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空き家で蜂の巣を発見!自分で駆除する前に知っておきたい必須マニュアル

空家ベース編集部


空き家を購入して賃貸物件として活用する投資家は多いですが、築年数が経過した空き家は修繕費用が高くなるなどトラブルも少なくありません。特に害虫や害獣が発生してしまった場合は専門家に駆除をしなければならなくなり、駆除費用が余計にかかってしまいます

その中でも「蜂」は長期間放置されている空き家に発生しやすく、近隣住民に影響が出ているケースもあります。

蜂の巣の駆除を業者に依頼すると約1.5~4万円の費用がかかってしまいますので、なるべく自分で駆除する方法を知っておくことが大切です。

本記事では、購入した空き家で蜂の巣を発見した際に、自分で駆除する手順や注意点について解説します。

この記事で分かること

    ・なぜ空き家に蜂の巣ができやすいのか?
    ・典型的な蜂の巣の種類
    ・「蜂の巣あり」を発見したらまず確認すべきポイント
    ・自分で駆除しても大丈夫?安全に行うための手順
    ・賃貸物件として使うなら、駆除後の“管理・再発防止”も重要

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なぜ空き家に蜂の巣ができやすいのか?


蜂の巣は居住中の家屋にできるケースもありますが、空き家の方ができやすい傾向にあります。

そのため空き家の購入を検討する際は、内覧時に蜂の巣がないかチェックすることが大切です。

この章では空き家に蜂の巣ができやすい理由について解説します。

換気されないから

換気されず無人で静かな空間は蜂が好む環境です。人の出入りがない家は空気の動きや生活音がほとんどないため、蜂には安全な場所に見えてしまいます。
また、室内は外よりも暖かい上、外敵から身を守りやすく、購入した空き家を調べると屋根裏に大きな蜂の巣ができていた…というケースも実際に散見されます。

そのため蜂を寄せ付けない方法として「換気」は非常に有効です。換気を定期的に行うだけでも空気が入れ替わり、蜂が寄りつきにくい環境をつくることができます。蜂の巣の発生を防ぐためには定期的な換気を心がけましょう。

管理が行き届かないから

空き家の所有者は、換気だけでなく家屋のチェックや草むしりも行う必要があります。こうした管理ができていない空き家は、蜂が巣を作りやすい環境になってしまいます。

まず、家屋は構造が複雑なため外壁の死角が多く、蜂が巣を作る場所を見つけやすいという特徴があります。外壁が損傷して屋根裏や室内に侵入できる経路があると、外から目視するだけでは巣を確認できないこともあります。そのため、定期的に室内をチェックする必要があります。

次に、蜂の種類によっては草むらや木の根に巣を作ることがあり、家屋だけチェックしていても巣に気づけないことがあります。虫を捕食するタイプの蜂であれば、草が生い茂った場所掃除ができていない室内には餌が多く、蜂の巣ができやすい条件が整ってしまいます。

このように、空き家は適切な管理を怠ると蜂の巣ができやすくなるため、注意が必要です。

どんな蜂・どんな巣が典型的か


日本で巣を作る蜂は「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」がほとんどで、次のような特徴があります。

名称 特徴
スズメバチ 体長は15〜40㎜で胴体はオレンジ色が多く、まっすぐ飛ぶという特徴がある。巣は球体でマーブル模様、入り口は1つ。非常に攻撃性が高い蜂のため危険。
アシナガバチ スズメバチより少し大きく、約20〜30㎜。胴体は黒い部分が多く、蛇行するような飛び方が特徴。巣は傘を逆さまにしたような形状をしており、刺激を与えなければ攻撃しないことが多い。
ミツバチ 10㎜前後の蜂で丸みを帯びた胴体に毛が生えていることが多い。巣は平らな形状で何層にも重なっていることも多く、巣に触るなどの刺激を与えなければ攻撃されないことが多い。

上記の特徴から、発見した蜂の巣にスズメバチやアシナガバチの特徴が見られた場合、状況によっては自分で駆除しようとせず、専門家や自治体に相談することをおすすめします。

「蜂の巣あり」を発見したらまず確認すべきポイント


蜂の巣を発見した場合、すぐに駆除しようとすると蜂を刺激してしまうので非常に危険です。巣の大きさや蜂の種類などを確認し、自分で対処できるか正しく見極める必要があります。

