自分で雨漏りを発見!空き家オーナー向けセルフチェック完全ガイド
雨漏りは放置すると建物の劣化や修繕費の増加につながるため、早めに状態を把握することが重要です。とはいえ、専門知識がない状態で業者へ依頼する前に、自分で確認できる範囲を知りたいと感じる方も多いはずです。
本記事では、屋根や外壁、室内など各箇所ごとに確認できる具体的なチェック方法と、雨の日に試せる確認手順まで解説します。費用をかけずに状況を整理したい人は参考にしてみてください。
空家ベースは空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。全国の物件を掲載対象としており、都市部だけでなく地方の不動産も公開しています。
「安く買って高く貸す」空き家投資において、雨漏りなどの修繕リスクは最大の敵であると同時に、安価に仕入れるチャンスでもあります。空家ベースでは、リスクを織り込んだシビアな収支計画が立てられるよう、物件の現状を公開しています。想定賃料と修繕費用のバランスを見極め、税負担も考慮しながら、高利回りを叩き出す「隠れたお宝物件」を発掘してみませんか?
雨漏りの基本知識・原因の把握
雨漏りは原因の特定を早期に進めることで、修繕費の増加と資産価値の低下を抑えられます。戸建て投資では、発生要因を理解したうえで定期的に状態を確認する必要があります。雨水の侵入を放置すると木材が腐食し、建物全体の劣化が進行します。
国土交通省掲載資料では、住宅の不具合を経験した居住者が、補修・改修・機器交換にかけた費用総額の平均は42.23万円とされています。ただし、この数値は雨漏りだけでなく、住宅全体の不具合全般を含む平均値です。
屋根・外壁・開口部はそれぞれ劣化の出方が異なるため、部位ごとに確認すべきポイントを把握しておくことが大切です。予期しない出費を防ぐため、物件の状態は継続的に把握するようにしましょう。
参考:中古住宅における不具合の発生状況について │ 国土交通省
屋根・屋根裏のセルフチェック方法

屋根と屋根裏は雨漏りの発生箇所となりやすく、確認の優先度が高い部位です。ただし高所での作業は転落事故のリスクがあるため、安全な範囲での点検に限定します。
国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」では、既存住宅の現況検査は「目視を中心とした非破壊調査」により行うとされています。また、厚生労働省は屋根上作業に専門的な墜落防止設備が必要と示しており、所有者自身が屋根に登って点検するのは勧められません。
屋根に登る行為は避け、双眼鏡やスマートフォンのズーム機能を活用します。物件所有者は撮影した画像を保存し、前回の点検結果と比較することで劣化の進行を把握できます。
安全を確保したうえで点検範囲を限定し、無理のない方法で確認を進めます。
参考:既存住宅インスペクション・ガイドライン │ 国土交通省
参考:足場の設置が困難な屋根上作業での墜落防止対策のポイント │ 厚生労働省
屋根材のヒビ・ズレ確認
屋根材の状態は種類ごとに異なる劣化ポイントを確認します。地上から屋根全体を観察し、材質ごとの異常を見分けます。
- 瓦屋根:瓦の割れやズレ、漆喰の剥がれの有無
- スレート屋根:ひび割れ、欠け、端部の浮き、コケや藻の発生状況
- 金属屋根:サビの発生、穴あき、固定ビスの浮きや緩み
瓦屋根は漆喰部分から浸水が発生しやすく、スレート屋根は塗装の剥がれが防水低下の目安となります。金属屋根では接合部の隙間も確認対象です。雨の翌日に点検すると、水分の痕跡から異常を把握しやすくなります。
屋根のセルフチェックを行う際、自ら屋根に登る行為は絶対に避けてください。素人の高所作業は命に関わる危険を伴います。
屋根材の割れや漆喰の崩れを確認する際は、地上から双眼鏡を使ったり、スマートフォンのズーム機能で撮影したりするのが安全な方法です。目視できる範囲で状態を確認し、気になる箇所があれば写真に残しておくと、今後の修繕や相談時にも役立ちます。
