コラム

不動産投資をする際には、火災保険に加入することは必須です。火災保険は、火災による損害を補償する保険であり、万が一の火災の際に、建物や家財、そして入居者の生命や身体を守るために役立ちます。

しかし、火災保険にはさまざまな種類があり、保険料や補償内容も異なります。そのため、自分に合った火災保険を選ぶためには、しっかりと比較検討することが大切です。

そこで、本記事では、不動産投資における火災保険の基礎知識や、選び方のポイントについて解説します。不動産投資を検討している方や、火災保険の見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

火災保険とはどんな保険か

火災保険は、火災や自然災害などの事故によって生じた建物や家財の損害を補償する保険です。

火災や自然災害で建物や家財が損害を受けると、建て直しや修理に莫大な費用がかかります。そのような経済的ダメージを軽減するために、火災保険に加入しておきましょう。

不動産投資の有無に関わらず、火災保険は、私たちの安心・安全な暮らしを守るために欠かせない保険です。

不動産投資に火災保険が必要な理由・重要性

火災保険に対する理解が深まったところで、なぜ不動産投資に火災保険が必要なのでしょうか。その理由は、主に次の2点です。

ひとつずつ見ていきましょう。

火災保険に加入しないと融資を受けられないため

不動産投資で融資を希望する場合、火災保険への加入は必須です。これは、金融機関が融資を回収できなくなるリスクを回避するためです。

火災保険に加入しておくことで、万が一、火災や自然災害で建物が滅失しても、保険金が支払われます。これにより、金融機関は融資元本と利息を回収できます。

また、建物が被害を受けた場合、復旧に費用と時間がかかりますが、その間、入居者が住めないケースも多く、空室により賃料収入が途絶えることになります。賃料収入が途絶えれば、融資の返済が滞るリスクが高まりますが、火災保険に加入しておけば、このようなリスクも軽減できるのです。

火災や自然災害による損害を補償するため

不動産投資には、次のようなリスクがあります。

不動産投資で安定した収益を得るためには、これらのリスクに備え、適切に対処することが大切です。

火災保険は、自然災害と事故のリスクに備えたものです。具体的には、火災、台風、河川氾濫、地震といった自然災害や、第三者による破損・汚損事故により建物が被害を受けたとき、復旧にかかった費用が補償されます。

自然災害や第三者による破損・汚損事故は、いくら注意深く備えていても、自身でコントロールすることができません。それらの被害を受けたとき、場合によってはこれまでの利益がすべて無駄になる可能性すらあります。

リスクに備えつつ、損害を補償できるというのが火災保険加入の大きなメリットです。

不動産投資における火災保険の補償内容

加入する火災保険の補償内容は保険会社のプランにより幅広く設定されています。

プランは、加入必須である基本補償(主契約)と任意加入のオプション(特約)の組み合わせで構成されています。

ここからは、基本補償(主契約)とオプション(特約)の2つに分けて、具体的な補償内容を見ていきましょう。

加入必須の基本補償(主契約)

加入必須の基本補償(主契約)は、次の2項目です。

それぞれの補償対象となる事故や損害を解説します。

火災・落雷・破裂・爆発

建物の一部あるいは全部が、「火災」「落雷」「破裂」「爆発」のいずれかにより焼失または破壊されたとき、保険金が支払われます。

風災・雪災・雹災(ひょうさい)

「風災」は、台風や突風、竜巻、暴風などによって屋根が吹き飛んだり、風圧で窓ガラスが割れたりしたときに保険金が支払われます。

雪の荷重や落下、雪崩による事故により破損が生じた場合には「雪災」として、雹(ひょう)により屋根や窓ガラスが破損した場合には「雹災(ひょうさい)」として、保険金が支払われます。

任意加入のオプション(特約)

任意加入のオプション(特約)は、次の11項目です。

それぞれの補償対象となる事故や損害を解説します。

盗難

「盗難」は、強盗や窃盗などでドアの鍵が壊される、窓ガラスが割られるといった場合や、建物設備そのものが盗まれた場合などに保険金が支払われます。不動産所有者(オーナー)は建物を対象とした火災保険に加入し、家財を対象とした火災保険には入居者自身が加入することが一般的です。

水災

「水災」は、台風や豪雨による洪水、高潮、土砂崩れ・落石により、床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水被害を受けた場合や、建物評価額(再調達価額)の30%以上の損害が生じた場合に保険金が支払われます。

水濡れ

「水濡れ」は、給排水設備の破損や詰まりで生じた漏水・放水や、他の戸室で生じた漏水・放水などによって部屋が水浸しになった場合に保険金が支払われます。

弁護士費用特約

発生した賠償事故に関して、弁護士に相談または依頼する場合にかかる弁護士費用を補償する特約のことです。

臨時費用補償特約

損害保険金が支払われる事故が発生した場合に、損害保険金の一定割合が上乗せされて支払われる特約の​​ことをいいます。

家賃収入補償特約

損害保険金が支払われる事故により、賃貸物件が損害を受けてしまった場合や、家賃収入が得られなくなってしまった場合に、減少した家賃収入を補償する特約のことです。

補償期間は、契約で定められた復旧期間が限度とされます。

家主費用補償特約

賃貸物件内で、自殺や他殺、建物への損害を伴う孤独死が発生した場合、賃貸人に精神的・経済的な負担が生じる可能性があります。

このような場合、賃貸人向けの火災保険に「空室危険特約」や「孤独死特約」を付帯することで、空室となったり、家賃の値引きが必要となり減少した家賃収入、原状回復にかかる費用(清掃・修復)、遺品整理費用などが補償されます。

建物管理賠償責任補償特約

所有または管理している建物の不備が原因の偶発的な事故によって、他人を死傷させた、他人の財物に損害を与えて法律上の損害賠償責任を負った、といった場合に保険金が支払われます。

電気的・機械的事故補償特約

建物の機械または付属設備に、電気的あるいは機械的な事故が発生し、故障してしまった場合、その修理費用が補償される特約のことです。

外部からの物体の衝突・破壊行為

「外部からの物体の衝突・破壊行為」は、自動車が衝突して建物が損傷した、外から飛んできたボールが窓ガラスを割った、といった場合に保険金が支払われます。

不測かつ突発的な事故による破損・汚損

「火災・落雷・破裂・爆発」「風災・雹災・雪災」「水災」「水濡れ」「外部からの物体の衝突・破壊行為」「盗難」のいずれにも該当しない、不足かつ突発的な事故により破損・汚損が生じた場合に、保険金が支払われます。

地震や津波が原因の損害は「地震保険」に加入する必要がある

火災保険の補償対象には地震や津波が原因で生じた損害は含まれません。

地震や津波に対する補償を確保するためには、「地震保険」に加入する必要があることを念頭に置いておきましょう。

不動産投資でおすすめの火災保険はある?

不動産投資を行う場合におすすめの火災保険を断言することは難しいですが、次のポイントを押さえておくことで選びやすくなります。

不動産投資の火災保険料は保険会社や、契約を締結する代理店や不動産会社などの諸条件により異なります。火災保険料の相場を参考にしながら、上記のポイントと各プラン、保有する不動産の属性などを十分に比較検討し、最終的に決定することをおすすめします。

不動産投資における火災保険は経費になるのか

確定申告の際、火災保険料は不動産収入を得るための必要経費として経費計上可能です。

一方で、同じ保険という名前がつくものの健康保険や国民年金保険といった社会保険は、個人にかかる保険料であるため、不動産投資における必要経費にはあたりません。社会保険料控除として、不動産所得以外の給与所得と合算した総所得金額から控除されます。

まとめ

本記事では、不動産投資における火災保険の基礎知識や、選び方のポイントなどについて解説しました。

保険料やプランは、保険会社によりさまざまです。所有する投資用不動産(物件)の属性やリスクに備えて、適切な火災保険に加入することが大切です。

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不動産投資は、安定した収入を得るための手段として人気があります。しかし、初期投資が高額になるため、ハードルが高いと感じている人も多いのではないでしょうか。

そんな中、近年注目を集めているのが「土地値以下物件」です。土地値以下物件とは、実勢価格(市場価格)や固定資産税評価額などよりも、物件の売却価格が低い物件のことを指します。

土地値以下物件は、購入価格が安いため、初期投資を抑えることができます。そのため、不動産投資を始めたい人や、リスクを抑えた運用をしたい人に人気があります。

しかし、割安で購入できる土地値以下物件は、多くの不動産投資家に人気であるため、すぐに売れてしまい物件を見つけるのが困難です。また、建物の修繕費用や空室リスクに関しては一定のデメリットがあるため、注意が必要です。

このように、土地値以下物件にはさまざまなメリット・デメリットがあります。土地値以下物件の投資を検討している方向けに、本記事では、土地値以下物件のメリット・デメリット、不動産投資において成功するためのポイントを中心に解説していきます。

この記事でわかること

そもそも土地値とは

土地値とは、土地の価格のことです。

通常、土地の価格は、国税庁が定めた相続税路線価や固定資産税評価額といった指標や、市場で実際に売買された価格である実勢価格(市場価格)に基づいて算出されます。

実勢価格は不動産の売買において、買い手と売り手の需要と供給が釣り合う価格であるため、実際に取引においては近隣の取引事例の価格に基づいて土地の価格が決められるケースが多く見受けられます。

そして中古住宅の取引において土地値以下物件という表現は、建物は存在しているものの、著しく老朽化しており建物の価格評価を行わずに、土地の価格のみの物件であるという意味で用いられます。

土地値以下物件とは

土地値以下物件とは、文字どおり「土地値を下回る価格で売りに出されている物件」を意味します。イメージとしては、「土地値以下物件=実勢価格(市場価格)よりも売却価格が低い物件」です。

土地値以下物件は、以下のような理由で発生することがあります。

不動産投資における土地値以下物件のメリットとは

土地値以下物件にはメリットがあり、不動産投資の初心者や、相続税対策を検討している人におすすめの物件です。土地値以下物件のメリットは、主に次の3つです。

・購入価格が安く、初期投資を抑えられる
・値下がりリスクが少ない
・将来的に売却しやすい

ひとつずつ見ていきましょう。

購入価格が安く、初期投資を抑えられる

土地値以下物件は、相場の土地の価格よりも低い価格で購入することができます。そのため、初期投資を抑えて不動産投資を始めることができます。

値下がりリスクが少ない

土地値以下物件では、購入時に建物の価格がゼロであることも多く、将来的に不動産価値が下がるリスクが少ないメリットがあります。

将来的に売却しやすい

土地値以下物件は、購入時から築年数がさらに経っても、価格が下がるリスクが大きくありません。そのため、どれだけ建物が古くても、土地の相場価格よりも少し低い売却価格を設定すれば、購入を希望する不動産業者や不動産投資家は見つけやすいと言えます。

