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空き家投資とは?メリット・デメリットや、失敗しないためのポイントを解説

空家ベース編集部

不動産投資を成功させるには物件選びが重要なポイントとなり、安く物件を購入しリフォームすることで利回りを良くすることができます。
その中でも空き家は価格が安いため物件購入にかかる費用を抑えることができ、投資家に人気の投資物件となっていますがメリットだけでなくデメリットもあるため注意が必要です。
場合によってはうまく利益を得られずすぐに売却することになったという失敗事例もあります。
この記事では空き家投資のメリットとデメリット、失敗しないためのポイントについて解説します。

この記事で分かること

  • 空き家投資の概要
  • 空き家投資のメリット・デメリット
  • 空き家投資の失敗事例

空き家投資とは?

空き家投資をスタートする前に、そもそも空き家投資はどのような投資なのかを知っておくことが大切です。
また所有者が空き家を手放す理由についても理解することで、今後売却物件としての空き家が増加するかどうかを予測することがある程度可能となります。
この章では空き家投資の概要について解説します。

増加している空き家対策として注目されている

国土交通省は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行しており、空き家問題の対策として空き家の除去や活用を推奨しています。
また倒壊の恐れがある「特定空き家」や窓ガラスが破損している等管理が不十分な「管理不全空き家」を所有している場合、自治体から管理の指導や勧告を受けることになります。
空き家の状態によっては強制解体や固定資産税の優遇撤廃などを受けることから、空き家を所有していること自体が大きなリスクになってしまいます。
このような法律の影響から空き家活用や自分で住む所有者は増えましたが、遠方にある古家などは活用する方法が少ないため売却を不動産会社に依頼するようになりました。
その結果空き家が投資用物件として公開されるようになり、今後も増加すると予測されています。

空き家を再生して活用し利益を生み出す投資

空き家を活用するという意味で空き家投資は効果的な方法です。
そもそも不動産投資は不動産を購入して賃貸物件として公開し、入居者から家賃をもらって収益化するという投資モデルとなります。
さらに賃貸経営を終了させるタイミングで物件を売却し、家賃収入+売却益で黒字化させることが不動産投資のサイクルといえます。
つまり、不動産投資で利益を得るためには購入費用とリフォーム費用を抑えた適切な賃料設定がポイントといえ、このことからも物件価格が安いという理由で初期費用を抑えられる空き家は賃貸に向いており、多くの投資家から注目されています。

空き家投資のメリット

空き家投資を投資家が注目する理由として空き家投資が持つメリットがありますが、この章では代表的なメリットを紹介します。
これから空き家投資をスタートする人は参考にしてください。

少額から始めることができる

これから不動産投資を始める人であれば、まずはお金をあまりかけないスモールスタートがおすすめです。
なぜなら不動産投資は多くの知識とノウハウが必要となり、経験によって身に着けていくことになるからです。
その点、空き家は初期投資を抑えることができるため融資を組みやすく、必要となる費用によっては自己資金で購入できる可能性もあります。
このように空き家投資は不動産投資の中でもリスクが低いという点が、メリットです。

利回りが高い

利回りは年間の収入と不動産購入の総額との割合となっており、戸建てやマンションなど不動産種別に関わらず不動産投資をする上で物件購入を判断する重要な指標です。
特にランニングコストを差し引いた利益で計算する実質利回りは収益計画を立てる上で必ずチェックすることになりますが、空き家は初期投資が少なくなるため高利回り物件となる可能性が高いです。
これにより早い段階で初期投資を回収することができる収益物件となり、空き家投資の大きなメリットといえます。

節税効果がある

不動産投資によって「所得税・住民税」「贈与税」「相続税」の3つを節税することができ、節税効果は次のようになります。

節税内容 効果
所得税・住民税 不動産投資でかかった経費を所得税もしくは住民税から控除できる
贈与税 現金で贈与するよりも課税額を約20%下げることができる
相続税 贈与税と同様の効果がある

上記のように不動産投資の経費はそのまま支出にせず税金控除に使用することができ、トータル収入を増やすことができます。
これ以外にも現金で贈与や相続するよりも8割程度の評価額で計算することができることから、空き家投資のみならず不動産投資全体のメリットとなっています。

短い期間で融資を組める

たとえば居住用財産を購入する際に組む住宅ローンは35年で返済するケースが多いですが、不動産投資は5~10年間での返済が一般的です。
このように短い期間で融資を組むことで返済に関するリスクを下げることができ、さらに空き家の場合は借入額も少なくなるため不動産投資の初心者でも安心して融資を受けることができます。

ノウハウを比較的蓄積しやすい

不動産投資は大きな戸建てを買わなくてもノウハウを蓄積しやすく、空き家投資でも十分に知識を習得することができます。
このようにして得た知識は次の不動産投資で活かすことができ、さらにリスクを下げられるというメリットがあります。
そのため空き家投資を検討する投資家の中には、本格的な投資をするための「勉強用」として購入する人もいます。