また、自治体によっては蜂の駆除に対して補助金が設けられている場合もあり、駆除する前にチェックすることもポイントです。

この章では蜂の巣を発見した際に確認すべきポイントについて、解説します。

巣の大きさ・巣のある場所・蜂の種類

まずは巣の大きさと場所、蜂の種類を確認することが大切です。

巣のサイズが大きいと蜂の数も多くなるため、15センチを超えている場合は自分で駆除せず専門家に相談することがおすすめです。

また、蜂の巣が庭木や外壁に作られていれば駆除しやすいですが、軒下や屋根裏の場合は駆除しにくく、駆除しそこなった蜂に刺される危険性が増してしまいます。

これらに加えて、蜂の種類を確認し、スズメバチやアシナガバチなど危険性の高い蜂かどうかを見極めることも重要です。

自治体や保健所で「駆除補助制度」が使えるか調べる

自治体や保健所によっては駆除費用に対して補助金制度が設けられている場合もあります。自治体などが指定した業者に駆除を依頼することで一定割合の補助金を受け取ることができます。自力での駆除が難しい蜂の巣であればこうした補助金を利用し、費用負担を減らすことも可能です。

ただし蜂の種類や大きさなどによっては制度を利用できないこともありますので、業者に依頼する前に自治体の事前調査を受けることをおすすめします。

自分で駆除しても大丈夫?安全に行うための手順


蜂の巣の駆除には、刺される可能性や作業中にケガをするリスクがあります。ただし安全に作業できるのであれば、自分で駆除することも可能です。そのためには必要な準備物と作業する時間帯、正しい手順を事前に把握しておくことが大切です。

この章では、自分で蜂の巣を駆除するための手順について解説します。

準備するものと作業時間帯

準備が必要なもの
・隙間のない防護服
・頭を守る防蜂ネット
・蜂の針を通さない手袋
・長靴
・スプレー式殺虫剤(飛び回る蜂に対応するため)

防護服はホームセンターで購入することができますが、無料で貸し出している自治体もあります。購入前に相談してみましょう。レインコートと手袋、長靴をビニールテープで一体化するなど防護服を自作することもできますが、その場合は蜂を刺激する黒色を避け、耐久性に問題ないか慎重にチェックすることが大事です。

これ以外にも蜂は甘い臭いに反応しますので、香水などはつけず、入浴後の作業も控えた方がよいでしょう。

なお、作業時間帯は蜂が休んでいる夕方から夜間がベストですが、日が落ちると蜂と蜂の巣が見えにくくなりますので、必要に応じて懐中電灯などを用意しておく必要があります。

駆除手順と注意事項

1.殺虫剤を巣に噴射2.蜂の巣を除去3.蜂の巣を捨てるという手順が基本です。

1.殺虫剤を巣に噴射
風上から2mほど離れて巣の表面に噴射し、飛び回る蜂に対しても噴射する。蜂が落ち着いたら巣穴に直接噴射し、中の蜂も駆除する。
2.蜂の巣を駆除
蜂が全て落ち着いたら、剪定ばさみやノコギリを使って根元から巣を除去する。高所にある場合は足場が安定しているか確認し、落下しないよう注意する。なお、スプレーで駆除できなかった蜂が巣に残っている可能性もあるため、殺虫剤はすぐ使える位置に置いておくことがポイント。
3.蜂の巣を捨てる
多くの自治体では、蜂の巣は燃えるゴミとして処分することができるが、自治体ルールに従う必要あり。自治体指定のゴミ袋を用意しておき、破れていないか確認したうえで慎重に蜂の巣を入れ、処分する。

女王バチのみの時期を狙う

日本に生息する蜂の多くは女王バチとそれ以外のハチによって蜂の巣が形成されており、女王バチを駆除すれば蜂が増え続けることがなくなります。女王バチが活発に活動するのは4月から6月です。この時期に女王バチだけ駆除することで蜂の巣を撤去することなく、安全な状態を維持することも可能です。蜂の巣が小さいものの高所にある場合などは、無理に撤去せず、女王バチだけを駆除するという方法もおすすめです。

ただし、「女王バチと働きバチを見誤りやすい」「働きバチがみな巣の外に出ている場合もある」「女王バチを狙うのは初心者には難易度が高い」というリスクもあるため注意が必要です。

