コラム

現在10軒の物件の大家さんをしている僕ですが、初めて本格的なDIYを行い、賃貸客付けまでを経験した物件について、数回に分けてご紹介します。今回は物件購入編です!

 

▼僕(FAP)とはどんな人物か?は,以下のコラムをご覧下さい!

自己紹介(FAPさん) – 空家ベース (sora-ie.jp)

 

この物件は、僕が購入した3軒目の群馬県にあるボロ戸建て。

→はじめてDIYでリフォームを完成させた3軒目の物件の1室。

当時、愛媛にある物件で初めての大家さんになっていた僕ですが、遠隔で最低限のリフォームを委託して安価な賃料で賃貸客付けを行った経験しかありませんでした。そこで、群馬県桐生市にある2軒目の物件では本格的にリフォームし,バリューアップをしたい!と思っていました。しかし、物件購入費用や1軒目の修繕費用で手持ち資金が少なくなっていたため、DIYに初めて挑戦。右も左も分からない状況の中、床を剥がし,押入れを壊し、天井を壊し、最後にはお風呂まで壊し…たところで、「壊すのは簡単(素人でもできる)。けれど直すのは手間も時間もかかる(自分でできなければ莫大なお金もかかる)」という当たり前のことに気付いたんです(DIY初挑戦する皆様は、僕のように「なんか見た目汚いよね→壊す→どうやって直すの??」の魔のループにはまらないようにお気を付け下さい…)。

 

→今はなき、2軒目物件のお風呂(はつり機を購入してタイルごと崩してスケルトン状態にw

 

平日はサラリーマン、休日は早朝から片道3時間かけて物件に通う日々。作業に躓く度にYoutubeで修繕方法検索し、1工程進む度に資材調達のためにホームセンターを3往復する…なんてことも。お金を増やすために始めた不動産投資で、DIYの魔のループにはまったったままでは物件の購入から賃貸客付けまでの機会損失も長く大きくなってしまいます。また、「お金がないから」という安直な理由で始めたDIYも、何でも自分でやろうとすると工具代や資材代だけでも高額な費用になっていき、資金も目減りしていきました(現場が工具倉庫に化します)。

→途中までリフォームしつつも倉庫と化した物件(中央右側にコンクリートを混ぜる「まぜたろう」,中央左に浴室のドアになるはずのものが転がっています。次画面に入っていませんが浴槽も購入済みのままお風呂をつくり直すことができずにDIYを断念…)。

 

 

こんな生活を数ヶ月続けると、当たり前ですが疲弊してきます。

このままでは駄目だ!と思い立ち、気分転換に群馬県内の近隣の他の物件を見にいくことにしました。

 

▼内見時のおすすめ必須アイテムについてご紹介しているコラムも是非ご覧下さい!

内見時の持参物 – 空家ベース (sora-ie.jp)

 

3軒目に購入した物件は、内見予約をした物件を内見をした後に、はじめて紹介をしていただいた未公開物件です。

未公開物件を買う秘訣は、仲介さんと円滑なコミュニケーションを取ることです。仲介さんにとって、物件を仲介するということは、「仲介責任」を負うということです。購入後にクレームをつけてくるような人に売ってしまうと、仲介手数料以上に損をします。そのため、僕は「投資家がボロ戸建てを見ている時、仲介はボロ戸建て投資家を見ている」ことを常に意識して、内見中は、物件の確認よりも仲介さんとのコミュニケーションに重きを置いています。

 

 

気をつけているのは、

・物件の修繕が必要な箇所を必要以上に騒ぎ立てない。

→「これって雨漏りですよね!これは減額要因ですよね。」とか、「このクラックは〜、」など言いすぎると、面倒くさい=売りたく無い投資家になってしまいます。

 

・実績や知識を相手に伝える。(相手の時間を取りすぎない、嫌味や自慢にならないように)

→「この穴は〇〇で直せますもんね。」、「築〇〇年の物件は以前修繕して客付したことがありまして〜」、「僕の自慢は,一度も不動産業者さんにクレームを入れたことがないことです。」 など,相手に安心感を与えるコミュニケーションをとることが重要だと考えています。ちなみに、僕は今まで精神的な瑕疵(近隣トラブル)、プロパン引継ぎ契約の記載漏れ、アスベストが契約当日に発覚するなど様々な「これは聞いていない!」という経験をしましたが、実際に一度も文句を言ったことがありません。

 

・良い所や普通の状態を褒めまくる

→「お風呂がユニットバス なんて凄い!」,「窓の開け閉めがスムーズ。」,「景色に抜け感がある。」など,物件の良い箇所は必ずお伝えします。ボロボロすぎて褒める箇所が見つからない時にも、「この床、水平で良いですね!」など,通常の状態を褒めます(笑)。