空き家投資のリスク・デメリット

空き家投資は初心者にもおすすめできる不動産投資ですが、デメリットもあるため注意が必要です。
この章では空き家投資のリスクとデメリットについて、解説します。

需要が低いエリアが多い

空き家を中古戸建として公開している物件は郊外であることが多いです。
なぜなら都市部は生活しやすく人気があるため空き家にせず自ら活用する所有者が多く、その一方で築年数が経過し住めない状態の空き家であれば「古家付き土地」として売却するからです。
こうした理由から人気エリアでは空き家が公開されにくく、結果的に需要の低いエリアで空き家物件は公開されやすくなります。

これ以外にも需要が低いエリアの空き家を購入し賃貸経営を計画した場合は借り手が見つかりにくいというデメリットがあり、収益計画通りの利益を得られないこともあります。
そのため空き家を購入する際には価格や築年数だけでなく、周辺エリアの需要もチェックすべきです。

大規模な修繕やリフォームが必要なことが多い

築年数が古い空き家は耐震性に問題があり、入居者が住んだ後に倒壊してしまうと管理責任を追及されてしまいます。
このようなリスクを避けるためにも賃貸物件の耐震性や耐久性は確保しておくべきですが、築年数が古いと耐震工事を含めたリフォーム工事が必要となります。
その結果初期費用が高くなり利回りが悪化してしまう点がデメリットです。

売却が難しい場合がある

不動産投資は賃料に加えて将来売却した利益を考慮して計画を立てるのが一般的ですが、売却するタイミングでは購入時よりも築年数が経過していることになります。
そのため安い空き家を購入し良い利回りで賃貸物件を管理できたとしても、売却するタイミングではほとんど建物の価値が残っていないこともあり得ます。
このことからも空き家投資を検討する際には建物よりも土地の価値が高い物件を選定することがポイントですが、郊外の物件だと土地の価値も都市部に比べて安いことが多いです。
つまり、空き家投資の売却は通常の不動産投資よりも売却が難しいケースが多いといえます。

空き家投資の失敗事例

空き家投資は不動産投資の中ではリスクが低いものの、全く失敗しないわけではありません。
そのためどのような失敗パターンがあるのかを事前に確認し、対策をした上で空き家投資をスタートすることが大切です。
この章では空き家投資においてよくある失敗事例を紹介します。

リフォーム費用の計算が高額になりすぎて失敗

一般的に築年数が古い空き家ほどリフォーム費用が高くなる傾向にあり、その結果リフォームや修繕工事の費用を含めると物件の本体価格が安くても初期費用が高くなる点がデメリットです。
初期費用が高くなると家賃を高くしなければ利回りが悪くなってしまいますが、相場よりも高い家賃では入居者が決まらない可能性が高くなります。

このことからも理想の利回りで賃貸経営するためにも、空き家を購入する際には本体価格だけでなくリフォーム費用も正確に把握することが大切です。

入居付けができない

家賃設定が適切だったとしても競合物件や市況の影響で中々入居者が決まらないことがあり、収益化が遅れることがあります。
こうしたトラブルが起きる原因の一つに「築年数」があり、古い物件は地震に対する不安から入居を躊躇する人もいます。
このように築年数が古い空き家を購入してしまうと賃貸経営がうまくいかなくなることがあり、投資物件選択時の注意点といえます。

台風や地震による被害

台風や地震はいつどこで発生するか分からないため、賃貸物件を探す人はハザードマップを意識していることが多いです。
そのため購入した空き家の外観だけをキレイに改修しただけで賃貸にだした場合、災害によって破損や倒壊するリスクを抱えることになります。
場合によっては入居者や近隣住民に被害がでることもあり、損害賠償を請求されることも考えられます。
このことからも空き家を購入した場合は必ず耐震性に問題がないかチェックし、必要があれば耐震工事が必須となります。
こうした想定外の支出は空き家投資ではよくある失敗事例です。

遠方で管理ができず頓挫

賃貸物件の管理は生活拠点から近い方が管理しやすいですが都市部に住んでいると物件が高くなり、投資物件はどうしても郊外の空き家を検討することになります。
そのため管理を継続することができず、優良な投資物件であっても手放してしまうケースも多いです。
このような失敗をしないためにも、管理できる距離の物件を選定することをおすすめします。

DIYを試みたが挫折して失敗

DIYはリフォーム費用を安くできるため、軽微な修繕であればオーナー自ら工事することがおすすめです。
しかし目につきやすい箇所をDIYすると仕上がりによっては見た目が悪くなることがあり、さらに大がかりなリフォームをDIYした場合は安全性が担保できない可能性があります。
その結果、初期費用が安くなっても肝心の入居者が決まらないという失敗に繋がりやすくなります。
このことからもDIYで対応する箇所と規模は十分に検討すべきです。

権利関係のトラブル

たとえば賃貸物件の所有権はオーナーが所有していますが、借主が自己負担で修繕した設備や家電は借主の所有権となる可能性があります。
この場合退去時に所有権を巡ってトラブルになることがあり、賃貸経営のよくある失敗事例といえます。
こうしたトラブルを避けるためにも権利関係を明確にした賃貸借契約を締結する必要がありますが、その場合は契約書の内容が細かくなってしまうため注意が必要です。

