような資材館等がある規模の大きなホームセンターでないと不便なので要注意。

 

●物件外観:ストリートビュー

次に、ストリートビューの状態で物件外観を確認します。

見るポイントは下図の赤線部分です。

 

 

①天井:軒点がどうなっているのか?

→この写真だと、軒天が剥がれ落ちて雨水が染み込んで来ている→室内も雨漏りの可能性があります。

実際にこの物件は室内が雨漏りでボロボロでした。見てください、この色とりどりのバケツをw

 

②写真右の臭突:トイレが汲取かどうか。

→汲み取りかどうかは、外観でわかるので要チェックです。今回の写真では臭突があるので汲み取りの可能性大です。

③基礎部分:クラック(亀裂)の有無

→小さいクラックであれば問題ないですが、ストリートビューの画像からも分かるぐらい大きいクラックだと、家の傾きが疑われます。

④駐車場

→田舎にある物件は駐車場は非常に重要です。駐車場が見当たらない場合も、塀などを壊せば駐車場を増設できそうかどうか必ず確認しています。

 

●賃料相場の確認

ノールックの場合は、地元の不動産業者さんに相場を確認することが非常に重要です。

もっとも、いきなり電話をしていきなり賃貸相場を教えてください、と聞くだけでは相手の時間を奪ってしまうので失礼です。

そこで、僕は電話の前に最も母数が多いSUUMOにて大体の相場を確認しておきます。

どこまで厳密にやるか人によりますが、大事なことは、「一戸建て・その他」を選ぶことで、マンション・アパートとを排除することです。戸建てはマンションアパートとは賃料の決定基準が違うため、アパートのほうが築年数が若くて綺麗・賃料も安い傾向にあります。しかし、家族が多く部屋数が多い戸建てを探している人、ペットを多頭飼いしたい人、騒音が気になる人や庭が欲しい人等、様々な理由で戸建ての賃貸をで探している層もいるので、戸建て同士で賃料を比較しましょう。

 

 

僕は戸建て・物件の所在地の市町村で検索をかけた上で、詳細条件の広さや建物の種類でさらに絞りをかけます。

その後に、「賃料が安い順に並び替え」で競合を調査。ここで自分の検討している物件がいくら取れそうなのか?賃料の基準を調べます。

SUUMOに同種物件が出てこない場合、「賃貸需要が全く無い」もしくは、「賃貸の戸建てがほとんどないが、需要はある」のいずれかなので、そこを不動産業者さんに聞いて答え合わせをします。

 

電話をかけるのは、グーグルマップで物件の近くにある不動産屋さんです。

一番初めにかけるのは、グーグルの口コミが多い+評価が良い仲介さんです。

口コミの数だけ客付を行っている実績があるので、最近の傾向や賃貸需要について詳しい場合が多く、評価も良い場合は電話での対応も良いことが多いためです。

 

・FAP;「お忙しいところすみません。大家のFAPと申します。〇〇の物件を購入し賃貸に出そうと検討しておりまして、賃貸需要に詳しい方にお話しお伺いできませんでしょうか?」

 

こんな風に電話しています。たいていの場合、まず事務の方が出てから営業担当に繋がるので、以下をヒアリングします。

①この地域の賃貸需要はどうか?

②この物件の相場はどれくらいか?どれぐらいだったら決まりそうか?

③駐車場は何台必要か?

④ペット可にするとどうか?賃料はどれくらいプラスできそうか?

⑤ADの相場どれくらいか?

 

あまり長々話をしても迷惑になるので、手短にお聞きして、お礼をします。

この担当者の名前を記録しておいて、リフォーム完成後に客付をお願いしに行くと、話がスムーズですし、相手にも喜んでいただけるのでオススメです!

 

●物件写真:購入時に仲介業者さんや売主さんから提供がある場合

物件を買う時に内見に行くのは、購入前に物件の中を見に行くためです。

室内写真をもらえない場合は外観だけで決めなければならい場合もありますが、室内写真がある場合は凝視して下さい。

特にお金がかかるのは天井と水回りですので、キッチン、トイレやお風呂、雨漏り跡などを確認します。

残置物がありすぎて中の様子が良く見えないことや光の加減で汚れや雨染みなどが見えないこともありますが、その場合は仕方ないと割り切っています。

やはりノールックでは写真から読み取れる情報には限りがありますが,くまなく見て違和感を拾っていくしかなく、ここは経験の積み重ねによるところが大きいと痛感します。

 

例えば、下記の写真の物件は、実際に僕がノールックで買った物件ですが、一見きれいな和室の右側に3カ所シミが見えます。この物件は雨漏りしているでしょうか?

 

 

購入前、雨漏りしていると聞いていたのでこの写真を見て、てっきり和室の上が雨漏りしているのかと思っていました。

しかし、実際購入後に物件に行くと,雨漏りをしていたのは別の部屋で、この部屋のシミはペットの排泄跡だったと判明しました。

確かにシミのある上の天井はきれいです。

この物件は平成築で僕が持っている物件の中ではかなり築浅物件でした。

購入前に見ていた写真が綺麗に見えたこともあって、余り修繕費用や時間がかからないと踏んでいました。

ところが、写真ではよく分からなかったのですが、雨漏りや池が近くにある物件だったこともあって、湿気のためにカビでかなり家が傷んでいました。

壁紙も既存のまま使える箇所があるかと思っていたのですが、ほとんどがペットのひっかき傷や排泄跡、カビがあり、全部屋壁紙を貼り直すことになりました。

この写真で気付いておくべきだったのは写真中央の窓枠の下の黒カビと写真左側の壁紙のはがれ、それに雨漏りでは無いとするとペットの排泄跡である可能性を考え、その場合はしつけが出来ていないペットが住んでいたと予想しておくべきことでした。

 

●その他:仲介さんに確認しておくこと

①何年前まで人が住んでいたのか

→インフラ損傷の可能性を判断するのに役立ちます。比較的最近まで売主さんやその親族が住んでいた場合はインフラが問題なく使える可能性が高いです。

②修繕歴

→屋根の修理歴やリフォームの有無等、必ず確認をします。

③残置物の有無・処理費用を売り主と買い主どちらが持つか?

→室内写真がない場合にはどれくらいの残置物処理費用になるか予測が出来ないため、必ず確認しましょう。

④売却の経緯,売主さんが近くにいるかどうか?

→売主さんが遠方に住んでいたり相続の場合,家に詳しくないので状況が分からない=修繕リスクが高まる。一方で指し値が通りやすくなる。

⑤駐車場に入る車種の確認

→ストリートビューの写真だけでは、駐車場があるかどうかしかわからず、軽自動車しか入らない又はバイクしか置けない大きさである可能性もあるので確認しています。

⑥排水・上水の確認

→臭突がある場合は汲み取りである可能性が高いとご説明しましたが、下水に繋がっているのか、井戸水ではないか等、インフラについては仲介さんにも確認しましょう。

 

●ノールックの危険性(デメリット)

①写真で写っていない部分に修繕箇所がある可能性

→室内写真がある場合、きれいな部屋だけを写している場合もあるため、全部屋の写真がない場合は修繕が必要な部屋があることは想定している必要があります。

床下や天井裏の状態も分からないことが普通なので、傾きや雨漏りを含めノールック買付はある程度のリスクを飲み込まなければできない手法です。

②近隣とのもめ事がある可能性

→境界や指導の問題等を含め、現地に行ってはじめて驚くようなトラブル物件であることが判明するもあります。

③インフラ破損の可能性

→漏水や浄化槽が破損していることもあります。

④写真の状態が過去のもので現況との違いがある可能性

→日当たりや室内環境等、過去の写真の状態から変化がある場合があります。

⑤そもそも内見をしないと購入できない可能性

→仲介さんによっては、「現地に内見していないと、買付を受諾出来ない。」と言う方もいます。契約不適合免責で購入します、とお伝えしてもトラブル防止のため内見を購入の条件としている場合があります。

 

●最後に・・・

とは言いつつ、ノールック買付が気になるという方へ。とっておきのサイトがあります。

そう、「空家ベース」さんです。遠方物件の取り扱いが多く、リスクを飲み込むにはぴったりの価格帯の物件も多く取りそろえられています。

遠いところは検討したことがなかった、という方も購入手法を知った今、ぜひ色々な物件を見てみてくださいね!

こちら→→ 空家ベース

 

ちなみに・・・、僕も何度か空家ベースさんから物件を購入しています。

皆様がこのコラムを読む頃には売れてしまうかもしれませんが、今FAPがノールックで買付を入れるなら下記の物件です。

周辺に商業施設・公園・中学校などが存在し立地が良く、外観からも大きな問題がなさそうに見えます。

 

・三重県鳥羽市安楽島町の戸建て

空家ベース:三重県鳥羽市安楽島町の空き家

※購入は自己責任でお願い致します!

 

次回は、築古戸建てつきまとう、「雨漏り」についてです。

 

 

前回のコラムでは、私道持分権のない物件に潜むリスクが顕在化した体験をご紹介しました。

▼購入した物件の私道問題の発端編からお読みください!

