コラム

不動産の「物上げ」の解説記事には、「個人でも可能」と説明されている。しかし、不動産会社ではない一般人が実際に物上げを成功させるのは難しいと思っている方も多いのではないだろうか?

▼不動産の「物上げ」の意味や方法を詳しく知りたい方はまずこちらから
不動産の物上げとは?成功させるための方法と注意点を紹介|空家ベース (sora-ie.jp)

 

実は、僕FAPは個人で「物上げ」を2回成功させたことがある。しかも、解説記事で紹介されている、登記簿謄本を取り寄せて所有者に連絡を取り…という一般的な物上げの手法とは異なる方法での物上げだ。
本コラムでは実際に「物上げ」(※)をどのように成功させたのか?僕の経験談をご紹介したい。
(※)僕は不動産業者ではないため、本コラムにおける「物上げ」の意味は、売却はせず賃貸物件とする目的で、不動産会社を通さず個人間のやり取りのみで物件を購入できたことを指す。

 

1. 成功体験の共通点・相違点
2回とも全く異なる経緯で物上げを成功させたのだが、下記のような共通点もある。
① いずれも、既に所有していたボロ戸建ての隣地に立っているボロ戸建てだった
② 隣家を購入できると、すでに所有していたボロ戸建ての価値が上がる物件だった
③ 購入の話がまとまった後、売買契約締結まで含めてすべて個人間で手続きを完結させた

一方で、2回の成功例には以下の明確な違いがある。
① 一軒は、元の所有者と仲良くなり物上げに至ったが、もう一軒は契約手続きまで一度も会ったことがない方だった
② 一軒は、家としての価値が高く賃貸客付けするために購入した一方、もう一軒はボロボロの物件を購入して隣家の駐車場にするために解体前提で購入した

 

2. 初めての物上げ体験

初めての物上げは群馬県の所有物件(灰色の「所有物件」)の隣家(黄色の「物上げ物件」)だった。

もともと所有していた物件は上図赤字の「私道」部分の持分がなく再建築不可の物件で、私道の持分権は物上げ物件にお住まいのおばあちゃんと、奥の空き地の所有企業が1/2ずつ保有していた。
所有物件及び所有地をセットで購入し、通行掘削の許可をしてもらうためにご挨拶に伺った際、一人暮らしのおばあちゃんと初対面。通行許可は口頭の許可をもらえたが、「ハンコを押すのは怖い」ということで、許可書まで得ることはできなかった。
本所有物件はDIYに非常に苦戦し、1年近く毎週末通っていたので、このおばあちゃんとも自然と立ち話をする仲になった。

 

【所有物件(左)と物上げ物件(右)。中央に通るのが持分権のなかった私道】

このおばあちゃんは、隣の家がいくらで売られたのか、リフォームはどのようにするのか、とても気にしている様子だった。実際に「いくらで買ったの?」と聞かれたときは、「まぁ,そこそこのお値段で…。」とお茶を濁しながら、今後行うDIYの内容を報告したりしていた。
そうこうして約1年がたった頃。おばあちゃんが高齢者施設に転居することを決めたと報告してくれたのだ。
「ご自宅はどうされる予定なのですか?」と聞くと、売ることを考えているという。この時すでに喉から手が出るほど「買いたい!!」と思っていたが、ポーカーフェイスで、「売るなら不動産会社各社に査定してもらうといいですよ。」とアドバイスをして差し上げた。
この時、おばあちゃんは「あなたならいくらで買う?」と聞いてくれたのだが、敢えてこのタイミングでは口が裂けてでも本音は言わない。
「中を拝見しないと判断はできませんねぇ。築年数もたっていると思うので、かなりリフォーム費用はかかるでしょうし…。」と、ここでもお茶を濁す。
まずは不動産会社に相談してみることを強くお勧めした。

 

なぜ、僕がこのタイミングで「ぜひ買わせてください!!」と言わなかったのか?
理由は4つある。
① 本物件の外観上の価値や僕の財政状況から、高い金額は提示できない。
② いきなり安い値段を提示しても、おばあちゃん自身が物件の価値を理解していなければ安価な値段で自分の家を売ってもらえる可能性は低い。
③ 隣家である所有物件の状態からしても、物上げ物件の状態が良いとは考えにくかったため、不動産業者も高い金額を提示しないのではないかと踏んだ。
④ 最初に金額を提示すると、他会社に引き合いに出され「アンカー効果」が働いてしまう。

 

次に会ったとき、おばあちゃんは各社不動産業者に査定をしてもらったと報告してくれた。
その上で、最後に僕に「中見てみる?」と内見のチャンスをくれた。
僕は各社の不動産業者がいくらで査定したのかその金額は把握していなかったが、中を拝見した上で(予想通り傾きがあり、和式便所、残置物あり)、「僕なら150万円で購入します。」と精一杯の金額をお伝えした。
すると、各社不動産業者が提示した金額と同程度だったこと、おばあちゃんの考えていた最低ラインには乗れていたことから、最終的に「知っている人に自分の家を預けたい。」ということで僕に売ることを決めてくれたのだ。
しかし、その後、老人ホームに移住したおばあちゃんは、お仲間と持ち家の売却の話になり、「自分の家の価格が他の人の価格より安い」と思ったらしく、「もう少し値段何とかならない?」との相談が舞い込むことに。
「売買合意後、契約締結は可及的速やかに行うべき」との教訓を得ることになった。
そこで妥協案として、おばあちゃんが長嶋茂雄の大ファンだったことを引き合いに出し、長嶋の背番号の3万円を上乗せして153万円で再度合意が取れた。
今度は翻意されないうちに急いで契約締結日を約束し、司法書士を手配して個人間で売買契約を締結した。こうして僕にとって初めての物上げが成功した。
普段よりも少し割高での購入となったが、以下のようなメリットだらけの物上げはとても嬉しい結果となった。

 もともと持っていた所有物件を再建築不可から再建築可の物件として価値が上がった
 これまでは物件所在地が点在していたため掛け持ちDIYの効率が低かったが、隣地を一気にDIYして修繕を効率化させることができた
 賃貸中の2物件の一括自主管理は非常に楽

現在、実際にお隣同士,両物件とも賃貸に出しているため、2軒続きで物件を所有するメリットを大いに享受している。

 

3. 2回目の物上げ
こうして味を占めた僕は、同じ群馬県の別の所有物件隣の家を再び物上げすることになる。
今回もDIYが長引いていた所有物件の隣の家。しかしこちらは倒壊寸前の空き家だ。
もともと所有していた物件には駐車場がなかったため、隣の空き家が安く手に入ったら…とは思っていた。
しかし、近隣の住民に持ち主を聞いても、最後に人が住んでいたのはかなり昔で管理に所有者が来ることもない。関東に息子さんが住んでいるらしい。ということしかわからなかった。

物上げ物件は管理が全くされていない結果、下図の⚠マークの部分のトタンの塀が倒壊しかけており、近隣住民が神社所有の私道を車で通り抜けるのがやっとな状態。
軽自動車の僕ですら,いつも車をこすらないかひやひやしながら通っていた。

物件購入後1年半ほど経過したころ、週末に所有物件に行くと、この塀が先日倒れてきて近隣住民は皆車が通れずに困り果て、みんなで力を合わせて元に戻したと聞いた。
この時、住民の方々が市役所にも苦情を入れた、と言っているのを聞いて、ピン!と来た。
隣の家である僕も困っていることを市役所に伝える際に、「この周辺住民みんなが困っている問題を僕が物件購入して解決します」とお伝えすれば所有者までつないでくれるのではないかと。個人情報保護が重視され、役所で個人情報を教えてもらえなくなったこのご時世だが、役所もこの周辺住民からは長期間にわたり何度も苦情が来ていたと見え、隣家の僕が物件購入・解体を前提に所有者につないでほしいとお願いすると、果たして物上げ物件の所有者(実際は意思疎通できるその息子さん)につないでもらうことが出来た。

管理できていない物件の状況からして、所有者も困っていたのではないかと想定していたが、予想通り、所有者は相続したが一度も物上げ物件に住んだことはなく(千葉在住)、固定資産税を払うだけの状況だと言う。何度も市役所から解体を勧められるなどしていたため、処分したいと思っていたとのことだった。

【何度か倒壊したトタンの塀】

そんなこんなでとんとん拍子に話は進み、解体費用を持つ代わりにということで1万円で物上げを成功させることができた。
この時は関東に所有者が住んでいたため、契約日を決め司法書士事務所に集合して契約締結・登記移転等を行った(なお、鍵は紛失したとのことだった)。
その後、僕はこの1万円の物上げ物件を約70万程で解体し、無事に所有物件に広い駐車場を作るとともに、近隣住民のヒーローと認識してもらうようになった(笑)。

【解体し、隣家の駐車場を作ることが出来た】

未だに所有物件に足を運ぶと「介護車が通れるようになってとても助かっているよ!ありがとう。」と近隣住民の皆さんからお礼を言ってもらえる。
2回目の物上げは僕にとっても近隣住民にとっても、元の所有者にとってもハッピーな、まさに三法良しの経験になった。

 

4. 仲介不動産業者を通さずに個人間で物件の売買契約を締結する際の流れ
普段売買契約締結は仲介不動産会社を通じて行うため、個人売買をする際には様々な準備が必要だ。僕は以下のような流れで個人間での売買契約を締結した。

① 元の所有者に内見の依頼
② 購入価格を伝える
③ 相手方が売却の意思決定をした場合、契約書類を準備
④ 契約書類を司法書士に確認してもらった後、契約締結日を決める
⑤ 相手方に契約書の内容・契約締結日を打診
⑥ 上記に合意を得られたら、移転登記に必要な書類(謄本、身分証明など)や不動産売却に必要な情報・書類を準備してもらうように、売主に具体的に指示
⑦ 集合場所・日時を決めて司法書士に同席してもらい、契約書を交わし、代金を支払う代わりに鍵を受け取る。司法書士がその後移転登記手続を完了させる

 

5. 個人間取引における注意点
通常の物件購入の際は、既に情報公開されている購入物件の確認や歓迎とされている内見等を経て、買付証明書を仲介不動産業者に提出し、仲介を通じて物件の売買契約の内容を合意し、仲介が作成済みの契約書を確認・修正した上で、契約締結となる。その際は、重要事項説明を受け、登記移転に必要な書類の準備や事前に確認すべき点の整理等もしてもらえる至れり尽くせりの状態で物件の購入を済ませることが可能だ。
しかし、個人間で契約締結を行う物上げの場合、これらの情報整理、合意プロセスや契約書の作成・締結、重要事項の確認から司法書士への登記移転の依頼等を含めてすべて自己責任となる。売主が一般の方、買主は僕のような投資家となる場合には、買主である投資家自身が契約書を作成したり、売主に必要な書類を準備してもらうように手伝ってあげたり、重要な事項を確認するために内見をさせてもらったり書類を取り寄せてもらったり、売主に交渉をして合意を得て動いてもらう必要があるので、とても大変だ。
僕のケースでも、特に売主が高齢の方だったため、行政から取り寄せる書類の確認や契約締結の日までに準備してもらうことをもれなくやってもらえるように、電話での確認やLINEでのやり取りなど一定の時間がかかった。そのため、物上げができそうな状況になったら、普段仲介不動産業者にやってもらっている契約締結の流れを思い出しながら、抜け漏れがないかを確認し、こまめに売主に準備の依頼や必要があれば支援を行う必要があることは心にとどめておいてもらいたい。

