親の家を相続…売れない家でも大丈夫?訳あり空き家を手放す方法
親の家を相続したものの、自分が住む予定もなく、有効活用の方法も見つからない。そのまま放置しているうちに、気づけば何年も経っていた、という方は多いのではないでしょうか。
近年、こうした有効活用できない実家が空き家となり、長期間放置されてしまうことが社会問題になっています。
空き家は放置していると経年劣化によって資産価値が低下するだけでなく、倒壊や樹木の越境、空き巣など様々なリスクを抱える可能性があります。
倒壊のリスクが高まり自治体から特定空き家に認定されてしまうと、固定資産税の税制優遇撤廃や行政代執行による解体といった措置が取られる場合があります。
このような状態になる前に、所有者は相続物件を手放す方法をあらかじめ確認しておくことが重要です。
この記事では売却しにくい家を相続した人向けに、空き家を手放すためのコツを紹介します。
売れない理由や空き家を放置することのリスクについても解説しますので、親の家を相続する予定がある人などは参考にしてください。
- 親の家を相続。”困る物件”の典型パターン3つ
- 相続した家が売れない理由
- 訳あり物件が売れる3つの理由
- 家が売れないことのリスク
- 相続した家で最初にやるべきこと
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親の家を相続。”困る物件”の典型パターン3つ
本来不動産を相続することは相続人にとってメリットが多いものですが、相続物件によってはメリットが少なく、リスクが高いケースもあります。このような家を相続してしまうと有効活用することも処分することも難しいため、相続する家の状況について正しく理解しておくことが大切です。
この章では親から相続して困る物件の、典型的なパターンを3つ紹介します。
老朽化が著しい
親の家を相続する場合、築年数が古く老朽化していることが多いです。
現在の高機能住宅はメンテナンスフリーで長期間使用できますが、昭和期に建築された家屋はメンテナンスを前提とした設計が多く、定期的な修繕が必要です。
たとえば、屋根や外壁の修繕や防蟻処理は約10年に1度必要であり、太陽光発電の太陽光パネルは約20〜25年程度、パワーコンディショナーは約10〜15年程度で交換が必要になることもあります。
また、親が家を適切に管理していなかった場合、湿気やカビによって壁紙が剥がれていることもあります。その場合、安全かつ快適に暮らすために全体的なリノベーションが必要になるケースもあります。
さらに、家を解体しようとしても、アスベストの含有が確認された場合、その撤去費用が数百万円単位で上乗せされることがあります。
老朽化した家の相続には、こうした隠れコストにも注意が必要です。
所有権移転後にシロアリ被害や雨漏りなどの不具合が見つかると、原則として売主が契約不適合責任を問われ、修繕費などを負担する義務があります。
老朽化が進むほど、こうしたトラブルが起きる可能性も高まります。
地方や駅遠で立地が悪い
駅から離れた場所や、地方に実家があると、売却しようとしても買い手が見つからないことが多く、手放せるタイミングが来るまで所有者が定期的に管理しなければなりません。
しかし現在の生活拠点から離れた場所に実家があると、管理のために足を運ぶだけでも大きな手間と時間がかかってしまいます。
特に海岸や山奥に家がある場合は、塩害や獣害によって家が傷みやすいことから、まめな管理が必要になります。
このように、親が住んでいた頃には顕在化しなかった問題が相続後に発生することもあります。相続物件の立地は事前に確認しておくことをおすすめします。
権利関係が複雑
相続財産は一般的に法定相続人が引き継ぐことになります。
財産の内容によっては複数の相続人が相続物件を共有で所有するケースも少なくありません。
たとえば父親の家を母親と子ども2人で相続する場合、母親が2分の1、子どもがそれぞれ4分の1の持分を保有します。
この場合、所有者は保有持分の範囲で自由に家を使用できますが、貸したり売却する際には共有者全員の同意が必要になります。
年月が経つにつれ孫世代まで相続が発生すると権利関係はさらに複雑になります。そうなると、管理も処分もかなり難しい状況になってしまう可能性もあります。
また、相続する時点で既に保有持分が設定されており、持分割合だけ相続するというケースもあります。
こうした権利関係は空き家の活用や処分を妨げる原因になりかねません。相続が発生する前に法定相続人と話し合い、権利関係で揉めることがないよう情報を整理をしておくことが重要です。