因縁の私道 #1問題の発端編

 

不動産業者から因縁の私道についての突然の電話に言葉を失いました。

 

FAP:「どういう風の吹き回しでしょうか?」

どうやら、僕が賃貸客付けをお願いしていた不動産業者が、地主さんの仲介さんから因縁の私道を売りたがっているとの話を持ちかけられたとのことでした。

 

・売却理由:自分が使っているわけでないため必要ない。

・売却金額:60万円希望

 

 

「前向きに検討します!」と勢いよく電話を切りました。

てっきり地主さんは、柵を立てる気満々なのでは、と戦々恐々した日々を送っていたため、一安心しました。

とはいえ、僕が購入したボロ戸建ては40万円だったのに対し、ただの道に60万とは…。

私道を持っているから家賃が上がるわけではありません。

僕自身の手持資金も乏しく何とか安く購入したいと考えました。

 

そこで、どうやったら値下げをしてもらえるか策略を練りました。

因縁の私道の通行権を持っていないので、僕がこの私道が喉から手が出るほど欲しいということは値下交渉の弱みです。

しかし、逆に僕以外の周辺の住民は通行権を持っているということは強みになることにも気付きました。

つまり、売主さん出口を考えると、僕しか買い手がいないのです。

地主さんは自分が使うわけではない私道を持っていても毎年固定資産税を払うだけ。

だからこそ手放して現金化したいのではないか。

値下げ交渉がうまく行く気がしてきました。

 

案の定、仲介さんに値引きを依頼した結果、30万円まで下がることに。

そこで納得しないのがFAP。

「30万でも高いな・・・。そうだ!道に接している人みんなで共有で購入すれば負担額が少なくなるぞ!私道JV(ジョイントベンチャー)発足だ!」

うまくいけば一人当たり5〜10万で済むと思って私道JV交渉に乗り出しました。

 

まず、現地で仲良くなり、かつ,近くに住む息子さんがたまに私道に車を止めているのを見かけていたお隣のAさんにいの一番にお電話。

 

FAP:「カクカクシカジカで道が購入出来そうなんです。一緒に購入しませんか?」

Aさん:「良いよ!」

 

これは幸先が良い!!行けるぞ!

 

…と思った矢先、

お隣さんE:「わたしは別の道から出れるからお断りします。」

 

 

そう、お隣さんE・Fさんは反対側に道があるので私道を購入する必要がない。

Cさんは市道から直接入れるように自分で橋をかけており、辞退。

 

残るはDさんとBさん。

Dさん:「必要ない。」

FAP:「でしたら、もし私が道を購入して、誰かに売却したとします。その際に、私道を通る際に

通行料なども請求されるケースもあり得ます。それでも良いのですか?」

Dさん:「だったら、側溝に橋を自分でかけるよ。」

FAP:「…。(心の声:車が通れる橋をかけるより持分権を買った方が安く済むやろ!!)」

 

なんと、現在成功しているのは5分の1。まだ2人で15万円です。

せめてあと1人いれば10万円。しかし残ったのは、空家のBさん。

Bさんが今どこにいるか、近隣住民も分からないとのこと…。

 

ここで、「登記情報提供サービス」でBさんの所在を検索しました。

登記情報提供サービス

 

このサイトで一時利用ボタンを押し、仮登録→請求をすると、約300円/1件程度で登記簿情報を取得ができます。

(※登記簿謄本は更新されておらず現状と異なることも多いので都度確認が必要です。)

 

Bさんの登記簿を調べてみました。

すると、Bさんは神奈川在住のマリコさん(仮名)というお方でした。

 

当時東京在住だったFAPは、「おお!!近い、これは直接行ける!」とテンションがMAXに。

住所をグーグルマップで調べてみると、駅から徒歩15分くらいの山の手エリア、芦屋のような高台の良い住宅街でした。

自然と期待度が上がり、勝利を確信したFAP。

持分権購入のために出してもらう予定金額は10万円。余裕でOKでしょ!

 

登記簿には電話番号は書いていないので、平日に仕事を早めに切り上げ、突撃訪問しました。

大きなお屋敷とBMWを横目に、ドキドキしながらインターホンを鳴らし、 ご挨拶。

 

FAP:「突然すみません。FAPと申します。新居浜の道の件でお伺いしたい事があるのですが、

マリコさんはいらっしゃいますか?カクカクシカジカで持分権を一緒に購入できないかと考えておりまして…。」

インターホン越しの旦那さん:「ああ、あの家ね。確か以前親族に貸したとか言っていたなぁ。」

FAP:「そうなんですね。その辺りも含めてマリコさんとお話したいのですが…。」

旦那さん:「…。マリコは遠くへ行ったよ…。」

FAP:「遠く、ですか…。」

 

「不在ですよ。」とか、「今、手が離せない。」とか数多の不在の言い訳がある。

その中で初めて出会った回答に言葉を失ったFAP。お礼を言い、その場を立ち去るしかできませんでした。

 

そこへ一台のレクサスが隣の家に駐車。由緒正しい制服を着た小学生が降りてきて、次に運転席から品の良いマダムが降りてきたため、すかさず声をかけました。

FAP:「すみません、カクカクシカジカで、マリコさんにお会いしたのですが、最近お会いされましたか?」

隣のマダム:「ああ、確かに最近見かけないわね。」

 

どうやら居留守や不在の言い訳ではなく、本当に遠くへ行ってしまったようだ。

段々自分の私道JVよりも、マリコの所在が心配になってきた。

マリコ、一度話をしたかった…。

マリコの身を案じながらA4の手持ちのノートにJVの思いをしたため、マリコ家のポストに投函して帰宅しました。

 

それから2週間。

マリコからは何の音沙汰がなく、1人15万円の負担でお隣さんAと一緒に道を購入するか…と思いを固めた頃に、一本の電話が鳴りました。

 

お隣さんA:「あの道購入するのやめるわ!」

FAP:「え!?何でですか?持ち分を持っていたほうが良いですよ!カクカクシカジカ〜」

お隣さんA:「知り合いの司法書士に聞いたら、あんな道に価値は無いって言ってた最悪は家の裏の農道(幅1m)から出入りできるし。そもそもあの道は昔から~~~~~」

FAP :「・・・。」

 

私道JVは失敗に終わり、結局1人で40万円の物件に対して30万円の私道を購入しました。

動き回った収穫がゼロだったことには肩を落としましたが、以下の通り所有物件の価値が上がったので良としました。

 

・40万円の再建築不可物件→70万円の再建築可の物件に

・軽自動車1台分の駐車スペース→私道単独所有のため私道に追加の駐車スペースを確保

 

●ここからFAPが学んだこと

・私道持ち分のない物件購入後、私道を購入できることもある

・所有者が私道を使っていない場合はむしろ所有者が処分を希望しているケースもある

・しかし、私道の所有者が私道を使っているケースでは購入は難しい可能性が高い

・私道の持分権がなくてもせめて通行(掘削)権があることを確認すべし

・不動産関係者以外には土地の価値を理解してもらうことは難しく、一緒に私道の持ち分を購入しようと思っても、なかなかうまくいかない

 

次回は、FAPおなじみ「遠方物件のノールック買付」の方法・注意点について。

デンジャラスな方法ですので良い子は真似しないように(笑)次回もお楽しみに!

「私の道」と書いて私道。

築古戸建て投資家としては避けては通れない、私道トラブル。

僕はまさにボロ戸建て投資1軒目でこの問題にぶつかりました。

 

舞台は、愛媛県新居浜市。

問題の物件の購入経緯は、不動産投資クラブの講師とのこんなやりとりでした。

 

講師「FAPって四国出身だよね?」

FAP「そうですけど(香川出身)」

講師「愛媛の新居浜で安い物件あるけど買う?近いよね?資料一式送るわ」

FAP「買います!(物件まで実家から高速で3時間以上かかるんだけど・・・)」

 

今考えると恐ろしいのですが、私道の持ち分がない物件を、人生初のボロ戸建て投資第1号物件に決め、ノールックで購入しました(購入金額40万円)。

(僕はこれまでノールックで全国の物件を4軒ほど購入してきました。ノールックで買う時に気をつけるべきことや、調査対象、調査方法については別の記事でご紹介します!)

 

▼僕がどんな投資家か?については、こちらの記事をご参照ください!

自己紹介(FAPさん)

 

本物件は旗竿地で、旗竿部分が私道。

これの何が問題なのか?