 

6. いつか来るそのチャンスのために
本コラムでご紹介した僕の体験談以外にも、登記簿謄本の取り寄せから所有者と連絡を取るケースや手紙を書いてポストに投函しておく、知人を介して紹介をしてもらう等様々な物上げの方法がある。
実は僕も登記簿謄本の取り寄せを行って手紙を送ったり、司法書士に調査・連絡を依頼したりとさまざまな方法で物上げをしようと試みたが、返事が返ってきたことは一度もなかった。
僕の少ない経験の中で言えることは、お金をかけずに物上げを成功させるにはやはりその土地・建物に何らかの関わりがあることが一番重要ではないかということだ。

皆さんも投資先のボロ戸建ての隣地・隣家やご自宅の隣地・隣家については、もしかしたらいつかチャンスが来るかもしれない。本コラムを読んで、準備を万端にその時を待ち、チャンスが巡ってきたときには即座に行動に出れるようにしてもらえたら嬉しい。

 

僕FAPが手掛けた10軒の賃貸物件は、地方物件が多いこともあり、実利回り30%が平均値となっている。その中で唯一の首都圏?(神奈川県相模原市)で実利回り37%の好成績を残すことが出来た物件がある。

 

本記事では、このFAP史上最優秀物件の購入からDIY、賃貸客付けまでの概要をご紹介したい。

 

本物件は、立地と実利回りの高さの他にも以下のような特徴がある。

 

1.100万円で神奈川県の物件を購入できた理由

高利回りを得るには当然ながら、次の2点ともに重要だ。

ボロ戸建てではこのバランスをとるのが非常に難しい。地方物件になれば特に高値家賃で設定しても客付けに苦戦することも多く、次のような葛藤を抱いているボロ戸建て投資家は多いと思う。

今回ご紹介する物件は、購入費用及び修繕費トータルで約290万程度。特に立地のわりに物件購入費用や修繕費用を抑えることができたところが神奈川県で37%の利回りを叩き出せた大きな要因になっている。

修繕はDIYを織り交ぜたことに加え、ネットに出回っている物件ではなく、不動産会社回りをしている中で、未公開物件を紹介してもらったことがコストを抑えることができた一番の要因だ。

もちろん、僕は不動産業者さんとのコネがあるわけではないので、すぐに物件紹介をしてもらえたわけではない。紹介してくれた不動産業者さんが、たまたま僕と同じ大学を卒業した大先輩だったことで話が弾み、当時その方が困っていた別物件の除草作業を任せてもらったのだ。DIYの実績や人柄等を信頼してもらったことが物件紹介をしてもらえた理由だと考えている。

ネットで物件を探す人が増えたからこそ、足で稼ぐ不動産活動で得られる出会いや掘り出し物はまだまだ多いと感じた物件だった。

 

2.4か月で終えたDIY

フルDIYをして数字上は実利回りが高く見える物件でも、ノーリフォームや簡易リフォームで貸し出せていた場合の逸失家賃分を考慮すると、実は利回りが高くないということもある。

僕もボロ戸建て投資を始めた当初はDIYに2年近くの月日をかけてしまった物件がある。現在フルリフォームを行い、7.2万円で貸し出しをしているが、2年前にノーリフォームで相場最低家賃4万円で貸し出せていた可能性のある物件だった。DIYが長引けば長引くほど固定資産税や火災保険費などを収入のない状態から払わなければならないうえ、リフォーム費もかさんでしまう傾向があったため、それ以降はDIYを早く終わらせることを意識してきた。

【お風呂は清潔感あるデザインだったのでクリーニングとガス工事のみ】

 

DIYの期間は物件の状態にも依存する。つまり、必須修繕箇所が少ない物件は表層リフォームだけで済むので、DIYに時間がかからない。ボロ戸建て投資を始めたての頃は如何に物件を激安で買うかに心血を注いでいた。実際に1万円や5万円で購入した物件もある。しかし、長期DIY物件を複数経験したからこそ、ぼろぼろすぎる物件を0円に近い金額で買うよりもDIYに時間がかからなそうな物件をお安く買う方がよいという方針に変わっていった。

【シロアリで框と床はボロボロだったが、建具や壁紙の状態は悪くない】

本物件は洋室が多く、状態も比較的きれいだったため、DIYを4か月で終わらせることができた。①雨漏りへの対処、②床がシロアリに喰われていたため床の改修や、➂洗面台の水漏れへの対処の3つが必須修繕箇所だったが、その他壁や天井は壁紙の張替えだけで 対応できる状態だった。

DIYに入る前にシロアリ駆除業者への依頼、屋根屋さんに雨漏りの修繕依頼を済ませておいた。

【雨漏りしていた天窓】

 

DIYは玄関を明るい白を基調としたデザインとし、部屋もその色合いに合わせた内装に。

僕は主に大工担当としてシロアリに喰われた床をひたすら直していく。

その間に、妻が愛犬の相手をしながら塗装、壁紙や床材を貼っていく。

床が完成したところで電気屋さんに配線を依頼し、ダウンライトやスイッチの位置の変更、コンセントの増設などをやっていただいた。電気屋さんとは仲良しなので、1泊2日物件に泊まり込みだ。

本物件は雨漏りの原因にもなり、一度で雨漏りを止めることができなかった天窓だが、ふさぐのもお金がかかる。そこで、雨漏り修繕をして天窓を活かした内装にするべく、間接照明を仕込んだ。

その他、もともと絨毯の上にピアノが置かれていた防音室。

こちらは目的室としてどのようなシーンにも合うデザインを意識して壁紙とクッションフロアを選んだ。

更に、本物件の一番の見どころはシアタールーム!

もともと車庫の上の空間が納戸になっており、窓もなく脚立がないと上がれない特殊な空間だったため、DIYでシアタールームとして活用してみた。

その非日常空間を活かそうと思い、画質のいいプロジェクターを設置し、防音性を高めるクッションも加えた。

相模原はキャンプ客が多い土地なので、キャンプやアウトドア好きの方が家でも楽しめるような空間を想像できるようにキャンプ椅子をステージングで使ったところ、実際に、現在入居してくれている方は漫画等を持ち込んで趣味の部屋にしてくれているようだ。

 

このようなリフォームを4か月間の土日・祝日で完了させた。

 

3.内見1回、1週間で9万円で賃貸客付けが完了

ちょうどDIYが12月に完了し、繁忙期に差し掛かるタイミングだったこともあり、早期に客付けができると思っていたのだが、本物件は9万円で募集を開始してから一度も値下げをすることなく1週間以内に内見の申込みが入った。

更に驚いたことに、その内見者の方が内見当日にそのまま申し込みをしてくれたのだ。

こんなにすぐ申し込みをしてくれたのは、大型犬を飼っている方だったため、希少な大型犬OKの物件だったことが一番大きな要因だと思う。神奈川県と言ってもキャンプ場まで徒歩15分くらいの山の中の住宅街であるのも、愛犬家にとって好印象だったに違いない。

【家の裏は森】

その他、内装やフリーレントも入居の決断に好印象を与えることが出来たと考えている。しかし、ここまですぐに客付けできてしまうともう少し強気の家賃設定でもよかったかな?と思ったくらいだ。

とはいえ、良い入居者さんに巡り合え、迅速な客付けができたことは何よりの朗報だ。

結果、本物件はDIY期間最速、相場よりも高値家賃、入居付け期間最速の実利回り37%物件となった。

・家賃9万円

・物件購入費用+リフォーム費+諸費用290万

これまで3年間不動産投資でいくつもの失敗を繰り広げてきた僕の経験と偶然の幸運が良い具合に調合されて出た結果なので、再現性はないかもしれないが、この物件での成功を僕の中では目標値として今後もやっていきたいと思っている。

DIYに時間やお金をかけすぎてしまって悩んでいる方がいたら、「その経験がいつか糧になる日が必ず来る!」とエールを送りたい。

 

「あら、かわいいわね~!」
最近は、ボロ戸建てを買った後の近所のあいさつ回りがすごく楽になった。
もちろんこの褒め言葉は僕に対するものではなく、DIYに付き合ってくれている妻に向けられたものでもなく、僕の家族である愛犬へのご挨拶である。
犬が苦手な方も、僕の愛犬は「賢そう」・「きれい」に見えるようで、あいさつ回りの際に一緒に連れていくと相手の顔が柔らかくなる。
僕が手掛けるボロ戸建てがある地方では犬好きの方も多く、初めてのあいさつの時点で怪しまれることなく会話が弾むので、とても助かっている。

あまりニーズはないと思われるが、そもそも実際にトライしている人が多くはないからこそ、他ではなかなか読むことのできない「犬連れDIYのリアル」を注意点や工夫も含めてご紹介したい。僕のDIYの様子が伝わる写真も多いので、犬を飼っていない投資家の皆様も気休めに読んでもらえたらうれしい。

 

●DIYの様子
まず、普段僕が、犬を連れてどんな風にDIYしているかというと、犬がいてもいなくても同じようにDIYしているというのが実際のところだ。普段、愛犬は家の中を自由に歩き回れるように生活しているが、DIY中のボロ戸建て物件も基本的に自由に歩かせている。

僕はお構いなしに、工具を使って木材カットやビス打ちをする。

【丸のこを使う隣で作業が終わるのを待つ銀次】

 

妻も壁紙や床材を貼ったりしている。

基本的には寝て待ってくれているが、ベランダがある家だとひとりで景色を眺めながら楽しんでくれていたりもする。

愛犬はその家の一番居心地がいい場所を見つけるのが得意なので、住んでくれる人がどんな風に生活するかイメージさせてくれることもある。

 

【少し風が肌寒い日は家の中で一番日の当たる場所でくつろいでいた】

 

平らできれいな場所も好きなので、カット中の石膏ボードの上に居座ってボード貼りを邪魔することもままあるが、休憩のタイミングを教えてくれたり、何より苛酷な作業の現場の癒しになってくれている。

こんな風に自由に行動させているが、もちろん注意していることもある。

 

●犬連れDIYの注意点
① 知らない土地で脱走しないように、最初に網戸を直しておく・出入口に注意
→特にDIY中は外から資材を運んだり、途中で大工さんの見積もりや配達があって扉を開けっ放しにすることも多いので、妻が目を光らせている。

 

② 誤飲を防ぐため、現場をきれいに保つ
→残置物がある状態からは連れて行かず、残置物撤去後から連れていく。解体したごみや小さなビス等食べそうなものはゴミが出た時点ですぐにゴミ袋に入れる。工具にも興味を示すので、特に大工さんや電気屋さんがきてくれたときは慣れるまでは目を離さない。何でも口に入れてしまう4か月頃からDIYに連れまわしていたので、「現場をきれいに」は現場監督ならぬ愛犬家の妻の口癖になった。

