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DIY型賃貸借とは?メリット・デメリットや貸す際の注意点について解説

空家ベース編集部

賃貸を探す人の中には同じような物件ではなくオリジナル性の高い部屋を希望する人がいるため、貸主にとって部屋の内装や外観は重要なポイントです。

そこで最近注目されている賃貸物件として「DIY型賃貸」があり、自分で自由に内装を改修することができるという特徴があることから人気です。

この記事ではDIY型賃貸のメリットとデメリット、契約時のポイントについて解説します。

この記事で分かること

  • DIY型賃貸借の定義
  • DIY型賃貸借のメリットとデメリット
  • DIY型物件を契約する際のポイント

DIY型賃貸借とは?

DIY型賃貸の物件として公開するのであれば、賃貸借の内容を理解しておくことが大切です。

特に通常の賃貸との違いを知っておくことで借主とのトラブルが発生しないよう対策することができ、DIY型賃貸借を検討する上で必須の知識といえます。

この章ではDIY型賃貸の特徴について解説しますので、参考にしてください。

DIY型賃貸借の定義

国土交通省が公開している「DIY型賃貸借のすすめ」によると「工事費用の負担者が誰かに関わらず、借主の意向を反映して住宅の改修を行うことができる賃貸借契約やその物件」と定義されています。

たとえば棚や造作家具を設置したり壁紙を張り替えることで部屋の雰囲気を大きく変えることができますが、DIY型賃貸借であれば可能です。

このようにDIY型賃貸借であれば借主は自分好みの内装に仕上げることができ、借り手が見つかりやすい可能性が高くなるといえます。

DIY賃貸と通常の賃貸との違い

DIY賃貸と通常の賃貸の大きな違いとしてDIYできる範囲があり、DIY賃貸の方が自由度が高い契約形態といえます。

その一方でDIY賃貸の方が退去する際の注意点が多く、どこまでの状態まで補修する義務があるのかは重要なポイントです。

たとえば退去時に原状回復義務がある場合、原状回復の範囲によっては初期費用だけでなく撤去に関する工事費用も大掛かりになるケースもあります。

このように、通常の賃貸住宅よりも退去や改修工事に関わる取り決めや制限の有無、原状回復の義務などは大きな相違点です。

DIY型賃貸借 違い
画像引用元:国土交通省 DIY型賃貸借のすすめ

DIY型賃貸借の目的

DIY型賃貸借を利用することで、借主は新築の一戸建てや空き家を購入しなければ難しいリフォームが可能となります。

その一方貸主側としても賃貸経営における空室対策として効果的といえ、DIY賃貸借にすることで貸主のニーズに応えられることができます。

このことからもDIY型賃貸借を選択することで借り主と貸主の希望を叶えやすい不動産にすることができるため、DIY型賃貸借は貸主と借主の両方におすすめです。

また、国土交通省もDIY型賃貸借を推奨していますが、その理由として全国で問題になっている空き家対策があります。

管理されていない空き家が増加すると倒壊や火災発生のリスクを抱えることになるため、賃貸住宅としての流通を促進することを目的にDIY型賃貸借が提示されています。
参考:国土交通省

