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空き家賃貸の利回りをよくする方法、メリットや注意点などを解説

空家ベース編集部

本記事では、「空き家賃貸」に興味があるけど、利回りの面で不安を抱いている人や、空き家賃貸のメリットやデメリットを知りたい人向けに、空き家賃貸の利回りをよくする方法や、空き家賃貸のメリットと注意点について解説します。

この記事でわかること

  • いま「空き家賃貸」「空き家投資」が注目されている
  • 空き家賃貸には、実質利回りを意識する必要がある
  • 空き家賃貸には優良な空き家を探すことが重要である

不動産賃貸経営・不動産投資とは?


不動産賃貸経営とは、相続や購入などで取得した土地や住宅を資産運用する方法のひとつです。土地だけを取得した場合は、賃貸を目的とした住宅を新たに建築します。住宅がすでにある場合は、リフォームやリノベーションをして貸し出し、家賃収入を得ます。賃借人からインカムゲイン(運用益)を得ることを目的とした不動産投資を指します。

現在は空き家賃貸・空き家投資が注目されている

現在、日本国内では空き家が増加傾向にあり、全国の空き家問題が深刻化しています。そこで、すでに住宅を所有しているけれど利用することがなく空き家になっている物件を賃貸にして運用する「空き家賃貸(空き家投資)」という不動産賃貸経営の方法が注目されています。
かなり老朽化が進んでいて、そのままでは住めないような空き家物件を安く買い取り、リフォームを施し、収益を生み出す物件に再生させて賃貸に出すという方法です。
空き家として放置していたとしても、不動産を所有しているだけで固定資産税や都市計画税が課税されるため、空き家の有効活用の手段としてこの方法を選択する方が増えています。
空き家や古い建物のなかには、接道義務を果たしていないことから解体すると再び建築することができない「再建築不可物件」や、用途変更のできない都市計画制限を受けた物件なども多くみられます。
このような物件は、通常の価格では買い手が付かず、相場よりも安い値段で売られているケースが多いため、これらを利用して収益を狙う空き家投資の方法もあります。

空き家賃貸のメリット

空き家賃貸の主なメリットを見ていきましょう。

長期的な家賃収入が見込める

空き家を賃貸に出す最大のメリットは、長期的な毎月の家賃収入を得られる点です。空き家賃貸は、賃貸アパートやマンションと比較するとファミリー層の入居者を想定するため、一度入居すると入居期間が長くなる傾向があります。そのため、長期的に安定した収入が得られやすくなります。

入居者が決まりやすい

賃貸アパートやマンション一室の賃貸は供給量が多いですが、戸建て賃貸はそもそも供給量が少ないため、競合が少なく入居者が決まりやすいというメリットがあります。また、駐車場が付いている土地の広さの空き家であれば、賃貸アパートやマンションに比べ、駐車場代がかからないという点も入居者が決まりやすい要因になります。

立地に左右されにくい

賃貸アパートやマンションの場合は、駅からの距離など立地条件の良さが家賃収入に大きな影響を与えます。例えば、駅から10分以上の距離だとそもそも借手の探している条件に当てはまらず、候補から外れてしまうことがあります。しかし、空き家などの戸建て賃貸の場合は、立地条件よりも学校やスーパーなど生活環境の良さが優先されるケースが多いです。

空き家賃貸のデメリット・注意点

空き家賃貸にもデメリットや注意点があるため、それらも視野に入れなければなりません。

隣人トラブルが起こる可能性がある

戸建て賃貸はアパートやマンションに比べ、隣人との関係性が近くなることから借主と隣人との関係が悪くなるとトラブルに発展する可能性があります。その場合、オーナーである貸主自身がトラブルの対応を求められる場合もあります。

メンテナンスやリフォームに費用がかかる

例えば、区分マンション一室の賃貸であれば、面積が狭く室内のみのメンテナンスやリフォーム費用しかかかりませんが、戸建て賃貸の場合、長期入居者が退去した後や、自然災害で建物が破損した場合は、建物全体のメンテナンスやリフォームが必要になるため費用が高くなる傾向があります。

空き家をリフォームする際の費用相場と、お得にリフォームする方法を解説

収入の増加に時間がかかる

空き家賃貸は、入居者が決まれば安定した収入が見込めますが、初期投資金額が小さい分、家賃収入も少なくなります。アパート賃貸の場合であれば、空室がなくなれば大きな収入を得られますが、空き家賃貸の場合は、一住戸一組からの家賃収入となるため、一定金額の収入から増えることはありません。

空き家賃貸の利回りを知ろう

空き家賃貸の利回り
賃貸経営や投資と聞くと、気になるのは「利回り」でしょう。ここからは、利回りとは何か、具体的な計算方法をご紹介します。

利回りとは?