雨どい・軒裏の点検
雨どいは屋根からの雨水を排水する役割を担い、詰まりや破損があると雨漏りの原因となります。落ち葉やゴミが溜まると排水機能が低下し、水が外壁へ流れ出す場合があります。
地上から雨どいを見上げ、変形や外れがないか、雨天時に水があふれていないかを確認してください。特に排水口周辺や曲がり部分はゴミが溜まりやすいため、重点的に状態を確認する必要があります。長期間放置された空き家では、鳥の巣が雨どいを塞ぎ、オーバーフローを起こしているケースもあります。
また、屋根の裏側にあたる軒裏も重要な確認箇所です。軒裏は屋根内部の異常が現れやすく、水染みや変色がある場合は浸水の兆候と考えられます。
軒裏のボードにカビや塗装の剥がれが見られる場合、すでに屋根内部へ雨水が侵入している可能性があります。建物から少し離れた位置から全体を確認し、異常の有無を把握しましょう。台風シーズン前に点検しておくと、被害の予防にもつながります。
屋根裏からのチェック
屋根裏の確認は、建物内部から浸水状況を把握するための方法です。
懐中電灯で内部を照らし、木材や断熱材の湿り、シミ、変色、水滴の付着、雨水が垂れた跡などがないかを確認します。過去の浸水跡が残っている場合もあるため注意が必要です。
特に柱や梁の接合部周辺は異常が現れやすく、変色や湿りがないかを重点的に確認してください。不自然な木屑が落ちている場合は、雨漏りだけでなくシロアリ被害の可能性も考慮する必要があります。
また、換気不足の状態では湿気がこもり、結露による劣化が発生する場合があります。雨天時には水滴音の有無も確認対象となり、目視では分からない異常の発見につながります。
屋根裏は暗く足場も不安定なため、中へ入り込まず開口部から見渡せる範囲で確認するのが安全です。無理に奥まで進まず、安全を確保した状態で点検を行ってください。
外壁・開口部のセルフチェック方法
外壁と開口部の状態を把握すると、雨漏りの発生リスクを事前に判断できます。
屋根以外にも外壁や窓枠から雨水が侵入し、内部で木材の腐食が進行している場合があります。外壁のひび割れや隙間を放置すると、表面から確認できない位置で劣化が進んでしまいます。
外壁や開口部のわずかなひび割れや隙間も、長く放置すると建物内部の腐食につながり、被害範囲や工事内容によっては高額修繕となる場合があります。物件所有者は外壁と開口部を同時に自力でチェックし、浸水経路を部位ごとに整理する必要があります。
安全を確保したうえで地上からの目視点検を継続し、物件の状態を把握しましょう。
参考:住宅瑕疵担保履行制度の新たな展開に向けた研究委員会(第1回)説明資料 │ 国土交通省
外壁のセルフチェック
外壁の劣化状況を把握すると、雨水の侵入箇所を特定しやすくなります。高所の確認は避け、地上から双眼鏡やカメラのズーム機能で観察します。点検時は以下の項目を確認します。
- 外壁材のひび割れ、塗装の剥がれ、浮きの有無
- コーキング材の劣化や隙間の発生状況
- 外壁表面の雨染みや変色の有無
南面の外壁は紫外線の影響を受けやすく、コーキング材の劣化が早く進行します。壁面を軽く押して柔らかさを感じる箇所は、内部へ水分が浸入している可能性があります。
国土交通省の「既存住宅状況調査方法基準の解説」では、鉄筋コンクリート造等の外壁(コンクリート打放し又は塗装仕上げ)については「幅0.5mm以上のひび割れ」が劣化事象に該当します。一方、木造や鉄骨造等の外壁では、下地材まで達するひび割れや複数の仕上材にまたがるひび割れ等が基準です。
雨の翌日は外壁下部に残る湿りやシミを確認します。点検時は壁面全体だけでなく、配管周辺や換気口まわりにも目を向けると、浸入経路を絞り込みやすくなります。
参考:既存住宅状況調査方法基準の解説 │ 国土交通省
窓枠・サッシ周りのチェック
窓枠やサッシ周辺の劣化を確認すると、開口部からの雨漏りリスクを把握できます。