初期の巣を狙う

蜂の巣は時間と共に大きくなる傾向がありますので、できるだけ初期段階で駆除することがポイントです。攻撃性の高いスズメバチやアシナガバチであっても初期段階であれば蜂の数が少なく、殺虫剤でも十分に対応することができます。

蜂の巣ができていても位置によっては時間をかけることなく、安全に撤去することができます。

高所や大きな巣は専門家へ

蜂の巣の駆除は大きさや位置、蜂の種類によって対応方法が変わり、自分で駆除するにはリスクが高いケースも少なくありません。

特に蜂の巣が高所にあったり蜂の巣が大きい場合は刺されるリスクや転落のリスクがあるため、注意が必要です。

自分で駆除できないと判断した場合は迷わず専門家や自治体へ相談し、駆除を依頼することをおすすめします。蜂の種類によっては、養蜂協会へ通報義務や保護対象扱いがある地域もあります。

賃貸物件として使うなら、駆除後の“管理・再発防止”も重要


空き家を購入して賃貸物件として活用するのであれば、何度も蜂の巣ができないように管理し、再発を防止しなければなりません。

蜂の巣が再発してしまうと駆除の手間や費用がかかるだけでなく、入居者に被害が及ぶ可能性もあります。安全に住めない賃貸物件は空室になりやすいことから、賃貸経営を安定させるためにも蜂の巣対策は重要です。

この章では、賃貸管理においてやっておくべき蜂の巣対策を紹介します。

巣を撤去した後にチェックすべき侵入口・通気口・木陰・電線周り

蜂の巣ができた場所は、蜂にとって居心地のよい環境だった可能性が高く、再び同じ場所に巣を作られる恐れがあります。そのため駆除した後は、侵入口や通気口、木陰などを中心に蜂が寄り付かないよう対策することが大切です。

具体的には、草木を伐採、伐根して見通しのよい状態を保ち、外壁や換気口に異常がないかをこまめにチェックすることで、蜂の巣ができにくい環境をつくることができます。

また、敷地外の木々や電線周りなども目視でチェックし、蜂の飛来や巣作りの兆候を見つけた場合はすぐに自治体へ報告することも大切です。

駆除費用・賃貸運用への影響(空室・修繕費・近隣トラブル)を想定する

蜂の巣ができてしまうと駆除に手間も費用もかかってしまいます。放置した場合、自力での対応が難しくなり、専門家に依頼しなければ駆除できなくなってしまう可能性も低くありません。
また、蜂が飛び回る状況が続くと近隣トラブルに発展するおそれがあるほか、入居者が退去する原因になったり、次の入居者も決まらず空室期間の長期化につながるリスクもあります。

つまり、蜂の巣は一度できてしまうと駆除費用や修繕費が発生する上、賃貸経営に大きく影響すると言えるでしょう。

賃貸経営においては空室期間をなるべく減らすことが重要ですが、そのためには入居者が安全かつ快適に生活できる環境を維持することが大事です。蜂の巣がもたらす経営リスクを想定し、早めに対策を講じることが重要です。

まとめ

購入した空き家に蜂の巣があると賃貸経営に悪影響があるため、なるべく早く対策をとることが大切です。空室リスクを減らすためにも、今回のポイントをぜひ参考にしてみてくださいね。

自分で駆除できる条件・できない条件を見極める

自分で駆除すれば費用を抑えられることから、蜂の巣の大きさや位置、蜂の種類を正しく見極めることが重要です。蜂の巣が15センチ未満であれば蜂の数はそれほど多くなく、脚立で届く高さの範囲内であれば自分で駆除できる可能性は高いです。

ただし、蜂の種類がスズメバチやアシナガバチの場合は攻撃性が高いことから、蜂の巣の大きさが小さくても注意が必要です。

判断がつかない場合は、専門家へ依頼することが大切

自分で駆除できるかどうかに明確な判断基準はありませんので、少しでも不安を感じた場合は専門家や自治体に相談することをおすすめします。蜂に刺されると人によっては重大な健康被害が発生することもあり、刺されなかったとしても自分で駆除する場合は転倒や転落のリスクを伴います

このようなトラブルが発生してしまうと、蜂の巣を完全に除去できないまま中断することにもなりかねませんので、判断できない場合は自分で駆除することを諦めることも大切です。

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