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戸建て投資の経費と節税
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戸建投資で認められる経費とは?節税効果やおすすめ物件を紹介

空家ベース編集部

日本の空き家は増加傾向にあります。「空き家問題」への対策として期待されているのが、空き家戸建投資です。

初期費用を抑えつつ、利回りの高い投資方法であり、興味をお持ちの方も多いことでしょう。また、戸建投資は、収入を増やす方法であると同時に、節税効果も期待できます。そのため、会社員のように本業を持つ人が、副業として始めることも少なくありません。

しかし、税金を最小化するためには、戸建投資で認められる経費の知識を身につける必要があります。

本記事では、戸建投資とは何か、戸建投資で認められる経費、節税効果が期待できる税金などについて解説します。税金を最小化し、不動産投資を行う自分の身を守るための参考としてご一読ください。

この記事でわかること

  • 戸建投資とは「相続や贈与、購入などで取得した住宅を資産運用する方法」である
  • 戸建投資では「所得税・住民税・贈与税・相続税」の節税効果が期待できる
  • 戸建投資で認められる経費は多岐に渡り、「ローンの金利、保険料、修繕費、仲介手数料」などがある

戸建投資とは?

戸建投資は、不動産投資の一種で、相続や贈与、購入などで取得した住宅を資産運用する方法です。

近年は空き家が増加傾向にあるため、空き家や再建築不可物件、古家付き土地などを購入し、リフォーム・リノベーションの後、賃貸物件として家賃収入を得る方法が注目されています。

戸建投資が注目されている理由

空き家や再建築不可物件などは、築年数が経過しており、老朽化が進んでいたり、接道義務を果たしていなかったり、用途変更できない都市計画制限を受けていることが少なくありません。

そういった、そのままでは住めないような物件は、近隣相場と同等の価格では買い手がつかないため、格安の値段で売られているケースが多いです。これらを安く買い取り、リフォームやリノベーションを施して、収益化する物件に再生させる方法が注目されているのです。

戸建投資のメリットは「収益を得ながら節税効果が期待できる」こと

すでに戸建投資を始めている方も、これから戸建投資を始めようと思っている方もご存知かもしれませんが、戸建投資の最大のメリットは、収益を得ながら節税効果が期待できることです。

ここからは、戸建投資で節税効果が期待できる税金の種類と、その理由を簡単におさらいしましょう。

戸建投資で節税効果が期待できる税金

戸建投資を行うことで、負担を軽減できる可能性がある税金は以下のとおりです。

所得税

所得税は、1年間の全ての収入金額から、必要経費や所得控除額を差し引いた所得額に対してかかる税金です。

住民税

住民税は、都道府県民税と区市町村民税の総称で、所得税同様、所得金額に応じた税額を毎年納めます。

贈与税

贈与税は、財産を無償で譲り受けたときに課される税金です。贈与される財産の金額に比例して、税率が高くなります。

相続税

故人から財産を承継したときに生じる税金です。残された遺産に加えて、被相続人の死亡前3年以内に贈与された財産についても、相続税が課されます。

ここからは、戸建投資でなぜ節税効果が期待できるのか、その理由を見ていきましょう。

理由1.経費として計上できる項目が多い

後述しますが、戸建投資で認められる経費にはさまざまな項目があります。他の投資手法に比べて経費計上できる項目が多いです。

不動産収入(収益)から多くの経費を差し引ければ、課税対象となる所得額が減るため、発生する税額が減ります。このような仕組みで節税効果が期待できるのです。

理由2.減価償却費で帳簿上赤字になりやすい

差し引ける経費のうち、特に所得の圧縮効果が高いのが減価償却費です。減価償却費とは、経年劣化する建物や設備に対し、耐用年数に合わせて計上できる経費のことです。

建物や設備のように高額な固定資産の場合、取得後、長期間にわたって使用します。そのため、減価償却費は、購入した年に一括で経費計上せず、耐用年数に応じて分割して経費計上していく必要があります。

戸建投資では、減価償却費が大きな割合を占めるため、帳簿上赤字になることも多く、税額を大きく減らす効果が期待できるのです。

理由3.本業からの収入と損益通算できる

先述したとおり、戸建投資では、課税対象となる所得額を低く抑えることが可能です。

そのため、戸建投資では、不動産収入が一定程度得られるようになりキャッシュフローが黒字になっても、帳簿上は赤字ということがよくあります。その際、赤字部分は、本業から得た給与所得と合算することが可能です。これが「損益通算」です。

本業の給与所得から帳簿上の赤字分を差し引くと所得額が減り、納税し過ぎた税額の還付を受けられるようになります。副業として戸建投資に取り組む会社員大家ならではの節税メリットといえます。

損益通算の例

例えば、1年間の家賃収入が300万円、購入費用の減価償却費が400万円、そのほかの必要経費が50万円、給与所得が600万円の場合、以下の式で所得税(住民税)を申告できます。

式:給与所得600万円ー(家賃収入300万円ー減価償却費400万円ー必要経費50万円)
 =給与所得600万円ー(損益通算できる赤字額150万円)
 =課税所得額450万円