窓やドアの周囲は外壁との接合部に隙間が生じやすく、シーリング材の劣化が浸水の原因となります。シーリング材がひび割れたり剥離した場合、隙間から雨水が内部へ入り込みます。点検では以下の項目を確認します。
- 窓枠やサッシ周辺の外壁のひび割れ
- 窓ガラスと枠の間のパッキンの劣化
- 窓下部の水滴や濡れの有無
点検時は、窓枠周辺に充填されたシーリング材に注目してみてください。紫外線で劣化してひび割れや肉痩せが起きていると、雨水が壁の内部へ入り込みます。
長期間空き家にして窓の開け閉めを行わないと、サッシのパッキンが硬化して密閉性が下がる現象もよく見られます。窓枠の下側や内側のクロスに、黒ずんだカビや雨染みがないか念入りに確認してください。
室内側では窓枠下のクロス浮きやカビの発生も合わせて確認すると、外部からの浸水有無を判断しやすくなります。雨後にサッシのレール周りを見る習慣をつけると、水の入り込みに初期段階で気づきやすくなります。
ベランダ・バルコニーのセルフチェック方法
ベランダやバルコニーの劣化を把握すると、階下への雨漏りを未然に防げます。
歩行による摩擦や紫外線の影響で、防水層は徐々に摩耗します。屋根がないバルコニーは雨水と直射日光を直接受けるため、劣化の進行が早くなります。
防水層が剥がれた箇所から水分が浸入すると、下階の天井や壁へ被害が広がります。物件所有者はベランダ床・排水設備・外周部を一体で自力チェックし、浸水経路を複数の視点から把握する必要があります。
修繕費の増加を防ぐため、雨ざらしになる部位の状態を継続的に確認しましょう。
防水層・排水口の点検
ベランダの床面を覆う防水層や排水口(ドレン)の状態を把握すると、雨水の滞留や浸入リスクを判断できます。点検では以下の項目を観察します。
- 床の防水層のひび割れや剥がれ
- 排水口に溜まった落ち葉やゴミの有無
- 雨後に残る水たまりの発生状況
床面にコケやカビが見られる場合は、水はけの低下が進んでいます。排水口が詰まると雨水が滞留し、サッシ周辺から室内へ浸入するリスクが高まります。
ベランダ下部の軒天にシミがある場合は、内部への浸水が進行している可能性があります。排水口周辺は傾斜不足や防水層の浮きが発生しやすいため、勾配の状態と排水方向もあわせて見ておきます。
空き家でよく見られる失敗例は、落ち葉や飛来したゴミが排水口を完全に塞いでしまうケースです。排水機能が失われるとベランダに雨水が溜まり、サッシの下枠を超えて室内へ大量に浸水してしまいます。
点検時は、床面の塗装が剥がれて下地が露出していないか、排水口周りに泥や枯れ葉が蓄積していないかを入念にチェックしましょう。汚れを見つけたら早めに取り除いておくと、排水機能の低下を防げます。
手すり・笠木の状態チェック
手すりと笠木の劣化を確認すると、外周部からの雨水侵入を把握できます。笠木は外壁上部を覆い、雨水の侵入を防ぐ役割を持ちますが、風雨や紫外線の影響で劣化が進みます。点検では以下の項目を確認します。
- 笠木本体のサビや変形、破損
- 笠木と外壁の接合部にあるシーリング材の剥離やひび割れ
- 手すり固定部の緩みやひび割れ
笠木の継ぎ目や壁と接合する部分のシーリング材が劣化すると、隙間から雨水が壁内部へ浸入します。内部へ入った水分は木材を劣化させながら下方へ流れ、雨漏りの原因となります。
目視で継ぎ目の開きやひび割れがないかを確認してください。また、笠木自体を軽く揺すり、ガタつきを感じる場合は内部の木材が腐食している疑いがあります。
手すりの支柱まわりは雨水が集中しやすいため、ビス周辺の防水状態も合わせて確認すると精度が高まります。
年に一度は目を通しておきたい箇所です。外周部の状態を継続的にチェックしましょう。
空き家の室内側からのセルフチェック方法

室内に雨漏りの兆候が出ている場合、建物内部へ雨水が入り込んでいる可能性が高い状態です。