すると、仲介さんは、「この人の通常の基準が低い。」→「今まで色んな物件を再生してきた経験があるだろう。」→「この人ならボロボロ物件でも売っても安心だ。」という推測をしてくれると考えています。

 

全国の物件を保有しているのでドミナント戦略からはほど遠いのですが、群馬ではプチドミナント体験ができました。というのも、2軒目にDIYをしに何度も通ってたおかげで地域に詳しくなり、3軒目を購入した内見中に仲介さんと大いに話が盛り上がったんです。

オススメのグルメ(どこのラーメン屋が美味しいか?)からはじまり、ホームセンターの話、地域の知られざる歴史など、気付くと1時間以上物件で話していました。とても楽しかったです。

盛り上がった内見の終わり頃、「FAPさん、丁度最近預かった物件が近くにあるんですが見に行きますか?」と言っていただきました。

その物件写真がこちらです。

1,2軒目のボロ戸建てで目が肥えた(?)僕からすると、「もはや新築じゃない?」というレベル。しかも最寄駅(1時間に1〜2本)から徒歩7分。好立地!

ただし、田舎なのに駐車場がなく,トイレが汲み取りであることがネックでした。都会では気にもなりませんが、田舎で駐車場がないのは、ケチャップのかかっていないオムライスみたいなものです。デミグラスソースがいいとかそういう次元では無く、致命的です。その上,田舎でも下水道,少なくとも浄化槽が一般的になっている昨今、汲み取りトイレ付きとなると客付けには苦戦しそうだな…というのが僕のファーストインプレッション。

売主様は相続で引き継いだものの、現住所が首都圏のため、なかなか来れないと教えていただきました。

→一見洋式トイレに見えますが、汲み取りトイレに便座が付いているだけのものでした(水を流すタンクがないですね)。

 

上記情報を,僕の頭で変換するとこうなります。

 

売主:物件いらない。遠くて管理できないし税金もかかる。価値があると思っていない。

仲介:ネットにあげるの面倒くさい。駐車場なしのボットンでは低額の売買になりそう。

FAP:修繕に手間がかかりすぎない綺麗な物件が欲しい。

 

安く買える条件が揃いました。つまり仲介さんは「低額な不動産になる程、問合せが増える→質問だけで現地にこない・冷やかしも多い→知り合いや信頼出来る人にサッと売りたい」という図式が頭にあるわけです。

だからこそ、最初の内見でどれだけ仲介さんとの距離感を詰められるか?、信頼して頂けるか?が重要になります。

 

そこからその場で魂の40万円の買付を発射! → 50万で購入することができました。

 

「買える投資家」とはどんな人でしょうか?

とある仲介さんは「すぐ現地に見にきて、すぐ買付を出す人。」とおっしゃっていました。

つまり、行動力と決断力がある人が物件を購入してくれる人とみなされる→仲介さんもこちらに協力してくれて、売主さんに対して低額で金額が纏まるように動いてくれるわけです。

ネットやSNSで良くある「〇〇万で物件を購入できました!」という驚くような低価格の報告の裏には,本記事でご紹介したような経緯が一例としてあります。

 

今回は、物件を安く買いたい!自己資金が心許ない…皆様に、仲介さんとのコミニュケーション=自分を相手にどう見せるか?が一番重要であることをお伝えしました。

次回は、#2リフォーム編です。

→こんな洋室化リフォームをしましたので,次回もお楽しみに^^

様々な家を内見し、後悔してきました。そんな中で「なんでこんな家に手を出してしまったんだ・・・。」という家をランキング形式で発表!!!

 

▼僕(FAP)とはどんな投資家か?については以下のコラムをご覧下さい♪

自己紹介(FAPさん) – 空家ベース (sora-ie.jp)

3位:基礎がない家

→築116年のこの家は、申し訳程度にブロック塀があるだけで、外壁はトタンで覆われているだけでした。しかも床下が地面より深く掘られている(川が近く陥没している?)からか、雨が降ると水が流入してくる池スタイル。そのため異様に湿気があがってるし、傾きも凄くて目眩がした家です。その後、水が入ってこないように、コンクリで防水壁を作成しましたが、あまりにも大変でした…泣

→新設した防水壁。トタンも塗装をしてかっこよく仕上げました。

 「基礎は確認しよう!」

 

 

2位:キウイの家

→売主のお母さん?が埋めたキウイの木。100平米以上ある庭なのに、家の周囲にキウイが群生してました。調べてみると、キウイの生命力は強く、あるHPでは「庭に気軽に埋めてはいけない植物No1」という聞いたことないランキングでトップを取ってましたww