つまり、損益通算により、年収が600万円ではなく、450万円として所得額を申告するため、課税対象額が差引150万円も低くなり、所得税と住民税の軽減に役立つのです。

戸建投資で認められる経費を知ろう

戸建投資に節税効果が期待できることをお伝えしてきましたが、節税効果を最大化するためには、申告することが認められる経費を知る必要があります。

戸建投資で認められる経費は、大きく分けて以下の14種類です。

戸建投資で認められる経費
・管理費:建物の管理費(共用部分の清掃や設備の点検保守費用など)
・保険料:火災保険や地震保険など
・修繕費:退去にともなう原状回復のリフォーム費用、日々発生する設備故障に伴う交換費用など
・通信費:私用で不動産投資以外目的にも使用している場合は、家事按分が必要
・交際費
・減価償却費
・旅費や交通費:不動産購入にあたっての現地訪問、交渉や契約のための不動産会社訪問などの移動費用
・ローンの金利:土地、建物(設備を含む)のローンにかかる金利 ※元金は経費として認められないため注意が必要
・自動車関連費用:自動車税や保険料、車検代など
・固定資産税などの税金
・管理会社への管理委託料
・司法書士や税理士への報酬
・情報収集や勉強のための費用
・仲介手数料、広告宣伝費など入居付けのための費用

戸建投資で認められない注意すべき経費とは

一方、認められない経費もあります。

戸建投資で認められない注意すべき経費
・反則金や罰金
・資格取得費用
・ジムなどの会費
・所得税や住民税などの税金
・スーツ代、コンタクトレンズ代

主に、私用・プライベートで使用したものは、戸建投資の経費にあたらないため、注意しましょう。

戸建投資におすすめなのは中古物件・空き家

戸建投資の節税効果を十分に引き出すには、投資を始める際の物件選びが大切です。一般的に、新築物件ではなく、中古物件のほうが節税効果は高い傾向にあります。主な理由を2つ紹介します。

耐用年数が短い

不動産収入から控除できる減価償却費は、物件の購入価格(建物設備部分)を耐用年数で割って求めます。同構造の住宅用建物であれば、新築物件に比べて中古物件が購入時からの耐用年数が短くなり、1年あたりの減価償却費を高く計上できるのです。

ただ一方で、減価償却による節税効果が切れるまでの期間も短い点は念頭に置いておきましょう。「耐用年数は短いほどよい」ではなく、長期的な視点でどれだけ節税できるかを考えましょう。

(表1)
建物の構造と法定耐用年数

中古物件の耐用年数を算出する方法

一般的な中古物件の耐用年数を算出する方法は、以下のとおりです。

【新築時から経過した年月が法定耐用年数を超えるとき】
法定耐用年数の20%の年月を耐用年数とします。計算結果は小数点以下を切り捨てて、2年未満の場合は耐用年数を2年として扱います。

【新築時から経過した年月が法定耐用年数以下であるとき】
法定耐用年数から経過した年数を差し引き、その数値に、経過年数の20%の年数を加えます。上記同様に、計算結果は小数点以下を切り捨てて、2年未満の場合は耐用年数を2年とします。

購入費用が手頃なことが多く初期投資の費用を抑えられる

空き家や再建築不可物件、古家付き土地などの中古物件は、新築物件よりも安い傾向にあるため、初期投資の金額を抑えられるというメリットがあります。

ただし、中古物件は新築物件よりも集客しにくい傾向にあるため、その分賃料を安く設定したり、リフォーム・リノベーションをして新しい内装や設備を導入したりして、スムーズに借り手が見つけられるような工夫が必要です。

さらに、物件購入後、建物や設備の修繕・改修などが必要になる期間は、中古物件のほうが短い点には注意しましょう。

戸建投資の物件はポータルサイトやマッチングサイトで探そう

戸建投資を行う以上、需要があり収益化が見込める優良な中古物件や空き家を探す必要があります。借り手が見つからない期間にも、固定資産税の支払いや設備の劣化は避けられません。

地元不動産を回ったり聞き込みを行う方法もありますが、優良な中古物件や空き家を探すうえで最も効率的な方法は、ポータルサイトやマッチングサイトです。

検索条件を入力すれば、条件にマッチする空き家や古家付き土地などの中古物件を簡単に検索できます。

まとめ

本記事では、戸建投資とは何か、戸建投資で認められる経費の詳細を中心に解説してきました。

空き家戸建投資は、初期投資の金額を抑えつつ、多くの経費を計上できるため、節税効果が期待できます。ハードルの高くない投資方法であるため、会社員のような方でも副業としてスタートしやすいでしょう。

しかし、物件選び・探しで間違えると、借り手が見つからず収益化ができません。大切なのは、優良な中古物件を早く見つけることです。

中古物件選び・探しには、ポータルサイトやマッチングサイトがおすすめです。

「空家べ―ス」は、全国の空き家情報を掲載し、空き家を売りたい人と買いたい人をつなげるポータルサイトです。取り扱う空き家などの中古物件は豊富で、これまでにも多くの売買実績があります。空き家の売買や古民家、古家付き土地などの利活用に興味ある方はお気軽にご相談ください。