水分を放置すると、柱や梁などの木材が傷み、修繕費が膨らんでしまいます。室内は雨漏りのサインが最も顕著に現れる場所です。外装の異常に気づかなくても、生活空間の変化から水分の侵入を発見できます。
物件所有者は安全な室内から定期的に自力でチェックして、視覚と臭いの両方から異常の有無を確認する必要があります。高額な修繕負担を避けるためにも、室内の変化を早い段階で把握できるよう、ポイントを確認しましょう。
天井・壁のシミ・クロスの異常
天井や壁の変化を確認すると、雨漏りの進行状況を把握しやすくなります。室内点検では、以下の項目を目視で確認します。
- 天井や壁に水滴跡や変色したシミがないか
- 壁紙のクロスに浮き、剥がれ、不自然な膨らみがないか
- 窓枠やサッシ周辺の木材に黒ずみや変色がないか
輪染みや線状の変色は、屋根や外壁から侵入した水分が原因で生じます。壁紙が水分を含むと接着力が落ち、波打ちや剥離が表面に現れます。窓下に水滴が溜まる状態や、サッシ周辺の木部が黒く変色している状態も確認対象です。
クロスが浮いて膨らんでいる場合や、壁紙の継ぎ目が不自然に剥がれている箇所は、裏側に水分が溜まっている証拠です。四隅や窓の周囲を中心に、懐中電灯で斜めから照らして影の膨らみを探すと、わずかな異常も早期に発見できます。
室内の臭いや湿気の変化
臭いや湿気の変化も、雨漏りの発見に役立つ判断材料です。見た目に異常がなくても、壁内部や床下で水分が滞留している場合があります。室内を歩きながら、以下の項目を確認します。
- 入室直後にカビ臭や湿った臭いがしないか
- 畳や床、カーペットが不自然に湿っていないか
- 晴天時でも部屋全体に湿気がこもっていないか
建物内部に入った雨水が乾かずに残ると、壁裏や床下でカビが発生し、臭いとして現れます。雨が降った数日後に点検し、特定の部屋だけ異常に湿気がこもっている、あるいは押し入れを開けた時にムッとする湿気を伴う場合は、建物のどこかに水分の侵入経路がある可能性を疑ってみてください。
押し入れや家具の裏側は湿気がこもりやすく、空気のこもり方やカビ臭まで含めてチェックすると、侵入経路の当たりをつけやすくなります。湿気の多い環境はシロアリ被害にもつながるため、室内全体の状態を慎重に確認しましょう。
参考:カビ対策マニュアル Q&A │ 文部科学省
雨の日・雨の後に試す実践方法
雨の日と雨上がりのタイミングを活用すると、雨漏りの侵入経路を把握しやすくなります。晴天時の目視チェックだけでは原因箇所の特定が難しく、見逃しが発生しやすくなります。雨が降っている最中や雨上がりは、水の流れが分かりやすくなるため、雨水の侵入箇所を特定しやすくなります。
雨漏りの発見が遅れると木材の腐食やカビの発生が進み、修繕費の増加につながります。物件所有者は雨天時と雨後の状況を記録し、自力チェックと通常点検を組み合わせて原因箇所を特定する必要があります。
天候を利用して物件の状態を具体的に把握します。
雨天後の症状チェック
雨上がり直後は、雨漏りの痕跡を確認しやすい状態です。建物内外を巡回し、以下の項目を確認します。
- 屋根や外壁の接合部に雨水の滞留がないか
- 室内の天井や壁に新たなシミや変色が発生していないか
- 家具やカーペットの裏側に湿気や水滴が残っていないか
外壁のひび割れやコーキング材の隙間から水分が侵入していないかを確認します。室内では押し入れ内部や窓枠下部など、湿気が溜まりやすい箇所も確認対象です。
暗所はフラッシュライトで照らし、屋根裏や隙間の状態を把握します。発生箇所ごとに写真と時刻を残しておくと、業者への説明がスムーズになるだけでなく、原因箇所の絞り込みにもそのまま役立ちます。
空き家オーナーによくある失敗例は、晴天の日にしか物件を訪れないケースです。雨水が乾いてしまうと、壁紙の裏側に隠れた水分の特定が難しくなります。
雨上がりには、サッシのレールに水が不自然に溜まっていないか、天井裏から水滴の音がしないかを重点的に確認してください。基礎のコンクリートに濡れ跡が残っている場合も、外壁内を水が伝っている明確なサインとして判断できます。