 

③ ワクチンは七種混合ワクチンを打ち、フィラリア予防薬はノミ・ダニ予防効果があるものを飲ませる
→毎年狂犬病とセットで打つ混合ワクチンの中で五種混合ワクチンを打つ飼い主も多いと思うが、五種混合ワクチンでは予防できないのが、ネズミの糞等から犬が感染し、人にも感染するリスクがある「レプトスピラ症」。ボロ戸建てにネズミの糞は必ずと言っていいほど落ちているので、愛犬を連れてDIYをしようとするときに必ず気にしてほしいポイントだ。外で待たせたり、リフレッシュで庭に出たり散歩に行く際に、雑草が多いところにはノミ・ダニ予防もしておくと安心。

 

④ 夏の暑い日は熱中症に注意
もちろん人間もだが、特に犬は暑さに弱いと言われているので、水分補給の他、扇風機を向けてあげたり、氷ったペットボトルで遊ばせたりと、待たせている間に熱中症にならないケアが犬連れDIYの中で一番大変なところかもしれない。

 

⑤ マーキングしないように、最初にそこが「家」であると認識させる
初めて連れていく場所は不安でマーキングをすることもあるため、まず家全体のにおいをかがせて安心させた後、一緒にリラックスするようにしている。僕の愛犬の場合、半年を過ぎるまでは粗相をすることがあったが、成長してからは長時間待つ場所・寝る場所だとわかるとそれ以降はマーキングしたりしないようになったので、DIY物件が汚れてしまうことはない。

 

⑥ 物件の完成後・クリーニング後は家に入れない
特に換毛期の柴犬の場合は抜け毛の量が半端ではないので、クリーニング後は車や庭で待ってもらっている。ただし、僕の場合、「コンセプトを犬連れの方大歓迎!」との謳い文句で賃貸募集をすることも多いので、その場合は犬連れの方に生活のイメージを持ってもらえるような写真のモデルになってもらうこともある。

時には脱走を試みたり(笑)、「早く作業を終わらせろ」と圧をかけられたりすることもあるが、DIYをしながらでもいろいろな場所で一緒に過ごせるのは何よりの楽しみになっている。

 

●犬連れDIYの苦労ポイント
その他、吠える犬かどうか、壁紙を引っかいたり建具をかんだりしないかどうかなど、現場での注意点は愛犬の性格やしつけの程度によって異なると思われるが、共通する最大の犬連れDIYの苦労は現場以外にある。というのも、夏の暑い日は涼しいクーラーの下で、冬の寒い日は暖かい暖房の下でごはんの時くらいゆっくり休んで体力を回復させたいところだが、特に僕が所有する地方のボロ戸建ての近くに犬と室内で食事ができる店舗はほとんどない。かろうじて、「テラスOK」のお店を探し出し、暑い/寒い空の下でごはんを食べたり、クーラーをきかせた車内でコンビニ飯を食べることができる程度だ。ごくまれに犬も室内OKのドッグカフェを見つけると、食費はグッと上がるがDIY期間中は常連客になる。中でも希少価値の高い、「夜までやっている室内に犬OK」のお店は毎週末お世話になって家族のように温かく迎え入れてもらっていた。

【クーラー設置前の真夏のDIYは人間も辛い】

 

そんな中でも、最近の大型ホームセンターは大概カートで犬連れOKの場合が多いので、暑さに負けた時は避暑を兼ねて資材購入に行って一休みすることを勧めたい。

【愛犬・白柴犬の銀次。ホームセンターでの資材購入の様子】

 

●遠方DIYにも
FAP一家の犬連れ遠方DIYの最長記録は千葉から香川まで。
長旅過ぎるので愛犬のストレスを考え、大阪や京都で1泊して2日かけて移動していたのだが、1歳を過ぎたころには愛犬も慣れっこになり最近では12時間くらいかけて1日で目的地に到着できるようになった。
最近の高速道路はドッグラン付きの場所が多く、とても助かっている。

【資材をパンパンに詰め込んだ車内で居眠りできる銀次】

 

犬連れDIYerの仲間は果たしているかどうかわからないが、犬を飼う家庭は増えているので、「犬を飼っているからDIYは難しい」と思っている方がいれば、愛犬の個性にもよるが子供を現場に連れていく感覚で旅行みたいに連れていけるということを知ってもらうきっかけになったらうれしい。

「自己資金が減ってからでは借りにくくなるよ。」

3年前の12月。ボロ戸建て投資を開始後1年間で3軒の家を購入していました。
1軒は客付けが完了していましたが、2軒のDIYを抱えていた僕は、平日はサラリーマン、土日は遠方DIYと毎日多忙で「DIYが落ち着いたら」、と融資の準備を先送りにしていました。
そんなある日、鉄骨渡りが趣味の有名不動産投資家を中心としたベテラン投資家達の集まりで言われたのが冒頭のアドバイスでした。
自己資金300万で投資をスタートした僕は、もともと資金が心細かったにもかかわらず、1年間で物件購入費にリフォーム代と200万以上使っていました。
1年目でお金を使いすぎたという焦りと、融資の準備をもっと早くすべきだったという反省。
ベテラン投資家からのアドバイスを受けて、僕が急いで融資の準備を開始したのは言うまでもありません。

 

まずは公庫融資を受けるべく、1月から準備を開始し2月中旬に資料を提出・面談 の流れとなりました。提出した資料は以下の通りです。

●提出資料
I)面談前
・借入申込書
・創業計画書
・設備投資計画書
・業者の見積もり
・法人の謄本・財務諸表(1年未満のため、残高試算表)
・補足資料(keynoteで作成したスライド15枚位)

Ⅱ)面談時提出資料
・免許証(身分証明書)
・差替え版(修正版)の創業計画書+補足資料
・妻からの借入の契約書 (50万笑)
・GMOネット銀行の入出金明細
・個人+法人の銀行通帳
・新居浜物件の修繕の見積書
・公共料金の明細
・所有物件の領収書(購入がわかるもの)

Ⅲ)面談後提出資料
・物件所在地マップ(行政・商業・教育施設までの距離がわかるもの)

公庫の方から事前にメインバンクを聞かれます。そこで僕はネットバンクと答えたところ、 公庫の返済用の口座はネット銀行がNGと伝えられました。
普通銀行の法人口座が必要となるため、口座開設は必須!
これから開拓していく信金の口座開設がベストですが、もしそれが叶わない場合、審査に通りやすいみずほの口座開設がおすすめです。もちろん最寄りの信金でもOKです。

 

●面談
担当者:20代後半だった僕と同世代と思われる男性

面談の流れ:
まず、免許証等で本人確認。
次に、借入申込書の確認。希望金額は〇百万で間違いないか?
融資実行まで1ヶ月かかること、 融資年数・配偶者の経歴・年収などの確認。

続いて、創業計画書について。
前提として、サラリーマンをしながら事業を行っているので、本業の勤め先はどのような会社か?、どのような業務をしてきたのか? 等の確認から入りました。
知人の体験談によると、支店によっては、「(本業の)会社の兼業許可は出ているか?」なども聞かれるようです。
更に、以下のような内容が続いていきます。
・創業の動機は?
・創業を考え始めたのはいつ?
・物件の購入の順序は?桐生が先?新居浜が先?
・新居浜物件について(エリアはどう見ていた?なぜ新居浜?)
・借入とかは考えなかった?
・どこのエリアを見ていたのか?
・DIYの経験は?
・ターゲットは?客付できるの?
・運営経費の内訳は?
・物件の写真、修繕が必要な箇所がわかる写真はあるか?

これから公庫の融資を申し込みを予定している方は、上記のような質問にスムーズに回答できるように想定問答集を作成しておくことをお勧めします!

 

実のところ僕の場合は、創業の動機について、「正直にお話します。最初は金銭的な理由です。」とぶっちゃけました(笑)。
ただし、加えて、実家の空き家問題や客付けを完了していた1軒目成功体験を踏まえ、「不動産賃貸事業としてやりがいを感じた」というストーリーも具体的に話しています(事前に事業計画書にも記載していました)。

面談中は何度も、「実は…、」、「○○(担当)さんだからお話ししますと、…」と正直な気持ちを腹を割ってお話ししました。
それが功を奏したかどうかは分かりませんが、担当の方も率直な考えや気になっている点を率直に話してくれたと感じています。
実際、面談の最後に「融資していただくにあたり、何か懸念点はありますか?」と僕からお伺いしたところ、「立地や築年数が気になる。」と教えてもらえました。

 

僕が所有していた3軒は愛媛1軒、群馬2軒。
各種資料を用意し、率直に面談で客付けできると回答しても、設備資金の修繕対象が片田舎に所在しているだけで事業(賃貸客付け)に不信感をもたれてしまうのだなと痛感しました。
口頭では食い気味に「愛媛の物件1軒は客付けが完了しており、修繕対象の群馬の2軒も地方都市だが賃貸需要があり問題がない」と説明したのですが、担当者の方が納得した様子はありませんでした。

そこで、求められたわけではありませんでしたが、面談後翌営業日の朝一で下図のような立地マップを追加資料として自ら提出しました。

(※イメージ図)

 

群馬2物件は、保育園から高校、役所、スーパーまで徒歩10分程度で全てアクセスできる場所にあり、ゆりかごから墓場まで安心の、実際に田舎といえど立地の良い場所にありました。
追加資料提出した後、当日中に担当者から電話があり、感謝の言葉をいただきました。
(どうやら公庫ではメールへの返信が不可、必ず電話らしい。 )

 

こうした経緯を経て、創業融資の設備資金目的で融資承認を受けることができました!
金額:400万(希望通り)、利率2.04%、期間:10年

 

資金が枯渇してから公庫融資の準備を始めなくてよかった。
心から先輩のアドバイスに感謝しました。
あくまでサラリーマン・ボロ戸建て投資家のFAPの一例にすぎませんが、不動産投資を始めてまだ融資を受けたことがない皆様の参考になればうれしいです!

毎日ネットで物件検索をしていると、魅力あふれる物件は数日で消えていきます。

しかし、僕のようなサラリーマン投資家が内見にいけるのは土日だけ。

遠方物件であれば気軽に内見に行くことができず、尚更購入のチャンスが少なくなってしまいます。

そこで、僕は内見せずに物件を購入する「ノールック買付」をこれまで4軒ほど行ってきました。

ノールック買付の際,僕がどのように何を調べているか?

