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大失敗!空き家投資で損をする7つのケース

空家ベース編集部

「副収入を得るために投資用の空き家を購入したい」
「家を相続したが現状は空き家になっていて使い道がない。賃貸にして家賃収入を得たい」
このように、空き家を活用した不動産投資を考えている人もいるのではないでしょうか。

近年は、副業として「不動産投資」に関心を寄せる人も増え、その中でもタワーマンションや個人向け分譲マンションではなく、初期費用を抑えて空き家投資を始める人も珍しくなくなりました。

しかし、空き家投資には見落としがちな落とし穴があり、知らずに始めてしまうと大失敗に終わるリスクがあります。

そこで本記事では、空き家を活用して不動産投資をする場合に、失敗してしまうケースを紹介しつつ、空き家投資で失敗しないためのポイントを解説します。

この記事でわかること

    • 空き家投資とは何か
    • 空き家投資で失敗するケース
    • 空き家投資で失敗しないために押さえたいポイント

空き家を活用した不動産投資とは?

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築年数の古い空き家を安く購入し、リフォームやリノベーションをして不動産投資に活用することを「空き家不動産投資」や「空き家投資」といいます。

日本では、少子高齢化や地方の人口減少などの理由から、空き家の数が増加しており大きな社会問題の一つとなっています。


総住宅数を居住世帯の有無別にみると,居住世帯のある住宅は 5361 万6千戸(総住宅数に
占める割合 85.9%),居住世帯のない住宅は 879 万1千戸(同 14.1%)となっている。
居住世帯のない住宅のうち,空き家は 848 万9千戸と,2013 年と比べ,29 万3千戸(3.6%)増となっている。また,総総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は 13.6%と,2013 年から 0.1 ポイント上昇し,過去最高となっている。

(引用:平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果(図2)|総務省統計局)

今後も、日本国内では空き家は増加傾向にあると考えられています。

一方で、空き家は初期費用が安く、利回りが高い不動産投資として注目されていることも事実です。空き家をうまく活用することができれば不動産投資として収益を出すことが期待できます。

下記で詳しく見ていきましょう。

空き家を再生して賃貸物件として利用

空き家投資の主な方法は、「老朽化が進んだ築年数の古い空き家を格安で購入し、リフォームやリノベーション工事によって建物を再生させ、賃貸物件として貸し出して収益を得る」というものです。

また、空き家物件ではなく「再建築不可物件」を活用する方法もあります。「再建築不可物件」とは、建築基準法で定められた接道義務を果たしていない物件のことです。一度取り壊すとその土地で建物を建てることができないものを指します。

「再建築不可物件」は、一度建物を取り壊すと再び建物を建築できなくなる物件だからこそ通常の物件より市場価値が低く設定されるため、安く購入することができます。「再建築不可物件」もリフォームやリノベーション工事をすれば建物を再生できるため、空き家投資同様に賃貸物件として利用するケースが増えています。

高利回りを狙うことができる

空き家投資は比較的物件を安く購入できることが多いため、運用次第では大きな利回りを出せる可能性があります。

ただ、利回りといっても、表面利回りと実質利回りがあります。

表面利回りとは、物件価格に対してどれくらいの家賃収入を得られるかという表面的な収益性のことです。

計算式
表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100

一方、実質利回りとは、物件価格や購入諸費用などを考慮し、購入時のコストに対して手元の現金をどのくらい効率よく得られるかという実質的な収益性のことです。

計算式
実質利回り(%)=(年間家賃収入–年間コスト)÷(物件価格+購入諸費用)×100

それでは、具体的な事例を見ていきましょう。

利回りの事例

  • 物件価格250万円(現金で購入)
  • リフォーム費用100万円
  • 年間コスト10万円
  • 家賃5万円で賃貸物件として貸し出す

表面利回り=(5万円×12か月)÷250万円×100=24%
実質利回り=(5万円×12か月–10万円)÷(250万円+100万円)×100=14%(小数点以下切り捨て)