不動産投資における土地値以下物件のデメリット・注意点とは

このようなメリットから、土地値以下物件は購入価格を安く抑えることができるため、不動産投資を検討している投資家の間では、とても人気があります。

しかし一方で、デメリットも存在するため、注意が必要です。土地値以下物件のデメリット・注意点は、主に次の4つです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

収益性が低いこともある

土地値以下物件は、割安で購入できているため、初期費用を抑えることが可能です。また、土地の価格が値下がりするリスクは低いため、売却時にも一定の売却益を期待できます。

しかし、土地に対して建物が小さかったり、賃料設定が低かったりといった複合的な要因から、表面利回りは低くなりやすいです。売却時に利益が出ているためトータルの損失リスクは低いのですが、インカムゲイン自体が低い点は念頭に置いておく必要があります。

近隣住民とのトラブルに発展する可能性がある

土地値以下物件は、立地条件の悪さや所有者の事情など、何らかの理由で市場価値が低くなっている可能性があります。そのため、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があることにも注意が必要です。

例えば、建物の老朽化や欠陥が原因で近隣住民から苦情が寄せられたり、所有者の事情が原因で近隣住民との人間関係が悪化したりする可能性があります。

建物の修繕費用や空室リスクが発生する可能性がある

土地値以下物件は、建物の老朽化や欠陥、立地条件の悪さなどの理由で、市場価格よりも低く売られている可能性があります。そのため、購入後に修繕費用や空室リスクが発生する可能性があることに注意が必要です。

建物の修繕費用は、数百万円から数千万円に上ることもあります。また、空室リスクが発生すると、家賃収入が減少し、投資の収益性が悪化します。

建物の修繕費用を抑える方法には、DIYやセルフリノベーションがあります。

>>セルフリノベーションについてはこちらの記事で詳しく解説しています

人気が高いためすぐに売れてしまい優良物件を見つけにくい

土地値以下物件は初期費用を抑えられるため、多くの不動産投資家や、資金が限られている人などにとっては特に人気があります。また、不動産業者が積極的に売り出しているわけではないため、問い合わせてもなかなか見つからない可能性があります。

土地値以下物件で不動産投資を成功するためには

「土地値以下物件を検討中だが、初めての不動産投資でポイントがわからない」「不動産投資を土地値以下物件で成功させたい」といった方向けに、成功するためのポイントを3つご紹介します。

成功するためのポイント

  • 物件の状態や立地条件を慎重に調査する
  • 周辺住民とのコミュニケーションを良好に保つ
  • 修繕費用や空室リスクを想定した収支計画を立てる
  • ひとつずつ見ていきましょう。

    物件の状態や立地条件を慎重に調査する

    土地値以下物件は、建物の老朽化や欠陥、立地条件の悪さなどの理由で、実勢価格よりも割安で売られているケースが多く見受けられます。

    そのため、購入後に修繕費用や空室リスクが発生する可能性があることには注意が必要です。

    物件選びの際、物件の状態や立地条件を慎重に調査することで、これらのリスクを軽減することができます。

    周辺住民とのコミュニケーションを良好に保つ

    土地値以下物件は、立地条件の悪さや所有者の事情などの理由から市場価値が低くなっていることがあります。近隣住民とのトラブルに注意しましょう。

    近隣住民とのコミュニケーションを良好に保つことで、トラブルを未然に防ぐことができます。例えば、「近隣住民と挨拶を交わす」「定期的に近隣住民と交流する」などに努めればコミュニケーションを良好に保てるでしょう。

    修繕費用や空室リスクを想定した収支計画を立てる

    土地値以下物件は、建物の修繕費用や空室リスクが発生する可能性があるため、初期投資を抑えつつ、これらの費用を想定した収支計画を立てることが重要です。

    修繕費用や空室リスクが発生した場合、家賃収入が減少し、投資の収益性が悪化する可能性があります。そのため、これらのリスクを想定して、収支計画を立てることで、投資のリスクを抑えることができます。

    不動産投資に適した土地値以下物件の見つけ方

    不動産投資で成功するためには、土地値以下物件のように初期費用を抑えられる割安な物件を探すことも大切です。

    不動産投資に適した土地値以下物件を見つけるための方法を、3つご紹介します。

    土地値以下物件を見つける方法

  • 相続や離婚などの事情で売却を希望する売主を探す
  • 不動産情報サイトや不動産業者の営業マンに相談する
  • 自分で物件を探す
  • それぞれ詳しく見ていきましょう。

    相続や離婚などの事情で売却を希望する売主を探す

    相続や離婚などの事情で売却を希望する売り主は、土地値以下で売却する可能性があります。

    これらの事情で売却を希望する売り主を見つけるには、不動産業者や不動産オーナー向けの交流会に参加したり、不動産業者に相談したりするとよいでしょう。

    不動産情報サイトや不動産業者の営業マンに相談する

    不動産情報サイトや不動産業者の営業マンに相談することで、土地値以下物件の情報を収集することができます。

    不動産情報サイトでは、土地値以下物件の情報が掲載されている場合があります。また、不動産業者の営業マンに相談することで、一般公開されていない物件情報を入手できることもあります。しかし、価格が割安な物件はすぐに売れてしまうことや、多数の不動産情報を持っている不動産業者に巡り合ったとしても、取引実績のない一見の投資家にはいい物件情報がおりてきにくい点は念頭に置いておきましょう。

    自分で物件を探す

    土地値以下物件が狙いやすいエリアを把握しておけば、自分で物件を探すことが可能です。土地値以下物件が狙いやすいエリアとして、以下のようなものが挙げられます。

    これらのエリアでは、土地値が低いため、土地値以下物件が狙いやすくなります。

    まとめ

    本記事では、土地値以下物件のメリット・デメリット、不動産投資において成功するためのポイントを解説しました。

    初期費用を抑えられる割安な土地値以下物件は、不動産投資で成功するためにはぜひとも押さえておきたい重要な物件といえます。

    空家ベース」は、空き家を売りたい方と再生したい方を繋ぐポータルサイトとして、全国の空き家を取り扱っています。不動産投資に適した土地値以下物件を見つけたい方や、不動産投資に興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

    「クロスの張替え費用ってどれくらい?」
    「見積もりを取ったけど、もう少し安くなる方法はないか?」

    このように、クロス・壁紙を張替えるリフォーム費用の相場が分からず悩む方も多いのではないでしょうか。

    本記事では、クロス・壁紙を張替えるリフォーム費用の相場や、費用を安くするコツをご紹介します。今後、リフォームを検討されている方は是非参考にしてください。

    この記事で分かること

    クロス張替えの費用相場

    まず、クロスの張替え費用で多くを占めるのがクロス自体の費用、つまり材料費になります。クロスの相場は1㎡あたり1,000円前後ですが、クロスには主に2種類のグレードがあるため、それぞれ相場が異なります。

    スタンダードクロスとは

    スタンダードクロスとは、量産品クロスと言われるもので、一般的なスタンダードクロスの場合、相場は1㎡あたり700円〜800円程度です。低価格ながらベーシックな色柄や基本的な機能は備わっているコストパフォーマンスに優れた壁紙・クロスです。

    ハイグレードクロスとは

    ハイグレードクロスとは、量産品クロスに比べ、デザインや機能性に優れたクロスで、1㎡あたり1,000円〜1,500円程度です。よりデザインにこだわる場合や不燃や消臭効果などを求める場合は、ハイグレードクロスがおすすめです。

    【一軒家・マンション一室】のクロス張替え費用の相場

    一軒家の広さを70〜85m²とした場合、全部屋の壁と天井のクロス張替えには、約450〜600m²程度のクロスが必要になります。マンションの場合だと、一室の広さを60〜80m²とすると、全部屋の壁と天井のクロスを張替えるには、約250〜350m²程度のクロスが必要です。

    一軒家やマンション一室のクロス全体を張替える場合の一般的な費用相場は以下のとおりです(表1)。

    【表1】
    【一軒家・マンション一室】クロス張替え費用の相場

    【部屋の広さ別】クロス張替え費用の相場

    部屋の広さ別の一般的な費用相場は以下のとおりです(表2)。

    【表2】
    【部屋の広さ別】クロス張替え費用の相場

    【場所別】クロス張替え費用の相場

    壁紙を張り替える際は、部屋の用途によってクロスの機能性が異なると費用も異なります。場所別のクロス張替え費用相場の一覧です(表3)。

    【表3】
    【場所別】クロス張替え費用の相場

    壁紙リフォームの費用は、新規の壁紙の素材や施工箇所の状態によって大きく変わります。そのため、詳しい施工価格や内訳は、業者にしっかりと確認しておきましょう。

    クロス以外にかかる施工費用

    クロスの張替えには、材料費以外の費用がかかります。材料費以外にかかる主な費用は、施工費で、壁紙のはがし、下地処理、壁紙の張り付け、養生、廃材処分などの作業が含まれます。その他に、人件費、工事車両駐車場代がかかる場合もあります。

    クロス張替えの費用を安くするコツ

    クロスの張替え費用はなるべく安く抑えたいですよね。

    ここでは、クロス張替えの費用を安くするコツを紹介します。

    必要に応じてグレードを下げる

    機能性やデザイン性に優れているハイグレードクロスは魅力的ですが、部屋によってはスタンダードクロスで十分な場合もあります。どの程度の性能が必要なのか、どの部分のデザインにこだわりたいのか、スタンダードクロスでもカバーできないかを一度考えてみましょう。

    ハイグレードクロスは性能が高く魅力的ですが、部屋によってはスタンダードクロスで十分な場合もあります。その部屋の壁にどの程度の性能が必要なのか、デザイン性が低くても色や風合いでカバーできないかなど、一度考えてみてもいいかもしれません。

    無地のクロスを選ぶ

    大きな柄のクロスは、つなぎ目で柄を合わせる必要があり、その分無地のクロスに比べて無駄なクロスが発生し、廃棄量が多くなるため費用がかかります。無地のクロスなら、柄合わせの必要がないため、廃棄量を減らすことができ、費用を安く抑えることができます。

    相見積もりを取る

    リフォーム会社に見積もりを取る場合は、必ず複数の会社に問い合わせしましょう。同じリフォーム会社でも、クロス張替え工事、水回り工事、外壁工事など得意とするリフォーム工事が異なります。そのため、相見積もりを取ってクロス張替え工事を得意とし費用も抑えられるリフォーム会社を見つけるようにしましょう。

    自分でDIYする

    DIYでクロスを張り替えれば、業者に依頼するよりも施工費や人件費を抑えることができます。ただし、DIYには技術や経験が必要なので、クロス張替えの手順を調べておくことや必要な道具を揃えておく必要があります。