こうした背景からDIY型賃貸借は近年注目されており、空き家を所有するオーナーであれば注目すべき賃貸借の形態といえます。

DIY型賃貸借のメリット

 DIY型賃貸借 メリット
画像引用元:国土交通省 DIY型賃貸借のすすめ

DIY型賃貸借には一般的な賃貸マンションにはないメリットが多くあり、貸主にとっても借主にとっても知っておくべきポイントです。

この章ではDIY型賃貸借のメリットについて紹介しますので、これから検討する人は参考にしてください。

貸主にとってのメリット

マンションを保有している貸主にとって、DIY型賃貸借にすることでリフォーム費用を浮かすことができます。

マンションは入居する前に修繕する必要があるため修繕費用を確保することになりますが、借主がDIYするのであればその必要はありません。

そのため賃貸経営における資金計画に余裕が生まれ、さらに原状回復しない契約形態であれば部屋がグレードアップした状態で退去してもらうことになります。

これにより費用負担することなく部屋の資産価値を維持することができるというメリットがあります。

これ以外にも借主自身がDIY工事を行うため愛着が生まれ、その結果長期間入居を継続してくれる可能性が高いというメリットもあります。

借主にとってのメリット

借主にとっては自分好みの内装にDIYできるという点が、もっとも大きなメリットです。

一般的な賃貸借では制限される壁紙の張替や水回りの新調も承諾されているケースも多く、本来であれば実現できない改修工事であってもDIY賃貸借であれば計画が可能です。

さらにDIY型賃貸物件は貸主がリフォームしないまま引き渡すことが多いため、その分家賃を抑えることができるという点もメリットです。

このように、借主の暮らし方に合わせた住まいに変更できるといえます。

DIY型賃貸借のデメリット

DIY型賃貸は通常のマンションにはないメリットがありますがその一方でデメリットもあるため、注意点となります。

この章ではDIY型賃貸のデメリットについて解説しますので、前述したメリットと合わせて参考にしてください。

貸主にとってのデメリット

DIY型賃貸住宅は一般的な賃貸住宅に比べて需要が少なく、そもそも募集しても入居者が見つからない可能性があります。

そのため、空室対策としてDIY型賃貸住宅は向いていないケースも多いです。

また改修工事の内容や退去時のルールなど契約書に盛り込むべき内容は多く、契約書の作成に時間がかかってしまうという点も大きなデメリットといえます。

借主にとってのデメリット

DIY型賃貸住宅は借主が自由にリフォームできるというメリットがありますが、戸建ての状態によっては思い描いた仕上がりにならないこともあります。

さらに仕上がりは施工技術によって左右されてしまうことから、しっかり練習しなければ見た目が悪い内装になってしまう可能性があります。

このことからも、借主本人にDIYのスキルが高いことが重要なポイントとなり、ある程度の知識と技術の習得が必要という点がデメリットとなります。

DIY型賃貸借として貸し出すために準備するものは?

DIY型賃貸住宅は公開されている物件数が少ないためトラブルが発生しやすいことから、貸し出すための準備を正しく進める必要があります。

そこでDIY型賃貸借を検討する際には、国土交通省が公開している「家主向けDIY型賃貸借実務の手引き」を参考にするのがおすすめとなっており、以下の準備が推奨されています。

  • ・竣工図や修繕履歴等の物件情報の収集
  • ・耐震性や劣化状況の把握
  • ・工事可能部位の決定
  • ・工事事業者選定
  • ・DIY工事を踏まえた事業計画の作成
  • ・DIY工事を踏まえた管理業者選定

これらの準備には専門業者の強力が必要な部分も多いことから、早い段階で不動産会社に相談し専門業者の相談を受けることが大切です。

DIY型賃貸借の手順

この章では「家主向けDIY型賃貸借実務の手引き」に記載されているポイントを中心に、DIY型賃貸借の手順について解説します。

1 物件募集・事前協議

DIY型賃貸借はSUUMOやアットホームといった不動産ポータルサイトに情報を公開し、募集するのが一般的です。

また、その際には家賃だけでなく改修工事の範囲や退去時のルールについても物件資料に明記し、借主と認識の違いがないように注意する必要があります。

エリアや築年数によってはリフォーム期間中は家賃の支払いが免除となるフリーレントを設定することですぐに借主を見つけることができるため、不動産会社と相談しつつ募集要綱を決めることがポイントです。

