遠方物件ノールック買付
毎日ネットで物件検索をしていると、魅力あふれる物件は数日で消えていきます。
しかし、僕のようなサラリーマン投資家が内見にいけるのは土日だけ。
遠方物件であれば気軽に内見に行くことができず、尚更購入のチャンスが少なくなってしまいます。
そこで、僕は内見せずに物件を購入する「ノールック買付」をこれまで4軒ほど行ってきました。
ノールック買付の際,僕がどのように何を調べているか?
今回は、ノールック買付時の調査方法とそのデメリット(危険性)も含めて解説します。
●検索:グーグルマップ
一番大事なのは、物件住所の近隣検索(画像の赤の四角が仮の検索場所)。
検索の際は、グーグルマップの縮尺を拡大したり縮小したりしながら(右下の+-ボタンを押す)、自動で表示される近隣施設や地形、道路や路線等の物件近隣の環境を詳細に把握します。
下図の例で加点ポイントとなる近隣施設は赤線の施設です。
①小中高の教育施設
→特に自転車通学が難しい小学校の距離は客付に影響大。広めの戸建てだと特にファミリー層がターゲットになる為。
②コンビニ・スーパー
→利便性の高さを測る指標。マイソク等に近隣商業施設としてアピールポイントに。
③マクドナルド・吉野家等のチェーンの飲食店
→田舎でも廃れていないことの証。一流企業の立地戦略は侮れない。
④ホームセンター
→DIYする上で、効率に影響するので重要。木材を販売しているような資材館等がある規模の大きなホームセンターでないと不便なので要注意。
●物件外観:ストリートビュー
次に、ストリートビューの状態で物件外観を確認します。
見るポイントは下図の赤線部分です。
①天井:軒点がどうなっているのか?
→この写真だと、軒天が剥がれ落ちて雨水が染み込んで来ている→室内も雨漏りの可能性があります。
実際にこの物件は室内が雨漏りでボロボロでした。見てください、この色とりどりのバケツをw
②写真右の臭突:トイレが汲取かどうか。
→汲み取りかどうかは、外観でわかるので要チェックです。今回の写真では臭突があるので汲み取りの可能性大です。
③基礎部分:クラック(亀裂)の有無
→小さいクラックであれば問題ないですが、ストリートビューの画像からも分かるぐらい大きいクラックだと、家の傾きが疑われます。
④駐車場
→田舎にある物件は駐車場は非常に重要です。駐車場が見当たらない場合も、塀などを壊せば駐車場を増設できそうかどうか必ず確認しています。
●賃料相場の確認
ノールックの場合は、地元の不動産業者さんに相場を確認することが非常に重要です。
もっとも、いきなり電話をしていきなり賃貸相場を教えてください、と聞くだけでは相手の時間を奪ってしまうので失礼です。
そこで、僕は電話の前に最も母数が多いSUUMOにて大体の相場を確認しておきます。
どこまで厳密にやるか人によりますが、大事なことは、「一戸建て・その他」を選ぶことで、マンション・アパートとを排除することです。戸建てはマンションアパートとは賃料の決定基準が違うため、アパートのほうが築年数が若くて綺麗・賃料も安い傾向にあります。しかし、家族が多く部屋数が多い戸建てを探している人、ペットを多頭飼いしたい人、騒音が気になる人や庭が欲しい人等、様々な理由で戸建ての賃貸をで探している層もいるので、戸建て同士で賃料を比較しましょう。
僕は戸建て・物件の所在地の市町村で検索をかけた上で、詳細条件の広さや建物の種類でさらに絞りをかけます。
その後に、「賃料が安い順に並び替え」で競合を調査。ここで自分の検討している物件がいくら取れそうなのか?賃料の基準を調べます。
SUUMOに同種物件が出てこない場合、「賃貸需要が全く無い」もしくは、「賃貸の戸建てがほとんどないが、需要はある」のいずれかなので、そこを不動産業者さんに聞いて答え合わせをします。
電話をかけるのは、グーグルマップで物件の近くにある不動産屋さんです。
一番初めにかけるのは、グーグルの口コミが多い+評価が良い仲介さんです。
口コミの数だけ客付を行っている実績があるので、最近の傾向や賃貸需要について詳しい場合が多く、評価も良い場合は電話での対応も良いことが多いためです。
・FAP;「お忙しいところすみません。大家のFAPと申します。〇〇の物件を購入し賃貸に出そうと検討しておりまして、賃貸需要に詳しい方にお話しお伺いできませんでしょうか?」
こんな風に電話しています。たいていの場合、まず事務の方が出てから営業担当に繋がるので、以下をヒアリングします。
①この地域の賃貸需要はどうか?
②この物件の相場はどれくらいか?どれぐらいだったら決まりそうか?
③駐車場は何台必要か?
④ペット可にするとどうか?賃料はどれくらいプラスできそうか?
⑤ADの相場どれくらいか?
あまり長々話をしても迷惑になるので、手短にお聞きして、お礼をします。
この担当者の名前を記録しておいて、リフォーム完成後に客付をお願いしに行くと、話がスムーズですし、相手にも喜んでいただけるのでオススメです!