    クロスの素材による費用の違い

    クロスの素材によって、費用は大きく異なります。安価なものから高価なものまで、幅広い価格帯のクロスが販売されています。

    素材による違い

    クロスの素材は、大きく分けて以下の6種類があります。

    塩化ビニル樹脂系

    国内で出荷量のほとんどを占めるメジャーな壁紙です。安価で耐久性があり、水にも強いため、マンションやアパートなどの壁紙としてよく利用されています。また、多様な色や柄が用意されており、デザイン性にも優れています。

    プラスチック系

    塩化ビニル樹脂系と同様に汚れや水に強いうえ、傷がつきにくい点がメリットです。また、耐熱性にも優れているため、キッチンや浴室などの壁紙としても適しています。

    無機質系

    漆喰や珪藻土、ガラスなどで作られています。天然素材を使用しているため、自然な風合いと調湿効果が特徴です。また、ホルムアルデヒドなどの有害物質を放出しない点も魅力です。

    紙系

    和紙や輸入紙といった紙で作られています。質感やデザインがよく、個性的な壁を作りやすいのが特徴です。また、通気性や吸音性にも優れているため、リビングや寝室などの壁紙に適しています。

    繊維系

    植物繊維や化学繊維などが原料です。ぬくもりを感じやすいデザインが特徴で、リビングや寝室などの壁紙によく用いられます。また、防音性にも優れているため、子供部屋などの壁紙にも適しています。

    木質系

    銘木シートとコルクシートの2タイプがあります。濡れても破れにくい特徴があり、キッチンや浴室などの壁紙に適しています。また、銘木シートは高級感があり、コルクシートはナチュラルな雰囲気が特徴です。

    機能性による違い

    クロスには素材やデザインのほかに、特定の機能を備えた商品もあり、これらの機能は生活の快適性や安全性を高める効果があります。

    機能性による分類は、大きく分けて以下の6つです。

    ペット対応

    汚れや傷に強く、ペットとの生活に適した壁紙です。ペットの爪や毛、いたずらによる傷などから壁を守ります。

    省エネ

    光を反射しやすくすることで、明かりを最小限に抑えることができます。省エネ効果や節電効果が期待できます。

    抗アレルギー・抗ウイルス

    花粉やダニなどのアレルギー物質の働きを抑制したり、ウイルスの増殖を抑制したりする機能を備えています。アレルギーや感染症の予防に役立ちます。

    カビ・結露防止

    調湿性によって、カビや結露の発生を抑制します。カビや結露によるシミやダメージを防ぎます。

    蓄光

    光を溜め込み、暗闇で発光する機能を備えています。停電時や夜間の照明が不要な場合に便利です。

    落書きOK

    黒板のようにチョークで字を書いたり消したりできる壁紙です。子どもの落書きや、イベントなどの記入に便利です。

    クロス張替えのメリット・デメリット

    クロスを張替えることで、部屋をより快適で居心地の良い空間にすることができる一方で、注意点もいくつかあります。

    ここでは、クロス張替えのメリットとデメリットを紹介します。それぞれしっかりと理解しておきましょう。

    メリット

    クロスを張替えるメリットとして、大きく分けて次の2つが挙げられます。

    【1.室内のデザインを変えられる】
    クロスには、さまざまな色や柄のものが販売されています。そのため、クロスを張替えることで、部屋の雰囲気を簡単に変えることが可能で、気分転換にも効果的です。また、汚れた壁材を交換したり、隠したりすることもできます。

    【2.安価で施工できる】
    クロスの張り替えは、塗料や塗り材と比べて安価です。また、DIYで行うこともできるため、費用をさらに抑えることができます。

    デメリット

    クロスを張替えるデメリットとして、主に次の2つが挙げられます。

    【1.耐水性が低い】
    クロスの特徴は、他の壁材(コンクリートやエコカラットなど)に比べて耐水性が低い点です。そのため、壁紙が濡れた際は、下地のボードが腐食したり、カビが生えたりする恐れがあります。

    【2.劣化しやすい】
    壁紙は、糊で付着しているため、年月が経過すると徐々に剥がれてくる場合があります。また、汚れが付着しやすく、掃除が難しいというデメリットもあります。

    まとめ

    クロスの張替え費用は、部屋の広さや機能性やデザイン性の高いものはどうしても高くなりがちですが、必要に応じてクロスのグレードを下げたり自分でDIYすることでリフォーム費用を安く抑えることができます。

    空家ベース」では、全国の空き家を掲載しています。空き家を仕入れて戸建賃貸投資を検討している方は是非お気軽にご相談ください。

    不動産投資は、資産形成や収入源として人気の高い投資方法です。しかし、個人で不動産投資を行う場合、節税や社会的信用の面でデメリットが生じる可能性があります。

    そこで、法人化して不動産投資を行うという選択肢があります。法人化には、主に以下のメリットがあります。

    ・節税効果が高い
    ・相続対策になる
    ・融資を受けやすい

    本記事では、不動産投資で法人化するメリットを詳しく解説します。また、法人化する方法や注意点についても解説します。不動産投資で法人化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

    この記事でわかること

    不動産投資で法人化するメリットとは?

    不動産投資で法人化するメリットは、主に以下の6つです。

  • ・法人と個人の実効税率の差を利用して節税する
  • ・数人で所得を分散して節税効果を高める
  • ・相続時の節税対策になる
  • ・融資を受けやすくなる
  • ・会計上の赤字(欠損金)を10年間繰り越せる
  • ・減価償却を選択できる
  • ひとつずつ見ていきましょう。

    法人と個人の実効税率の差を利用して節税する

    個人と法人では、税率が大きく異なります。個人の所得税率は、所得が大きくなるほど高くなる累進課税方式ですが、法人税率は、所得金額に応じて段階的に上がる比例課税方式です。そのため、所得が大きくなるほど、法人化による節税効果は大きくなります。

    数人で所得を分散して節税効果を高める

    個人事業主で高額な所得がある場合、法人を設立して家族を役員にすると、所得を分散して節税できる場合があります。

    具体的には、家族を役員にすることで、一人当たりの課税所得額が下がり、個人所得税の税率も下がります。その結果、世帯の所得は変わらないにも関わらず、トータルの税額を下げることが可能です。ただし、安易に従業員を増やすと、社会保険料の負担が重くなる恐れがあるので注意が必要です。

    相続時の節税対策になる

    法人化することで、相続税の節税対策が可能になります。個人で不動産を相続した場合、相続税の課税対象となる金額は、取得費と評価額の差額となります。しかし、法人で不動産を所有していた場合、評価額を大きく減額できるため、相続税の負担を軽減することができます。

    融資を受けやすくなる

    個人に比べて社会的信用が高く、融資の審査に通りやすくなるというのも、不動産投資における法人化のメリットです。

    法人は、登記によって会社の情報が公示されているため、社会的信用が高くなります。また、個人に比べ、より厳密な会計処理が求められているため、金融機関は法人の財務状況を把握しやすく、安定した経営をしていると判断しやすくなります。

    融資を受けやすくなったり融資の金額が増えたりすれば、その分、投資できる不動産も増え、事業を拡大していくことにもつながるでしょう。

    会計上の赤字(欠損金)を10年間繰り越せる

    青色申告をしている法人は、赤字を10年間繰り越して、所得と相殺することができます。具体的には、以下のとおりです。

    ・黒字の期であっても、先期から繰り越した赤字(欠損金)を相殺すれば、所得が少なくなって節税につながります。
    ・今期が赤字なら、前期の黒字へも相殺することができます。その場合には、すでに前期で納めた黒字分の税金の一部を還付することもできます。

    個人の場合、欠損金の繰越は3年に限られるため、法人のほうが節税に関するメリットは大きいと言えるでしょう。

    減価償却を選択できる

    個人が不動産を売却する際には、建物の経年劣化分を減価償却する必要があります。そのため、売却益が大きくなり、譲渡所得税の課税対象となる金額も大きくなります。

    一方で、法人は建物に減価償却をするかどうか、また、減価償却をする場合に差し引く金額を自由に設定できます。そのため、減価償却費を小さく設定する、もしくは減価償却をしない場合、売却益が小さくなり、譲渡所得税の課税対象となる金額も小さくなるのです。

    つまり、法人化すると、減価償却費を調整することで、法人所得を調整して節税しやすくなります。

    不動産投資で法人化するデメリットとは?

    不動産投資で法人化することには、デメリットもあります。デメリットは、主に以下の3つです。

    ・設立手続きをする必要がある
    ・法人としての維持費用がかかる
    ・長期譲渡所得の優遇税制が適用されない

    メリットとデメリットを比較して、メリットが上回るかどうかという観点で判断することをおすすめします。デメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

    設立手続きをする必要がある

    個人事業主として開業する手続きは、税務署に開業届を提出するだけで、5分程度で完了します。一方で、法人設立の手続きは、書類の作成や印鑑作成、公証役場や法務局への提出など、さまざまな手続きが必要で、最短でも1週間はかかります。特に書類作成は初めて経験する方も多いため、複雑で面倒に感じる人も多いでしょう。

    法人としての維持費用がかかる

    法人の税務処理や会計処理は、個人事業主に比べて複雑です。そのため、ほとんどの場合は税理士に記帳代行や申告代行、または顧問契約をお願いすることになります。顧問契約を結べば、顧問料として年間50万円~70万円程度の費用が発生します。

    しかし、事業規模が大きくなればなるほど、税理士に任せた方が節税効果が高くなる可能性があるため、顧問料より節税効果が上回れば、デメリットとは言い切れません。

    長期譲渡所得の優遇税制が適用されない

    個人の場合、不動産を売却した場合の所得税は、所有期間によって税率が異なります。5年以内に売却した場合は39.63%、5年を超えて売却した場合は20.315%です。この制度を長期譲渡所得の優遇税制といいます。

    一方、法人の場合は長期譲渡所得の優遇税制は利用できません。そのため、期間の長短に関わらず一律に課税されます。法人税の最低税率は約22%であるため、5年を超えて物件を売却する場合は、個人に比べ税率が不利になります。

    参考:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁

    不動産投資で法人化する方法・手順

    本格的な不動産投資をスタートするにあたり法人化を検討中の方も多いことでしょう。しかし、法人設立の手続きは簡単ではなく、用意する書類も多いです。

    ここからは、法人化に向けた全体像のイメージを膨らませてもらうために、法人設立の方法や手順を具体的に解説します。

    社名を決める

    社名を決めましょう。ただし、特殊な記号や紛らわしい屋号、「◯◯銀行」のように誤解を招く表現は使えないため注意が必要です。

    所在地を決める

    自宅や登記可能なレンタルオフィスなど、法人の所在地を決めます。

    資本金を決める

    初期の運営コストを考慮し、数十万円から数百万円で設定することが一般的です。1円からでも設立は可能です。

    発起人を決める

    15歳以上であれば、1名でも複数名でもなることができます。家族や知人、自分自身でも問題ありません。

    取締役を決める

    株式会社を設立する場合は、必ず1名以上の取締役を選任する必要があります。取締役とは、業務執行に関する意思決定を行い、その会社を代表する存在です。

    印鑑を作成する

    会社実印が1本、会社銀行印が1本の計2本必要です。

    会社実印は、その会社を表すとても大切な印鑑です。法務局で登記申請を行う際、高額な取引を行う際などに必要となるため、設立前に用意しましょう。個人実印と同様で、会社実印として効果を持たせるためには印鑑登録が必要です。