リフォーム業者とのトラブル

リフォーム業者は依頼通りの工事をしてくれますが、業者によって仕上がりが変わることがあり、特に相場よりも安い金額で工事を請け負う業者には注意が必要です。
たとえば慣れていない職人が壁紙を張り替えた場合は数か月後に剥がれることがあり、外壁塗装の場合は色ムラが発生することもあります。
このような失敗を避けるためにもリフォーム業者は複数社検討し、施工実績をチェックした上で判断すべきといえます。

空き家投資に失敗しないためのチェックポイント

空き家投資にはリスクとデメリットがあり、実際に失敗を経験したオーナーも多いことから投資を検討する際には慎重に判断する必要があります。
この章では空き家投資に失敗しないためのチェックポイントを紹介します。

需要があるか調査する

不動産投資を成功させるためには入居者がすぐ決まるエリアであり、さらに将来売却できる物件であることがポイントです。
そのため空き家を検討する際には目先の金額だけでなく、周辺環境や物件の資産価値等を考慮し総合的に判断することが大切です。
そのためにも空き家投資を検討する際にはなるべく早い段階で不動産会社に相談し、気になる物件の需要についてアドバイスをもらうことをおすすめします。

リフォームなどの予算も含めて利回りの計算を行う

空き家投資は初期費用を抑えることが成功のコツであることから、本体価格だけでなくリフォーム費用や諸費用を含めた予算設定が重要です。
こうすることで狙い通りの利回りで経営することができ、イメージ通りの収益計画となります。
つまり、空き家を検討する際にはリフォーム費用や諸費用の概算を必ずチェックすることがポイントといえます。

売買時の重要事項説明書はしっかり確認する

空き家を購入する際には宅地建物取引士から重要事項説明書の説明を受けることになりますが、賃貸経営する上でのポイントが多く記載されています。
たとえば雨漏りやシロアリが発生した場合、定められた期間内であれば元所有者が費用負担し対応してくれることがあります。
しかし重要事項説明書や契約書に「契約不適合免責」という記載があった場合、こうしたトラブルが発生しても全て現所有者が対応することになります。
このように売買時の契約書類は賃貸経営にも大きな影響を与えるため、しっかり内容を確認することが大切です。

空き家投資家の実例

この章では空き家投資家の実例を紹介します。
これから空き家投資を検討する人は、参考にしてください。

ボロ戸建て投資家 FAPさん

千葉県在住で32歳の投資家FAPさんは28歳の時に資金300万で不動産投資をスタートし、200万円以下のボロ物件を中心に購入し2023年時点では10戸所有しているそうです。
順調に不動産投資物件を増やしているFAPさんですが、ボロ物件の家賃収入で約30万円となっており空き家投資の成功体験を多く保有しています。
そのためこれから空き家投資をスタートする人だけでなくベテランからも注目されている投資家です。

FAPさんの「大家コラム」はこちら

ボロ戸建てファイター eclairさん

2022年時点で10戸の不動産を保有しているeclairさんですが、投資を始めるまではフリーターだったそうです。
eclairさんは投資の知識がゼロの状態から投資をスタートするものの株で500万円マイナスするという失敗を経験し、背水の陣で空き家再生をスタートしました。
しかし手元にあった資金は40万円だったため空き家の修繕はほとんどDIYで行い、たった17日間で工事を完了させたとのことです。
こうしたスタートした賃貸経営ですが3日後には入居者が決まり、無事に収入を得る土台ができました。
今では社会貢献事業となった空き家再生ですが、最初はeclairさんのように勇気ある一歩を踏み出すことが重要だといえます。

eclairさんの記事「27歳”ボロ戸建てファイター”が語る空き家再生の魅力」はこちら

空き家投資に向いている人

空き家投資に向いている人は不動産投資に興味があり、積極的に情報収集できる人です。
空き家投資は不動産投資の中でもスモールスタートできるため初心者にもおすすめですが、継続して成功するには最先端の流行や管理のノウハウ、法改正に関する知識の取得が必須です。
そのため不動産投資のセミナーに参加したり不動産会社と密に連絡を取るなど、不動産投資にかける時間を多く用意できる人が成功するといえます。

空き家投資に向いていない人

空き家投資は物件の管理や収益計画の見直しなど、チェックすべきポイントは多いです。
また収益化するためには数ヶ月から数年かかるため、中長期的な支店で利益をイメージできることが大切です。
つまり、購入した投資物件に興味がない人やすぐに利益を得たい人は空き家投資に不向きといえます。

まとめ

空き家投資にはメリットが多く初心者からベテランまで人気の投資ですが、リスクとデメリットを把握した上で検討しなければ失敗に繋がってしまいます。
そのため空き家投資をスタートする際にはまずメリットやデメリット、リスクや失敗事例などを調べ、情報収集をした上で物件捜索することがおすすめです。
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