投資不動産を売却する際、税金に関する疑問や不安を感じることはありませんか。特に初めての売却では、多くの税務関連作業に直面し複雑に思えるかもしれません。正確な情報を基に計画を立て、財務的な予測をするのが、安心して売却を進めるうえで重要です。
本記事では、投資不動産売却にかかる主な税金の種類から、譲渡所得の計算方法、節税に役立つ特例、確定申告の注意点まで、売却時に知っておきたい税金に関する情報を網羅的に解説します。
また、税金以外にかかる費用やよくある質問も紹介しますので、不動産事業にチャレンジしたいと考えており、初めて投資不動産を売却する際に税金で不安を感じている方は参考にしてみてください。
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投資用不動産の売却時には、複数の税金が発生します。特に初めて売却する方は、何にどれだけ税金がかかるのか分からず、不安を感じやすい傾向があります。ただし、課税対象となる税目や計算のしくみを事前に理解しておくと、売却にかかる総費用の見積もりがしやすくなり、収支計画を立てやすくなります。
主な税金には、売却益に対する譲渡所得税、契約書類にかかる印紙税、登記に関する登録免許税、さらに建物価格に関係する消費税などがあります。それぞれ、利益の有無や契約・登記といった手続きに応じて課税されるため、税負担を軽減するには、内容ごとの把握が欠かせません。
不動産売却によって得た利益には、譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、国税である所得税と復興特別所得税、そして地方税である住民税を含む税金です。
課税対象となる譲渡所得は、売却金額から取得費(購入時の費用)と譲渡費用(売却にかかった費用)を差し引いて算出します。投資用不動産の譲渡所得は、給与などの他の所得とは区別される「分離課税」の対象です。
また、税率は所有期間に応じて異なり、売却した年の1月1日時点で5年以下であれば「短期譲渡所得」、5年を超えると「長期譲渡所得」として、異なる税率が適用されます。売却益が発生した場合は、確定申告を通じて納税手続きが必要です。
詳細は国税庁のサイトをご確認ください。
参考:No.3202譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
不動産取引では、作成する契約書や領収書に応じて印紙税が発生します。売買契約書や媒介契約書、仲介手数料の領収書などが印紙税の対象です。
税額は、文書に記載された契約金額や受取金額に応じて細かく定められています。具体例として、1,000万円を超え5,000万円以下の売買契約書には2万円の印紙税がかかります。また、仲介手数料の領収書については、100万円超〜200万円以下であれば印紙税は400円です。
なお、金額の記載がない文書にも課税対象となるケースがあるため、文書の種類や内容を確認したうえで、適正な収入印紙を貼付し、消印して納付する必要があります。印紙税額は取引金額に応じて増えるため、高額な取引では特に事前確認が重要です。
現在、令和9年3月31日までに作成される不動産売買契約書には軽減措置が適用されており、同じ契約金額帯でも印紙税は1万円に抑えられます。
印紙税の詳細は国税庁の一覧表をご確認ください。
参考:No.7140印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
不動産売却に伴う所有権移転登記では、登録免許税が発生します。所有権を売主から買主へ正式に移転するためには、法務局での登記手続きが必要です。この登記に際し、不動産の固定資産税評価額をもとに税率を乗じて税額を算出する仕組みとなっています。
税率は、登記の原因や内容によって異なり、売買による所有権移転登記など、目的ごとに定められています。通常は、登記申請時に法務局で納付する必要があります。また、登記に関連する手続きは専門性が高いため、司法書士などの専門家に依頼して進めると安心です。
具体的な税率については、国税庁または法務局でご確認ください。
不動産売却では、土地と建物で消費税の扱いが異なります。土地の売却は非課税取引とされており、消費税の対象とはなりません。
一方、建物の売却には消費税がかかるケースが多く、課税対象は建物部分のみとなります。また、仲介業者へ支払う仲介手数料も課税対象で、提供された仲介サービスに対して消費税が加算されます。
適用される税率は、契約やサービス提供のタイミングによって変わります。建物価格や仲介手数料に含まれる消費税は、売却にかかる諸費用として事前に確認しておくのが大切です。
詳細は国税庁の案内ページをご確認ください。
参考:消費税のしくみ|国税庁

不動産の譲渡所得にかかる税率は、所有期間によって大きく変わります。売却年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」、5年以下であれば「短期譲渡所得」として扱われます。この区分によって、適用される税率が約2倍も異なるため、最終的な税負担に大きな差が生じます。
売却時の手取り金額を正しく見積もるためには、所有期間を正確に把握しておく必要があります。わずかな期間の違いが、税額や利益に直結するため、売却のタイミングは慎重に判断するのが重要です。
所有期間が5年を超えると、長期譲渡所得として優遇税率が適用されます。具体的には、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税(所得税の2.1%相当)を加えた合計税率20.315%です。
譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて算出します。算出された金額に上記の税率をかけて税額を決定するため、短期譲渡所得に比べて大幅に負担を抑えることが可能です。
税制面を重視するのであれば、5年を超えてからの売却を検討する価値があります。
参考:No.3202譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
参考:土地や建物を売ったとき|国税庁
所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得として重い税率がかかります。この場合の税率は、所得税30%、住民税9%、復興特別所得税(所得税の2.1%相当)を加えた合計39.63%です。
譲渡所得の計算方法は長期と同じで、売却価格から取得費および譲渡費用を引いて算出しますが、適用される税率の高さにより、税額は長期の約2倍に膨らみます。売却益が大きい場合ほど、短期売却による税負担の影響も大きくなるため、保有期間の確認は不可欠です。