    一方の会社銀行印は、法人の銀行口座開設や手続きの際に必要な印鑑です。会社の資金を移す、請求書を作成するなど、使用頻度が高いため事前に作っておくことをおすすめします。

    必要書類を用意する

    法人として登記するために必要な書類の作成を進めていきます。必要な書類は、主に以下のとおりです。

    ・定款
    ・登記申請書
    ・就任承諾書
    ・印鑑届出書
    ・資本金払込証明書
    ・取締役の印鑑証明書
    ・登録免許税分の収入印紙を貼付した台紙

    書類作成にあたって不明な点がある場合は、法人化をサポートしてくれる不動産会社や、司法書士といった専門家に相談するとよいでしょう。

    必要書類を法務局に提出する

    必要書類を作成したら、まず公証役場で定款の認証を受けます。定款の認証とは、公証人が定款の原本に押印することです。定款の認証を受けることで、定款が真正なものであることを証明することができます。

    定款の認証を受けたら、法務局で設立登記の申請と会社印の登録を行います。設立登記とは、会社の情報を登記簿に登録することです。登記簿に登録することで、会社の情報が公に開示され、第三者から確認できるようになります。

    設立登記の申請や会社印の登録が終わり受理されると、約1~2週間程度で登記が完了します。設立後も、税務署や都道府県税事務所、市町村役場、年金事務所などに設立の届出が必要になりますので忘れずに行うようにしましょう。

    不動産投資で法人化するときの注意点

    不動産投資で法人化するときは、以下の点に注意しましょう。

    ・法人所得が赤字でも7万円の法人住民税がかかる
    ・代表者であっても法人のお金を自由に使うことはできない
    ・会社員の場合、就業規則で法人設立が認められないことがある

    まとめ

    本記事では、不動産投資で法人化するメリットや方法、注意点について詳しく解説しました。不動産投資で法人化を検討している方は、本記事を参考に、メリットとデメリットを十分に理解したうえで、慎重に判断するようにしましょう。

    不動産投資で法人化するメリットは、節税効果や融資の受けやすさなど、多岐にわたります。しかし、法人設立の手続きは複雑で、税務処理や会計処理も個人事業主に比べて複雑になるため注意が必要です。

    また、法人化の判断は、投資規模や投資スタイルによっても異なります。個人で投資を検討している方も、法人化のメリットやデメリットを理解しておくことで、より効果的な投資を行うことができるでしょう。

    「空家ベース」は全国の空き家情報を掲載し、空き家の売り手と買い手を繋ぐサポートをしています。空き家を売りたい方・買いたい方はもちろん、不動産投資に興味がある方は是非「空家ベース」にご相談ください。

    空き家問題の解決策や相続した住宅の有効活用の方法として、戸建て投資が注目されています。新築戸建て投資と中古戸建て投資がありますが、戸建て投資をはじめるにあたって、一番気になるのは、利回りではないでしょうか。

    SNSやWebでは「戸建て投資の利回りは30%を超える」という情報が出回っていますが、実際には実質10%を超えれば十分です。SNSやWebの情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう。

    そういった点の理解を深められるよう、本記事では、戸建て賃貸の利回りの理想はどれくらいなのか、戸建て投資のメリット・デメリットや利回りの計算方法について解説します。

    この記事でわかること

    戸建て投資とは

    戸建て投資とは、土地や住宅を所有している人や、戸建て物件を相続・購入した人が、その物件を賃貸して家賃収入を得る方法です。

    土地の場合は賃貸用住宅を建築して貸し出し、住宅がすでにある場合はリフォームして貸し出すことができます。また、空き家になっている住宅を貸し出すことも可能です。

    戸建て投資のメリット

    戸建て投資のメリット

    多くの人から注目されている戸建て投資ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

    戸建て投資のメリットは、大きく次の3つです。

  • 長期的な家賃収入が見込める
  • 入居者が決まりやすい
  • 立地に左右されにくい
  • ひとつずつ見ていきましょう。

    長期的な家賃収入が見込める

    戸建て投資用物件(以下、戸建て賃貸という)は、賃貸アパート・マンションと比較するとファミリー層の入居者が多く見受けられます。

    家族での生活では簡単に引越しできないため、入居期間が長くなる傾向が高く、長期的に安定した家賃収入が見込めます。

    賃貸アパート・マンションは、間取りに限界があり、結婚や出産といったタイミングで引越す可能性が高いものです。戸建ては間取りが充実しており、引越しに伴う空室のリスクを回避しやすいのです。

    入居者が決まりやすい

    賃貸アパート・マンションは比較的物件数が多い傾向にあります。

    一方の戸建て賃貸はそもそもの供給量が少ないため、競合が少なく、入居者が決まりやすいというメリットがあります。

    多くの戸建て賃貸では共益費や駐車場代なども不要であるため、家計の負担を軽減できる点でもニーズが高い傾向にあります。

    立地に左右されにくい

    一般的に、賃貸物件の収入は立地条件によって左右されます。賃貸アパート・マンションは、駅からの距離や商業施設の近さなどがとても重要です。

    一方、戸建て賃貸は、学校やスーパーといった生活環境の良さがより重視されます。特に子育て中の家族は、駅から遠くても閑静な住宅街を好む傾向にあります。

    戸建て投資のデメリット

    戸建て投資のデメリット

    ここからは、戸建て投資のデメリットについて解説します。

    戸建て投資のデメリットは、大きく次の3つです。

  • 隣人トラブルが起こる可能性がある
  • メンテナンスやリフォームに費用がかかる
  • 不動産投資ローンに通過しにくい
  • 詳しく見ていきましょう。

    隣人トラブルが起こる可能性がある

    集合住宅である賃貸アパート・マンションでは、隣人との関わりがあまりないケースが大半です。

    一方の戸建て賃貸は、隣人との関係性が近くなる傾向にあります。騒音トラブルに悩まされることはアパート・マンションに比べて少ないものの、隣人トラブルに巻き込まれるリスクはあります。

    メンテナンスやリフォームに費用がかかる

    一般的に、賃貸アパート・マンションは面積が狭いため、修繕やリフォーム、退去時にかかる費用が安いです。

    これに対して戸建て賃貸は、間取りが広いため、修繕やリフォーム、設備メンテナンスの費用が高額になるケースが多く見受けられます。

    どの物件にも言えることですが、長期間居住していると、汚れや傷が少なからずできるものです。現居住者が退去するときに、次の借り主を見つける前のメンテナンスにかなりの費用がかかる点は戸建て賃貸のデメリットと言えます。

    不動産投資ローンに通過しにくい

    特に中古の戸建て投資の場合、不動産投資ローンの融資額が小さく設定されることが多いです。

    また、ローン審査で大切な担保評価も得にくいため、そもそも通過・承認されにくいという点は大きなデメリットでしょう。メガバンクや都市銀行で断られることは多いため、日本政策金融公庫や信用金庫も視野に入れて検討することをおすすめします。

    戸建て投資の利回りの計算方法

    戸建て投資の利回りの計算方法

    不動産の利回りには、表面利回りと実質利回りの2種類があります。

    それぞれの計算方法と特徴について解説します。

    利回りとは

    おさらいですが、利回りとは、物件購入価格に対して家賃収入で得られた収益がどれくらいの割合かを示したもので、戸建て投資の場合は、1年間の家賃収入から計算します。

    表面利回りとは

    表面利回りは、年間の家賃収入を不動産の購入にかかった費用で割ったものを指します。 

    計算式:表面利回り =(年間家賃収入 ÷ 物件価格)× 100

    例えば、不動産の建築に3,000万円かかった物件で、家賃が月10万円の戸建て賃貸の場合は以下のようになります。

    ・年間家賃収入 = 10万円 × 12カ月 = 120万円
    ・表面利回り =(120万円 ÷ 3,000万円)× 100 = 4.0%

    つまり、この戸建て賃貸の表面利回りは4.0%ということになります。表面利回りには、不動産の維持費などの諸経費が含まれていないため、確実に得られる利益ではないという点には注意が必要です。

    そして、SNSやWebで出回っている「高利回り」とは、この表面利回りであることが大半であるため、その情報を鵜呑みにしないようにしてください。

    実質利回りとは

    実質利回りは、年間の家賃収入から諸経費などを差し引いて計算したものを指します。表面利回りと比較して、より正確な収益を把握できる点が実質利回りの特徴です。

    計算式:実質利回り ={(年間家賃収入 − 年間支出)÷ 物件価格}× 100

    例えば、不動産の建築に3,000万円かかった物件で、家賃が月10万円の戸建て賃貸で、年間の支出が20万円の場合は以下のようになります。

    ・年間家賃収入 = 10万円 × 12カ月 = 120万円
    ・実質利回り ={(120万円 − 20万円)÷ 3,000万円}× 100 = 3.3%

    つまり、この戸建て建築の実質利回りは3.3%ということになります。諸経費には、固定資産税、火災保険料、各種管理修繕費、その他手数料などが含まれます。

    これら諸経費の家賃に対する割合を経費率といい、空室期間や経費率を考慮すると、実質利回りは表面利回りの半分以下になることもあり、「利回り30%超え」というSNSやWebの情報がいかに非現実的な数字かが理解できるのではないでしょうか。

    戸建て投資の利回りを高めるためには「中古」「空き家」がおすすめ

    戸建て投資の利回りでチェックすべきは実質利回りです。実質利回りが10%を超えれば、投資効率と収益性は十分高いと言えます。

    そして、実質利回りを高める方法の一つに、物件の購入価格を下げることが挙げられます。

    物件購入価格が低い、賃貸需要の見込める中古物件や割安の優良空き家などをリフォーム・リノベーションして貸し出せば、空室リスクを回避しながら、長期的に安定した家賃収入を得られるでしょう。

    まとめ

    戸建て投資の利回りで重視すべきは「実質利回り」であり、実質利回り10%超えを実現するためには、中古物件や優良空き家をいち早く見つけるなど、物件購入価格を抑えることが大切です。

    空家ベース」は、空き家を売りたい人・買いたい人を繋ぐポータルサイトとして、全国各地の優良な空き家から、賃貸需要の見込める中古物件まで幅広く取り扱っています。

    X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを通じて物件情報をイチ早く発信、公式LINEでは非公開物件情報も不定期で配信しています。空き家探しでお困りの方や、空き家を買って再生したいという方は、豊富な売買実績を持つ「空家ベース」までお気軽にお声がけください。