今回は、ノールック買付時の調査方法とそのデメリット(危険性)も含めて解説します。

 

●検索:グーグルマップ

一番大事なのは、物件住所の近隣検索(画像の赤の四角が仮の検索場所)。

検索の際は、グーグルマップの縮尺を拡大したり縮小したりしながら(右下の+-ボタンを押す)、自動で表示される近隣施設や地形、道路や路線等の物件近隣の環境を詳細に把握します。

 

 

下図の例で加点ポイントとなる近隣施設は赤線の施設です。

 

①小中高の教育施設

→特に自転車通学が難しい小学校の距離は客付に影響大。広めの戸建てだと特にファミリー層がターゲットになる為。

②コンビニ・スーパー

→利便性の高さを測る指標。マイソク等に近隣商業施設としてアピールポイントに。

③マクドナルド・吉野家等のチェーンの飲食店

→田舎でも廃れていないことの証。一流企業の立地戦略は侮れない。

④ホームセンター

→DIYする上で、効率に影響するので重要。木材を販売しているような資材館等がある規模の大きなホームセンターでないと不便なので要注意。

 

●物件外観:ストリートビュー

次に、ストリートビューの状態で物件外観を確認します。

見るポイントは下図の赤線部分です。

 

 

①天井:軒点がどうなっているのか?

→この写真だと、軒天が剥がれ落ちて雨水が染み込んで来ている→室内も雨漏りの可能性があります。

実際にこの物件は室内が雨漏りでボロボロでした。見てください、この色とりどりのバケツをw

 

②写真右の臭突:トイレが汲取かどうか。

→汲み取りかどうかは、外観でわかるので要チェックです。今回の写真では臭突があるので汲み取りの可能性大です。

③基礎部分:クラック(亀裂)の有無

→小さいクラックであれば問題ないですが、ストリートビューの画像からも分かるぐらい大きいクラックだと、家の傾きが疑われます。

④駐車場

→田舎にある物件は駐車場は非常に重要です。駐車場が見当たらない場合も、塀などを壊せば駐車場を増設できそうかどうか必ず確認しています。

 

●賃料相場の確認

ノールックの場合は、地元の不動産業者さんに相場を確認することが非常に重要です。

もっとも、いきなり電話をしていきなり賃貸相場を教えてください、と聞くだけでは相手の時間を奪ってしまうので失礼です。

そこで、僕は電話の前に最も母数が多いSUUMOにて大体の相場を確認しておきます。

どこまで厳密にやるか人によりますが、大事なことは、「一戸建て・その他」を選ぶことで、マンション・アパートとを排除することです。戸建てはマンションアパートとは賃料の決定基準が違うため、アパートのほうが築年数が若くて綺麗・賃料も安い傾向にあります。しかし、家族が多く部屋数が多い戸建てを探している人、ペットを多頭飼いしたい人、騒音が気になる人や庭が欲しい人等、様々な理由で戸建ての賃貸をで探している層もいるので、戸建て同士で賃料を比較しましょう。

 

 

僕は戸建て・物件の所在地の市町村で検索をかけた上で、詳細条件の広さや建物の種類でさらに絞りをかけます。

その後に、「賃料が安い順に並び替え」で競合を調査。ここで自分の検討している物件がいくら取れそうなのか?賃料の基準を調べます。

SUUMOに同種物件が出てこない場合、「賃貸需要が全く無い」もしくは、「賃貸の戸建てがほとんどないが、需要はある」のいずれかなので、そこを不動産業者さんに聞いて答え合わせをします。

 

電話をかけるのは、グーグルマップで物件の近くにある不動産屋さんです。

一番初めにかけるのは、グーグルの口コミが多い+評価が良い仲介さんです。

口コミの数だけ客付を行っている実績があるので、最近の傾向や賃貸需要について詳しい場合が多く、評価も良い場合は電話での対応も良いことが多いためです。

 

・FAP;「お忙しいところすみません。大家のFAPと申します。〇〇の物件を購入し賃貸に出そうと検討しておりまして、賃貸需要に詳しい方にお話しお伺いできませんでしょうか?」

 

こんな風に電話しています。たいていの場合、まず事務の方が出てから営業担当に繋がるので、以下をヒアリングします。

①この地域の賃貸需要はどうか?

②この物件の相場はどれくらいか?どれぐらいだったら決まりそうか?

③駐車場は何台必要か?

④ペット可にするとどうか?賃料はどれくらいプラスできそうか?

⑤ADの相場どれくらいか?

 

あまり長々話をしても迷惑になるので、手短にお聞きして、お礼をします。

この担当者の名前を記録しておいて、リフォーム完成後に客付をお願いしに行くと、話がスムーズですし、相手にも喜んでいただけるのでオススメです!

 

●物件写真:購入時に仲介業者さんや売主さんから提供がある場合

物件を買う時に内見に行くのは、購入前に物件の中を見に行くためです。

室内写真をもらえない場合は外観だけで決めなければならい場合もありますが、室内写真がある場合は凝視して下さい。

特にお金がかかるのは天井と水回りですので、キッチン、トイレやお風呂、雨漏り跡などを確認します。

残置物がありすぎて中の様子が良く見えないことや光の加減で汚れや雨染みなどが見えないこともありますが、その場合は仕方ないと割り切っています。

やはりノールックでは写真から読み取れる情報には限りがありますが,くまなく見て違和感を拾っていくしかなく、ここは経験の積み重ねによるところが大きいと痛感します。

 

例えば、下記の写真の物件は、実際に僕がノールックで買った物件ですが、一見きれいな和室の右側に3カ所シミが見えます。この物件は雨漏りしているでしょうか?

 

 

購入前、雨漏りしていると聞いていたのでこの写真を見て、てっきり和室の上が雨漏りしているのかと思っていました。

しかし、実際購入後に物件に行くと,雨漏りをしていたのは別の部屋で、この部屋のシミはペットの排泄跡だったと判明しました。

確かにシミのある上の天井はきれいです。

この物件は平成築で僕が持っている物件の中ではかなり築浅物件でした。

購入前に見ていた写真が綺麗に見えたこともあって、余り修繕費用や時間がかからないと踏んでいました。

ところが、写真ではよく分からなかったのですが、雨漏りや池が近くにある物件だったこともあって、湿気のためにカビでかなり家が傷んでいました。

壁紙も既存のまま使える箇所があるかと思っていたのですが、ほとんどがペットのひっかき傷や排泄跡、カビがあり、全部屋壁紙を貼り直すことになりました。

この写真で気付いておくべきだったのは写真中央の窓枠の下の黒カビと写真左側の壁紙のはがれ、それに雨漏りでは無いとするとペットの排泄跡である可能性を考え、その場合はしつけが出来ていないペットが住んでいたと予想しておくべきことでした。

 

●その他:仲介さんに確認しておくこと

①何年前まで人が住んでいたのか

→インフラ損傷の可能性を判断するのに役立ちます。比較的最近まで売主さんやその親族が住んでいた場合はインフラが問題なく使える可能性が高いです。

②修繕歴

→屋根の修理歴やリフォームの有無等、必ず確認をします。

③残置物の有無・処理費用を売り主と買い主どちらが持つか?

→室内写真がない場合にはどれくらいの残置物処理費用になるか予測が出来ないため、必ず確認しましょう。

④売却の経緯,売主さんが近くにいるかどうか?

→売主さんが遠方に住んでいたり相続の場合,家に詳しくないので状況が分からない=修繕リスクが高まる。一方で指し値が通りやすくなる。

⑤駐車場に入る車種の確認

→ストリートビューの写真だけでは、駐車場があるかどうかしかわからず、軽自動車しか入らない又はバイクしか置けない大きさである可能性もあるので確認しています。

⑥排水・上水の確認

→臭突がある場合は汲み取りである可能性が高いとご説明しましたが、下水に繋がっているのか、井戸水ではないか等、インフラについては仲介さんにも確認しましょう。

 

●ノールックの危険性(デメリット)

①写真で写っていない部分に修繕箇所がある可能性

→室内写真がある場合、きれいな部屋だけを写している場合もあるため、全部屋の写真がない場合は修繕が必要な部屋があることは想定している必要があります。

床下や天井裏の状態も分からないことが普通なので、傾きや雨漏りを含めノールック買付はある程度のリスクを飲み込まなければできない手法です。

②近隣とのもめ事がある可能性

→境界や指導の問題等を含め、現地に行ってはじめて驚くようなトラブル物件であることが判明するもあります。

③インフラ破損の可能性

→漏水や浄化槽が破損していることもあります。

④写真の状態が過去のもので現況との違いがある可能性

→日当たりや室内環境等、過去の写真の状態から変化がある場合があります。

⑤そもそも内見をしないと購入できない可能性

→仲介さんによっては、「現地に内見していないと、買付を受諾出来ない。」と言う方もいます。契約不適合免責で購入します、とお伝えしてもトラブル防止のため内見を購入の条件としている場合があります。

 

●最後に・・・

とは言いつつ、ノールック買付が気になるという方へ。とっておきのサイトがあります。

そう、「空家ベース」さんです。遠方物件の取り扱いが多く、リスクを飲み込むにはぴったりの価格帯の物件も多く取りそろえられています。

遠いところは検討したことがなかった、という方も購入手法を知った今、ぜひ色々な物件を見てみてくださいね!

こちら→→ 空家ベース

 

ちなみに・・・、僕も何度か空家ベースさんから物件を購入しています。

皆様がこのコラムを読む頃には売れてしまうかもしれませんが、今FAPがノールックで買付を入れるなら下記の物件です。

周辺に商業施設・公園・中学校などが存在し立地が良く、外観からも大きな問題がなさそうに見えます。

 

・三重県鳥羽市安楽島町の戸建て

空家ベース:三重県鳥羽市安楽島町の空き家

※購入は自己責任でお願い致します!

 

次回は、築古戸建てつきまとう、「雨漏り」についてです。

 

 

前回のコラムでは、私道持分権のない物件に潜むリスクが顕在化した体験をご紹介しました。

▼購入した物件の私道問題の発端編からお読みください!

因縁の私道 #1問題の発端編

 

不動産業者から因縁の私道についての突然の電話に言葉を失いました。

 

FAP:「どういう風の吹き回しでしょうか?」

どうやら、僕が賃貸客付けをお願いしていた不動産業者が、地主さんの仲介さんから因縁の私道を売りたがっているとの話を持ちかけられたとのことでした。

 

・売却理由:自分が使っているわけでないため必要ない。

・売却金額:60万円希望

 

 

「前向きに検討します!」と勢いよく電話を切りました。

てっきり地主さんは、柵を立てる気満々なのでは、と戦々恐々した日々を送っていたため、一安心しました。

とはいえ、僕が購入したボロ戸建ては40万円だったのに対し、ただの道に60万とは…。

私道を持っているから家賃が上がるわけではありません。

僕自身の手持資金も乏しく何とか安く購入したいと考えました。

 

そこで、どうやったら値下げをしてもらえるか策略を練りました。

因縁の私道の通行権を持っていないので、僕がこの私道が喉から手が出るほど欲しいということは値下交渉の弱みです。

しかし、逆に僕以外の周辺の住民は通行権を持っているということは強みになることにも気付きました。

つまり、売主さん出口を考えると、僕しか買い手がいないのです。

地主さんは自分が使うわけではない私道を持っていても毎年固定資産税を払うだけ。

だからこそ手放して現金化したいのではないか。

値下げ交渉がうまく行く気がしてきました。

 

案の定、仲介さんに値引きを依頼した結果、30万円まで下がることに。

そこで納得しないのがFAP。

「30万でも高いな・・・。そうだ!道に接している人みんなで共有で購入すれば負担額が少なくなるぞ!私道JV(ジョイントベンチャー)発足だ!」

うまくいけば一人当たり5〜10万で済むと思って私道JV交渉に乗り出しました。

 

まず、現地で仲良くなり、かつ,近くに住む息子さんがたまに私道に車を止めているのを見かけていたお隣のAさんにいの一番にお電話。

 

FAP:「カクカクシカジカで道が購入出来そうなんです。一緒に購入しませんか?」

Aさん:「良いよ!」

 

これは幸先が良い!!行けるぞ!