不動産の利回りとは、物件購入価格に対して家賃収入で得られた収益がどれくらいの割合かを示したもので、戸建て賃貸の場合は、1年間の家賃収入から計算します。利回りは、その物件の収益力を判断する要素の一つとなります。

利回りには、主に、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。それぞれの計算方法と特徴を見ていきましょう。

表面利回りの計算方法

表面利回りは、年間の家賃収入を不動産の購入にかかった費用で割って計算します。 

計算式:表面利回り =(年間家賃収入 ÷ 物件価格)× 100

例えば、不動産の取得に4,000万円かかった物件で、家賃が月10万円の戸建賃貸の場合の表面利回りは以下のようになります。

年間家賃収入 = 10万円 × 12カ月 = 120万円
表面利回り =(120万円 ÷ 4,000万円)× 100 = 3.0%

この戸建て賃貸の表面利回りは3.0%になります。

ここで注意すべき点は、表面利回りには、不動産の維持費などの諸経費が含まれていないため、確実に得られる利益ではないという点です。

実質利回りの計算方法

実質利回りは、表面利回りに、購入時の諸費用、年間運営費、固定資産税、火災保険料、修繕費などを加味して計算します。

計算式:実質利回り ={(年間家賃収入 − 年間支出)÷ 物件価格}× 100

例えば、不動産の取得に4,000万円かかった物件で、家賃が月10万円の戸建賃貸で、年間の支出が20万円の場合の実質利回りは以下のようになります。

年間家賃収入 = 10万円 × 12カ月 = 120万円
実質利回り ={(120万円 − 20万円)÷ 4,000万円}× 100 = 2.5%

この戸建賃貸の実質利回りは2.5%になります。実質利回りは、表面利回りと比較してより正確な収益が把握できる点が特徴です。

利回りの相場

不動産の表面利回りには相場があります。地方部での理想の利回りは10%、都市部では7%といわれています。
利回りは、諸費用となる物件購入価格が低いほうが高くなるため、物件購入価格が高めの都市部と比較して、地方都市のほうが利回りが高くなるのが特徴です。
上記の数値は理想の利回りですが、実際の利回りの相場としては、築年数にも影響されるため、新築物件で5〜6%、中古物件で6〜8%が相場とされています。

利回り計算における注意点

空き家投資をはじめる際に、数字だけで利回りを判断することは避けたほうがよいでしょう。表面利回りは多くの物件を比較する際のひとつの目安とすることをおすすめします。

物件を決める場合には、現地に足を運んで周辺の家賃相場や賃貸ニーズについて調べるのと同時に、諸費用がどれくらいかかるのかを把握したうえで、実質利回りやキャッシュフローを計算して、損をしない不動産投資をしましょう。

空き家賃貸の利回りをよくして成功させるためには

空き家賃貸 利回り 成功
不動産投資は、計算上では利回りがよいはずだったのに、実際はそれほどでもなかったというケースも少なくはありません。そこで、利回りをよくして、空き家賃貸を成功させるためのポイントをおさえておきましょう。

リフォームを行う

空き家の場合、設備が壊れていたり室内が汚れていて借手候補からの印象が悪く見える場合があります。例えば、築年数が経っている空き家でも、設備を変えたり室内のクロスの張り替えなどリフォームするだけで綺麗な住宅にすることで借り主がつきやすい物件にすることが可能です。

DIYでリフォーム費用自体を抑える

リフォームを行うことで物件の印象を良くすることができますが、リフォーム業者に工事の依頼をするとその分、費用がかかってしまいます。水回りの工事や間取り変更を伴うような専門の知識を要しない工事であれば、DIYでリフォーム工事を行うことで、諸費用を抑え、利回りをよくする方法もあります。

地域の需要にあわせたリノベーションを行う

リフォームと合わせて検討したいのが、リノベーションです。地域によって住まいに対するニーズが異なるため、どのような層が戸建て賃貸を希望しているのかを把握し、リノベーションすることも利回りをよくする方法の一つです。リノベーションでは、間取りの変更をすることも可能なため、例えばファミリー層向けの戸建て賃貸であればリビングの広い間取りに変更したり、近隣に大学が多く、学生のシェアハウス向けの戸建て賃貸であれば間取りを増やした戸建てにするなど、地域のニーズに合わせたリノベーションも検討するとよいでしょう。

優良な空き家物件を探す

空き家賃貸を始める際は、空き家になっている理由を知るようにしましょう。相続や税金対策など、所有者個人の事情によって空き家になっているのか、物件の立地や再建築不可などの制限により売却できずに空き家になっているのか、その理由によって投資の判断が異なってきます。物件の立地や再建築不可物件の場合は、投資物件として利用できるのかどうか、出口戦略まで考えて慎重に判断しなけばなりません。また、空き家のリフォームにかかる費用を回収できるだけの賃貸収益や売却益が期待できるかどうかも考える必要があります。
空き家物件の情報は空き家の取扱い実績豊富なポータルサイトやマッチングサイトから検索することをおすすめします。「空家ベース」では、全国の空き家を掲載し、空き家を売りたい人と買いたい人を繋ぐサポートをしています。空き家賃貸に興味のある方は是非お気軽にご相談ください。

まとめ

空き家賃貸で成功するためには「利回りを意識すること」「利回りをよくするための工夫をすること」「優良な空き家探しをすること」が大切になります。アパートやマンション賃貸とは違った賃貸投資のアプローチの仕方次第では、安定した家賃収入を得ることができ、賃貸投資を成功させることができます。空き家賃貸を始めたい場合は、なるべく多くの物件を見て現地調査を行ったり、空き家の取り扱い実績が豊富な不動産業者に相談するなどして知識や経験を積んでいきましょう。