そう、「持分無し、通行掘削権無し。従って再建築不可。」なのです。

旗竿地でも、通行を許可されている場合もあるのですが、仲介さんによると、「売主さんのお父さんと、私道の持ち分の権利を持っている方のお父さんがお墓の件で揉めた事がある。」とのこと。なんとセンシティブな揉め事でしょう。。。

 

仲介さん「今も関係が悪い可能性があります…。」

FAP「・・・。」

 

しかし、私道について調べていくと、一筋の光が見えてきました。

それは、「囲繞地通行権」なる権利があることです。

まず「囲繞地」とは、公道に通じていない土地を囲んでいる周囲の土地を言います。

取り囲まれて公道に出れない土地を「袋地」と言います。

 

袋地の持ち主は、公道に出るために、最短のルートで囲繞地を通行する事ができる権利を持っており、それが「囲繞地通行権」です。

簡単にいうと、「公道へ続く最短の道は通らせてあげてね」という事です。

僕の物件が袋地で、公道(市道)に出るために私道(囲繞地)を通行できるのではないかと考えました。

図に表すと、下記のような形です。

 

 

 

囲繞地通行権を使えば何の問題もない!と小躍りしていると、法学部出身のFAP妻が待ったをかけてきました。

「そんな都合良い訳ないでしょ。」

妻の判例等調査を要約すると下記のものでした。(※詳細は、弁護士にご相談ください。)

 

→あくまで生活を送る上で必要最小限通らせてもらえるだけ。

 

なんということでしょう・・・絶望的です。

また、通行ができたとしても,旗竿部分に排水や水道管が通っている場合は、水道管などが壊れたとしても掘削権がないと掘り出して修繕することができません(本物件は幸い無関係でした)。

したがって、囲繞地通行権なるものがあるとしても、公道に出るための私道の持分権のない物件を購入することはリスクを伴います。

僕のように無計画にこのような物件を買わないようにしましょう(笑)。

 

僕は今考えると恐ろしいことに、私道の問題も「なんとかなるだろう」という楽天的な予測の下、ノールックで購入するという暴挙に出ました(ビギナーズだからこそできた買い物かも知れません笑)。

買ってしまったからには悩んでいても仕方ないので、現地に行くことにしました(本来は買う前に現地調査に行くことを強くお勧めします)。

しかも、私道問題未解決のままでも簡易的にリフォームするくらいなら大丈夫だろう、と高を括り、連休中に東京→新居浜の夜行バスに乗り込みました。

 

現地に到着し、他の隣家の方にご挨拶がてら、私道の通行権について相談してみると、

お隣さんA・E「通行掘削権の証明書を持ってるよ!」

ご近所さんC・D「通行掘削権の証明書を持ってるよ!」

ご近所さんB 応答なし。

応答が無いBさん含め、FAP以外問題の私道に接する家にお住まいの方は全員通行掘削権を持っていることが判明しました・・・。強い因縁を痛感した瞬間です。

 

自分以外全員が通行掘削権を持っているなら、自分にも通行掘削権をもらえる可能性はあるだろうと思い直し、近隣の方から教えていただいた地主さんのお宅に伺いました。

しかし、まず目に入ったのは、なぜか家の窓からソファが半分飛び出している異様な光景。

さらに、長いリードをつけた番犬が吠え立てており、玄関にまでたどり着けない・・・。

そう、これがまさに近隣挨拶のコラムに出てきたお家です(笑)。

 

▼近隣挨拶の方法についてはこちら

「近隣ご挨拶」を語る 編

 

インターホンを押す事ができず、大きな声で挨拶をしたのですが、応答なし。

その後、3回は訪問しましたが常に不在でした。

近隣の方も、「50~60代ぐらいの独り身のご婦人であると思うが、夜のお仕事をしているようで、素性はよく分からない」とのこと。

新居浜まで出向いたらなんとかなる、と考えていたのですが、甘かった・・・。

 

地主さんとはお話ができないままでしたが、折角現地にきたので、物件のクリーニング、門扉の撤去、帰宅後に作業をお願いするための便利屋さんや水道屋さんの開拓のための相見積もりを行いました。

作業依頼をする便利屋さんも決まり、一旦東京に帰宅しました。

 

しかし、その後、遠隔で便利屋さんに除草作業を依頼をしている時に事件は起こりました。

現地にいる便利屋さんと除草作業の打ち合わせの電話をしていると、急に謎の怒声が聞こえてきました。

 

「なんでここの道に止めてるのよ!!ここ私の道よ!

あそこの家は空き家なのになんで車止めてるの?

あなた誰に言われてきたの??

不動産屋に電話してここの道に柵を作ろうかしら!!」

 

便利屋さん「FAPさん、ちょっと待ってください。」

以降、通話状態のまま、便利屋さんのと女性の会話が聞こえてきました。

 

おばさん「あなた誰!?」

便利屋さん「いやわかんないっす、僕も言われて来ただけなので。」←?

おばさん「誰に言われてきたの!?」

便利屋さん「いや、わかんないっす・・・。」←??

 

 

この便利屋さん、デキる…。

必殺・「会話を成り立たない人を装う術」であろう。

機転のよさ・あしらい方もperfect。

ここまで「わかんないっす」の威力が証明される場面があっただろうか?

 

事情を何も知らない便利屋さんが、不用意なことを言って依頼主であるFAPが不利な立場に立たされないようにと機転を利かせてくれたおかげでその場はおさまりました。

除草作業は諦め、便利屋さんに足早にその場を立ち去ってもらう際に、怒声の主の名前を聞き出すこともできました。

 

この人こそが、因縁の私道の所有者であることは容易に想像できました。

いきなり怒鳴り込み、「柵を作ろうかしら」とは・・・。

突然始まった修羅場と発言内容に腰を抜かしましたが、無事に地主の存在を確認できたので、コンタクトを試みることにしました。

 

しかし、電話番号がわからない。

売買してくれた仲介さん経由で売主さんに番号を聞いてもらってもわからない。

104もダメ。

あの時、便利屋さんに名前だけでなく電話番号を聞いてもらえば良かった、、、!!と激しく後悔しました。

 

それから2〜3週間経過し、「こうなりゃ登記から調べてかたっぱしからローラーしか無いか…」と思っていると、地元の不動産会社から携帯に電話が。

この不動産には賃貸募集の準備をお願いしており、貸家にも不動産会社の看板を掲げてもらっていたので、FAPは小躍り。

 

FAP 「もしかして内見希望の連絡ですか??」

O不動産 「いえ、違います。物件の前の私道の売却の話が別不動産会社から来てますがどうしますか??」

FAP 「え・・・????」

 

このあと、FAPがどんな行動に出たのか?続きは次回、お楽しみに^^

戸建ては地域と運命共同体。中古戸建てを購入した以上、所在地域の近隣の方との関係性は非常に重要です。

 

特にボロ戸建ての場合、雑草が伸びて虫や蛇が出る状態になっていたり、庭に生えている木の枝が越境していたり、ブロック塀が倒れそうになっていたり・・・など、ご近所の方が購入した家に対して良くない印象を持っていることも多く、家の様子をよく見ています。

そのため、空家だった家に急に車が停まっていたり、人が出入りすると、「誰か来たぞ」と注目の的になることがほとんどです。

ご近所さんが何か困っていることがあったとしても、先方から話しかけてくることは稀で、家の外から窓越しに、あるいは庭の掃除を装ってこちらの様子を伺っているケースがほとんどですので、戸建て購入後に自分からご近所さんへの挨拶をしなければ、自分が気づかぬうちに関係を悪化させるトラブルを引き起こしてしまう、なんてことになるケースもあります。

 

そこで、本コラムでは僕のご近所への挨拶の仕方について紹介していきます!

▼FAPがどんな投資家かは、こちらのコラムをご覧ください!

自己紹介(FAPさん)

 

内見時にご近所さんに挨拶をする事もあるかと思いますが、ここでは「購入後」に焦点を絞ります。

 

 

1.挨拶の範囲

どこまで挨拶するか問題です。

僕の場合は、前後左右斜め方向に対しては必ず挨拶をしています。自分のボロ戸建てが将棋でいうと、王将だと考え、その動く範囲を必ず押さえます(笑)。

さらに、余裕があれば、3件位先まで挨拶をしておきます。

物件のリフォームは騒音や埃が出るのでどうしても隣近所以外にも迷惑をかけてしまいます。また、職人さんや軽トラの荷下ろしなどで、ご近所の方の往来の邪魔になることもあるので、

出来れば広範囲に挨拶した方がベターです。

 

 

2.挨拶のお作法

まずは、「爽やかさを腹の底から絞り出し、青年合唱団の歌い出しの前のように深呼吸をし、1オクターブ高い声」で挨拶します。

インターホンを押し、

「こんにちはー!!突然すみません。隣の家を購入した〇〇と申します。ご挨拶にお伺いしました^^」

口調はフォルティッシモを意識+笑顔のコンボは最強です。ボソボソと挨拶すると、怪しまれたり舐められたりします。

最近はモニターフォンのため、会う前の様子も見られています。たまに、最初は居留守を使う方もいます。何度か通ううちにやっと挨拶ができたというケースでも、最初から見られていると思って応答が無い場合の振る舞いも意識しておくと良いと思います。

帽子をとって、精一杯チャーミングな笑顔を作っておくのがベストです。

 

 

3.挨拶の内容

挨拶の一言目で大事なのは、「隣の家を購入した」とストレートに伝えることです。

そうすることで、すぐに相手に訪問した理由が相手に伝わり、何かの営業や怪しい人が家に押しかけてきたのではない、ということを理解して貰えるので、変に怪しまれずに済みます。

ここからご近所付き合いが始まります。

玄関を開けてくれたら、インターホン越しにお伝えした内容を繰り返します。

「こんにちは!隣の家を購入した〇〇と申します。ご挨拶にと思ってお伺いしました!」

その後、

 

・これからリフォームをするので、特に土日に音が出てしまうこと

・基本的には自分で直すが、大工さんや水道屋さんなど、他の方の車が出入りすることが

あること

・(駐車場が無い or 一台しかない場合は)リフォームの際に車を一時的に前面道路に止めることもあること

 

など、これから自分がリフォームをする際にご近所さんが迷惑に思うだろうことを事前にお伝えします。

さらに、もし自分の物件のことや近隣の事でわからないことがあった時には、一番お話をしてくださる方(町内会長、近所の最長老の方など)に色々と聞くのが効率的です。

例えば、

・境界杭が無い場合に、自分の敷地と隣地との境がどこだと認識しているか聞く

・駐車場がないので近くの空き地を月極駐車場として借りたいが、看板が出ていない場合に

地主はどなたか?