不動産投資を行うときは、コストを考慮した実質利回りで考えた方がよいのですが、今回の場合、実質利回りが14%と高い水準です。

築古物件として相場よりも低く家賃を設定しても、初期費用が安いため、事例のように高い利回りを実現できます。

さらに、ローンを組まずに現金購入を選択すれば、よりキャッシュフローがよいため、収益アップが期待できます。

社会貢献にもなる

先ほどお伝えしたとおり、日本国内の空き家は増加傾向にあります。空き家を積極的に活用すれば、社会貢献にもつながります。

具体的には、以下が挙げられます。

  • 地方の過疎化が進んでいる地域で、空き家を再生し、外国人向けの観光資源の一つにする
  • 地域住民の交流の場として活用する
  • 地方移住希望者の住居として活用する

なかには、全国の空き家を再生し、その物件を賃貸物件の契約が難しい住宅弱者に対して提供を行う事業を営んでいる会社もあります。

空き家投資で失敗してしまうケースとは?

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空き家投資は初期費用が安く、投資に成功すれば高い利回りで収入を得ることもできます。

しかし、投資は必ず成功するとは限りません。

以下のとおり、空き家投資にはさまざまなリスクが潜んでいます。

  • リフォーム費用の計算が高額になりすぎて失敗
  • 入居付けができない
  • 台風や地震による被害
  • 遠方で管理ができず頓挫
  • DIYを試みたが挫折して失敗
  • 権利関係のトラブル
  • リフォーム業者とのトラブル

下記では空き家投資のリスクについて見ていきます。

リフォーム費用の計算が高額になりすぎて失敗

空き家を格安で購入し、いざリフォーム工事をはじめてみたらシロアリの被害にあっていて土台や束柱の補修や交換が必要となり、想定外のリフォーム費用がかかるケースがあります。

シロアリは、乾燥に弱く常に高い湿度に保たれている場所を好みます。長い間空き家のまま放置されていたりすると、窓の開閉が行われておらず室内の換気が十分にできません。すると、湿気と湿度が高い状態になり、シロアリが棲み着きやすい環境になっている場合があります。

補修や交換のリフォーム費用は、シロアリ被害の状況や場所、面積によって異なりますが、特に土台部分の補修工事は、大掛かりな工事となり土台部分のリフォーム費用だけで数百万円以上かかる場合もあります。

せっかく格安で建物を購入しても、リフォーム費用のほうが建物の購入価格よりも高くなる場合もあるため注意しましょう。

入居付けができない

リフォーム工事も完了し、賃貸で入居者の募集を行っても、入居者が決まるまでに時間がかかり、賃料としての収益の回収が遅くなる可能性があります。

特に、賃貸の競争過多なエリアや、駅やバス停などの公共交通機関の利便性が悪い場所で見られるケースです。

入居者が決まらない間は収益を得られないままです。また、固定資産税や管理会社に管理をお願いしている場合は委託管理費などの維持管理費を支払い続けなければならず、損をしてしまいます。

台風や地震による被害

建物が火災や台風、地震などの自然災害の被害にあった場合は、基本的には建物の所有者である貸主が補修費を負担しなければなりません。

損害保険のプランや特約の内容にもよりますが、自然災害の被害の額に応じて、一定額以上に達するものであれば、補償の対象となります。しかし、補修にかかった費用が全額補償の対象となるとは限りません。

一度空き家を購入してリフォームしても、その後に工事費がかからないとは言い切れず、自然災害の被害による建物の補修費も必要になる可能性があることを忘れてないようにしましょう。

遠方で管理ができず頓挫

物件が自宅から遠方だった場合、物件の管理のために行き来する交通費がかかります。
空き家を安く購入できても、維持管理費がかかるため、空き家投資の収益率が悪くなります。

また、遠方にあることで物件の管理が不十分になった場合、物件の見栄えや状態が悪くなり、借り主となる相手からの印象も悪くなる印象があります。

DIYを試みたが挫折して失敗

近年では、youtubeなどでDIYの方法を紹介する動画配信が増えています。DIYなら、リフォーム業者に依頼するよりも工事費用を抑えられるメリットもあります。

しかし、「自分でも簡単にできそう」だと思っていざ始めてみると、意外と難しく挫折してしまうケースもあります。また、自分ですべてリフォームをするため業者に依頼するよりも工事費用を抑えられる分、時間がかかることも念頭に置いておかなければなりません。

比較的リフォームする部分が少なく、DIYできそうであればいいですが、リフォームする部分が多い空き家の場合は、時間をかけてDIYするか、お金をかけてリフォーム業者に依頼するかを事前に考えておく必要があります。