この物件は20万円で庭部分の抜根・整地を行いましたが、家の周りのキウイは排水管や地中に深く潜っており、抜根不可能とのこと。

→抜根後、外観がみちがえましたw

整地を依頼した業者によると「この家のキウイの木を引き抜くと、家ごと傾く」という一心同体状態とのことでした。

「一度手を出したらやめられないキウイの木。恐るべし」

1位:恨みの家

→土地が720平米あり、田舎ながら商業施設に近くて便利な立地あった家。ノールックで購入した後,初めて現地に赴くと、なにやらご挨拶に伺った隣人のおばあさんからただならぬ空気が…。

「あなたの家の屋根が越境している。しかも、もともと住んでいたおじいさんが境界線を越えて石や神棚を置いて困っている。撤去して欲しい。」話しているうちに更にヒートアップ。

→確かに境界周辺に百キロほどある石がゴロゴロ。不自然な場所に神棚も。

 

後日わかったことですが、この隣人は僕が購入した家のおじいさんが住み始めた後に引っ越してきて、相当嫌がらせを受けてたそうです。

「知らんて、そんなん…。」と思いながら残地物を片付けていると、A4のキャンパスノートが…。気になって開いてみると、

「あのくそボケが…。殺すぞ。許せん」というような内容が丸々1冊分書き殴られて衝撃を受けました。更に、別の近隣の方に聞くところによると、この売主のおじいさんは洪水の日に川を見に行って流されるという悲劇に遭って亡くなったとのことで、全体的に負のオーラが凄すぎる。

越境している数百キロの石をを割っている最中も、隣人が無言で上から見張っている気味が悪いミステリーあふれる家でした。

→百キロ以上ある石を持ち上げて動かすことができなかったため、DIYできれいに割りました(サムネイルの工具は石割りに使う工具です^^)

ちなみのこの後この物件で警察沙汰が発生しますが、その紹介はまたの機会に…。

「隣人トラブルはお金では解決しない!」

 

不動産内見。それは一期一会の出会いであり、まさしく小学生のクラス替え登校初日のような緊張感と高揚感があるイベント。
業者様にとっても「どんな奴が来るのか?ククク・・・。楽しみだ」状態だと思います。
そんなワクワクイベントを卒なくこなすためのマストアイテムを紹介します!

①メジャー(5m以上)
→必須中の必須。基本の接道の実測、駐車場に入る車の台数の確認や部屋の間取りの計測などを行ってリフォーム費用を計算するために必要です。建築基準法でいう「道路」とは道幅が4m以上のものであるとされています。
敷地が幅4m以上の道路に最低限2m以上接していなければ建物を建築できないため、最低4m図ることができるメジャーが必要となります。百円ショップで3mのメジャーが販売されていますが、買わないように気をつけましょう。

→ホームセンターで250円出購入した5.5mのメジャー(4m未満のメジャーは絶対に買わないこと!)

②ライト
→スマートフォンでも代用できますが、屋根裏を見る時にはもう少し光量が欲しいところ。小さくても明るいLEDライトを持参しよう。両手が空くヘッドライトを使用している人もいます。

③水平計
→傾きをチェック!(僕が見に行く物件は大体傾いていることが体感でわかるので必要ないことも・・トホホ)
水平計は長ければ長いほど正確に傾きを測ることができますが、持ち運びに邪魔になるので、段々小さいものを持参するようになります(笑)。
その場で傾き調整工事を行うわけではないので、スマートフォン大きさの水平計で十分です。

→長ければ長いほど正確に測れますが、その場で精密な調整作業を行うわけではないので、身軽な内見をするために10cmの小さな水平形を持ち運んでいます。

④作業手袋
→百円ショップ購入品で可。シンプルに手が汚れるからです。浄化槽の蓋を開けたり水道栓の場所を探し当てるまでに、築古物件では雑草をかき分け、土を掘り起こすこともあります。
黄色いボツボツが付いている布の軍手ではなく、力が入るフィット型の手袋にしましょう。迷う人は、ワークマンの作業用手袋が安くて品質も良いのでオススメです。

→手袋は消耗品なんでね。ええ、この汚さですよw

⑤除菌シート
→百円ショップと提携していないコンビニでは、小さい除菌シートやアルコール度数と値段が高いシートしか販売していません。百円ショップで25枚入りの大判ウエットシート(アルコール30%)を購入することオススメします(ダイソーと提携しているセブンイレブンで入手することが多いです)。手袋をしていない業者さんがドアや窓を開けてくれた場合は、内見終了時に除菌シートをお渡しして一緒に手を拭きながらお話すると好印象です。

⑥買付証明書と印鑑とバインダーとペン
→買付証明書はどのようなものでも構いません。「買付証明書 フォーマット 」でググればサンプルが出てくるので、それでOKです。
内見時,その場で買付を入れることで、不動産業者様に誠意と決断力をアピールすることが出来るので、必ず持ち歩いています。
自分の住所や物件名は事前に記載できますので、内見前に記載できる箇所は埋めておくとスマートです。

→なんかお洒落じゃないですか?このバインダー?