 

…と思った矢先、

お隣さんE:「わたしは別の道から出れるからお断りします。」

 

 

そう、お隣さんE・Fさんは反対側に道があるので私道を購入する必要がない。

Cさんは市道から直接入れるように自分で橋をかけており、辞退。

 

残るはDさんとBさん。

Dさん:「必要ない。」

FAP:「でしたら、もし私が道を購入して、誰かに売却したとします。その際に、私道を通る際に

通行料なども請求されるケースもあり得ます。それでも良いのですか?」

Dさん:「だったら、側溝に橋を自分でかけるよ。」

FAP:「…。(心の声:車が通れる橋をかけるより持分権を買った方が安く済むやろ!!)」

 

なんと、現在成功しているのは5分の1。まだ2人で15万円です。

せめてあと1人いれば10万円。しかし残ったのは、空家のBさん。

Bさんが今どこにいるか、近隣住民も分からないとのこと…。

 

ここで、「登記情報提供サービス」でBさんの所在を検索しました。

登記情報提供サービス

 

このサイトで一時利用ボタンを押し、仮登録→請求をすると、約300円/1件程度で登記簿情報を取得ができます。

(※登記簿謄本は更新されておらず現状と異なることも多いので都度確認が必要です。)

 

Bさんの登記簿を調べてみました。

すると、Bさんは神奈川在住のマリコさん(仮名)というお方でした。

 

当時東京在住だったFAPは、「おお!!近い、これは直接行ける!」とテンションがMAXに。

住所をグーグルマップで調べてみると、駅から徒歩15分くらいの山の手エリア、芦屋のような高台の良い住宅街でした。

自然と期待度が上がり、勝利を確信したFAP。

持分権購入のために出してもらう予定金額は10万円。余裕でOKでしょ!

 

登記簿には電話番号は書いていないので、平日に仕事を早めに切り上げ、突撃訪問しました。

大きなお屋敷とBMWを横目に、ドキドキしながらインターホンを鳴らし、 ご挨拶。

 

FAP:「突然すみません。FAPと申します。新居浜の道の件でお伺いしたい事があるのですが、

マリコさんはいらっしゃいますか?カクカクシカジカで持分権を一緒に購入できないかと考えておりまして…。」

インターホン越しの旦那さん:「ああ、あの家ね。確か以前親族に貸したとか言っていたなぁ。」

FAP:「そうなんですね。その辺りも含めてマリコさんとお話したいのですが…。」

旦那さん:「…。マリコは遠くへ行ったよ…。」

FAP:「遠く、ですか…。」

 

「不在ですよ。」とか、「今、手が離せない。」とか数多の不在の言い訳がある。

その中で初めて出会った回答に言葉を失ったFAP。お礼を言い、その場を立ち去るしかできませんでした。

 

そこへ一台のレクサスが隣の家に駐車。由緒正しい制服を着た小学生が降りてきて、次に運転席から品の良いマダムが降りてきたため、すかさず声をかけました。

FAP:「すみません、カクカクシカジカで、マリコさんにお会いしたのですが、最近お会いされましたか?」

隣のマダム:「ああ、確かに最近見かけないわね。」

 

どうやら居留守や不在の言い訳ではなく、本当に遠くへ行ってしまったようだ。

段々自分の私道JVよりも、マリコの所在が心配になってきた。

マリコ、一度話をしたかった…。

マリコの身を案じながらA4の手持ちのノートにJVの思いをしたため、マリコ家のポストに投函して帰宅しました。

 

それから2週間。

マリコからは何の音沙汰がなく、1人15万円の負担でお隣さんAと一緒に道を購入するか…と思いを固めた頃に、一本の電話が鳴りました。

 

お隣さんA:「あの道購入するのやめるわ!」

FAP:「え!?何でですか?持ち分を持っていたほうが良いですよ!カクカクシカジカ〜」

お隣さんA:「知り合いの司法書士に聞いたら、あんな道に価値は無いって言ってた最悪は家の裏の農道(幅1m)から出入りできるし。そもそもあの道は昔から~~~~~」

FAP :「・・・。」

 

私道JVは失敗に終わり、結局1人で40万円の物件に対して30万円の私道を購入しました。

動き回った収穫がゼロだったことには肩を落としましたが、以下の通り所有物件の価値が上がったので良としました。

 

・40万円の再建築不可物件→70万円の再建築可の物件に

・軽自動車1台分の駐車スペース→私道単独所有のため私道に追加の駐車スペースを確保

 

●ここからFAPが学んだこと

・私道持ち分のない物件購入後、私道を購入できることもある

・所有者が私道を使っていない場合はむしろ所有者が処分を希望しているケースもある

・しかし、私道の所有者が私道を使っているケースでは購入は難しい可能性が高い

・私道の持分権がなくてもせめて通行(掘削)権があることを確認すべし

・不動産関係者以外には土地の価値を理解してもらうことは難しく、一緒に私道の持ち分を購入しようと思っても、なかなかうまくいかない

 

次回は、FAPおなじみ「遠方物件のノールック買付」の方法・注意点について。

デンジャラスな方法ですので良い子は真似しないように(笑)次回もお楽しみに!

「私の道」と書いて私道。

築古戸建て投資家としては避けては通れない、私道トラブル。

僕はまさにボロ戸建て投資1軒目でこの問題にぶつかりました。

 

舞台は、愛媛県新居浜市。

問題の物件の購入経緯は、不動産投資クラブの講師とのこんなやりとりでした。

 

講師「FAPって四国出身だよね?」

FAP「そうですけど(香川出身)」

講師「愛媛の新居浜で安い物件あるけど買う?近いよね?資料一式送るわ」

FAP「買います!(物件まで実家から高速で3時間以上かかるんだけど・・・)」

 

今考えると恐ろしいのですが、私道の持ち分がない物件を、人生初のボロ戸建て投資第1号物件に決め、ノールックで購入しました(購入金額40万円)。

(僕はこれまでノールックで全国の物件を4軒ほど購入してきました。ノールックで買う時に気をつけるべきことや、調査対象、調査方法については別の記事でご紹介します!)

 

▼僕がどんな投資家か?については、こちらの記事をご参照ください!

自己紹介(FAPさん)

 

本物件は旗竿地で、旗竿部分が私道。

これの何が問題なのか?

そう、「持分無し、通行掘削権無し。従って再建築不可。」なのです。

旗竿地でも、通行を許可されている場合もあるのですが、仲介さんによると、「売主さんのお父さんと、私道の持ち分の権利を持っている方のお父さんがお墓の件で揉めた事がある。」とのこと。なんとセンシティブな揉め事でしょう。。。

 

仲介さん「今も関係が悪い可能性があります…。」

FAP「・・・。」

 

しかし、私道について調べていくと、一筋の光が見えてきました。

それは、「囲繞地通行権」なる権利があることです。

まず「囲繞地」とは、公道に通じていない土地を囲んでいる周囲の土地を言います。

取り囲まれて公道に出れない土地を「袋地」と言います。

 

袋地の持ち主は、公道に出るために、最短のルートで囲繞地を通行する事ができる権利を持っており、それが「囲繞地通行権」です。

簡単にいうと、「公道へ続く最短の道は通らせてあげてね」という事です。

僕の物件が袋地で、公道(市道)に出るために私道(囲繞地)を通行できるのではないかと考えました。

図に表すと、下記のような形です。

 

 

 

囲繞地通行権を使えば何の問題もない!と小躍りしていると、法学部出身のFAP妻が待ったをかけてきました。

「そんな都合良い訳ないでしょ。」

妻の判例等調査を要約すると下記のものでした。(※詳細は、弁護士にご相談ください。)

 

→あくまで生活を送る上で必要最小限通らせてもらえるだけ。

 

なんということでしょう・・・絶望的です。

また、通行ができたとしても,旗竿部分に排水や水道管が通っている場合は、水道管などが壊れたとしても掘削権がないと掘り出して修繕することができません(本物件は幸い無関係でした)。

したがって、囲繞地通行権なるものがあるとしても、公道に出るための私道の持分権のない物件を購入することはリスクを伴います。

僕のように無計画にこのような物件を買わないようにしましょう(笑)。

 

僕は今考えると恐ろしいことに、私道の問題も「なんとかなるだろう」という楽天的な予測の下、ノールックで購入するという暴挙に出ました(ビギナーズだからこそできた買い物かも知れません笑)。

買ってしまったからには悩んでいても仕方ないので、現地に行くことにしました(本来は買う前に現地調査に行くことを強くお勧めします)。

しかも、私道問題未解決のままでも簡易的にリフォームするくらいなら大丈夫だろう、と高を括り、連休中に東京→新居浜の夜行バスに乗り込みました。

 

現地に到着し、他の隣家の方にご挨拶がてら、私道の通行権について相談してみると、

お隣さんA・E「通行掘削権の証明書を持ってるよ!」

ご近所さんC・D「通行掘削権の証明書を持ってるよ!」

ご近所さんB 応答なし。

応答が無いBさん含め、FAP以外問題の私道に接する家にお住まいの方は全員通行掘削権を持っていることが判明しました・・・。強い因縁を痛感した瞬間です。

 

自分以外全員が通行掘削権を持っているなら、自分にも通行掘削権をもらえる可能性はあるだろうと思い直し、近隣の方から教えていただいた地主さんのお宅に伺いました。

しかし、まず目に入ったのは、なぜか家の窓からソファが半分飛び出している異様な光景。

さらに、長いリードをつけた番犬が吠え立てており、玄関にまでたどり着けない・・・。

そう、これがまさに近隣挨拶のコラムに出てきたお家です(笑)。

 

▼近隣挨拶の方法についてはこちら

「近隣ご挨拶」を語る 編

 

インターホンを押す事ができず、大きな声で挨拶をしたのですが、応答なし。

その後、3回は訪問しましたが常に不在でした。

近隣の方も、「50~60代ぐらいの独り身のご婦人であると思うが、夜のお仕事をしているようで、素性はよく分からない」とのこと。

新居浜まで出向いたらなんとかなる、と考えていたのですが、甘かった・・・。

 

地主さんとはお話ができないままでしたが、折角現地にきたので、物件のクリーニング、門扉の撤去、帰宅後に作業をお願いするための便利屋さんや水道屋さんの開拓のための相見積もりを行いました。

作業依頼をする便利屋さんも決まり、一旦東京に帰宅しました。

 

しかし、その後、遠隔で便利屋さんに除草作業を依頼をしている時に事件は起こりました。

現地にいる便利屋さんと除草作業の打ち合わせの電話をしていると、急に謎の怒声が聞こえてきました。

 

「なんでここの道に止めてるのよ!!ここ私の道よ!