・自分の物件について購入時の情報が少ない時は、前に住んでいた方がどんな方だったのか、何年前まで住んでいたか?

・この辺りでスーパーや買い物に行くならどこか?

 

これらのコミュニケーションを通じて仲良くなり、その結果として、リフォームを応援してくれたり、頻繁に野菜を頂くようになる等、良くして頂いた経験があります。

 

 

4.挨拶の手土産

こちらの都合で挨拶に押しかけるので、僕は挨拶を行うと共に、必ず手土産を持参します。

僕が愛用しているのは「花王 食器用洗剤 キュキュット 本体 240ml」です。

https://www.kao-kirei.com/ja/brand/khg/kyukyutto/?tw=khg

 

香りが何パターンかあるので、複数の種類を購入しておき、

「つまらない物ですが、ご挨拶の品物です。好きな物を選んでください!」と渡します。

洗剤は消耗品なのでもらっても重くなりすぎません。

食器用洗剤にも好き嫌いはありますが「これうちでも使っています」と言っていただける事も多いので、嫌がられた事はありません。

しかもドラッグストアですぐに購入できて、100円代なので安い! 自己資金少なめの僕には嬉しいポイントです!

 

ちなみに、僕は挨拶に行く前にドラッグストアで10本位色違いを購入しています。

相手に好きな香りや色の物を選んでもらうことで、相手に選ぶ喜びも感じてもらうことが出来ていると考えています。

 

僕が「近隣挨拶」について他の投資家と話すと、手ぶらで挨拶、クレラップ、地元のちょっとしたお菓子の詰め合わせから文明堂のカステラまで人それぞれでした。

手土産の内容でトラブルになった事例は聞かないので、特に決まりはないと思いますが、僕の場合は王将の動き(笑)の全範囲に挨拶に行くので、お菓子の詰め合わせやカステラまでやってしまうとコスパが悪いと考えています。

最初の手土産の内容よりも、その後、長期間物件に行く度に爽やかに挨拶をしたり、ちょっと立ち話をしたり、何か困っていることを解決したりする方がご近所の方との中は深まると考えているからです。

 

 

5.会話の注意点

相手が暇だったり、気に入ってもらえると、身の上話になることも多いですが、「あの家いくらで買ったの?」という質問には答えないようにしましょう!

同様にリフォームが終わった後、「いくらで賃貸に出すの?」という質問も同様です。

入居者の方がいくらの賃料の家に住んでいるのか知られてしまうことは経済事情を探られるため自分から開示する場合でない限り、あまり快いことではないでしょう。

それ以上に、もし将来、その物件を売却した場合には、買主になる方に売主(僕)の仕入れ値が分かってしまうきっかけにもなります。

さらに、僕は所有している物件の近隣物件を直取引で購入したことがあるのですが、近隣の方で高齢の方だと、自分の物件がいくらになるのか?を判断する基準として聞きたいという思惑を持っている方もいます。

色々な意味で、余計な事は言わないのが吉です。

 

 

6.近隣挨拶の思わぬメリット

隣人が物件の購入時に知らなかった欠陥を教えてくれることもあります。

先日のブログにも書いた初めてのリフォーム物件では、手を洗うために水道栓を開けてから5分後に、隣の奥様が飛び込んできました。「水道管から水が飛び出てるよ!」

なんと冬の間凍結して水道管が破裂しており、隣家の庭に凄い勢いで放水したのです(笑)

急いで水道栓を閉めて、隣の方へ謝罪。どうやら話を聞くと、売主の親戚さんが草抜きしている時にも水が飛び出ていて気になっていたそうですが、たまにしか来ない方で、さらに直接会話をしたことがない方には、困っていることがあってもなかなか直接伝えにくいものなのだと思います。

僕は事前に挨拶をしていたので、奥様がウチに飛び込んできて、色々と購入前の物件の状況まで教えてもらえました(瑕疵担保責任免責で買っていますが、隠れた瑕疵とも言えるケースですね)。

 

 

7.近隣に空家がある場合

周辺に空家がある場合、他の方へ挨拶する中で「あの家は空家だよ」と教えてもらうケースがほとんどです。その場合は挨拶が出来なくてもOKです。たまに空家も管理のために人が出入りすることがあるので、たまたま会えた場合は管理者の方に挨拶をします。

僕の失敗談ですが、すぐ裏の家が、庭に草がボーボー、外から障子がボロボロの状態だったので、「裏は空家かー!」なんて妻と話をしていたら、住人の方が出てきて謝罪した経験があります。

インターホンを鳴らしたり、人の気配がしない場合は、他の方に挨拶する際に「あの家は空家ですか?」なんて聞いたりします。

また、明らかに住んでいるのに挨拶が出来ないケースもあります(洗濯物が出し入れされていたり、窓が開いていてテレビの音が聞こえる場合などです)。

この場合、住人の耳が遠くてインターフォンが聞こえないケース(テレビの音が大きく聞こえている家の高齢の方に多いです)と、挨拶をしたくないという意思表示が明確なケースがあります。

どちらであっても挨拶しておいた方がいいケースですので、僕はかならずポストに手紙と手土産を入れておくようにしています。

 

 

 

8.おまけ

挨拶でトラブル回避のために、「こんな隣人がいたら要注意」も僕の今までの経験から紹介したいと思います。

(※これはあくまで僕個人の経験則ですので、①〜⑤に該当する方でも要注意人物ではないケースもありますのでご承知おきください。)

 

①初対面で「怒り」の感情を表してくる人

→例えば、購入後に挨拶をした際に、「あなたの前の持ち主には困らされた。」という人や

不機嫌そうな人は要注意です。前の持ち主の恨みをぶつけられたり、怒りのハードルが低い人が多いのでトラブルに繋がりやすいです。

 

②外からでも分かるぐらい住んでいる家が散らかっている or 荒れている

→隣がゴミ屋敷の場合、隣家からゴキブリやネズミがやってくる可能性がありますので要注意です。僕が関係構築に苦労した地主さんは、なぜか自宅の窓からソファが半分飛び出しており、あの光景は一生忘れられません・・・。

 

③外で飼われている犬のリードが長い。

→玄関に行くのに番犬のリードが長すぎて行けない家があります。これは外来者を明確に拒んでおり社交性が低い方の可能性が高いです。そうです、これもソファが半分飛び出していた地主さんの家です(笑)。

遠くから大きな声で挨拶をしたのですが、応答がなく、ポストも番犬の守備ゾーンの奥にあったため手紙の投函もできずに困り果てました。

 

④声がやたら大きい人

→これは聴覚が落ちている方ではなく、通常時の話し声が大きい人です。「あれ?この距離感でこの声量は何なんだ・・・?」というほど大きな声の方です。この場合、自己主張が強い方が多く、マイルールをあたかも地域のルールのように主張されるケースがあります。

例えば、「救急車が来るから路上駐車は絶対に許さない。」など道を監視しているご婦人がいました(その方が路上駐車したりしていて自己矛盾な行動をとっているケースもありました)。

 

⑤プライベートな質問や人の噂・お金の話が好き

→これは町の噂好きなご婦人の場合です。購入金額を知られてしまったら最後、二日後には町内全員に知られてしまう場合があります。ただ味方になると逆に心強く、「あの土地は空き家だけど、近所の○○さんが管理している。」など地元の情報を惜しみなく教えてくれるので、大変助かります。距離感を間違わなければ大丈夫です。ある物件の挨拶回りをした際に、「あなたの購入した戸建ての隣人は頭がおかしいよ。夜中に大音量でAVを流している。」など教えてくれた方がいて、戦々恐々としておりました。その隣人に挨拶に行くと、単に耳が悪いだけで全然良い人だった・・・なんてこともあるので人の噂はあてにならない場合があります。

仲が悪い近隣の方を必要以上に悪く言って味方につけようという方もいるのでそう言った地域のバトルには巻き込まれないように注意が必要です。

 

 

 

今回は長文失礼しました。皆様の良き隣人lifeの構築を祈念しております!

 

次回は「私道持ち分に注意!」です。

前回は「初のちゃんとDIY~客付体験#リフォーム編」でした。
前回:初のちゃんとDIY~客付体験#2 大間々リフォーム編

 

今回は、初めてのいざ!客付編になります。
初めての賃貸客付。右も左も分からないまま強気の家賃設定をした結果・・・

 

・募集前:SUUMO検索→オシャレさでは圧倒的に有利。高値家賃余裕でしょ!