⑦スリッパ
→業者様のスリッパを使わない気遣いです。用意していただいたスリッパが足のサイズに合わないこともあるので、自分の物を持っていった方が良いでしょう。持参する場合、築古物件では何が落ちているか分からないので、少し厚めのスリッパがおすすめです。

→夏になると蒸れます・・・。

⑧マイナスドライバー
→内見にマイナスドライバー?と思われるかも知れません。しかし、畳を上げる、水道栓の蓋を開けるなど、実は地味に役立ちます。これが無いと、手が汚れたり、畳が重くて上げられなかったりします。騙されたと思って一度持って行ってみてください!

→我が相棒です。ホームセンターで数百円でしたが、使用頻度はトップクラスです。

⑨虫除けグッズ
→季節によりますが、僕が購入するボロ戸建ては、草で覆われており藪蚊も出ることが多いので、夏場はかならず内見前に虫除けスプレーを振りかけてから挑みます。
ポケットに入る小さいキャンプ用のスプレーや虫刺され薬を持っていくと◎

⑩長ズボンと長袖(あれば)と帽子
→虫除けにもなりますし、屋根裏を見る時などに膝立ちや肘を使う時に半袖半ズボンだと汚れたり怪我をする危険があるためです。また,築古戸建てあるあるですが、部屋の入口が低かったり(160cm)や予想もしない場所に柱があったりします。頭を守る上で帽子もマストアイテムです。

以上を持参すれば、クラス替えにも似たワクワクイベントを卒なくこなすことができます!
さいごに,内見時は不動産業者様とお話をしながら沢山写真を撮影しておきましょう。
(沢山内見をされる方は、google フォト等を利用し,早めに整理しないと、どこの物件か分からなくなるので注意です(笑)。)

皆さん初めまして! 不動産投資家のFAPと申します。

不動産投資と一口で言ってもマンション投資、戸建て投資、レバレッジを効かせた新築戸建て投資・・・と千差万別。僕はその中でも「ボロ戸建て投資家」です。

ボロ戸建て投資は、ボロを買えば買うほどボロしか買えなくなる沼にハマります。投資をしているのに金銭感覚がだんだんとケチくさくなり、ボットン、雨漏り、傾き、シロアリに隣人問題・・などなど、不動産の教科書には「絶対に買ってはいけない」とか「こんな建物は要注意」と書かれるような物件に見慣れすぎて、どんなにボロい家でも「綺麗!(残地物が少ない)」とか「駐車場がある!(田舎で一台)」とか通常の感覚では感動しないポイントを褒めまくる技術が身につきます。笑

そんな奥が深い沼まで皆様をご案内するシリーズ「ボロ戸建て投資のイロハ」の記念すべき第1話。

まずは僕がどんな人間で、どんな投資をしてきたのか、ざっくりご紹介します。

 

プロフィール

32歳、うどん県出身・千葉の最果ての地・我孫子市在住、
メーカー勤務(在宅勤務メインの経理業務)、悲しみの年収500万代

【家族】

弾丸トークの妻、白い柴犬(生後8ヶ月・僕のスーツがある部屋でウンチします)
擁壁から水漏れしている疑惑の持家有り

【投資歴】

28歳手持ち資金300万(現金50万、株250万)で不動産投資開始。庭にお塚さんというミニ神社があり、私道の通行権・持ち分が無い愛媛県新居浜市の40万円戸建てから始まり、群馬県桐生市(田舎)なのに車両通行不可区域にある5万円戸建てなど、200万以下のボロ物件を中心に買いまくり、2023年現在の所有物件は10戸建て(愛媛1、香川4、神奈川1、山口1、群馬3)と1更地(群馬)。

中にはノーベル賞をとった湯川秀樹と同級生の築116年の戸建てもあります。リフォーム中の物件も多く、現在家賃収入は約30万で伸び代の塊のような投資家ですが笑、ボロには苦難がつきもの。ボロならではのサバイバルを乗り越えてきた多彩な経験をもとに少しでもみなさんにボロ戸建て投資の魅力を伝えていきます!