    不動産投資を検討している方の中には、融資を使える銀行を探している方も多いのではないでしょうか。

    不動産投資ローンには、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫など、さまざまな金融機関から融資を受けることができます。しかし、それぞれの金融機関によって金利や審査基準が異なるため、自分に合った金融機関を選ぶことが大切です。

    本記事では、アパート投資ローンのおすすめ銀行を金利や審査基準を徹底比較してご紹介します。不動産投資ローンを選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてください。

    この記事でわかること

    不動産投資ローンとは

    不動産投資ローンとは、自身の事業として不動産を購入するために借りるローンのことです。不動産投資という事業に対して融資されるローン、と言い換えられます。

    住宅ローンは自分で居住するために借りるローンです。他人が住む住宅(不動産投資ローン)か、自分が住む住宅(住宅ローン)か、という違いがあります。

    そのため、投資用の賃貸物件として貸し出す目的の場合、不動産投資ローンを活用し、物件を購入することになります。

    不動産投資ローンには2種類の金利がある

    不動産投資ローンには、「変動金利」と「固定金利」の2種類の金利があります。金融機関によって、どちらで借り入れるかは異なるため、融資を受ける際によく確認しましょう。

    変動金利と固定金利

    変動金利では、基準金利(短期プライムレート)の変動により不動産投資ローンの金利が変動し、返済額が見直されます。原則は、変動金利の借り入れとなります。固定金利よりも金利水準が低い点がメリットです。

    一方の固定金利では、一定期間は金利が変わらず固定されます。金利変動リスクのない点が固定金利のメリットです。

    なお、不動産投資ローンの金利相場は、1%前半〜2%後半と言われています。

    金利1%がもたらす総返済額への影響

    「金利1%程度なら、大きな影響はないのでは?」という方のために、金利1%がもたらす総返済額への影響をシミュレーションしてみましょう。

    ・A:元本2,500万円、金利2.5%、期間35年、ボーナス返済額0円
     →返済額89,373円/月、総返済額37,536,660円(うち、金利総額12,536,660円)
    ・B:元本2,500万円、金利1.5%、期間35年、ボーナス返済額0円
     →返済額76,546円/月、総返済額32,149,320円(うち、金利総額7,149,320円)

    毎月およそ1.3万円、35年間で500万円以上も差が出ることがわかります。金利選択の際は、よくシミュレーションを行い、ローン破産をしないよう注意しましょう。

    アパート投資ローンの審査で重視される項目

    不動産投資ローンは、アパートやマンションなどの賃貸用不動産の建築・購入などの目的で借り入れることから、「アパート投資ローン」「マンション投資ローン」とも呼ばれます。

    アパート投資ローンの審査では、不動産の収益性や担保価値、ローンを組む個人の属性が重視されます。

    個人の属性とは、主に「年収」「勤務先」「健康状態」「年齢」「自己資金」などです。

    アパート投資ローンの審査に通る基準

    アパート投資ローンの審査をクリアできるかどうかは、金融機関の審査基準により異なるため一概には言えませんが、一般論として審査に通りやすくなる条件があります。

    (1)不動産がローンの返済を確実に行える、収益性の高い物件であること
    (2)空室が出ても、給与収入や預貯金などがあり返済能力が高い属性であること

    融資をする金融機関としても、ローンをしっかりと回収できずに貸倒、という事態は避けたいものです。

    不動産投資を行う銀行・金利

    金融機関によって、不動産投資に積極的かどうかは大きく異なりますが、ある程度の傾向は存在します。

    ここからは、金融機関の系統別に特徴や傾向を整理しながら、金利についてもご紹介していきます。

    メガバンク・都市銀行系

    メガバンク・都市銀行系は、主要都市に本支店が存在し、全国展開している規模の大きな銀行を指します。都市銀行は、以下の5つです。

  • みずほ銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • りそな銀行
  • 埼玉りそな銀行
  • このうち、特に規模の大きな「みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行」をメガバンクと呼びます。

    メガバンク・都市銀行系の特徴と金利

    メガバンク・都市銀行の金利目安は、変動金利で1.0%〜1.5%です。

    特徴は、資金規模が大きいため、他の金融機関に比べて金利が低い点です。また、融資期間の面でも良い条件であることが多く見受けられます。

    しかし一方で、審査が厳しく、本人の属性や不動産の収益性など、初めてのアパート投資ローン利用者には少々ハードルが高いかもしれません。

    地方銀行・信用金庫系

    特定の地域に本支店を展開し、地域に根付いた経営をしている金融機関を地方銀行や信用金庫といいます。以下は一例ですが、地方銀行・信用金庫です。

  • 滋賀銀行
  • スルガ銀行
  • 福岡中央銀行
  • 地方銀行・信用金庫系の特徴と金利

    地方銀行・信用金庫の金利目安は、変動金利で1.5~2.5%です。メガバンク・都市銀行に比べると金利は高めに設定されています。

    特徴は、地域市民への融資に積極的であるため、アパート投資ローンであっても柔軟な対応をしてもらえる可能性が高い点です。

    ただし、利用できる不動産の所在地域やローン契約者の所在地などで条件を設けていることが多いため、利用条件はしっかりと確認しましょう。

    ネット銀行・ノンバンク系

    実店舗を持たずインターネット上の店舗を構えているのがネット銀行です。一方で、預金業務をせずに、融資業務に特化した金融機関をノンバンクといいます。以下が、ネット銀行・ノンバンクの一例です。

  • 楽天銀行
  • オリックス銀行
  • SBIエステートファイナンス
  • ネット銀行・ノンバンク系の特徴と金利

    ネット銀行・ノンバンクの金利目安は、2.5%〜4.5%です。これまで紹介してきたなかでは、比較的金利は高い傾向にあります。

    ノンバンクの特徴として、他の金融機関と比べて融資の審査スピードが速く、審査基準が低く設定されている、という点が挙げられます。

    ネット銀行は、店舗に足を運ばず、手続きがネットで完結する点に魅力を感じる利用者も多いです。

    日本政策金融公庫

    資金調達が困難になりやすい中小企業や小規模事業者などを中心に、融資業務や信用保険による支援を行なっているのが、日本政策金融公庫(日本公庫)です。

    日本政策金融公庫の特徴と金利

    日本政策金融公庫の金利目安は、1.51%〜2.8%です。

    政府系の金融機関として、不動産賃貸業に限らずほとんどの業種で多くの方が利用しています。

    アパート投資ローンに積極的な金融機関

    ここからは、アパート投資ローンに積極的な金融機関を紹介します。

  • 滋賀銀行
  • オリックス銀行
  • 日本政策金融公庫
  • 特に滋賀銀行はメガバンク・都市銀行に比べて融資審査のハードルも高くないため、多くの不動産投資家に利用されている傾向にあります。

    ※なお、「比較的」積極的であるため、必ず融資審査のクリアを保証することはできません。最新の情報や金利については、各金融機関の公式サイトからお問い合わせください。

    滋賀銀行

    用途 ・収益物件購入費用(不動産賃貸業が主業の人は申込不可
    ・住宅購入費用(新築・セカンドハウス)
    ・リフォーム資金
    ・教育関係費用(入学金・授業料・教材費など)
    融資可能年齢 申込時年齢満20歳以上完済時、年齢が満81歳未満
    年収要件 ・継続した安定収入のある以下の人
    ・給与所得者
    ・企業の代表者
    ・自営業者
    ・パート、アルバイト(学生除く)
    融資額 300万円以上4,500万円以内
    借入期間 1年以上30年以内
    金利 1.95%~4.875% (※2023年10月時点)
    その他 ・0.3%金利上乗せでガン団体信用生命保険に加入(任意)
    ・保証人は原則不要
    ・居住地、担保不動産の所在地を問わず、全国対応可能
    ・スマホ完結で借りられる

    >>滋賀銀行の公式サイトはこちら

    オリックス銀行

    用途 居住用賃貸用マンション・アパート・一戸建て物件の購入、建築、建築用地購入、借り換え
    融資可能年齢 借入時20歳以上60歳未満で、最終返済時80歳未満
    年収要件 500万円以上(自営業は所得500万円以上)で返済期間中安定した収入が見込める方
    融資額 1,000万円以上2億円以内(10万円単位)
    借入期間 1年以上35年以内
    金利 ・3年固定:3.300%
    ・5年固定:3.700%
    ・変動金利:3.675%
    (※2023年10月時点)
    その他 ・原則、首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市に担保提供可能な居住用不動産があること
    ・オリックス銀行住宅ローンプラザに来社可能な方(港区・中央区・立川市・名古屋市・大阪市・福岡市)

    >>オリックス銀行の公式サイトはこちら

    日本政策金融公庫

    用途 不動産賃貸業に限らずほとんどの業種
    融資可能年齢 シニア起業家支援資金を利用すれば55歳以上でも利用可能
    年収要件 なし
    融資額 上限4,800万円
    (女性・若者・シニア起業家支援資金の場合、上限7,200万円)
    借入期間 5年~10年程度
    金利 基準利率2.10%~3.20%
    (※2023年10月時点)
    その他 ・不動産投資を行うという投資目的での融資は不可。あくまで不動産賃貸業として事業を行うというスタンスが必要
    ・利回りやキャッシュフローを重視する傾向があるため、築古の高利回り物件でも比較的審査に通る可能性が高い

    >>日本政策金融公庫の公式サイトはこちら

    アパート投資ローンの審査に落ちたときの対処法

    残念なことにアパート投資ローンの審査に落ちた場合は、以下に取り組むことをおすすめします。

  • 金融機関を変える
  • 収支計画を見直す
  • 不動産のプロに相談する
  • 不動産会社のような不動産のプロに相談し、収支計画を見直し、金融機関の説得材料を揃えるとアパート投資ローンの審査をクリアできる可能性が高まります。

    まとめ

    本記事では、アパート投資ローンのおすすめ銀行について、金利や審査基準の徹底比較を紹介してきました。

    アパート投資ローンには、変動金利と固定金利があり、数%の違いで生涯に返済する金額には大きな差ができてしまいます。

    融資を受けるときは、金利が自身の返済能力や事業計画に照らして問題がないのかをよく検討するようにしましょう。

    融資の審査基準は金融機関ごとに異なり、場合によってはクリアできないこともあります。そのような場合には、事業計画や不動産の価値を改めて見直す必要があります。お困りごとがある場合には、不動産のプロである不動産会社に相談することをおすすめします。

    空家ベース」は、空き家を売りたい人と再生したい人を繋ぐポータルサイトとして、これまで多くの空き家売買をサポートしながら、不動産投資成功に向けたアドバイスもしてきました。「不動産投資・アパート投資に興味はあるけど、ローンが組めるか不安」といったお悩みをお持ちの方は、お気軽にお声がけください。