なぜ相続した空き家は”売れない”と思ってしまうのか

老朽化していたり立地が悪い家は買い手が見つからないことも多いですが、売れる可能性がゼロというわけではありません。
しかし、「ボロ家を相続したから売れないに決まっている」と最初から考えてしまっている所有者も多いのが現状です。
その結果、多くの手間と工数をかけて家を管理したり、管理ができずに放置してしまっている所有者もいます。
不動産は売り手と買い手の要望がマッチすれば基本的にどのような状態であっても売却できることから、家の処分で悩んでいる人はなるべく早く不動産会社に相談することをおすすめします。
この章では相続した家が売れないと考えてしまう理由と、売るためのコツについて解説します。
仲介では売れにくい理由
仲介とは不動産会社が売主から販売の委託を受け、物件を公開して買い手を募集する売却方法です。
買い手が決まり、売買が成立すると、物件価格に応じて不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
一般的に不動産は仲介によって売買されており、売主が自由に販売価格と販売条件を設定できるという特徴があります。
そのため、なるべく高く売りたい売主は仲介を選ぶことが多いのですが、やはり老朽化が進んでいたり、販売実績が少ない郊外の物件などは売買金額が安くなる傾向があります。
また、築古の住宅は耐久性、耐震性への不安から買い手が躊躇しやすく、結果として販売期間が長引く傾向があります。
築古の住宅は新築住宅や土地のみの売買と異なり、資産価値が明確になりにくい面があります。潜在リスクが見えにくいことも、売れ残りにつながる一因です。
市場がないのではなく、買い手が違うだけ
耐久性の心配や立地の悪さはたしかに売却活動におけるマイナスポイントですが、必ずしも買い手が見つからないわけではありません。
たとえばDIYや自社施工によって家を修繕できる買い手であればリフォーム費用を抑えることができますので、価格があえばスムーズに取引が成立することもあります。
また、自然豊かな郊外で暮らしたい人にとっては、立地の悪さはむしろプラスポイントになるケースもあります。
入居目的ではなく投資目的で家を探している戸建て投資家であれば、家の状態や立地が悪くても購入を検討してくれます。
このことからも、売れにくい家を売るためにはターゲット層を絞って販売活動をすることがコツといえます。
訳あり物件が売れる3つの理由

倒壊のリスクがある家やゴミ屋敷、再建築不可物件、事故物件などは「訳あり物件」と呼ばれ、リフォーム費用が高くなったり、住宅ローンが組めないといった可能性があることから、買い手が見つかりにくいとされています。
しかし、このような訳あり物件であっても「不動産買取」であればスピーディーに売却できる可能性があります。
そのため、売れにくい物件を相続することが決まっている場合は、事前に買取業者へ相談し、売却できるかどうかを調べておくとよいでしょう。
この章では買取が訳あり物件を手放すのに向いている理由について、解説します。
買取再販というビジネスモデル
不動産買取とは、不動産会社が物件を仲介するのではなく、自社で直接買い取ったうえで再販売し、利益を得るビジネスです。
再販売で利益を出すためには、適切な買取価格の見極めに加え、リフォーム費用などを正確に算出する必要があります。そのため対象エリアについて幅広い知識や経験を保有していなければ成り立たないビジネスとされています。
専門性が必要とされるので、すべての不動産会社が買取に対応しているわけではありません。売却を確実に進めるためには、買取のエキスパートが多く在籍している業者に依頼するのがおすすめです。
特に訳あり物件専門の買取業者であれば、建物が倒壊しそうな状態であってもそのまま引き取ってもらうことができ、査定時や契約時に現地での立会いが不要な場合もあります。
仲介ではないので仲介手数料もかからないことから、手間をかけずにとにかく早く手放したい売主に人気の売却方法といえます。
投資家ネットワークの存在
買取では、仲介のように売主自身が物件を公開して買主を募集するのではなく、買取業者が物件を買い取った後に再販売を行います。
この再販売の際には、業者が日頃から築いている不動産投資家とのつながりが活かされます。
不動産会社は投資家に対して物件情報を紹介するルートを持っており、一般には公開されない形で案内されることも少なくありません。
そのため、仮に一人の投資家が購入を見送った場合でも、別の投資家へとスムーズに情報を展開でき、早期売却につながりやすいのが特徴です。