・募集後(1ヶ月後):あれ?おかしいなぁ。反応薄いなぁ。

・募集後(3ヶ月後):これはおかしい、家賃が強気すぎた。仲介さんに家賃下げます電話。

・募集後(5ヶ月後:繁忙期突入):家賃下げます・・・。(内見計3〜4件程度)

・募集後(7ヶ月後):なんとか入居決定。(当初 募集家賃7万→5.2万)

 

入居条件は以下で合意しました。
・フリーレント1.5ヶ月・コンセント追加設置5個工事
・DIY OK(ただし事前相談・事後写真を送付)
・+猫3匹飼っても家賃据え置き。

出血サービスし過ぎて、思い出しても貧血になります(笑)。

 

群馬県の中でも田舎で駐車場無しの本物件。地元の大手仲介さんには当初から5万前後と言われており、それに反対して大幅高値家賃で募集を開始したFAP。その仲介さんに何度も値下げ電話をする時の悔しさと言ったら・・・。

決めてくれたのは隣の市のミ○ミ○さん。この会社さんだけは、本物件をSUUMOの「PR物件」に上げ続けてくれていました。(つまりずっと本物件に課金してくれていました)
後日、店長にその事をお礼に行ったら、「そうだっけ?」ってPR取下げ漏れの可能性が浮上しました笑

 

投資家仲間に本物件のリフォーム後の写真を見せても「こんなお洒落なリフォームをしたのになんで決まらないんですか?」と言われる始末(それは僕が一番知りたかった・・・!)。

ではなぜこうなってしまったのか?

今だから分かる、当時の反省点とそこから学んだ良かった点を順にご説明したいと思います。

 

1:募集段階時の反省
→オリジナリティを前面に押し出しすぎたマイソク

様々なチラシとポエムを研究し、FAP渾身の作品に仕上げました(1枚目のみ抜粋)。


しかし、
・仲介に説明する時に、情報がどこにあるのか伝わらない。
仲介さん「えーと、キーボックスの番号は・・? ああ!ここに書いてるんですね。」
(仲介さんは普通のフォーマットのマイソクに見慣れているので、初見の資料は分かり辛い)

・結局、内見者に渡されるのは、仲介さんが作った普段通りの資料。

※FAP力作のオリジナルマイソク

 

2:内見者からの反応①
→間取りが良くない。

下記写真を見て分かる通り、一番オシャレな部屋がいきなり玄関から丸見えになってしまう


構造になっています。その上、玄関からリビングやキッチンに行く通り道になっているので個室とは言いにくい場所に位置しています。

特に女性の内見者の方が、賃貸募集のサイトを見て「この部屋、良いな」と思ってきてれくたのに、「あれ?あの写真の部屋ここなんだ。」と肩を落とされていたと仲介さんから聞きました。
また、浴室とキッチンの間に脱衣所がないのも不評でした。

そこで、1階玄関入ってすぐの洋室には「天井につけられるカーテンレール」をつけて
対策としました。

その他、「階段が急すぎる」、「個室がもう一つ欲しい」(せっかく4Kなのに個室が2つしかないので3人家族や4人家族から「子供部屋がもう一つ欲しい」という声がありました。)

 

3:内見者からの反応②
→駐車場が目の前にないとヤダ。(仲介さん談)

本物件は駐車場がなかったので、徒歩50mほどの場所にある月極駐車場(月2000円)を押さえていましたが、大きな荷物の搬入・搬出や雨の日のことを考えると、特に駐車場があるのが普通な田舎ではやはり駐車場は家の目の前にないだけで大きなマイナス点になったようです。

やはり地方では駐車場が必須だと思い知らされました。

 

4:そこそこリフォームで高みを望み過ぎた。
→今の僕は、田舎で汲み取り+駐車場無しという条件だけで家賃の上限はある程度決まってしまうのではないかと考えています。表層リフォームをしっかりしてお洒落な部屋ができたとしても、キッチンや浴槽は既存を再利用、間取りの変更もしない「そこそこのリフォーム」では、高値家賃での賃貸客付はなかなか難しいということを学びました。

実はリフォーム編では詳細に記載しませんでしたが、本物件ではダウンライト・ライティングレールや55型のテレビの設置、デスクやベンチを自作していたりと、今考えると家賃に影響しない不要なリフォームやDIYも沢山しました。しかし、結果から振り返ると、それらは家賃への影響はなく、不要なリフォームを削ってもっとディスカウントした家賃で早期に客付をすべきだっと思います(待っていた7ヶ月の間、もし4万円で貸し出ししていたら・・・。リフォームをしていた時間を半分に削って1年前から貸していたら・・・。と計算し始めると、機会損失の大きさを痛感します。)

ここから、学んだ事が二つあります。

①反響がない場合は粘らずに値下げをすべし
②力を入れてお洒落にすべき物件は、ある程度立地がよく、元が良い物件
(賃貸客付の観点からマイナス点が有るけど高値家賃を狙う場合は、根本からリフォームをしないといけないが、大規模リフォームをするコストに見合う家賃が狙えるエリアか?を考える)

今から考えると無駄なことをしたからこそ、DIY力がUPしたり、プロの技を盗んだり、外注とDIYのMIXの良さを知ったりできました。

しかし、投資家たるもの、DIY力がUPしたと言って喜んでいるだけで終わってはいけませんよね。時間的にも金銭的にも良い投資だったか?という観点から振り返り、本物件は「時間と手間をかけ過ぎた」と反省しています。

 

結論:立地が良くない場合や物件に欠点がある場合は、そこそこリフォームしてサッと貸し出すのが吉。これがその後の僕の物件リフォームの方針として今でも生きています。

 

5:良かったこと:内見時に立ち会って自分で内見者さんにご説明を出来たこと
→たまたま仲介さん周りをしていた所、別の仲介さんから「FAPさん聞きたいことがあるんですけど、水道栓ってどこに〜。」という電話が。なかなか客付できていなかった中で貴重な内見が入っていると聞きつけたFAPは「近くにいるんで向かいますよ!」と勇んで現場へ向かいました。

内見者さんと対面・会話→意気投合→冒頭の出血大サービス→その場で合意

という形で客付が完了しました。
これ以降、内見に大家が同行することは、双方の合意を迅速に取り付ける事ができ、内見者さんにとっても大家にとっても、仲介さんにとっても三方良しの行為だと思い、出来る限り同席をさせて頂くようにしています(仲介さんの邪魔にならないようにと気は遣っております)。

●内見者のメリット
→物件に関する正確な情報が知れる。
→どこまで自分の要望が通せるか直接交渉できる。
→大家さんの人柄が見えて安心。

●仲介さんのメリット
→分からないことは電話をせずにその場ですぐ大家に聞ける。
→条件交渉がしやすい。

●大家のメリット
→内見者の人柄が直接分かる。
→柔軟な条件による交渉が出来る(内見者から本当のニーズを引き出せる。)

 

6:エコーズ の活用について
仲介さん周りでもウンともスンとも言わない時に・・・、当時エコーズという自分でマイソクを
上げられるサービスが始まりました。

エコーズ :(https://s-echoes.jp

当時、何とか反響を得ようと、写真や家賃を変えようとしてました。すると、各不動産会社の担当の方によって対応してくれたり、してくれなかったり。ある仲介さんの募集HPには内装写真を曇りの日に撮った為に暗くなっていたりと・・・。大家側としては不満もあったのですが、このサービスを使うと自分で写真や文言をポータルサイト(SUUMOやat home)に載せられます。
=好きな時に好きな文言を載せることが出来ます。

そこで途中からですがやってみた結果がこちら!⇩
※赤丸が家賃変更部分、入居申し込みは3月10日ごろ。

一覧PV・・・SUUMOなどの一覧画面に現れた回数
詳細PV・・・一覧から自分の物件がクリックされた回数

 

この図から分かる事
→家賃改定のタイミングで一覧PVには影響あり。(家賃2000円下げると新着表示になるから?)
→繁忙期は1月からと言われるのは本当。
→詳細PV(と思っている)が高いのは家賃を下げてから(ここがポイント!)
補足:家賃59,000~62.000 一覧PV 350前後、詳細PV100前後
家賃52,000~55.000 一覧PV 450~500前後、詳細PV150~200前後
つまり、本物件に限って言えば、5万円前後で家を探している人が相対的に多く、その層の興味を引いていた(2〜3人に1人が物件詳細をクリックしてくれている)。
反響が分かるのは励みになり、これ以降もこのサービスにお世話になっています。

 

最後に・・・・
本物件の収支は下記になります。
・物件価格・・・50万円
+取得費用他・・・約20万円
+リフォーム費・・・約117万円
=合計計 187万円
・賃貸 5.2万円
・実利回り 32.1% (※東京⇄群馬間の往復交通費は含んでおりません。)

 

これまで何物件か50万円前後で中古戸建てを購入してきた僕の体感として、たとえ50万円という安い値段で仕入れても、賃貸客付までになんだかんだトータル200万円程度の費用がかかるなぁというのが僕の経験です。

 

▼どうやって50万円で中古戸建てを購入したのか?購入経緯は#1物件購入編をご覧ください!
初のちゃんとDIY~客付体験#1物件購入編

 

これにDIYの労働(大晦日も働きました笑)を入れると利回りはいくらになるのかと・・・。

安い物件はリフォームが必要な難がある物件ばかりですが、200万円できれいな物件を仕入れてリフォームをせずに貸した方がいいのでは・・・?など考えて、この後、200万円で物件を購入したFAP。
200万円の物件もそれはそれで難ありだったりするのですが(笑)、この話はまたどこかで。

 

というわけで「初のちゃんとDIY~客付体験3シリーズ」、終了です!