    不動産投資を始めたいけれど、自己資金が足りない。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

    実は、不動産投資は融資を活用することで、自己資金を抑えて始めることができます。本記事では、不動産投資の自己資金がいくら必要か、自己資金ゼロでも不動産投資をスタートできるのかなどを解説します。

    この記事で分かること

    不動産投資における自己資金とは

    不動産投資における自己資金とは、不動産投資を始めるにあたって自分で用意する資金のことです。

    つまり、金融機関から借り入れるローン以外に自分で用意する現金、とも言えます。

    不動産投資における自己資金の内訳

    自己資金は、大きく分けて「頭金」と「諸費用」に分けられます。

    頭金と諸費用

    「頭金」とは、不動産を購入する際に、ローンで借り入れずに自分で用意するお金です。例えば、物件価格が1,000万円で、ローン借入額が800万円の場合、頭金は200万円となります。

    頭金を多く用意することで、ローンで借り入れる金額が減り、毎月のローン返済額を抑えることができます。頭金が多いほど、金融機関からの審査は通りやすくなります。

    また、不動産を購入するためには、物件価格以外にも、仲介手数料や司法書士報酬、印紙税、登録免許税、不動産取得税、火災保険料・自身保険料、ローンの事務手数料などが必要です。これら物件の購入に必要な費用を「諸費用」といいます。

    不動産投資で自己資金を用意する方法

    一例ですが、自己資金を用意する方法として、以下のようなものがあります。

    ・貯金
    ・両親や親族からの援助
    ・投資信託や株式など金融商品の売却

    もちろん自身で自己資金をすべて用意できればいいのですが、時間と労力がかかるため、場合によっては両親や親族の力を借りるという選択肢も視野に入れておきましょう。

    不動産投資における自己資金の目安

    一般的に、不動産投資に必要な自己資金は、物件価格の20%〜30%程度とされています。最低ラインとして、20%程度は必要と覚えておくとよいでしょう。

    具体的には、「頭金」を物件価格の10%〜20%、「諸費用」は新築物件と中古物件で目安が異なり、新築は物件価格の4%〜7%、中古は物件価格の7%〜10%です。中古物件は、仲介手数料がかかるため、若干高くなっています。

    ただし、物件の立地や収益性など諸条件によって必要な自己資金が異なることは、あらかじめ念頭に置いておきましょう。

    不動産投資の融資には、なぜ自己資金が必要なのか

    自己資金である「頭金」が多いほど、ローンの借入額が少なくなり、月々の返済額や金利負担が軽くなります。また、金融機関としては融資額を回収できなくなるリスクが低くなります。そのため、頭金が多いほど、ローン審査に通る可能性が高くなる、というわけです。

    自己資金をできるだけ多く用意しておくことで、より安定した不動産投資を行うことができる、というイメージを持つとよいでしょう。

    不動産投資の融資を決める「個人の属性」と「物件の収益性」とは?

    自己資金をある程度用意できたとしても、金融機関からの融資を受けられなければ不動産投資をスタートできません。

    金融機関は何を基準に融資を決めるのかというと、それは「個人の属性」と「物件の収益性」の2つだとされています。

    個人の属性

    個人の属性とは、主に「年収」「勤務先」「健康状態」「年齢」「自己資金」などです。

    また、多くの金融機関では、融資の対象者に満25歳〜55歳という年齢制限を設けています。

    特に、年収については、ローンの返済に直接的に影響するため、勤続年数が長く高年収であるほど金融機関としても融資審査を通しやすくなる傾向にあります。ただし、どれだけ個人の属性がよくても、頭金を出さなければ融資を受けられない金融機関もあるため、あらかじめ念頭に置いておきましょう。

    物件の収益性

    物件の収益性とは、主に「物件の立地」「築年数」「構造」「価格」「賃料」「間取り」などのことで、物件がどれだけ収益を安定的に上げられるのか、を意味します。

    金融機関が収益性を見極めるポイントは主に、長期間にわたって入居者が付くのか、資産価値を維持できるか、という点です。

    つまり、家賃収入が見込めない賃貸物件は収益性がないと判断されます。

    また、仮に個人の属性では問題が見つからなかったとしても、物件の収益性が低いと判断され、審査を落とされることは十分に考えられます。

    不動産投資を自己資金ゼロで始める方法

    不動産投資で失敗するリスクを軽減するためにも、できるだけ自己資金を用意することをおすすめしますが、自己資金ゼロで不動産投資を始めることはできるのでしょうか。

    ここでは、自己資金ゼロで不動産投資をスタートする方法を解説します。

    フルローンの活用

    フルローンとは、不動産購入の費用すべてをローンで賄うことを意味します。金融機関が頭金ゼロの融資を了承すれば、フルローンを利用して不動産を購入することができます。

    フルローンは、金利が高くなる傾向にあるため注意しましょう。

    共同担保物件の利用

    一部の金融機関では、共同担保物件を提供することで自己資金ゼロでも融資を受けられるというケースもあります。

    >>三井住友トラスト・ローン&ファイナンスの「アパートローン」についてはこちら

    不動産投資を自己資金ゼロで始めるリスク

    ここからは、不動産投資を自己資金ゼロ、つまりフルローンで始めるリスクをひとつずつ見ていきましょう。

    月々の返済額が大きくなる

    自己資金ゼロで不動産投資を始めると、ローン返済の負担が大きくなるため注意が必要です。

    反対に自己資金が多ければ、融資額が減り、毎月ローンの返済額も抑えることができます。そのため、自己資金ゼロで不動産投資を始める場合は、月々の返済額をしっかりと確認し、家計に大きな負担にならないか検討することが大切です。

    キャッシュフローが悪化する

    自己資金ゼロで不動産投資を始めると、ローン返済の負担が大きくなり、手元に残る現金が少なくなってしまいます。そのため、空室や修繕費などの突発的な出費に対応できなくなる可能性があるので注意が必要です。

    自己資金ゼロで不動産投資を始める場合は、月々の返済額だけでなく、空室や修繕費などの突発的な出費も想定して、手元に十分な現金を用意しておくことが大切です。

    投資のリスクが高まる

    自己資金ゼロで不動産投資を始めると、ローンの借入額が多くなり、投資が失敗した場合のリスクが高まります。ローンを返済できなくなった場合、自己破産を余儀なくされる可能性があるので注意が必要です。

    不動産投資には、空室リスクや金利上昇リスクなど、さまざまなリスクがあります。これらのリスクによって、家賃収入が減少し、ローンの返済が困難になる可能性があります。

    自己資金ゼロで不動産投資を始める場合は、不動産投資の知識をしっかりと身につけて、リスクを理解した上で投資を始めることが大切です。

    そもそも自己資金ゼロでの融資は審査のハードルが高い

    自己資金ゼロで不動産融資を始められるフルローンのリスクを紹介してきましたが、フルローンは、金融機関にとっても高リスクです。金融機関は、高リスクを踏まえて融資を行うため、当然、そもそもの審査が厳しい傾向にあります。

    不動産投資を自己資金を抑えて始める方法

    自己資金ゼロでの不動産投資は融資の審査のハードルが高い一方で、自己資金を抑えて始めることは現実的と言えます。具体的には、物件取得時にかかる費用を安く抑える、という方法です。

    もちろん資産価値や担保価値の高い不動産を取得できればいいのですが、あまり市場に流通しないというのが実情です。また、個人の属性を高めることも一朝一夕で実現できるものではありません。

    しかし、物件取得時にかかる費用を抑えることは、売主が物件の価値を見極められず売りに出されている可能性もあるため、比較的簡単と言えます。近年は、地方の空き家や古家付き土地などをリーズナブルな価格で購入し、リフォームして再生活用するという不動産投資が増えているのが、まさにその証拠です。

    まとめ

    本記事では、不動産投資の自己資金がいくら必要か、自己資金ゼロでも不動産投資をスタートできるのかなどを解説してきました。

    不動産投資をスムーズに始めるためには、物件価格の20%程度の自己資金を用意することが重要です。

    「自己資金が用意できない」という方は、フルローンを活用することも可能ですが、高金利であり、月々のローン返済額が自らの首を締める結果となるため、投資失敗となるリスクが高くあまりおすすめしません。

    自己資金を抑えて不動産投資を始める方法としては、物件取得時の費用を安くする、というのが最も現実的です。用意すべき自己資金も低く、融資を受けるローンの返済額の負担も小さいからです。

    空家ベース」は、空き家を売りたい人と再生したい人を繋ぐポータルサイトとして、全国各地の空き家売買のサポートをしています。空き家や古家付き土地のなかには、本来の物件価値よりリーズナブルに取得できる掘り出し物件も多く、自己資金を抑えて不動産投資をスタートさせるのに適した物件も存在します。

    「不動産投資に興味があるけど、用意できる自己資金を考慮して、どんな物件がいいかわからない」といったお悩みをお持ちの方はお気軽にお声がけください。

    不動産投資をはじめる方のほとんどは金融機関からの融資を受けるのではないでしょうか。

    融資といえば、民間の銀行や信用金庫をイメージしやすいですが、実は政府が出資する「日本政策金融公庫」でも、個人事業主に対して融資を行っていることをご存知でしょうか。

    本記事では、日本政策金融公庫の特徴や条件、不動産投資向けの融資を受ける流れについて解説します。

    この記事で分かること

    日本政策金融公庫とは

    日本政策金融公庫は、国民生活の向上と民間の金融機関を補完する目的で設立された、政府が100%出資する金融機関です。「日本公庫」とも呼ばれています。

    主に行われている事業は「国民生活事業」「農林水産事業」「中小企業事業」の3つです。その中で、個人で行う不動産投資は、小規模事業とみなされるため、このうち「国民生活事業」にあたります。

    日本政策金融公庫の特徴

    日本政策金融公庫と民間の金融機関の主な違いとして、下記のような特徴が挙げられます。

  • 日本政策金融公庫は、金利が低い
  • 日本政策金融公庫は、借入期間が短く、融資金額に限度がある
  • ひとつずつ見ていきましょう。

    金利が低い

    日本政策金融公庫の金利は、融資制度や融資金額、担保の有無などによって異なりますが、一般的に、民間の金融機関の融資よりも金利が低くなっているのが特徴です。

    国民生活事業融資で、担保を提供して融資を受ける場合で、年利0.4%~2.8%程度となっています。

    借入期間が短く、融資金額に限度がある

    返済期間は民間の金融機関より短く、最大でも20年です。借入額が大きくなればなるほど、月々の支払額は多くなるため、購入したい物件の価格によっては、ある程度の自己資金も必要になってくる場合があります。

    また、融資額にも限度があります。日本政策金融公庫の場合、担保となる物件の評価が厳しいとされています。そのため、どのくらい融資してもらえるかは、物件の評価額によって決まるため、担保となる物件の不動産評価額が低いと融資額も低くなります。