参考:既存住宅インスペクション・ガイドライン │ 国土交通省
ホースを使った模擬雨漏りテスト
散水調査は、怪しい箇所に水をかけて雨を再現し、雨水の浸入の有無や浸入箇所、浸入経路を確認する調査手法です。公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの資料でも、浸入箇所の確認や経路を推定する方法として紹介されています。
また、国土交通大臣指定の住まいるダイヤル資料では、住宅事業者等が原因特定に用いる方法として紹介されており、実施時は通常の水圧・十分な養生・所有者の了解が必要とされています。
- 室内の家具や家電を防水シートで保護する
- 屋外と室内で役割を分け、2名体制で確認する
- 実施条件は建物の状況により異なるため、専門業者の判断に従う
ただし、素人がむやみに水をかける行為にはリスクが伴います。下から上へ向かって強い水圧で水を当てると、本来なら雨が入り込めない換気口の隙間から逆流し、建物の内部を水浸しにしてしまう失敗例が少なくありません。
ホースを使う場合は高圧洗浄機を絶対に避け、弱い水流で自然な雨が降る方向を意識して水をかけてください。過度な水圧にならないよう留意しながら、室内への浸水状況を慎重に観察します。
参考:住まいるダイヤル(国土交通大臣指定の住まいの相談窓口) │ 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
参考:雨漏り調査シート │ 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
雨漏りチェックに役立つ道具と注意点

適切な道具を揃えると、地上からでも雨漏りの兆候を把握できます。
屋根や外壁の点検では高所作業を避け、安全な方法で状況を確認する必要があります。国土交通省の指針でも、一般住宅の点検は目視を基本とし、無理な作業を避ける考え方が示されています。
屋根に登る行為は転落事故のリスクがあるため避けます。物件所有者は双眼鏡や撮影機器、応急処置用の備品を事前に準備し、自力チェックと安全確保を両立させる必要があります。
点検前に道具を揃え、作業範囲を限定して自力チェックすることを心がけましょう。
双眼鏡・スマホカメラの活用
双眼鏡とスマートフォンのカメラを活用すると、高所の劣化箇所を安全に確認できます。
双眼鏡を使用すると、屋根材の割れやズレ、外壁上部のひび割れを詳細に観察できます。屋根の頂点や谷部、コーキング材の劣化部分は重点的に確認します。
スマートフォンやデジタルカメラで撮影し、画像を拡大すると細かな欠けや塗装剥がれも把握できます。最新のスマートフォンは望遠性能が高く、地上からでも屋根材の割れを鮮明に撮影できます。
現場でよくある失敗例は、いきなりズームで撮影し、後から「建物のどの部分か分からない」と混乱するケースです。まずは家全体の全景を広く撮影し、徐々に異常箇所へズームアップしながら複数枚の写真を残すよう心がけてください。
記録を蓄積しておくことで、自力で修繕できない場合でも、専門業者へ状況を具体的に伝えやすくなります。
なお、東京消防庁の「救急搬送データからみる日常生活の事故」でも、脚立やはしごからの転落事故は毎年多数報告されており、素人の高所作業は大変危険です。
参考:救急搬送データからみる日常生活の事故(令和6年) │ 東京消防庁
防水用シート・応急グッズの準備
雨漏りの応急処置用の備品を用意してからチェックに行けば、被害の拡大を抑えることができます。
室内に水滴が落ちている場合は、バケツで受け止めて床や家具の濡れを防ぎます。バケツの下に防水シートや吸水シートを敷くと、飛散した水分による被害も抑えられます。
サッシ周辺から水が浸入する場合は、隙間に雑巾を詰めて流入を抑えます。