権利関係のトラブル

空き家の購入を考えている場合、まずは空き家の所有者の特定がされている物件である必要があります。

不動産の所有者の特定方法は大きく次の3つです。
①不動産登記情報による調査
②近隣住民への聞き取り調査
③転送サービスを利用した空き家住所への手紙の送付等によって調査

空き家を購入した際、相続等で実は他にも所有者が居たな
どの権利関係のトラブルにならないとも限りません。

権利関係のトラブルなく空き家を手に入れるためにも、きちんと不動産の売買に伴う調査を行っている空き家の買取業者や仲介業者から空き家を購入するようにしましょう。

リフォーム業者とのトラブル

リフォーム業者へ工事の依頼をしたが、手抜き工事をされてしまってトラブルに発展するケースもあります。

空き家投資で初期費用を抑えたいがために、なるべく安い金額で工事を行ってくれるリフォーム業者に依頼したくなるかもしれません。ただ、工事金額だけでなく、実績と信頼のあるリフォーム業者に相談・工事の依頼をしましょう。

空き家投資を成功させるための4つのポイント

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ここでは、空き家投資を成功させるための4つのポイントを紹介します。

  • 人に需要があるかを調査する
  • リフォームは予算を決めて計画的に
  • 売買時の重要事項説明書はしっかり確認する
  • 現実的な経営計画を立てる

ひとつずつ見ていきましょう。

人に需要があるかを調査する

空き家の購入の前に、その地域に賃貸需要があるかどうかをきちんと調べておきましょう。

エリアの知名度が高い、利便性の高い地域だけが賃貸需要があるとは限らず、むしろそのエリアの稼働率をみていくとよいでしょう。

例えば、地方や交通の便が悪く、人口が少ないエリアであっても、工業団地が近くにあり多くの従業員が住んでいるエリアなど、団地ではなく家族で戸建てを借りて住みたいと考えている人がいる場合もあります。

または、近くに大学があり、戸建てを数人でシェアハウスにして借りたいと思っている学生もいるかもしれません。需要に対しての供給が少ないエリアであれば空き家投資を成功させることができるかもしれません。

リフォームは予算を決めて計画的に

リフォーム費用はあらかじめ予算を決めて初期費用にかかる金額を計算しておきましょう。

なかには、空き家を購入したあとに、追加で補修が必要になり想定外のリフォーム費用がかかる場合もあります。

想定以上のリフォーム費用がかかることで収益率が下がってしまう可能性もあります。購入前に専門業者に物件調査をしてもらったり、建物の状態を検査する業者などに依頼をして、あらかじめ空き家の状況・状態を把握し、リフォーム費用にいくらかかりそうかを見積もりをとっておきましょう。

売買時の重要事項説明書はしっかり確認する

空き家を購入する方法としては、空き家の買取業者から購入する、仲介業者を通して購入する方法などが挙げられます。

不動産業者から直接購入する場合も、仲介業者を通して購入する場合も、必ず売買契約の前に物件の重要事項説明が行われます。

  • 接道義務を果たしており再建築不可物件ではないか
  • 建築基準法に抵触した物件ではないか
  • 仲介業者を通して購入する場合は現在の空き家の所有者(売主)は誰なのか

上記は後々トラブルの原因となるため、特に注意が必要です。重要事項説明書の内容をしっかりと確認し、空き家投資できちんと収益が見込める物件なのかを確認しましょう。

現実的な経営計画を立てる

リフォーム費用は初期投資の費用としてかかりますが、空き家を賃貸に出してからも、維持管理をしていかなければなりません。

物件が遠方であれば、自分で月に何回程度通えるか、通えない場合は管理を依頼できる管理業会社はあるか、その場合の委託管理費はどれくらいになるのかなど、物件のオーナーとして現実的な不動産投資の経営計画を立てましょう。

まとめ

空き家投資は初期費用を抑えつつ高い利回りを得られる可能性がある半面、空き家投資で失敗するケースがあることをお伝えしてきました。

空き家投資に失敗しないためにも、空き家投資を始める前に、リフォーム費用はいくらかかりそうか、賃貸に出してからの維持管理費はできそうか、継続的な入居者は見込めそうかなどメリットとリスクのそれぞれを考えましょう。

本記事が空き家投資の一助となれば幸いです。