    日本政策金融公庫から融資を受けられる条件

    不動産投資で、日本政策金融公庫から融資を受けるには、主に以下3つの条件が必要です。

    ・不動産賃貸業であること
    ・不動産を担保として設定できること
    ・税金や公共料金の滞納がないこと

    それぞれ見ていきましょう。

    条件1.不動産賃貸業であること

    国民生活事業における貸付は幅広く、様ざまな事業で融資の利用が可能ですが、金融業・投機的事業・一部の遊戯娯楽業には融資されません。

    つまり、投資家による投機的な利益を追求する事業に対しての融資は基本的に受けられません。

    不動産投資は、主に「不動産売却益(キャピタルゲイン)」と「家賃収入(インカムゲイン)」の2つに分けることができますが、日本政策金融公庫は、前述したように国民生活の向上を目的としているため、キャピタルゲインを得るための不動産投資は投機的事業とみなされ、融資を受けることはできないと考えたほうがよいでしょう。

    しかし、家賃収入(インカムゲイン)であれば、国民生活に寄与する事業なため、融資を受けることが可能です。そのため、あくまで不動産「賃貸」を前提として融資を受けなければなりません。

    条件2.不動産を担保として設定できること

    基本的には、不動産に担保権が設定できることが融資を受けるために必要な条件となることを念頭に置きましょう。融資の金額は、担保として設定された不動産の固定資産評価額によって定められ、多くの場合30%から高くて50%程度の評価となります。

    優遇措置の中には、担保を必要としない融資もありますが、不動産賃貸に対する融資の場合、基本的には担保の設定が必須となるため、担保とできる物件を用意するように注意しましょう。融資を受けて購入する不動産そのものを担保とすることも可能ですし、他に不動産を所有している場合は、その不動産を担保とすることもできます。

    条件3.税金や公共料金の滞納がないこと

    日本政策金融公庫は政府が出資する金融機関であるため、民間の金融機関では年収や勤続年数が重要視されるのに対し、税金や公共料金の支払状況が融資の決定に大きな影響を及ぼします。

    税金の滞納があれば、ローンの支払い能力が低いと判断され、融資の審査での評価が下がることに繋がります。融資を申し込む際には、税金や公共料金の支払いを滞りなく支払っておくように心がけましょう。

    担当者や支店によって条件は異なる

    支店や担当者によって、審査の通りやすさや、融資の条件は異なります。ただし、日本政策金融公庫の融資は、事業所在地を担当する支店に相談する必要があるため、まずは事業所在地を担当する支店を調べておきましょう。

    日本政策金融公庫から融資を受けるときの流れ

    日本政策金融公庫から融資を受けるときの流れは、以下のとおりです。

    「事業資金相談ダイヤル」 に電話する

    日本政策金融公庫では、融資に関する質問や相談を受け付けています。

    融資に関する相談や質問がある方は、事業資金相談ダイヤルに電話で問い合わせてみましょう。

    TEL:0120-154-505(受付時間:平日9時~17時)

    支店窓口を訪問する

    日本政策金融公庫は都道府県ごとにいくつかの支店が設けられています。事業所在地を担当する支店窓口を訪問しましょう。支店での相談の際には、融資を希望する理由や融資の目的杞融資希望金額などについて担当者に説明することになるため、ご自身のなかでも情報を整理しておくとよいでしょう。

    必要書類を提出する

    相談の結果、融資を受ける可能性がある場合は、必要書類の提出をします。融資を受ける不動産や融資制度によって必要な書類が異なるため、事前に担当者や日本政策金融公庫のホームページで必要書類の詳細を確認し、必要書類を提出します。

    主な必要書類は以下のとおりです。

  • 運転免許証など本人確認が可能なもの
  • 印鑑(実印)と印鑑証明書
  • 確定申告書もしくは源泉徴収票
  • 最低でも半年分以上の預金通帳のコピー
  • 不動産の賃貸借契約書
  • 公共料金の支払い状況が確認できる領収書など
  • 担保を設定する場合は、担保物件の登記簿謄本
  • その他借入金がある場合は、月々の支払額や借り入れ残高が確認できるもの
  • 担当者と面談する

    必要書類を提出した後に、担当者との面談が行われます。面談では、提出した書類の内容や融資を受けた場合の返済計画ついて担当者から質問を受けます。

    融資の審査を受ける

    面談の後、審査を受けます。融資の審査では、面談や提出書類を参考に事業内容や返済能力などについて審査されます。審査の結果は、数週間〜数か月で通知されます。

    融資の決定・融資の振り込みがされる

    融資の審査に通った場合、日本政策金融公庫から融資契約をするのに必要な書類が送られてくるので、必要事項を記入し返送します。その後、融資契約が完了すれば、指定の口座に融資の振込がされます。

    まとめ

    不動産賃貸業を検討していて融資を受けたい場合、比較的金利が低い日本政策金融公庫を利用するのもお勧めします。ただし、最大の借入期間が短いなどの民間の金融機関との違いもあるため、自身の不動産投資に適した事業計画を立てるようにしましょう。
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    不動産投資とは、所有している不動産を賃貸にだすことで賃料収入を得る資産形成のことですが、不動産投資をする際には多くの出費があります。
    そのため、出費を経費として計上し節税することは、資産形成の上でも非常に重要なポイントといえます。
    ただし、全ての出費が経費として扱えるわけではなく、勘違いで利益を損失するケースも少なくありません。
    そこで、この記事では不動産投資における経費について解説します。
    不動産投資を検討している人は、是非参考にしてください。

    この記事で分かること

    不動産投資で経費計上するメリット

    不動産投資で利益を得るためには不動産を購入し、借り手を募集する必要があります。
    さらに、不動産は維持費や税金がかかることから、不動産投資は初期費用とランニングコストがかならずかかる投資といえます。
    そこで、これらの費用を「経費」として計上することで税金を抑えることになり、手元に残る利益を増やすことができます。
    つまり、不動産投資において経費計上は重要なポイントとなることを、知っておく必要があります。

    不動産投資で経費計上できる種類

    不動産投資で経費計上できる種類は、大きく分け9種類あります。
    この章で詳しく解説しますので参考にしてください。

    住宅ローン

    不動産を購入する際には住宅ローンを組むケースが多いですが、利息部分は経費計上できることを覚えておく必要があります。
    ただし、不動産所得がマイナスの場合、土地部分については経費計上することはできず、代わりに損益通算として計上できることを知っておく必要があります。

    税金

    「不動産を維持するための税金」については経費計上が可能となり、具体的には以下の税金となります。


    登録免許税
    不動産取得税
    印紙税
    固定資産税
    都市計画税
    利子税
    法人事業税
    自動車税(ただし、不動産投資に関連している部分のみ)

    上記の税金は不動産を購入し、そして維持する際にかかる税金となることから、経費計上できることになります。
    これ以外にも、法人税や所得税、住民税といった税金がかかりますが、これらは経費計上できません。

    減価償却費

    建物には法定耐用年数が設定されており、購入金額を減価償却の年で割り戻した費用を経費として計上することができます。
    不動産投資にかかる費用の内、購入費用の割合が多いことから減価償却による減税効果も大きくなります。
    このことからも、減価償却は必ず経費として計上すべきといえます。
    なお、法定耐用年数については国税庁から公開されており、不動産の構造によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
    【参考サイト:主な減価償却資産の耐用年数表

    専門家への報酬

    不動産投資をする際には、登記を依頼する司法書士や借り手を募集する不動産会社など多くの専門家に仕事を依頼することになります。
    こういった専門家への報酬も経費として計上できるため、確定申告で悩む場合は会計士などに積極的に相談し、相談料を経費として計上することをおすすめします。

    管理修繕費

    共用部分の清掃や保守点検費用といった管理費や、住みやすい部屋にするためのリフォームといった修繕費についても経費として計上が可能です。
    そのため、年間でかかった費用は細かくまとめておく必要があります。
    ただし、資産価値を上昇させるようなリフォームを実施した場合と破損個所の修繕では計上方法が異なり、リフォームは減価償却で修繕費は一括計上が有効とされています。
    このことからも、工事内容を正しく把握しておくこともコツとなります。

    保険料

    火災保険や地震保険は安心して住むためにも必須の保険となることから、経費として計上できます。
    また、居住者が孤独死してしまうと特殊清掃費がかかるうえに資産価値が減ってしまうことから、孤独死保険に入るオーナーも多く、この保険についても経費計上できます。

    通信費

    不動産投資をする上で必要となるパソコンやソフトの代金、月額のプロバイダ量などは全て経費となります。
    ただし、不動産投資以外の目的でもパソコンや通信費用を使う場合、使用頻度で按分する必要があるため全額計上することはできません。
    そのため、在宅で不動産投資をする場合には1日何時間パソコンを利用したかを記録しておくことをおすすめします。

    交際費、交通費

    遠方の不動産まで移動するための交通費や、情報収集を目的とした交際費は不動産投資をする上で必要な出費となることから、経費となります。
    ただし、家族旅行が兼ねられている場合など目的が不透明な場合は計上できないこともあるため、注意が必要です。

    情報収集にかかる出費

    書籍や不動産投資を勉強するためのコンサル依頼料など、情報取集は不動産投資に必須といえることから、それにかかった出費であれば経費として計上できます。

    不動産投資で経費計上する際の注意点

    不動産投資において出費を経費として計上することで大きな節税効果を得ることができますが、注意点もあります。
    そこで、この章では不動産投資で経費計上する際の注意点について、解説します。

    出費はなるべく抑える

    前述したように、多くの出費を「経費」として計上することができますが、だからといって無駄な出費をしていいわけではありません。
    なぜなら、出費を全て経費として計上し節税できたとしても、同額を自己負担していることになるからです。
    そのため、効果的な不動産投資を行う上でも出費はなるべく抑えるべきです。

    経費計上できるかどうかを事前に確認する

    経費として計上できると思い込んで購入し、後からできないことが判明する失敗は非常に多いです。
    特に、次に挙げる項目は間違えやすいため、注意が必要です。

    自動車に関連する出費

    不動産投資を目的とするのであれば、車両の購入費や自動車税、車検を含めたメンテナンス費用、レッカー代金は経費として計上可能です。
    しかし、駐車違反などの反則金や罰金といった違反金は計上できません。

    情報収集に関連する出費

    不動産投資を成功させるためには、優良物件や市場動向のチェックはかかせません。
    つまり、それらの情報収集にかかる費用は経費計上できることになり、計上可能な出費として新聞や書籍、コンサルの依頼にかかる費用があります。
    ただし、あくまでも情報収集に関連する出費が対象となるため、マンション管理士を取得するための出費などは対象外となることを知っておく必要があります。

    領収書の保管義務がある

    確定申告で領収書を提出する必要はなくなりましたが、領収書は白色申告では5年間、青色申告では7年間保管する義務があります。
    保管していなくても不動産投資に影響はありませんが、万が一税務調査が入った場合には領収書の提出を求められるため、領収書を保管する場所を確保しておくことをおすすめします。

    まとめ

    不動産投資は資産形成が目的であることが多く、より安く物件を購入し高い賃料設定にすることで利益の回収スピードを速めることができます。しかし、不動産投資は必須の出費が多く利益を圧迫してしまうことも珍しくありません。そのため、これらの出費を経費として計上し、税金を減らすことで全体の利益を増やすことがおすすめです。
    こうした節税方法は不動産投資を成功させるためにも必須の知識といえるため、経費として計上できる項目を正しく把握しておくことが重要といえます。

    空家ベース」は空き家を売りたい人・再生したい人を繋ぐポータルサイトです。不動産投資に関する情報も多く掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

    日本の空き家は増加傾向にあります。「空き家問題」への対策として期待されているのが、空き家戸建投資です。

    初期費用を抑えつつ、利回りの高い投資方法であり、興味をお持ちの方も多いことでしょう。また、戸建投資は、収入を増やす方法であると同時に、節税効果も期待できます。そのため、会社員のように本業を持つ人が、副業として始めることも少なくありません。

    しかし、税金を最小化するためには、戸建投資で認められる経費の知識を身につける必要があります。

    本記事では、戸建投資とは何か、戸建投資で認められる経費、節税効果が期待できる税金などについて解説します。税金を最小化し、不動産投資を行う自分の身を守るための参考としてご一読ください。

    この記事でわかること

    戸建投資とは?