あそこの家は空き家なのになんで車止めてるの?

あなた誰に言われてきたの??

不動産屋に電話してここの道に柵を作ろうかしら!!」

 

便利屋さん「FAPさん、ちょっと待ってください。」

以降、通話状態のまま、便利屋さんのと女性の会話が聞こえてきました。

 

おばさん「あなた誰!?」

便利屋さん「いやわかんないっす、僕も言われて来ただけなので。」←?

おばさん「誰に言われてきたの!?」

便利屋さん「いや、わかんないっす・・・。」←??

 

 

この便利屋さん、デキる…。

必殺・「会話を成り立たない人を装う術」であろう。

機転のよさ・あしらい方もperfect。

ここまで「わかんないっす」の威力が証明される場面があっただろうか?

 

事情を何も知らない便利屋さんが、不用意なことを言って依頼主であるFAPが不利な立場に立たされないようにと機転を利かせてくれたおかげでその場はおさまりました。

除草作業は諦め、便利屋さんに足早にその場を立ち去ってもらう際に、怒声の主の名前を聞き出すこともできました。

 

この人こそが、因縁の私道の所有者であることは容易に想像できました。

いきなり怒鳴り込み、「柵を作ろうかしら」とは・・・。

突然始まった修羅場と発言内容に腰を抜かしましたが、無事に地主の存在を確認できたので、コンタクトを試みることにしました。

 

しかし、電話番号がわからない。

売買してくれた仲介さん経由で売主さんに番号を聞いてもらってもわからない。

104もダメ。

あの時、便利屋さんに名前だけでなく電話番号を聞いてもらえば良かった、、、!!と激しく後悔しました。

 

それから2〜3週間経過し、「こうなりゃ登記から調べてかたっぱしからローラーしか無いか…」と思っていると、地元の不動産会社から携帯に電話が。

この不動産には賃貸募集の準備をお願いしており、貸家にも不動産会社の看板を掲げてもらっていたので、FAPは小躍り。

 

FAP 「もしかして内見希望の連絡ですか??」

O不動産 「いえ、違います。物件の前の私道の売却の話が別不動産会社から来てますがどうしますか??」

FAP 「え・・・????」

 

このあと、FAPがどんな行動に出たのか?続きは次回、お楽しみに^^

戸建ては地域と運命共同体。中古戸建てを購入した以上、所在地域の近隣の方との関係性は非常に重要です。

 

特にボロ戸建ての場合、雑草が伸びて虫や蛇が出る状態になっていたり、庭に生えている木の枝が越境していたり、ブロック塀が倒れそうになっていたり・・・など、ご近所の方が購入した家に対して良くない印象を持っていることも多く、家の様子をよく見ています。

そのため、空家だった家に急に車が停まっていたり、人が出入りすると、「誰か来たぞ」と注目の的になることがほとんどです。

ご近所さんが何か困っていることがあったとしても、先方から話しかけてくることは稀で、家の外から窓越しに、あるいは庭の掃除を装ってこちらの様子を伺っているケースがほとんどですので、戸建て購入後に自分からご近所さんへの挨拶をしなければ、自分が気づかぬうちに関係を悪化させるトラブルを引き起こしてしまう、なんてことになるケースもあります。

 

そこで、本コラムでは僕のご近所への挨拶の仕方について紹介していきます!

▼FAPがどんな投資家かは、こちらのコラムをご覧ください!

自己紹介(FAPさん)

 

内見時にご近所さんに挨拶をする事もあるかと思いますが、ここでは「購入後」に焦点を絞ります。

 

 

1.挨拶の範囲

どこまで挨拶するか問題です。

僕の場合は、前後左右斜め方向に対しては必ず挨拶をしています。自分のボロ戸建てが将棋でいうと、王将だと考え、その動く範囲を必ず押さえます(笑)。

さらに、余裕があれば、3件位先まで挨拶をしておきます。

物件のリフォームは騒音や埃が出るのでどうしても隣近所以外にも迷惑をかけてしまいます。また、職人さんや軽トラの荷下ろしなどで、ご近所の方の往来の邪魔になることもあるので、

出来れば広範囲に挨拶した方がベターです。

 

 

2.挨拶のお作法

まずは、「爽やかさを腹の底から絞り出し、青年合唱団の歌い出しの前のように深呼吸をし、1オクターブ高い声」で挨拶します。

インターホンを押し、

「こんにちはー!!突然すみません。隣の家を購入した〇〇と申します。ご挨拶にお伺いしました^^」

口調はフォルティッシモを意識+笑顔のコンボは最強です。ボソボソと挨拶すると、怪しまれたり舐められたりします。

最近はモニターフォンのため、会う前の様子も見られています。たまに、最初は居留守を使う方もいます。何度か通ううちにやっと挨拶ができたというケースでも、最初から見られていると思って応答が無い場合の振る舞いも意識しておくと良いと思います。

帽子をとって、精一杯チャーミングな笑顔を作っておくのがベストです。

 

 

3.挨拶の内容

挨拶の一言目で大事なのは、「隣の家を購入した」とストレートに伝えることです。

そうすることで、すぐに相手に訪問した理由が相手に伝わり、何かの営業や怪しい人が家に押しかけてきたのではない、ということを理解して貰えるので、変に怪しまれずに済みます。

ここからご近所付き合いが始まります。

玄関を開けてくれたら、インターホン越しにお伝えした内容を繰り返します。

「こんにちは!隣の家を購入した〇〇と申します。ご挨拶にと思ってお伺いしました!」

その後、

 

・これからリフォームをするので、特に土日に音が出てしまうこと

・基本的には自分で直すが、大工さんや水道屋さんなど、他の方の車が出入りすることが

あること

・(駐車場が無い or 一台しかない場合は)リフォームの際に車を一時的に前面道路に止めることもあること

 

など、これから自分がリフォームをする際にご近所さんが迷惑に思うだろうことを事前にお伝えします。

さらに、もし自分の物件のことや近隣の事でわからないことがあった時には、一番お話をしてくださる方(町内会長、近所の最長老の方など)に色々と聞くのが効率的です。

例えば、

・境界杭が無い場合に、自分の敷地と隣地との境がどこだと認識しているか聞く

・駐車場がないので近くの空き地を月極駐車場として借りたいが、看板が出ていない場合に

地主はどなたか?

・自分の物件について購入時の情報が少ない時は、前に住んでいた方がどんな方だったのか、何年前まで住んでいたか?

・この辺りでスーパーや買い物に行くならどこか?

 

これらのコミュニケーションを通じて仲良くなり、その結果として、リフォームを応援してくれたり、頻繁に野菜を頂くようになる等、良くして頂いた経験があります。

 

 

4.挨拶の手土産

こちらの都合で挨拶に押しかけるので、僕は挨拶を行うと共に、必ず手土産を持参します。

僕が愛用しているのは「花王 食器用洗剤 キュキュット 本体 240ml」です。

https://www.kao-kirei.com/ja/brand/khg/kyukyutto/?tw=khg

 

香りが何パターンかあるので、複数の種類を購入しておき、

「つまらない物ですが、ご挨拶の品物です。好きな物を選んでください!」と渡します。

洗剤は消耗品なのでもらっても重くなりすぎません。

食器用洗剤にも好き嫌いはありますが「これうちでも使っています」と言っていただける事も多いので、嫌がられた事はありません。

しかもドラッグストアですぐに購入できて、100円代なので安い! 自己資金少なめの僕には嬉しいポイントです!

 

ちなみに、僕は挨拶に行く前にドラッグストアで10本位色違いを購入しています。

相手に好きな香りや色の物を選んでもらうことで、相手に選ぶ喜びも感じてもらうことが出来ていると考えています。

 

僕が「近隣挨拶」について他の投資家と話すと、手ぶらで挨拶、クレラップ、地元のちょっとしたお菓子の詰め合わせから文明堂のカステラまで人それぞれでした。

手土産の内容でトラブルになった事例は聞かないので、特に決まりはないと思いますが、僕の場合は王将の動き(笑)の全範囲に挨拶に行くので、お菓子の詰め合わせやカステラまでやってしまうとコスパが悪いと考えています。

最初の手土産の内容よりも、その後、長期間物件に行く度に爽やかに挨拶をしたり、ちょっと立ち話をしたり、何か困っていることを解決したりする方がご近所の方との中は深まると考えているからです。

 

 

5.会話の注意点

相手が暇だったり、気に入ってもらえると、身の上話になることも多いですが、「あの家いくらで買ったの?」という質問には答えないようにしましょう!

同様にリフォームが終わった後、「いくらで賃貸に出すの?」という質問も同様です。

入居者の方がいくらの賃料の家に住んでいるのか知られてしまうことは経済事情を探られるため自分から開示する場合でない限り、あまり快いことではないでしょう。

それ以上に、もし将来、その物件を売却した場合には、買主になる方に売主(僕)の仕入れ値が分かってしまうきっかけにもなります。

さらに、僕は所有している物件の近隣物件を直取引で購入したことがあるのですが、近隣の方で高齢の方だと、自分の物件がいくらになるのか?を判断する基準として聞きたいという思惑を持っている方もいます。

色々な意味で、余計な事は言わないのが吉です。

 

 

6.近隣挨拶の思わぬメリット

隣人が物件の購入時に知らなかった欠陥を教えてくれることもあります。

先日のブログにも書いた初めてのリフォーム物件では、手を洗うために水道栓を開けてから5分後に、隣の奥様が飛び込んできました。「水道管から水が飛び出てるよ!」

なんと冬の間凍結して水道管が破裂しており、隣家の庭に凄い勢いで放水したのです(笑)

急いで水道栓を閉めて、隣の方へ謝罪。どうやら話を聞くと、売主の親戚さんが草抜きしている時にも水が飛び出ていて気になっていたそうですが、たまにしか来ない方で、さらに直接会話をしたことがない方には、困っていることがあってもなかなか直接伝えにくいものなのだと思います。

僕は事前に挨拶をしていたので、奥様がウチに飛び込んできて、色々と購入前の物件の状況まで教えてもらえました(瑕疵担保責任免責で買っていますが、隠れた瑕疵とも言えるケースですね)。

 

 

7.近隣に空家がある場合

周辺に空家がある場合、他の方へ挨拶する中で「あの家は空家だよ」と教えてもらうケースがほとんどです。その場合は挨拶が出来なくてもOKです。たまに空家も管理のために人が出入りすることがあるので、たまたま会えた場合は管理者の方に挨拶をします。

僕の失敗談ですが、すぐ裏の家が、庭に草がボーボー、外から障子がボロボロの状態だったので、「裏は空家かー!」なんて妻と話をしていたら、住人の方が出てきて謝罪した経験があります。