 

次回は「実は大事、近隣挨拶について」。
最近は引っ越しをしても近所の挨拶に行かない人が増えたような気がしますが、みなさんは物件を購入した後ご近所への挨拶に行かれていますか?
ご近所の方に味方についてもらう事は非常に重要です。
次回の記事公開もぜひ楽しみにお待ちください♪

はじめてのDIYでの1番の学びは「壊すと後が大変になる」、ということでした。

前編:初のちゃんとDIY~客付体験#1物件購入編

 

この学びを生かし、以下を基本方針としました。
①出来る限り素材を生かす
→畳は表替え、磨けば綺麗になるキッチンは掃除のみ、残置物のソファをリメイク etc.
②費用対効果を考え、DIYと外注をMIX
→同じ壁紙でも壁はDIY、高い梯子が必要な階段・下地が難しい形の場合や天井は外注 etc.
③物件に泊まり込み
→往復の移動時間やホテルに泊まる費用の節約

 

●DIYのざっくり手順

 

⓪リフォームプランを考える。
→ 1番にDIY中の寝室を決め、寝泊りできる最低限の掃除も最初に!電気・水道の契約はDIYが始まる前に行っておくことも忘れずに。僕は物件に泊まるDIYでも、地元の銭湯や全国にあるジムのシャワーを利用していたため、ガスは最後に契約するようにしています。

 

①残置物処理
→ ゴミは産業廃棄物処理場、本は古本屋、エアコン・金属類は屑鉄買取へ。

 

②草抜き+防草シート張り
→ DIY期間が長くなればなるほど何度も草抜きをしなければならなくなるため、外構は先に防草シートを張るのがおすすめ。(ただし、人工芝は最後に張らないと、落ち葉がたまったり野良猫に糞をされるので要注意!)

 

③和室の洋室化+ひたすら塗装
→ 塗装時のマスキングに手間がかかるため、汚れても良い状態の初期に塗装しておくのが◎。

 

④電気屋さんへの配線の外注
→ 壁や天井に石膏ボードを貼る前に電気屋さんに配線工事をしてもらわないと、せっかく貼った石膏ボードを取り外して配線後に再度貼る手間がかかったり、石膏ボードに穴を開ける必要が出て、その後壁紙や塗装の前のパテの処理が大変になるので工事の段取りはリフォームプランを決めるタイミングで業者さんと連携を取る必要があります(この段取りが難しい・・)。

 

⑤ボード・コンパネ貼り+クロス・CF仕上げ
→ クロスやCFはやればやるだけ技術がUPするため、初めての場合はメイン以外の部屋や小さい面から貼る練習を!

 

⑥一部大工さんにボード貼り外注+クロス屋さんに天井・階段のクロス貼り外注
→ DIYerでも費用対効果を考えて、難易度が高い箇所や高い梯子が必要な箇所はプロに外注するのがおすすめ。この物件では、部屋の中に階段があり、天井高が高かったため、DIYで節約できる費用よりも外注をするメリット(労力、時間、手間、技術、高い梯子などの工具の購入費用・保管コストの削減)が大きいと判断し、高い場所は外注を行いました(トイレ交換込みで14万円程度)。

 

⑦風呂場の壁の塗装+防滑シート貼り
→  小さすぎる浴槽でしたが、「素材を生かす」の原則に基づき掃除のみ行いそのまま利用。

 

⑧汲み取りトイレを簡易水栓へ切替・ボード貼り、倉庫の穴埋め
→ DIY中や外注の大工さんたちもトイレを使いたいため、初期にリフォームをしてしまうと汚れがたまります(特に汲み取りの場合は匂いもつきます)。また、トイレリフォーム中はトイレが使えないので、汚れ作業がひと段落したタイミングで短期間で完了するタイミングに着手しています。

 

⑨寝室としていた和室の壁紙貼り+表替え
→ 「素材を生かし」、畳は表替えのみ。寝室に着手する頃には別の部屋でも寝れるくらいリフォームを進めるのがポイント!

 

⑩キッチンまわりの掃除+CF貼り
→ このタイミングでガスの契約を行い、お湯が出るかなどもチェック!

 

その他:建具の装飾(塗装、シート貼り、ノブの交換など)
※特に閑散期や田舎の物件では、募集後すぐに内見が入らないことも多い為、細部が完成していなくても募集を開始し、募集中に装飾や内見で指摘を受けた箇所の修繕を同時並行で行うのがおすすめです。

 

リフォームのコンセプトはナチュラル+北欧(初DIY物件なので、今見るとツッコミどころばかりですが思い出深いです)。

懸案事項は費用と手間の関係で洋室化しなかった和室(下記写真)をどうリフォームするか。

ただの和室がある部屋は敬遠されるかなと考え、この部屋だけは「旅館みたいなカッコいい和室」を目指し、ブラックを基調にした内装にしました。
青い壁紙:旧 FE6049→現行 FE74088
黒い蛇腹線の壁紙:RF6569(廃番)


襖の壁紙:旧 TMC5144→現行 TWP 9165

 

投資家仲間に内見してもらった時に一番好評だったのは、和室から洋室化まで完全DIYをした下記の部屋です。2階は日当たりも良いので、日光×白は強いと感じました。


こちらも部屋も元々は和室。

この部屋は壁紙ではなく塗装仕上げにしましたが、木材を白色で塗装をする際は、木材のアクが出てくるので、いきなり白を塗るのはNG。アクドメールを塗ってから白色を塗りましょう!
▼アクドメール
https://www.fujiwara-chemical.co.jp/product/20610/

 

この部屋は天井も白色を4回塗ってます。肩と首を間違いなく痛めますので、ご注意を(笑)

▼使用した白塗料:なぜかこの商品は激安でおすすめです!!
https://x.gd/XNC0U

一番苦戦したのは、売主様の手によって、爽やかなターコライズに塗装されたこちらの部屋。

 

塗装仕上げが大変だったのでクロス仕上げにしたほうが時短になるかと思っていたのですが、まさかの障害発覚。
元の壁についていたパネルのジョイント部分が盛り上がっており、壁が隆起していたのです・・・。
ジョイント撤去が難しく、やむをえず、ボードを上貼りしました。
ジョイント部分以外に石膏ボードを貼り、ジョイント部分をパテで埋めていったのですが、広範囲だったこともありパテを大量に使う羽目になり時間がかかりました。

 

同じように天井もボードを貼ったのですが、石膏ボードは重たいので、1人での作業は非常に難しいです。今の僕であれば、タッカーなどで仮止めしてやりますが、当時はインパクトで地道にビスを打つ方法しか知らず、ボード一枚貼るにも夫婦2人で大揉め・・・。
(石膏ボードを両手で抑えている妻)「早くビス打ってよ!」
(片手でビスとインパクトを持っている僕)「あれ形が合わないな・・・?」

DIYの1番のデメリットは、疲れてくる夕方に些細な事で苛立つようになること(笑)

アクセントクロス:RE 51354
CF:HM-10081
壁クロス:RE51020
ウォールライト :https://x.gd/BcOpf

築古物件は思わぬ構造の建物が多いですよね。この物件もリビングになるはずの部屋に、なぜか2段ベッドが部屋に組み込まれていました(笑)
撤去して収納にすることも考えましたが手間と時間を考えた上、子連れやペット連れの方が入居した場合は用途があるかも、と思い、思い切って残すことにしました。
こちらも白コーデで統一!奥は青色のアクセントカラーで塗装。


白い壁紙:LW 4546
CF:LH-81088

 

トイレは築古物件の味を残した塗装仕上げにしました。
目を引くアクセント部分はミルクペイントのピスタチオグリーンです。
このターナー色彩のミルクペイントシリーズは、マットで上品な仕上がりになるのでどの色もかわいく仕上がりますね^^(ただし、他の塗料より割高なのでアクセントにのみ利用しています。)


汲取から簡易水洗に変更する際の注意点はトイレの値段です。簡易水洗用のトイレを購入しなければなりませんが、普通のトイレの2.5倍(約6万)くらいするのでご注意を。

 

もとのお風呂はこんな感じ。浴槽が小さかったので交換したかったのですが、浴室自体大きくないことや費用対効果と時間を考え、既存のまま利用することにしました。

 

バス用の塗装で白に塗り、シャワー水栓と追い焚き仕様に変更しました(ガス会社の貸与品)。

簀子の下に排水口がむき出しとなっていた床は、防滑シートを貼ってリフォーム。重量があるので施工が大変ですが、仕上がりは非常に綺麗になります。
▼サンゲツ ノンスキッド 防滑性ビニル床シート (PX-822-S)

 

いかがでしたでしょうか?次回は本物件の客付編になります。
FAPははじめてDIY物件を完成させ、自身満々で募集を開始したのですが、まさかの落とし穴が・・・。 乞うご期待下さい!