独立行政法人国民生活センターの「災害に関する消費生活相談」でも、雨漏りを確認後、慌ててすぐに業者を呼んでしまい、高額請求されるトラブルが絶えないと注意喚起されています。
バケツや雑巾に加えて、床を保護するブルーシートや吸水シート、隙間を塞ぐ養生テープを用意しておくのがおすすめです。
よくある失敗例は、粘着力の強いガムテープで壁紙やサッシを塞ぎ、後で剥がす際に内装材まで破いてしまうケースです。応急処置には、跡が残りにくく手で綺麗に切れる「養生テープ」がおすすめです。
参考:災害に便乗した悪質商法にご注意ください │ 独立行政法人国民生活センター
安全対策・注意事項
点検や応急処置では安全確保を最優先にします。屋根や高所での作業は転落事故のリスクが高く、雨天時や雨後は足元が滑りやすくなり危険です。
屋根に登る行為は避け、地上からの確認に限定します。
所有者自身による屋根上や不安定な高所での点検は避け、必要な場合は専門業者へ依頼するのが適切です。東京消防庁は、階段や脚立などから「落ちる」事故で令和5年中に16,327人が救急搬送されたと公表しており、脚立・踏み台等を使う作業にも注意が必要です。
室内では床の水濡れや電気機器による事故に注意が必要です。物件所有者は作業範囲を事前に決め、危険を感じた時点で点検を中断し、専門業者へ依頼する判断をする必要があります。
空き家点検でよくある失敗が、屋根裏を覗き込んだ際に丈夫な梁ではなく石膏ボードの天井材を踏み抜き、階下へ転落してしまう事故です。
点検時は必ず複数人で行動し、万が一の事態にすぐ対応できる体制を整えてから赴くことが対策になるでしょう。
少しでも危険を感じたら無理に進めず、目視できる範囲で調査を切り上げる判断を大切にしてください。
参考:救急搬送データから見る日常生活事故の実態 │ 東京消防庁
参考:足場の設置が困難な屋根上作業での墜落防止対策のポイント │ 厚生労働省
参考:安全衛生キーワード「感電」 │ 厚生労働省
雨漏り発見後の対応:修理か売却か判断

雨漏りを発見した場合は、まず被害の拡大を防ぐ対応を進めながら、今後どうするかを整理していく必要があります。放置すると木材の腐食やシロアリ被害が進行し、資産価値の低下につながる可能性があります。
まずは自力で確認できる範囲から被害状況を把握し、応急対応・修繕・売却といった選択肢を並行して検討しましょう。状況を整理しながら、損失を最小限に抑える判断につなげることが重要です。
参考:資料編(施設の性能に影響を与える木材の経年変化) │ 国土交通省
また、修繕して保有を続ける場合と売却する場合では、必要となる費用が異なります。修繕費だけで判断せず、売却時にかかる仲介手数料や税金などの諸費用も含めて比較しておくと、より現実的な判断がしやすくなります。
参考:不動産売却にかかる費用の完全ガイド~内訳・相場・抑えるコツまで解説 │ 空家ベース
応急処置と状況記録
雨漏りを発見したら、まずは床や家財を水濡れから守る応急処置をして、被害状況を詳細に記録してください。
国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」では、劣化事象等を指摘する箇所や検査できなかった箇所について、写真で記録することが求められています。
よくある失敗例は、慌てて水を拭き取ってしまい、後から業者に状況を説明できなくなるケースです。応急処置の前に、必ず水が滴っている箇所やシミの広がりをスマートフォンで動画や写真に収めてください。
「いつ」「どの部屋の」「どこから」「どれくらいの量の」水が漏れたのかをメモに残しておくと、専門業者への相談や火災保険を申請する際の有力な証拠資料となります。
参考:既存住宅インスペクション・ガイドライン │ 国土交通省
専門業者へ依頼する判断基準