インターホンを鳴らしたり、人の気配がしない場合は、他の方に挨拶する際に「あの家は空家ですか?」なんて聞いたりします。

また、明らかに住んでいるのに挨拶が出来ないケースもあります(洗濯物が出し入れされていたり、窓が開いていてテレビの音が聞こえる場合などです)。

この場合、住人の耳が遠くてインターフォンが聞こえないケース(テレビの音が大きく聞こえている家の高齢の方に多いです)と、挨拶をしたくないという意思表示が明確なケースがあります。

どちらであっても挨拶しておいた方がいいケースですので、僕はかならずポストに手紙と手土産を入れておくようにしています。

 

 

 

8.おまけ

挨拶でトラブル回避のために、「こんな隣人がいたら要注意」も僕の今までの経験から紹介したいと思います。

(※これはあくまで僕個人の経験則ですので、①〜⑤に該当する方でも要注意人物ではないケースもありますのでご承知おきください。)

 

①初対面で「怒り」の感情を表してくる人

→例えば、購入後に挨拶をした際に、「あなたの前の持ち主には困らされた。」という人や

不機嫌そうな人は要注意です。前の持ち主の恨みをぶつけられたり、怒りのハードルが低い人が多いのでトラブルに繋がりやすいです。

 

②外からでも分かるぐらい住んでいる家が散らかっている or 荒れている

→隣がゴミ屋敷の場合、隣家からゴキブリやネズミがやってくる可能性がありますので要注意です。僕が関係構築に苦労した地主さんは、なぜか自宅の窓からソファが半分飛び出しており、あの光景は一生忘れられません・・・。

 

③外で飼われている犬のリードが長い。

→玄関に行くのに番犬のリードが長すぎて行けない家があります。これは外来者を明確に拒んでおり社交性が低い方の可能性が高いです。そうです、これもソファが半分飛び出していた地主さんの家です(笑)。

遠くから大きな声で挨拶をしたのですが、応答がなく、ポストも番犬の守備ゾーンの奥にあったため手紙の投函もできずに困り果てました。

 

④声がやたら大きい人

→これは聴覚が落ちている方ではなく、通常時の話し声が大きい人です。「あれ?この距離感でこの声量は何なんだ・・・?」というほど大きな声の方です。この場合、自己主張が強い方が多く、マイルールをあたかも地域のルールのように主張されるケースがあります。

例えば、「救急車が来るから路上駐車は絶対に許さない。」など道を監視しているご婦人がいました(その方が路上駐車したりしていて自己矛盾な行動をとっているケースもありました)。

 

⑤プライベートな質問や人の噂・お金の話が好き

→これは町の噂好きなご婦人の場合です。購入金額を知られてしまったら最後、二日後には町内全員に知られてしまう場合があります。ただ味方になると逆に心強く、「あの土地は空き家だけど、近所の○○さんが管理している。」など地元の情報を惜しみなく教えてくれるので、大変助かります。距離感を間違わなければ大丈夫です。ある物件の挨拶回りをした際に、「あなたの購入した戸建ての隣人は頭がおかしいよ。夜中に大音量でAVを流している。」など教えてくれた方がいて、戦々恐々としておりました。その隣人に挨拶に行くと、単に耳が悪いだけで全然良い人だった・・・なんてこともあるので人の噂はあてにならない場合があります。

仲が悪い近隣の方を必要以上に悪く言って味方につけようという方もいるのでそう言った地域のバトルには巻き込まれないように注意が必要です。

 

 

 

今回は長文失礼しました。皆様の良き隣人lifeの構築を祈念しております!

 

次回は「私道持ち分に注意!」です。

前回は「初のちゃんとDIY~客付体験#リフォーム編」でした。
前回:初のちゃんとDIY~客付体験#2 大間々リフォーム編

 

今回は、初めてのいざ!客付編になります。
初めての賃貸客付。右も左も分からないまま強気の家賃設定をした結果・・・

 

・募集前:SUUMO検索→オシャレさでは圧倒的に有利。高値家賃余裕でしょ!

・募集後(1ヶ月後):あれ?おかしいなぁ。反応薄いなぁ。

・募集後(3ヶ月後):これはおかしい、家賃が強気すぎた。仲介さんに家賃下げます電話。

・募集後(5ヶ月後:繁忙期突入):家賃下げます・・・。(内見計3〜4件程度)

・募集後(7ヶ月後):なんとか入居決定。(当初 募集家賃7万→5.2万)

 

入居条件は以下で合意しました。
・フリーレント1.5ヶ月・コンセント追加設置5個工事
・DIY OK(ただし事前相談・事後写真を送付)
・+猫3匹飼っても家賃据え置き。

出血サービスし過ぎて、思い出しても貧血になります(笑)。

 

群馬県の中でも田舎で駐車場無しの本物件。地元の大手仲介さんには当初から5万前後と言われており、それに反対して大幅高値家賃で募集を開始したFAP。その仲介さんに何度も値下げ電話をする時の悔しさと言ったら・・・。

決めてくれたのは隣の市のミ○ミ○さん。この会社さんだけは、本物件をSUUMOの「PR物件」に上げ続けてくれていました。(つまりずっと本物件に課金してくれていました)
後日、店長にその事をお礼に行ったら、「そうだっけ?」ってPR取下げ漏れの可能性が浮上しました笑

 

投資家仲間に本物件のリフォーム後の写真を見せても「こんなお洒落なリフォームをしたのになんで決まらないんですか?」と言われる始末(それは僕が一番知りたかった・・・!)。

ではなぜこうなってしまったのか?

今だから分かる、当時の反省点とそこから学んだ良かった点を順にご説明したいと思います。

 

1:募集段階時の反省
→オリジナリティを前面に押し出しすぎたマイソク

様々なチラシとポエムを研究し、FAP渾身の作品に仕上げました(1枚目のみ抜粋)。


しかし、
・仲介に説明する時に、情報がどこにあるのか伝わらない。
仲介さん「えーと、キーボックスの番号は・・? ああ!ここに書いてるんですね。」
(仲介さんは普通のフォーマットのマイソクに見慣れているので、初見の資料は分かり辛い)

・結局、内見者に渡されるのは、仲介さんが作った普段通りの資料。

※FAP力作のオリジナルマイソク

 

2:内見者からの反応①
→間取りが良くない。

下記写真を見て分かる通り、一番オシャレな部屋がいきなり玄関から丸見えになってしまう


構造になっています。その上、玄関からリビングやキッチンに行く通り道になっているので個室とは言いにくい場所に位置しています。

特に女性の内見者の方が、賃貸募集のサイトを見て「この部屋、良いな」と思ってきてれくたのに、「あれ?あの写真の部屋ここなんだ。」と肩を落とされていたと仲介さんから聞きました。
また、浴室とキッチンの間に脱衣所がないのも不評でした。

そこで、1階玄関入ってすぐの洋室には「天井につけられるカーテンレール」をつけて
対策としました。

その他、「階段が急すぎる」、「個室がもう一つ欲しい」(せっかく4Kなのに個室が2つしかないので3人家族や4人家族から「子供部屋がもう一つ欲しい」という声がありました。)

 

3:内見者からの反応②
→駐車場が目の前にないとヤダ。(仲介さん談)

本物件は駐車場がなかったので、徒歩50mほどの場所にある月極駐車場(月2000円)を押さえていましたが、大きな荷物の搬入・搬出や雨の日のことを考えると、特に駐車場があるのが普通な田舎ではやはり駐車場は家の目の前にないだけで大きなマイナス点になったようです。

やはり地方では駐車場が必須だと思い知らされました。

 

4:そこそこリフォームで高みを望み過ぎた。
→今の僕は、田舎で汲み取り+駐車場無しという条件だけで家賃の上限はある程度決まってしまうのではないかと考えています。表層リフォームをしっかりしてお洒落な部屋ができたとしても、キッチンや浴槽は既存を再利用、間取りの変更もしない「そこそこのリフォーム」では、高値家賃での賃貸客付はなかなか難しいということを学びました。

実はリフォーム編では詳細に記載しませんでしたが、本物件ではダウンライト・ライティングレールや55型のテレビの設置、デスクやベンチを自作していたりと、今考えると家賃に影響しない不要なリフォームやDIYも沢山しました。しかし、結果から振り返ると、それらは家賃への影響はなく、不要なリフォームを削ってもっとディスカウントした家賃で早期に客付をすべきだっと思います(待っていた7ヶ月の間、もし4万円で貸し出ししていたら・・・。リフォームをしていた時間を半分に削って1年前から貸していたら・・・。と計算し始めると、機会損失の大きさを痛感します。)

ここから、学んだ事が二つあります。

①反響がない場合は粘らずに値下げをすべし
②力を入れてお洒落にすべき物件は、ある程度立地がよく、元が良い物件
(賃貸客付の観点からマイナス点が有るけど高値家賃を狙う場合は、根本からリフォームをしないといけないが、大規模リフォームをするコストに見合う家賃が狙えるエリアか?を考える)

今から考えると無駄なことをしたからこそ、DIY力がUPしたり、プロの技を盗んだり、外注とDIYのMIXの良さを知ったりできました。

しかし、投資家たるもの、DIY力がUPしたと言って喜んでいるだけで終わってはいけませんよね。時間的にも金銭的にも良い投資だったか?という観点から振り返り、本物件は「時間と手間をかけ過ぎた」と反省しています。

 

結論:立地が良くない場合や物件に欠点がある場合は、そこそこリフォームしてサッと貸し出すのが吉。これがその後の僕の物件リフォームの方針として今でも生きています。

 

5:良かったこと:内見時に立ち会って自分で内見者さんにご説明を出来たこと
→たまたま仲介さん周りをしていた所、別の仲介さんから「FAPさん聞きたいことがあるんですけど、水道栓ってどこに〜。」という電話が。なかなか客付できていなかった中で貴重な内見が入っていると聞きつけたFAPは「近くにいるんで向かいますよ!」と勇んで現場へ向かいました。

内見者さんと対面・会話→意気投合→冒頭の出血大サービス→その場で合意

という形で客付が完了しました。
これ以降、内見に大家が同行することは、双方の合意を迅速に取り付ける事ができ、内見者さんにとっても大家にとっても、仲介さんにとっても三方良しの行為だと思い、出来る限り同席をさせて頂くようにしています(仲介さんの邪魔にならないようにと気は遣っております)。

●内見者のメリット
→物件に関する正確な情報が知れる。
→どこまで自分の要望が通せるか直接交渉できる。
→大家さんの人柄が見えて安心。

●仲介さんのメリット
→分からないことは電話をせずにその場ですぐ大家に聞ける。
→条件交渉がしやすい。

●大家のメリット
→内見者の人柄が直接分かる。
→柔軟な条件による交渉が出来る(内見者から本当のニーズを引き出せる。)

 

6:エコーズ の活用について
仲介さん周りでもウンともスンとも言わない時に・・・、当時エコーズという自分でマイソクを
上げられるサービスが始まりました。

エコーズ :(https://s-echoes.jp

当時、何とか反響を得ようと、写真や家賃を変えようとしてました。すると、各不動産会社の担当の方によって対応してくれたり、してくれなかったり。ある仲介さんの募集HPには内装写真を曇りの日に撮った為に暗くなっていたりと・・・。大家側としては不満もあったのですが、このサービスを使うと自分で写真や文言をポータルサイト(SUUMOやat home)に載せられます。
=好きな時に好きな文言を載せることが出来ます。