現在10軒の物件の大家さんをしている僕ですが、初めて本格的なDIYを行い、賃貸客付けまでを経験した物件について、数回に分けてご紹介します。今回は物件購入編です!

 

▼僕(FAP)とはどんな人物か?は,以下のコラムをご覧下さい!

自己紹介(FAPさん) – 空家ベース (sora-ie.jp)

 

この物件は、僕が購入した3軒目の群馬県にあるボロ戸建て。

→はじめてDIYでリフォームを完成させた3軒目の物件の1室。

当時、愛媛にある物件で初めての大家さんになっていた僕ですが、遠隔で最低限のリフォームを委託して安価な賃料で賃貸客付けを行った経験しかありませんでした。そこで、群馬県桐生市にある2軒目の物件では本格的にリフォームし,バリューアップをしたい!と思っていました。しかし、物件購入費用や1軒目の修繕費用で手持ち資金が少なくなっていたため、DIYに初めて挑戦。右も左も分からない状況の中、床を剥がし,押入れを壊し、天井を壊し、最後にはお風呂まで壊し…たところで、「壊すのは簡単(素人でもできる)。けれど直すのは手間も時間もかかる(自分でできなければ莫大なお金もかかる)」という当たり前のことに気付いたんです(DIY初挑戦する皆様は、僕のように「なんか見た目汚いよね→壊す→どうやって直すの??」の魔のループにはまらないようにお気を付け下さい…)。

 

→今はなき、2軒目物件のお風呂(はつり機を購入してタイルごと崩してスケルトン状態にw

 

平日はサラリーマン、休日は早朝から片道3時間かけて物件に通う日々。作業に躓く度にYoutubeで修繕方法検索し、1工程進む度に資材調達のためにホームセンターを3往復する…なんてことも。お金を増やすために始めた不動産投資で、DIYの魔のループにはまったったままでは物件の購入から賃貸客付けまでの機会損失も長く大きくなってしまいます。また、「お金がないから」という安直な理由で始めたDIYも、何でも自分でやろうとすると工具代や資材代だけでも高額な費用になっていき、資金も目減りしていきました(現場が工具倉庫に化します)。

→途中までリフォームしつつも倉庫と化した物件(中央右側にコンクリートを混ぜる「まぜたろう」,中央左に浴室のドアになるはずのものが転がっています。次画面に入っていませんが浴槽も購入済みのままお風呂をつくり直すことができずにDIYを断念…)。

 

 

こんな生活を数ヶ月続けると、当たり前ですが疲弊してきます。

このままでは駄目だ!と思い立ち、気分転換に群馬県内の近隣の他の物件を見にいくことにしました。

 

▼内見時のおすすめ必須アイテムについてご紹介しているコラムも是非ご覧下さい!

内見時の持参物 – 空家ベース (sora-ie.jp)

 

3軒目に購入した物件は、内見予約をした物件を内見をした後に、はじめて紹介をしていただいた未公開物件です。

未公開物件を買う秘訣は、仲介さんと円滑なコミュニケーションを取ることです。仲介さんにとって、物件を仲介するということは、「仲介責任」を負うということです。購入後にクレームをつけてくるような人に売ってしまうと、仲介手数料以上に損をします。そのため、僕は「投資家がボロ戸建てを見ている時、仲介はボロ戸建て投資家を見ている」ことを常に意識して、内見中は、物件の確認よりも仲介さんとのコミュニケーションに重きを置いています。

 

 

気をつけているのは、

・物件の修繕が必要な箇所を必要以上に騒ぎ立てない。

→「これって雨漏りですよね!これは減額要因ですよね。」とか、「このクラックは〜、」など言いすぎると、面倒くさい=売りたく無い投資家になってしまいます。

 

・実績や知識を相手に伝える。(相手の時間を取りすぎない、嫌味や自慢にならないように)

→「この穴は〇〇で直せますもんね。」、「築〇〇年の物件は以前修繕して客付したことがありまして〜」、「僕の自慢は,一度も不動産業者さんにクレームを入れたことがないことです。」 など,相手に安心感を与えるコミュニケーションをとることが重要だと考えています。ちなみに、僕は今まで精神的な瑕疵(近隣トラブル)、プロパン引継ぎ契約の記載漏れ、アスベストが契約当日に発覚するなど様々な「これは聞いていない!」という経験をしましたが、実際に一度も文句を言ったことがありません。

 

・良い所や普通の状態を褒めまくる

→「お風呂がユニットバス なんて凄い!」,「窓の開け閉めがスムーズ。」,「景色に抜け感がある。」など,物件の良い箇所は必ずお伝えします。ボロボロすぎて褒める箇所が見つからない時にも、「この床、水平で良いですね!」など,通常の状態を褒めます(笑)。

すると、仲介さんは、「この人の通常の基準が低い。」→「今まで色んな物件を再生してきた経験があるだろう。」→「この人ならボロボロ物件でも売っても安心だ。」という推測をしてくれると考えています。

 

全国の物件を保有しているのでドミナント戦略からはほど遠いのですが、群馬ではプチドミナント体験ができました。というのも、2軒目にDIYをしに何度も通ってたおかげで地域に詳しくなり、3軒目を購入した内見中に仲介さんと大いに話が盛り上がったんです。

オススメのグルメ(どこのラーメン屋が美味しいか?)からはじまり、ホームセンターの話、地域の知られざる歴史など、気付くと1時間以上物件で話していました。とても楽しかったです。

盛り上がった内見の終わり頃、「FAPさん、丁度最近預かった物件が近くにあるんですが見に行きますか?」と言っていただきました。

その物件写真がこちらです。

1,2軒目のボロ戸建てで目が肥えた(?)僕からすると、「もはや新築じゃない?」というレベル。しかも最寄駅(1時間に1〜2本)から徒歩7分。好立地!

ただし、田舎なのに駐車場がなく,トイレが汲み取りであることがネックでした。都会では気にもなりませんが、田舎で駐車場がないのは、ケチャップのかかっていないオムライスみたいなものです。デミグラスソースがいいとかそういう次元では無く、致命的です。その上,田舎でも下水道,少なくとも浄化槽が一般的になっている昨今、汲み取りトイレ付きとなると客付けには苦戦しそうだな…というのが僕のファーストインプレッション。

売主様は相続で引き継いだものの、現住所が首都圏のため、なかなか来れないと教えていただきました。

→一見洋式トイレに見えますが、汲み取りトイレに便座が付いているだけのものでした(水を流すタンクがないですね)。

 

上記情報を,僕の頭で変換するとこうなります。

 

売主:物件いらない。遠くて管理できないし税金もかかる。価値があると思っていない。

仲介:ネットにあげるの面倒くさい。駐車場なしのボットンでは低額の売買になりそう。

FAP:修繕に手間がかかりすぎない綺麗な物件が欲しい。

 

安く買える条件が揃いました。つまり仲介さんは「低額な不動産になる程、問合せが増える→質問だけで現地にこない・冷やかしも多い→知り合いや信頼出来る人にサッと売りたい」という図式が頭にあるわけです。

だからこそ、最初の内見でどれだけ仲介さんとの距離感を詰められるか?、信頼して頂けるか?が重要になります。

 

そこからその場で魂の40万円の買付を発射! → 50万で購入することができました。

 

「買える投資家」とはどんな人でしょうか?

とある仲介さんは「すぐ現地に見にきて、すぐ買付を出す人。」とおっしゃっていました。

つまり、行動力と決断力がある人が物件を購入してくれる人とみなされる→仲介さんもこちらに協力してくれて、売主さんに対して低額で金額が纏まるように動いてくれるわけです。

ネットやSNSで良くある「〇〇万で物件を購入できました!」という驚くような低価格の報告の裏には,本記事でご紹介したような経緯が一例としてあります。

 

今回は、物件を安く買いたい!自己資金が心許ない…皆様に、仲介さんとのコミニュケーション=自分を相手にどう見せるか?が一番重要であることをお伝えしました。

次回は、#2リフォーム編です。

→こんな洋室化リフォームをしましたので,次回もお楽しみに^^

様々な家を内見し、後悔してきました。そんな中で「なんでこんな家に手を出してしまったんだ・・・。」という家をランキング形式で発表!!!