2 契約

賃貸借契約では一般的に増改築等に関して貸主の書面による承諾を必要としており、DIY型賃貸借においても同様です。

そのため多くのケースで増改築における申請書兼承諾書を作成し、借主と貸主双方が内容を確認した上で締結します。

この書面で決定された内容に合わせて増改築を行うため、トラブルが起きないようしっかりチェックすることが重要です。

3 DIY工事

契約が無事に締結され借主がDIY工事に入る際には、他の入居者に告知しておくことで騒音や振動に関するトラブルを防ぐことができます。

また、DIY工事は基本的に借主が主体となって進めますが、完工時には合意書の内容に沿った内容の工事になっているかチェックすることも重要です。

特に戸建ての躯体に影響する工事を実施する場合は耐久性に問題ないかも踏まえて確認することがおすすめです。

4 入居中の管理/入居中の工事

入居中の管理や工事については原則借主の責任となりますが、賃貸借契約で細かく責任区分を設定することも可能です。

たとえば賃貸借契約の締結後にDIY工事を行い入居し、その後追加工事をする場合には貸主の承諾が必要とする特約も設定することができます。

このようにすることで内装をある程度貸主の管理下に置くことができます。

5 明け渡し

借主が物件を明け渡し退去する際には、工事によって改修された部分の所有権をどのように扱うのかを決めておく必要があります。

もし退去後は通常の賃貸物件として貸出するのであれば、工事部分はそのままにしておき貸主に所有権を移転させる契約にしておくのが理想です。

一方、引き続きDIY型賃貸借にするのであれば原状回復してもらい明け渡ししてもらうことで募集しやすくなります。

このことからも、借主と貸主の双方が都合の良い契約内容で締結することがポイントです。

DIY型賃貸借のポイント

DIY型賃貸借は通常の賃貸借とは異なる部分が多いため、予期せぬトラブルを防ぐためにも注意点を押さえておく必要があります。

この章ではDIY型賃貸借を選ぶ際のポイントについて解説しますので、参考にしてください。

所有権がどちらにあるのか決める

DIYを実施することで部屋の資産価値は上昇することになりますが、工事部分についての所有権を明確にすることでトラブルを防止することができます。

たとえば借主が所有権を保持するのであれば工事部分の破損については借主の責任となり、貸主に所有権を移転させるのであれば管理修繕を借主が請け負うことになります。

こうした所有権の帰属はDIY型賃貸借において重要なポイントとなるため、契約書で詳しく記載することが大切です。

明渡し時に残置するのか撤去するのか取り決める

DIY型賃貸借でトラブルになりやすいのが、明け渡し時に残置物を撤去するのかどうかというポイントです。

DIYすることで借主にとって住みやすい内装に改修することができ、デザインに合った椅子やテーブルを購入するケースも多いです。

しかし次の移住先でこうした家具を使う予定がない場合、残していきたいと交渉を受けることもあります。

このようなケースでは契約書の内容に沿って進めることでトラブルを回避することができるため、残置物の取り扱いについては契約時に借主と細かい内容まで合意すべきです。

費用の精算の有無について定決める

賃貸は退去時の修繕費用やDIY工事期間中の家賃免除など、借主と貸主双方が合意することで費用の清算内容が決まります。

つまり、賃貸借契約を締結する時点でこうした取り決めをしておかなければ金銭トラブルに発展する可能性が高いといえます。

そのため発生する可能性があるポイントを洗い出し、借主と協議しながら清算方法を決めるのがおすすめです。

損害を与えた場合の責任の所在を明確にする

DIYに慣れていない借主が工事を実施した場合、共有部に傷をつけたり破損させてしまうこともあります。

こうした場合には一般的に借主の負担で修繕することになりますが、契約書に明確な記載がなければトラブルになることも考えられます。

そのためDIY型賃貸借は契約書に損害に関する責任の所在について明記するだけでなく、工事前と工事後のタイミングで撮影することも重要です。

入居期間中の管理・修繕を誰が行うか決める

DIY部分の管理や修繕は誰が行うのかもポイントですが、誰が所有権を保持しているのかで管理修繕における責任の所在は変わります。

たとえば借主が退去まで所有するのであれば借主が管理すべきといえ、工事完了後に所有権を貸主に移転させるのであれば貸主が共有部と同様に管理と修繕を行うことになります。

まとめ

DIY型賃貸借は一戸建てを購入するのではなく賃貸マンションに住みながら自分好みの内装にリフォームできるため、住まいへのこだわりが強い人に人気の物件です。

そのためDIY型賃貸借として物件公開するオーナーも増えていますが、通常のマンションと比べて注意点が多く、特に契約書の内容が細かくなってしまうというデメリットがあります。

そのためDIY型賃貸借で失敗しないためにもメリットとデメリット、注意点を明確にした上で募集することをおすすめします。

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