このように、あらかじめターゲットが明確な投資家に向けて販売できることから、通常の仲介と比べてスピーディーに売却できるケースもあります。
残置物・未整理でもOKな理由
買取業者は普段から多くの物件を取り扱っており、再販売が可能と判断されれば、放置されていて残置物が多い空き家であっても購入を検討します。
ですから、売却のために売主が無理に片づけを行う必要はなく、現況のまま取引できるケースが多く、これが訳あり物件でも売却しやすい理由の一つとなっています。
残置物の量が不明であっても問題ありません。両親が他界した後、片付けができていない家やいわゆるゴミ屋敷のような状態であっても、買取であれば処分できる可能性が高まります。
また、庭の手入れが行き届いていない場合や、廃材・物置などが残っているケースでも、そのままの状態で売却できることがあります。
売却相談が遅れるとどうなるか

家の相続は法定相続人との遺産分割協議や相続登記、遺品の整理などやるべきことが多岐にわたりますので、家の処分は後回しになる所有者も少なくありません。
その結果、空き家を長期間放置することになり、売却を決めたタイミングではすでに様々な問題が発生していることもあります。
このような失敗をしないためにも、家を放置することで起こり得るリスクについて知っておくことが大切です。
この章では不動産会社への売却相談が遅れた場合のリスクについて、詳しく解説します。
建物劣化が進む
家は適切に管理しなければ建物が劣化し、資産価値が低下してしまいます。
誰も住まなくなった空き家はホコリがたまりやすく、ダニやカビが発生しやすい環境になります。畳や壁紙、押し入れの内部にまで繁殖が広がるケースもあります。
また、草むしりをしていない庭は害虫や害獣の巣になりやすく、室内にまで侵入される可能性もあります。
屋根や外壁のメンテナンスを怠ると、雨漏りにつながります。さらに台風時には建材が飛散し、近隣に被害が及ぶ可能性もあります。
このように建物の劣化は資産価値を下げるだけでなく、近隣住民からの苦情や損害賠償につながるケースもあり、放置リスクは想像以上に大きいといえます。
なお、平成27年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、自治体は特定空き家の所有者に対して管理の是正や指導を行えるようになりました。
特定空き家とは、倒壊の恐れがあったり、衛生面で問題が生じていたり、周囲の景観を大きく損ねている状態にある空き家のことで、所有者が指導に従わない場合、固定資産税の税制優遇撤廃や、行政代執行による解体といった措置を講じられます。
家を放置しておくことで大きな損失を被る可能性があるため、家の所有者は適切に管理するか、売却するのかをなるべく早く判断する必要があるといえます。
【参考:空家法とは│国土交通省 】
維持費がかさむ
家は所有者が維持管理する責任を負いますので、売却を開始してからも、買い手が見つかるまでは維持費を支払い続けることになります。
維持費には家の修繕費用や除草費用以外にも固定資産税や都市計画税といった税金があり、これらの税金は家の活用方法に限らず納税しなければなりません。
1回の支払いが少額でも、積み重なると総コストは相当な金額になります。売却が遅れるほど、負担は増え続けます。
こうした維持費は家計を圧迫する原因にもなりかねませんので、大きなリスクといえます。
なお、維持費とは別に仲介で売却する場合、家が倒壊しそうな状態になってしまうと「古家付き土地」として販売する場合もあります。その場合、買主の希望によっては解体や測量の費用が余分にかかってしまう点にも注意が必要です。
共有者が増える
親の家を相続するタイミングでは少数だった法定相続人も、年月が経つと相続人が増えてしまい、放置すればするだけ多くの共有者で家を管理することになります。
共有持分があるからといって管理してくれる人が確実に増える訳ではなく、持分があるのに維持管理費を負担してくれないケースも少なくありません。
さらに賃貸や売却をしようとしても共有者が1人でも反対すれば実現できないことから、共有者の増加は家の管理においてデメリットになりやすいことが分かります。
家の倒壊を防ぐために大規模なリフォームをする場合でも共有者全員の合意が必要になりますので、相続人が増える前に家の売却を相談し、スムーズに手放せる準備をすることが重要です。
相続した家で最初にやるべきこと

相続が発生した場合、まずは相続するかどうかを判断する必要があります。