    戸建投資は、不動産投資の一種で、相続や贈与、購入などで取得した住宅を資産運用する方法です。

    近年は空き家が増加傾向にあるため、空き家や再建築不可物件、古家付き土地などを購入し、リフォーム・リノベーションの後、賃貸物件として家賃収入を得る方法が注目されています。

    戸建投資が注目されている理由

    空き家や再建築不可物件などは、築年数が経過しており、老朽化が進んでいたり、接道義務を果たしていなかったり、用途変更できない都市計画制限を受けていることが少なくありません。

    そういった、そのままでは住めないような物件は、近隣相場と同等の価格では買い手がつかないため、格安の値段で売られているケースが多いです。これらを安く買い取り、リフォームやリノベーションを施して、収益化する物件に再生させる方法が注目されているのです。

    戸建投資のメリットは「収益を得ながら節税効果が期待できる」こと

    すでに戸建投資を始めている方も、これから戸建投資を始めようと思っている方もご存知かもしれませんが、戸建投資の最大のメリットは、収益を得ながら節税効果が期待できることです。

    ここからは、戸建投資で節税効果が期待できる税金の種類と、その理由を簡単におさらいしましょう。

    戸建投資で節税効果が期待できる税金

    戸建投資を行うことで、負担を軽減できる可能性がある税金は以下のとおりです。

    所得税

    所得税は、1年間の全ての収入金額から、必要経費や所得控除額を差し引いた所得額に対してかかる税金です。

    住民税

    住民税は、都道府県民税と区市町村民税の総称で、所得税同様、所得金額に応じた税額を毎年納めます。

    贈与税

    贈与税は、財産を無償で譲り受けたときに課される税金です。贈与される財産の金額に比例して、税率が高くなります。

    相続税

    故人から財産を承継したときに生じる税金です。残された遺産に加えて、被相続人の死亡前3年以内に贈与された財産についても、相続税が課されます。

    ここからは、戸建投資でなぜ節税効果が期待できるのか、その理由を見ていきましょう。

    理由1.経費として計上できる項目が多い

    後述しますが、戸建投資で認められる経費にはさまざまな項目があります。他の投資手法に比べて経費計上できる項目が多いです。

    不動産収入(収益)から多くの経費を差し引ければ、課税対象となる所得額が減るため、発生する税額が減ります。このような仕組みで節税効果が期待できるのです。

    理由2.減価償却費で帳簿上赤字になりやすい

    差し引ける経費のうち、特に所得の圧縮効果が高いのが減価償却費です。減価償却費とは、経年劣化する建物や設備に対し、耐用年数に合わせて計上できる経費のことです。

    建物や設備のように高額な固定資産の場合、取得後、長期間にわたって使用します。そのため、減価償却費は、購入した年に一括で経費計上せず、耐用年数に応じて分割して経費計上していく必要があります。

    戸建投資では、減価償却費が大きな割合を占めるため、帳簿上赤字になることも多く、税額を大きく減らす効果が期待できるのです。

    理由3.本業からの収入と損益通算できる

    先述したとおり、戸建投資では、課税対象となる所得額を低く抑えることが可能です。

    そのため、戸建投資では、不動産収入が一定程度得られるようになりキャッシュフローが黒字になっても、帳簿上は赤字ということがよくあります。その際、赤字部分は、本業から得た給与所得と合算することが可能です。これが「損益通算」です。

    本業の給与所得から帳簿上の赤字分を差し引くと所得額が減り、納税し過ぎた税額の還付を受けられるようになります。副業として戸建投資に取り組む会社員大家ならではの節税メリットといえます。

    損益通算の例

    例えば、1年間の家賃収入が300万円、購入費用の減価償却費が400万円、そのほかの必要経費が50万円、給与所得が600万円の場合、以下の式で所得税(住民税)を申告できます。

    式:給与所得600万円ー(家賃収入300万円ー減価償却費400万円ー必要経費50万円)
     =給与所得600万円ー(損益通算できる赤字額150万円)
     =課税所得額450万円

    つまり、損益通算により、年収が600万円ではなく、450万円として所得額を申告するため、課税対象額が差引150万円も低くなり、所得税と住民税の軽減に役立つのです。

    戸建投資で認められる経費を知ろう

    戸建投資に節税効果が期待できることをお伝えしてきましたが、節税効果を最大化するためには、申告することが認められる経費を知る必要があります。

    戸建投資で認められる経費は、大きく分けて以下の14種類です。

    戸建投資で認められる経費
    ・管理費:建物の管理費(共用部分の清掃や設備の点検保守費用など)
    ・保険料:火災保険や地震保険など
    ・修繕費:退去にともなう原状回復のリフォーム費用、日々発生する設備故障に伴う交換費用など
    ・通信費:私用で不動産投資以外目的にも使用している場合は、家事按分が必要
    ・交際費
    ・減価償却費
    ・旅費や交通費:不動産購入にあたっての現地訪問、交渉や契約のための不動産会社訪問などの移動費用
    ・ローンの金利:土地、建物(設備を含む)のローンにかかる金利 ※元金は経費として認められないため注意が必要
    ・自動車関連費用:自動車税や保険料、車検代など
    ・固定資産税などの税金
    ・管理会社への管理委託料
    ・司法書士や税理士への報酬
    ・情報収集や勉強のための費用
    ・仲介手数料、広告宣伝費など入居付けのための費用

    戸建投資で認められない注意すべき経費とは

    一方、認められない経費もあります。

    戸建投資で認められない注意すべき経費
    ・反則金や罰金
    ・資格取得費用
    ・ジムなどの会費
    ・所得税や住民税などの税金
    ・スーツ代、コンタクトレンズ代

    主に、私用・プライベートで使用したものは、戸建投資の経費にあたらないため、注意しましょう。

    戸建投資におすすめなのは中古物件・空き家

    戸建投資の節税効果を十分に引き出すには、投資を始める際の物件選びが大切です。一般的に、新築物件ではなく、中古物件のほうが節税効果は高い傾向にあります。主な理由を2つ紹介します。

    耐用年数が短い

    不動産収入から控除できる減価償却費は、物件の購入価格(建物設備部分)を耐用年数で割って求めます。同構造の住宅用建物であれば、新築物件に比べて中古物件が購入時からの耐用年数が短くなり、1年あたりの減価償却費を高く計上できるのです。

    ただ一方で、減価償却による節税効果が切れるまでの期間も短い点は念頭に置いておきましょう。「耐用年数は短いほどよい」ではなく、長期的な視点でどれだけ節税できるかを考えましょう。

    (表1)
    建物の構造と法定耐用年数

    中古物件の耐用年数を算出する方法

    一般的な中古物件の耐用年数を算出する方法は、以下のとおりです。

    【新築時から経過した年月が法定耐用年数を超えるとき】
    法定耐用年数の20%の年月を耐用年数とします。計算結果は小数点以下を切り捨てて、2年未満の場合は耐用年数を2年として扱います。

    【新築時から経過した年月が法定耐用年数以下であるとき】
    法定耐用年数から経過した年数を差し引き、その数値に、経過年数の20%の年数を加えます。上記同様に、計算結果は小数点以下を切り捨てて、2年未満の場合は耐用年数を2年とします。

    購入費用が手頃なことが多く初期投資の費用を抑えられる

    空き家や再建築不可物件、古家付き土地などの中古物件は、新築物件よりも安い傾向にあるため、初期投資の金額を抑えられるというメリットがあります。

    ただし、中古物件は新築物件よりも集客しにくい傾向にあるため、その分賃料を安く設定したり、リフォーム・リノベーションをして新しい内装や設備を導入したりして、スムーズに借り手が見つけられるような工夫が必要です。

    さらに、物件購入後、建物や設備の修繕・改修などが必要になる期間は、中古物件のほうが短い点には注意しましょう。

    戸建投資の物件はポータルサイトやマッチングサイトで探そう

    戸建投資を行う以上、需要があり収益化が見込める優良な中古物件や空き家を探す必要があります。借り手が見つからない期間にも、固定資産税の支払いや設備の劣化は避けられません。

    地元不動産を回ったり聞き込みを行う方法もありますが、優良な中古物件や空き家を探すうえで最も効率的な方法は、ポータルサイトやマッチングサイトです。

    検索条件を入力すれば、条件にマッチする空き家や古家付き土地などの中古物件を簡単に検索できます。

    まとめ

    本記事では、戸建投資とは何か、戸建投資で認められる経費の詳細を中心に解説してきました。

    空き家戸建投資は、初期投資の金額を抑えつつ、多くの経費を計上できるため、節税効果が期待できます。ハードルの高くない投資方法であるため、会社員のような方でも副業としてスタートしやすいでしょう。

    しかし、物件選び・探しで間違えると、借り手が見つからず収益化ができません。大切なのは、優良な中古物件を早く見つけることです。

    中古物件選び・探しには、ポータルサイトやマッチングサイトがおすすめです。

    「空家べ―ス」は、全国の空き家情報を掲載し、空き家を売りたい人と買いたい人をつなげるポータルサイトです。取り扱う空き家などの中古物件は豊富で、これまでにも多くの売買実績があります。空き家の売買や古民家、古家付き土地などの利活用に興味ある方はお気軽にご相談ください。