そこで途中からですがやってみた結果がこちら!⇩
※赤丸が家賃変更部分、入居申し込みは3月10日ごろ。

一覧PV・・・SUUMOなどの一覧画面に現れた回数
詳細PV・・・一覧から自分の物件がクリックされた回数

 

この図から分かる事
→家賃改定のタイミングで一覧PVには影響あり。(家賃2000円下げると新着表示になるから?)
→繁忙期は1月からと言われるのは本当。
→詳細PV(と思っている)が高いのは家賃を下げてから(ここがポイント!)
補足:家賃59,000~62.000 一覧PV 350前後、詳細PV100前後
家賃52,000~55.000 一覧PV 450~500前後、詳細PV150~200前後
つまり、本物件に限って言えば、5万円前後で家を探している人が相対的に多く、その層の興味を引いていた(2〜3人に1人が物件詳細をクリックしてくれている)。
反響が分かるのは励みになり、これ以降もこのサービスにお世話になっています。

 

最後に・・・・
本物件の収支は下記になります。
・物件価格・・・50万円
+取得費用他・・・約20万円
+リフォーム費・・・約117万円
=合計計 187万円
・賃貸 5.2万円
・実利回り 32.1% (※東京⇄群馬間の往復交通費は含んでおりません。)

 

これまで何物件か50万円前後で中古戸建てを購入してきた僕の体感として、たとえ50万円という安い値段で仕入れても、賃貸客付までになんだかんだトータル200万円程度の費用がかかるなぁというのが僕の経験です。

 

▼どうやって50万円で中古戸建てを購入したのか?購入経緯は#1物件購入編をご覧ください!
初のちゃんとDIY~客付体験#1物件購入編

 

これにDIYの労働(大晦日も働きました笑)を入れると利回りはいくらになるのかと・・・。

安い物件はリフォームが必要な難がある物件ばかりですが、200万円できれいな物件を仕入れてリフォームをせずに貸した方がいいのでは・・・?など考えて、この後、200万円で物件を購入したFAP。
200万円の物件もそれはそれで難ありだったりするのですが(笑)、この話はまたどこかで。

 

というわけで「初のちゃんとDIY~客付体験3シリーズ」、終了です!

 

次回は「実は大事、近隣挨拶について」。
最近は引っ越しをしても近所の挨拶に行かない人が増えたような気がしますが、みなさんは物件を購入した後ご近所への挨拶に行かれていますか?
ご近所の方に味方についてもらう事は非常に重要です。
次回の記事公開もぜひ楽しみにお待ちください♪

はじめてのDIYでの1番の学びは「壊すと後が大変になる」、ということでした。

前編:初のちゃんとDIY~客付体験#1物件購入編

 

この学びを生かし、以下を基本方針としました。
①出来る限り素材を生かす
→畳は表替え、磨けば綺麗になるキッチンは掃除のみ、残置物のソファをリメイク etc.
②費用対効果を考え、DIYと外注をMIX
→同じ壁紙でも壁はDIY、高い梯子が必要な階段・下地が難しい形の場合や天井は外注 etc.
③物件に泊まり込み
→往復の移動時間やホテルに泊まる費用の節約

 

●DIYのざっくり手順

 

⓪リフォームプランを考える。
→ 1番にDIY中の寝室を決め、寝泊りできる最低限の掃除も最初に!電気・水道の契約はDIYが始まる前に行っておくことも忘れずに。僕は物件に泊まるDIYでも、地元の銭湯や全国にあるジムのシャワーを利用していたため、ガスは最後に契約するようにしています。

 

①残置物処理
→ ゴミは産業廃棄物処理場、本は古本屋、エアコン・金属類は屑鉄買取へ。

 

②草抜き+防草シート張り
→ DIY期間が長くなればなるほど何度も草抜きをしなければならなくなるため、外構は先に防草シートを張るのがおすすめ。(ただし、人工芝は最後に張らないと、落ち葉がたまったり野良猫に糞をされるので要注意!)

 

③和室の洋室化+ひたすら塗装
→ 塗装時のマスキングに手間がかかるため、汚れても良い状態の初期に塗装しておくのが◎。

 

④電気屋さんへの配線の外注
→ 壁や天井に石膏ボードを貼る前に電気屋さんに配線工事をしてもらわないと、せっかく貼った石膏ボードを取り外して配線後に再度貼る手間がかかったり、石膏ボードに穴を開ける必要が出て、その後壁紙や塗装の前のパテの処理が大変になるので工事の段取りはリフォームプランを決めるタイミングで業者さんと連携を取る必要があります(この段取りが難しい・・)。

 

⑤ボード・コンパネ貼り+クロス・CF仕上げ
→ クロスやCFはやればやるだけ技術がUPするため、初めての場合はメイン以外の部屋や小さい面から貼る練習を!

 

⑥一部大工さんにボード貼り外注+クロス屋さんに天井・階段のクロス貼り外注
→ DIYerでも費用対効果を考えて、難易度が高い箇所や高い梯子が必要な箇所はプロに外注するのがおすすめ。この物件では、部屋の中に階段があり、天井高が高かったため、DIYで節約できる費用よりも外注をするメリット(労力、時間、手間、技術、高い梯子などの工具の購入費用・保管コストの削減)が大きいと判断し、高い場所は外注を行いました(トイレ交換込みで14万円程度)。

 

⑦風呂場の壁の塗装+防滑シート貼り
→  小さすぎる浴槽でしたが、「素材を生かす」の原則に基づき掃除のみ行いそのまま利用。

 

⑧汲み取りトイレを簡易水栓へ切替・ボード貼り、倉庫の穴埋め
→ DIY中や外注の大工さんたちもトイレを使いたいため、初期にリフォームをしてしまうと汚れがたまります(特に汲み取りの場合は匂いもつきます)。また、トイレリフォーム中はトイレが使えないので、汚れ作業がひと段落したタイミングで短期間で完了するタイミングに着手しています。

 

⑨寝室としていた和室の壁紙貼り+表替え
→ 「素材を生かし」、畳は表替えのみ。寝室に着手する頃には別の部屋でも寝れるくらいリフォームを進めるのがポイント!

 

⑩キッチンまわりの掃除+CF貼り
→ このタイミングでガスの契約を行い、お湯が出るかなどもチェック!

 

その他:建具の装飾(塗装、シート貼り、ノブの交換など)
※特に閑散期や田舎の物件では、募集後すぐに内見が入らないことも多い為、細部が完成していなくても募集を開始し、募集中に装飾や内見で指摘を受けた箇所の修繕を同時並行で行うのがおすすめです。

 

リフォームのコンセプトはナチュラル+北欧(初DIY物件なので、今見るとツッコミどころばかりですが思い出深いです)。

懸案事項は費用と手間の関係で洋室化しなかった和室(下記写真)をどうリフォームするか。

ただの和室がある部屋は敬遠されるかなと考え、この部屋だけは「旅館みたいなカッコいい和室」を目指し、ブラックを基調にした内装にしました。
青い壁紙:旧 FE6049→現行 FE74088
黒い蛇腹線の壁紙:RF6569(廃番)


襖の壁紙:旧 TMC5144→現行 TWP 9165

 

投資家仲間に内見してもらった時に一番好評だったのは、和室から洋室化まで完全DIYをした下記の部屋です。2階は日当たりも良いので、日光×白は強いと感じました。


こちらも部屋も元々は和室。

この部屋は壁紙ではなく塗装仕上げにしましたが、木材を白色で塗装をする際は、木材のアクが出てくるので、いきなり白を塗るのはNG。アクドメールを塗ってから白色を塗りましょう!
▼アクドメール
https://www.fujiwara-chemical.co.jp/product/20610/

 

この部屋は天井も白色を4回塗ってます。肩と首を間違いなく痛めますので、ご注意を(笑)

▼使用した白塗料:なぜかこの商品は激安でおすすめです!!
https://x.gd/XNC0U

一番苦戦したのは、売主様の手によって、爽やかなターコライズに塗装されたこちらの部屋。

 

塗装仕上げが大変だったのでクロス仕上げにしたほうが時短になるかと思っていたのですが、まさかの障害発覚。
元の壁についていたパネルのジョイント部分が盛り上がっており、壁が隆起していたのです・・・。
ジョイント撤去が難しく、やむをえず、ボードを上貼りしました。
ジョイント部分以外に石膏ボードを貼り、ジョイント部分をパテで埋めていったのですが、広範囲だったこともありパテを大量に使う羽目になり時間がかかりました。

 

同じように天井もボードを貼ったのですが、石膏ボードは重たいので、1人での作業は非常に難しいです。今の僕であれば、タッカーなどで仮止めしてやりますが、当時はインパクトで地道にビスを打つ方法しか知らず、ボード一枚貼るにも夫婦2人で大揉め・・・。
(石膏ボードを両手で抑えている妻)「早くビス打ってよ!」
(片手でビスとインパクトを持っている僕)「あれ形が合わないな・・・?」

DIYの1番のデメリットは、疲れてくる夕方に些細な事で苛立つようになること(笑)

アクセントクロス:RE 51354
CF:HM-10081
壁クロス:RE51020
ウォールライト :https://x.gd/BcOpf

築古物件は思わぬ構造の建物が多いですよね。この物件もリビングになるはずの部屋に、なぜか2段ベッドが部屋に組み込まれていました(笑)
撤去して収納にすることも考えましたが手間と時間を考えた上、子連れやペット連れの方が入居した場合は用途があるかも、と思い、思い切って残すことにしました。
こちらも白コーデで統一!奥は青色のアクセントカラーで塗装。


白い壁紙:LW 4546
CF:LH-81088

 

トイレは築古物件の味を残した塗装仕上げにしました。
目を引くアクセント部分はミルクペイントのピスタチオグリーンです。
このターナー色彩のミルクペイントシリーズは、マットで上品な仕上がりになるのでどの色もかわいく仕上がりますね^^(ただし、他の塗料より割高なのでアクセントにのみ利用しています。)


汲取から簡易水洗に変更する際の注意点はトイレの値段です。簡易水洗用のトイレを購入しなければなりませんが、普通のトイレの2.5倍(約6万)くらいするのでご注意を。

 

もとのお風呂はこんな感じ。浴槽が小さかったので交換したかったのですが、浴室自体大きくないことや費用対効果と時間を考え、既存のまま利用することにしました。

 

バス用の塗装で白に塗り、シャワー水栓と追い焚き仕様に変更しました(ガス会社の貸与品)。

簀子の下に排水口がむき出しとなっていた床は、防滑シートを貼ってリフォーム。重量があるので施工が大変ですが、仕上がりは非常に綺麗になります。
▼サンゲツ ノンスキッド 防滑性ビニル床シート (PX-822-S)

 

いかがでしたでしょうか?次回は本物件の客付編になります。
FAPははじめてDIY物件を完成させ、自身満々で募集を開始したのですが、まさかの落とし穴が・・・。 乞うご期待下さい!