●物件写真:購入時に仲介業者さんや売主さんから提供がある場合
物件を買う時に内見に行くのは、購入前に物件の中を見に行くためです。
室内写真をもらえない場合は外観だけで決めなければならい場合もありますが、室内写真がある場合は凝視して下さい。
特にお金がかかるのは天井と水回りですので、キッチン、トイレやお風呂、雨漏り跡などを確認します。
残置物がありすぎて中の様子が良く見えないことや光の加減で汚れや雨染みなどが見えないこともありますが、その場合は仕方ないと割り切っています。
やはりノールックでは写真から読み取れる情報には限りがありますが,くまなく見て違和感を拾っていくしかなく、ここは経験の積み重ねによるところが大きいと痛感します。
例えば、下記の写真の物件は、実際に僕がノールックで買った物件ですが、一見きれいな和室の右側に3カ所シミが見えます。この物件は雨漏りしているでしょうか?
購入前、雨漏りしていると聞いていたのでこの写真を見て、てっきり和室の上が雨漏りしているのかと思っていました。
しかし、実際購入後に物件に行くと,雨漏りをしていたのは別の部屋で、この部屋のシミはペットの排泄跡だったと判明しました。
確かにシミのある上の天井はきれいです。
この物件は平成築で僕が持っている物件の中ではかなり築浅物件でした。
購入前に見ていた写真が綺麗に見えたこともあって、余り修繕費用や時間がかからないと踏んでいました。
ところが、写真ではよく分からなかったのですが、雨漏りや池が近くにある物件だったこともあって、湿気のためにカビでかなり家が傷んでいました。
壁紙も既存のまま使える箇所があるかと思っていたのですが、ほとんどがペットのひっかき傷や排泄跡、カビがあり、全部屋壁紙を貼り直すことになりました。
この写真で気付いておくべきだったのは写真中央の窓枠の下の黒カビと写真左側の壁紙のはがれ、それに雨漏りでは無いとするとペットの排泄跡である可能性を考え、その場合はしつけが出来ていないペットが住んでいたと予想しておくべきことでした。
●その他:仲介さんに確認しておくこと
①何年前まで人が住んでいたのか
→インフラ損傷の可能性を判断するのに役立ちます。比較的最近まで売主さんやその親族が住んでいた場合はインフラが問題なく使える可能性が高いです。
②修繕歴
→屋根の修理歴やリフォームの有無等、必ず確認をします。
③残置物の有無・処理費用を売り主と買い主どちらが持つか?
→室内写真がない場合にはどれくらいの残置物処理費用になるか予測が出来ないため、必ず確認しましょう。
④売却の経緯,売主さんが近くにいるかどうか?
→売主さんが遠方に住んでいたり相続の場合,家に詳しくないので状況が分からない=修繕リスクが高まる。一方で指し値が通りやすくなる。
⑤駐車場に入る車種の確認
→ストリートビューの写真だけでは、駐車場があるかどうかしかわからず、軽自動車しか入らない又はバイクしか置けない大きさである可能性もあるので確認しています。
⑥排水・上水の確認
→臭突がある場合は汲み取りである可能性が高いとご説明しましたが、下水に繋がっているのか、井戸水ではないか等、インフラについては仲介さんにも確認しましょう。
●ノールックの危険性(デメリット)
①写真で写っていない部分に修繕箇所がある可能性
→室内写真がある場合、きれいな部屋だけを写している場合もあるため、全部屋の写真がない場合は修繕が必要な部屋があることは想定している必要があります。
床下や天井裏の状態も分からないことが普通なので、傾きや雨漏りを含めノールック買付はある程度のリスクを飲み込まなければできない手法です。
②近隣とのもめ事がある可能性
→境界や指導の問題等を含め、現地に行ってはじめて驚くようなトラブル物件であることが判明するもあります。
③インフラ破損の可能性
→漏水や浄化槽が破損していることもあります。
④写真の状態が過去のもので現況との違いがある可能性
→日当たりや室内環境等、過去の写真の状態から変化がある場合があります。
⑤そもそも内見をしないと購入できない可能性
→仲介さんによっては、「現地に内見していないと、買付を受諾出来ない。」と言う方もいます。契約不適合免責で購入します、とお伝えしてもトラブル防止のため内見を購入の条件としている場合があります。
●最後に・・・
とは言いつつ、ノールック買付が気になるという方へ。とっておきのサイトがあります。
そう、「空家ベース」さんです。遠方物件の取り扱いが多く、リスクを飲み込むにはぴったりの価格帯の物件も多く取りそろえられています。
遠いところは検討したことがなかった、という方も購入手法を知った今、ぜひ色々な物件を見てみてくださいね!
こちら→→ 空家ベース
ちなみに・・・、僕も何度か空家ベースさんから物件を購入しています。
皆様がこのコラムを読む頃には売れてしまうかもしれませんが、今FAPがノールックで買付を入れるなら下記の物件です。
周辺に商業施設・公園・中学校などが存在し立地が良く、外観からも大きな問題がなさそうに見えます。
・三重県鳥羽市安楽島町の戸建て
※購入は自己責任でお願い致します!
次回は、築古戸建てつきまとう、「雨漏り」についてです。
白柴・妻と一緒にDIYしながら全国のボロ戸建てを再生するサラリーマン投資家。
300万円を握り締め28歳からボロ戸建て投資をスタート。3年目で10軒の賃貸物件購入を実現。
ボロ戸建てに潜む、涙あり笑いありの様々な壁に日々ぶち当たりながら獅子奮闘している経験を初公開します!