 

▼僕(FAP)とはどんな投資家か?については以下のコラムをご覧下さい♪

自己紹介(FAPさん) – 空家ベース (sora-ie.jp)

3位:基礎がない家

→築116年のこの家は、申し訳程度にブロック塀があるだけで、外壁はトタンで覆われているだけでした。しかも床下が地面より深く掘られている(川が近く陥没している?)からか、雨が降ると水が流入してくる池スタイル。そのため異様に湿気があがってるし、傾きも凄くて目眩がした家です。その後、水が入ってこないように、コンクリで防水壁を作成しましたが、あまりにも大変でした…泣

→新設した防水壁。トタンも塗装をしてかっこよく仕上げました。

 「基礎は確認しよう!」

 

 

2位:キウイの家

→売主のお母さん?が埋めたキウイの木。100平米以上ある庭なのに、家の周囲にキウイが群生してました。調べてみると、キウイの生命力は強く、あるHPでは「庭に気軽に埋めてはいけない植物No1」という聞いたことないランキングでトップを取ってましたww

この物件は20万円で庭部分の抜根・整地を行いましたが、家の周りのキウイは排水管や地中に深く潜っており、抜根不可能とのこと。

→抜根後、外観がみちがえましたw

整地を依頼した業者によると「この家のキウイの木を引き抜くと、家ごと傾く」という一心同体状態とのことでした。

「一度手を出したらやめられないキウイの木。恐るべし」

1位:恨みの家

→土地が720平米あり、田舎ながら商業施設に近くて便利な立地あった家。ノールックで購入した後,初めて現地に赴くと、なにやらご挨拶に伺った隣人のおばあさんからただならぬ空気が…。

「あなたの家の屋根が越境している。しかも、もともと住んでいたおじいさんが境界線を越えて石や神棚を置いて困っている。撤去して欲しい。」話しているうちに更にヒートアップ。

→確かに境界周辺に百キロほどある石がゴロゴロ。不自然な場所に神棚も。

 

後日わかったことですが、この隣人は僕が購入した家のおじいさんが住み始めた後に引っ越してきて、相当嫌がらせを受けてたそうです。

「知らんて、そんなん…。」と思いながら残地物を片付けていると、A4のキャンパスノートが…。気になって開いてみると、

「あのくそボケが…。殺すぞ。許せん」というような内容が丸々1冊分書き殴られて衝撃を受けました。更に、別の近隣の方に聞くところによると、この売主のおじいさんは洪水の日に川を見に行って流されるという悲劇に遭って亡くなったとのことで、全体的に負のオーラが凄すぎる。

越境している数百キロの石をを割っている最中も、隣人が無言で上から見張っている気味が悪いミステリーあふれる家でした。

→百キロ以上ある石を持ち上げて動かすことができなかったため、DIYできれいに割りました(サムネイルの工具は石割りに使う工具です^^)

ちなみのこの後この物件で警察沙汰が発生しますが、その紹介はまたの機会に…。

「隣人トラブルはお金では解決しない!」

 

不動産内見。それは一期一会の出会いであり、まさしく小学生のクラス替え登校初日のような緊張感と高揚感があるイベント。
業者様にとっても「どんな奴が来るのか?ククク・・・。楽しみだ」状態だと思います。
そんなワクワクイベントを卒なくこなすためのマストアイテムを紹介します!

①メジャー(5m以上)
→必須中の必須。基本の接道の実測、駐車場に入る車の台数の確認や部屋の間取りの計測などを行ってリフォーム費用を計算するために必要です。建築基準法でいう「道路」とは道幅が4m以上のものであるとされています。
敷地が幅4m以上の道路に最低限2m以上接していなければ建物を建築できないため、最低4m図ることができるメジャーが必要となります。百円ショップで3mのメジャーが販売されていますが、買わないように気をつけましょう。

→ホームセンターで250円出購入した5.5mのメジャー(4m未満のメジャーは絶対に買わないこと!)

②ライト
→スマートフォンでも代用できますが、屋根裏を見る時にはもう少し光量が欲しいところ。小さくても明るいLEDライトを持参しよう。両手が空くヘッドライトを使用している人もいます。

③水平計
→傾きをチェック!(僕が見に行く物件は大体傾いていることが体感でわかるので必要ないことも・・トホホ)
水平計は長ければ長いほど正確に傾きを測ることができますが、持ち運びに邪魔になるので、段々小さいものを持参するようになります(笑)。
その場で傾き調整工事を行うわけではないので、スマートフォン大きさの水平計で十分です。

→長ければ長いほど正確に測れますが、その場で精密な調整作業を行うわけではないので、身軽な内見をするために10cmの小さな水平形を持ち運んでいます。

④作業手袋
→百円ショップ購入品で可。シンプルに手が汚れるからです。浄化槽の蓋を開けたり水道栓の場所を探し当てるまでに、築古物件では雑草をかき分け、土を掘り起こすこともあります。
黄色いボツボツが付いている布の軍手ではなく、力が入るフィット型の手袋にしましょう。迷う人は、ワークマンの作業用手袋が安くて品質も良いのでオススメです。

→手袋は消耗品なんでね。ええ、この汚さですよw

⑤除菌シート
→百円ショップと提携していないコンビニでは、小さい除菌シートやアルコール度数と値段が高いシートしか販売していません。百円ショップで25枚入りの大判ウエットシート(アルコール30%)を購入することオススメします(ダイソーと提携しているセブンイレブンで入手することが多いです)。手袋をしていない業者さんがドアや窓を開けてくれた場合は、内見終了時に除菌シートをお渡しして一緒に手を拭きながらお話すると好印象です。

⑥買付証明書と印鑑とバインダーとペン
→買付証明書はどのようなものでも構いません。「買付証明書 フォーマット 」でググればサンプルが出てくるので、それでOKです。
内見時,その場で買付を入れることで、不動産業者様に誠意と決断力をアピールすることが出来るので、必ず持ち歩いています。
自分の住所や物件名は事前に記載できますので、内見前に記載できる箇所は埋めておくとスマートです。

→なんかお洒落じゃないですか?このバインダー?

⑦スリッパ
→業者様のスリッパを使わない気遣いです。用意していただいたスリッパが足のサイズに合わないこともあるので、自分の物を持っていった方が良いでしょう。持参する場合、築古物件では何が落ちているか分からないので、少し厚めのスリッパがおすすめです。

→夏になると蒸れます・・・。

⑧マイナスドライバー
→内見にマイナスドライバー?と思われるかも知れません。しかし、畳を上げる、水道栓の蓋を開けるなど、実は地味に役立ちます。これが無いと、手が汚れたり、畳が重くて上げられなかったりします。騙されたと思って一度持って行ってみてください!

→我が相棒です。ホームセンターで数百円でしたが、使用頻度はトップクラスです。

⑨虫除けグッズ
→季節によりますが、僕が購入するボロ戸建ては、草で覆われており藪蚊も出ることが多いので、夏場はかならず内見前に虫除けスプレーを振りかけてから挑みます。
ポケットに入る小さいキャンプ用のスプレーや虫刺され薬を持っていくと◎

⑩長ズボンと長袖(あれば)と帽子
→虫除けにもなりますし、屋根裏を見る時などに膝立ちや肘を使う時に半袖半ズボンだと汚れたり怪我をする危険があるためです。また,築古戸建てあるあるですが、部屋の入口が低かったり(160cm)や予想もしない場所に柱があったりします。頭を守る上で帽子もマストアイテムです。

以上を持参すれば、クラス替えにも似たワクワクイベントを卒なくこなすことができます!
さいごに,内見時は不動産業者様とお話をしながら沢山写真を撮影しておきましょう。
(沢山内見をされる方は、google フォト等を利用し,早めに整理しないと、どこの物件か分からなくなるので注意です(笑)。)

皆さん初めまして! 不動産投資家のFAPと申します。

不動産投資と一口で言ってもマンション投資、戸建て投資、レバレッジを効かせた新築戸建て投資・・・と千差万別。僕はその中でも「ボロ戸建て投資家」です。

ボロ戸建て投資は、ボロを買えば買うほどボロしか買えなくなる沼にハマります。投資をしているのに金銭感覚がだんだんとケチくさくなり、ボットン、雨漏り、傾き、シロアリに隣人問題・・などなど、不動産の教科書には「絶対に買ってはいけない」とか「こんな建物は要注意」と書かれるような物件に見慣れすぎて、どんなにボロい家でも「綺麗!(残地物が少ない)」とか「駐車場がある!(田舎で一台)」とか通常の感覚では感動しないポイントを褒めまくる技術が身につきます。笑

そんな奥が深い沼まで皆様をご案内するシリーズ「ボロ戸建て投資のイロハ」の記念すべき第1話。

まずは僕がどんな人間で、どんな投資をしてきたのか、ざっくりご紹介します。

 

プロフィール

32歳、うどん県出身・千葉の最果ての地・我孫子市在住、
メーカー勤務(在宅勤務メインの経理業務)、悲しみの年収500万代

【家族】

弾丸トークの妻、白い柴犬(生後8ヶ月・僕のスーツがある部屋でウンチします)
擁壁から水漏れしている疑惑の持家有り

【投資歴】

28歳手持ち資金300万(現金50万、株250万)で不動産投資開始。庭にお塚さんというミニ神社があり、私道の通行権・持ち分が無い愛媛県新居浜市の40万円戸建てから始まり、群馬県桐生市(田舎)なのに車両通行不可区域にある5万円戸建てなど、200万以下のボロ物件を中心に買いまくり、2023年現在の所有物件は10戸建て(愛媛1、香川4、神奈川1、山口1、群馬3)と1更地(群馬)。

中にはノーベル賞をとった湯川秀樹と同級生の築116年の戸建てもあります。リフォーム中の物件も多く、現在家賃収入は約30万で伸び代の塊のような投資家ですが笑、ボロには苦難がつきもの。ボロならではのサバイバルを乗り越えてきた多彩な経験をもとに少しでもみなさんにボロ戸建て投資の魅力を伝えていきます!