相続放棄をする場合は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行います。
相続すると決めた場合は、法定相続人で遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作成したうえで、相続登記を行います。
登記を行い家を所有した時点で管理責任が発生し、維持費や固定資産税などの負担も生じます。
そのため、「誰が管理するのか」「いつまで保有するのか」「売却する場合はどの方法で進めるのか」といった方針を早い段階で整理しておくことが重要です。
この章では、家の売却を前提に、売却をスムーズに進めるために押さえておきたいポイントを解説します。
“売れるかどうか”ではなく”誰に売るか”を考える
相続した家がリフォームしたばかりでそのまま住めたり、立地が良いというわけでなければ、購入してもらう人をあえて限定するのがコツです。
居住目的で不動産を探している人をターゲットとした場合、建物の老朽化や立地の悪さがどうしても悪い印象を与えてしまいます。
その結果、問い合わせが集まりにくかったり、購入を検討する人が現れても大幅な価格交渉を受けやすくなります。
一方で、不動産会社は物件の特性に応じて、投資用として活用できるかどうかも含めて判断しています。
そのため、一般の買主には敬遠されやすい物件であっても、条件次第では売却につながるケースがあります。
このように、売却先の選び方によって結果が大きく変わるため、売れにくい家ほど販売ルートの選定が重要になります。とくに買取業者であれば、こうした判断を踏まえて査定を行うため、現況のままでも売却しやすいのが特徴です。
そのため、まずは複数の買取業者に査定を依頼し、条件や対応を比較しながら、自分に合った業者を選ぶことをおすすめします。
価格よりスピードを優先すべきケース
せっかく家を売却するのであればなるべく高く売りたいと考えるのは当然のことです。しかし、相場よりも高く売るためにはリフォームが必要だったり、売却までに時間がかかる傾向があります。
特に長期間放置された家や立地が悪い家は、参考となる売買事例が少なく、販売価格が適正かどうか判断できず悩む買い手も少なくありません。
こうした理由から、一定期間仲介で売り出しても買い手が見つからない場合は、売却方法を買取に切り替え、スピード重視で進めるのがコツです。
不動産会社によっては、まずは仲介で販売し、一定期間内に買い手が見つからなかった場合に買い取る「買取保証付き仲介」を提供していることもあります。
どうしても早く売りたいのであれば、最初から買取を選択するという方法もありますので、状況に応じた売却方法を不動産会社と相談しながら決めることが重要です。
全国対応会社に相談するメリット
築古の住宅や立地条件が悪い家を売るのであれば買取がおすすめですが、全国対応している業者を選ぶのも大事なポイントです。
買取エリアが全国にある業者は電子契約や遠方にある物件の査定に慣れており、売主の手間を省くことができます。
業者によっては、スマホで買取を依頼してLINEで連絡、PDFで電子契約を締結し、オンラインで決済まで完了させることもできます。
地元の業者だけでなく、全国どこでも買い取ってくれる業者もピックアップし、比較検討することをおすすめします。
まとめ
親の家を相続したものの、管理や活用方法に悩む所有者は年々増えています。
とくに、老朽化が進んでいたり立地に課題がある物件は買い手が見つかりにくく、手放したくても売却できない状況に陥ることもあります。
また、共有者が複数いる場合は全員の合意が必要となるため、手続きに時間がかかる点にも注意が必要です。
こうしたトラブルを避けるためにも、相続が発生した段階で法定相続人同士で方針を整理し、「誰が所有するのか」「どのように活用・売却するのか」を決めておくことが大切です。
売却を選択する場合は早めに不動産会社に相談し、状況に応じて仲介と買取を使い分けることがポイントになります。
とくに、仲介での売却が難しいと判断された場合は、買取を活用することでスムーズに手放せる可能性があります。
なお、買取業者によって条件や対応は異なるため、実績や口コミ、対応エリアなどを比較し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
空き家は放置するほど、管理の手間やコストが増えていきます。
空家ベースでは、無料査定でどのくらいの価格で売れるのか、どのような選択肢があるのかを相談することができます。無理に売却を進める必要はありませんので、情報収集の一歩として活用してみてください。