自力で応急処置をしても雨漏りが止まらない場合や、原因箇所が特定できない場合は、速やかに専門業者へ調査を依頼してください。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住宅相談統計年報2025」では、雨漏りは既存住宅・リフォーム分野で上位の不具合事象として報告されています。特に、屋根や高所の外壁からの浸水が疑われる場合や、複数の部屋で同時にシミが発生している場合は、建物の構造部材まで腐朽が進んでいる危険性が高いと判断できます。
また、室内で羽アリを発見したり、シロアリの被害の痕跡が見られたりする場合も、一刻も早い専門家の介入が必要です。無料点検を装う悪質業者には注意し、複数の相見積もりを取って信頼できる業者を選んでください。
参考:住宅相談統計年報2025 │ 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
売却も視野に入れた意思決定
雨漏りの修理費用が数百万円に上る場合や、将来的にその空き家に住む予定がない場合は、「現状のまま売却する」という選択も検討すべきです。
国土交通省資料では、売却・賃貸用や二次的住宅を除く「その他空き家」349万戸のうち、「腐朽・破損あり」は約101万戸とされています。
また、雨漏りなどを長期間放置し、適切な管理が行われていない空き家は、「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定される場合があります。市区町村長から勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例の対象外となり、固定資産税額が上がってしまう可能性があります。
雨漏りのある物件を売却する際は、不具合をしっかり告知・説明することが重要です。国土交通省は、契約時に想定していなかった雨漏りがあると、買主から修補や損害賠償などを求められるおそれがあるとして、建物状況調査(インスペクション)や告知の活用を案内しています。
修理費用と売却査定額を比較し、これ以上の維持管理コストをかけずに手放すことが、結果的にオーナーの経済的負担を最も軽くするケースも少なくありません。
参考:空き家政策の現状と課題及び検討の方向性 │ 国土交通省
参考:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置 │ 国土交通省
参考:インスペクション(既存住宅の点検・調査) │ 国土交通省
まとめ
雨漏りは、早い段階で状況を把握し、対応方針を整理することで損失を抑えやすくなります。原因や自力チェックの手順を理解しておくと、空き家や所有物件の状態を具体的に把握でき、修繕・維持・売却など今後の判断にも役立ちます。
屋根・外壁・室内の順で確認し、雨天時の変化も記録しておくことで、修理の必要性や緊急度を判断しやすくなります。また、物件所有者自身が定期的に状態を確認することで、小さな異常にも気づきやすくなり、被害拡大の予防にもつながります。
チェック結果は日付ごとに整理し、発生箇所・症状・雨量の関係を記録として残しておくと、専門業者への相談時だけでなく、売却を検討する際にも状況を説明しやすくなります。安全を確保した範囲で確認し、無理な作業は避けながらチェックを行いましょう。
空家ベースは空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。全国の物件を掲載対象としており、都市部だけでなく地方の不動産も売買できます。雨漏りのある物件を売りたい方は、相談前に雨漏りの有無や修繕履歴を整理しておくと、査定を進めやすくなります。相談や査定は完全無料です。
「雨漏りがある状態でも売れるんだろうか」「高いお金をかけても修理してから売るべきか」とお悩みの方も、まずは現状のままでご相談ください。想定される修繕費用と売却査定額を比較し、お客様にとって最も負担の少ない最適な手放し方をプロの視点からアドバイスいたします。まずは以下のフォームから、お気軽にお問い合わせください。