参考:No.3202譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
参考:No.3255譲渡費用となるもの|国税庁
不動産売却によって利益が出た場合、譲渡所得として課税対象になります。譲渡所得は、売却価格から取得費および譲渡費用を差し引いて計算されます。
計算に必要な費用を正しく把握し、もれなく反映させることが、正確な税額を求めるための基本です。この計算結果がそのまま税額に影響するため、実際に手元に残る金額を見積もるうえでも重要なステップです。
税負担の目安を把握し、無理のない売却計画を立てるためにも、譲渡所得の計算方法を理解しておく必要があります。作業を進める際には、国税庁のウェブサイトなど公的な情報を参照し、最新かつ正確な情報に基づいて対応するのが大切です。
譲渡所得を計算する際に差し引ける主な費用は、取得費と譲渡費用です。
取得費とは、売却する不動産の取得にかかったすべての費用を指し、購入代金や建築費用のほか、購入時に支払った仲介手数料、登記費用、印紙税、不動産取得税などが含まれます。さらに、設備の取り付けや増改築にかかった費用も条件によっては取得費として計上できます。
一方、譲渡費用には、売却時に直接発生する支出が該当し、仲介手数料や測量費、解体費用、契約書に貼付する印紙税などが含まれます。これらの費用を正しく計上するためには、領収書や明細書を整理・保管しておくことが欠かせません。
取得費と譲渡費用を適切に算出すれば、課税対象額を抑えられて、無駄な税負担を避けられます。
参考:No.7108不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁
建物を含む不動産を売却する場合、取得費から減価償却費を差し引く必要があります。
たとえば、2018年1月1日に木造の戸建て(事業用)を2,000万円で購入し、2023年12月31日に売却したケースを想定します。所有期間は6年で、法定耐用年数が22年の木造建物には、償却率0.046(定額法)が適用されます。このとき、年間の減価償却費は「2,000万円×0.046=92万円」であり、6年間の累計は「92万円×6年=552万円」です。したがって、建物部分の取得費は「2,000万円−552万円=1,448万円」となります。
減価償却費の正確な金額は、毎年の確定申告に基づく累計額を使って計算するのが基本です。
参考:No.2100減価償却のあらまし|国税庁
参考:No.2106定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)|国税庁
譲渡所得税は金額が大きくなりやすいため、利用可能な特例や控除を知っておくのが重要です。これらの制度をうまく活用すれば、税負担を軽減し、手元に残る資金を増やすことにつながります。
特に初めて不動産を売却する場合は、内容が複雑に感じられるかもしれませんが、要件を満たすかどうかを事前に確認しておけば、計画的な資金管理が可能になります。
不動産が該当するかどうかを見極め、活用できる制度の有無を判断するには、国税庁の公式情報などを参考にするのが確実です。
売却資産が事業用で、一定期間内に買い換えた場合は「事業用資産の買換え特例」が使える可能性があります。この制度を活用すると、譲渡益への課税を将来の売却時まで繰り延べられます。
買い換えた不動産の金額が売却額を上回ると、譲渡所得は一定割合を収入金額として計算する方法が適用される場合があります。結果として、売却資金を新たな物件購入へ回しやすくなるメリットがあります。ただし、この制度はあくまで課税の繰延であり、非課税になるわけではありません。
適用を受けるには、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)などを添付した確定申告が必要です。
参考:No.3405事業用の資産を買い換えたときの特例|国税庁
相続または遺贈で取得した不動産を一定期間内に売却した場合、「取得費加算の特例」が適用される場合があります。この制度を利用すると、納付済みの相続税のうち一定額を不動産の取得費に加算できます。対象となるのは、相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却したケースです。
加算額の算出には「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」を使用し、譲渡所得の内訳書などと併せて確定申告する必要があります。取得費が増えれば、譲渡所得が圧縮され、税額を抑える効果が期待できます。
比較的短期間で相続不動産を売却する場合、税負担軽減策として有効です。
参考:No.3267相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
不動産売却で損失が出た場合、損益通算や繰越控除ができるかどうかは用途によって異なります。
居住用財産(マイホーム)の売却で譲渡損失が生じた場合には、要件を満たせば他の所得と損益通算したり、最大3年間の繰越控除が可能です。
一方、投資用不動産などの事業用資産を売却して発生した譲渡損失については、原則として損益通算も繰越控除もできません。これは、家賃収入などで生じた不動産所得と異なり、譲渡による利益は譲渡所得として扱われ、他の所得と性質が異なるためです。
したがって、投資用不動産の損失を給与所得や事業所得と相殺して税額を減らせません。税務上の取り扱いを正しく理解しておくのが、不要な誤解を防ぐうえで重要です。
不動産売却には税金以外にも多様な費用が発生します。譲渡所得税や住民税だけでなく、登記関連の手数料や不動産業者への報酬なども考慮する必要があります。これらの費用を事前に確認しておけば、売却にかかる総費用を正確に把握でき、手元に残る資金の見通しを立てやすくなります。
特に、戸建てを初めて売却する方にとっては、どのような支出が生じるのかを把握しておくことが無理のない売却計画を立てるために欠かせません。
ここでは、税金以外の代表的な費用である「抵当権抹消費用」と「仲介手数料」について詳しく解説します。
住宅ローンなどが残っている物件を売却する場合、抵当権の抹消手続きが必要です。この手続きには、登録免許税と、司法書士に依頼する際の報酬が発生します。
登録免許税は、不動産1件につき1,000円で、土地と建物がある場合は合計で2,000円が必要です。抵当権抹消登記は専門的な内容を含むため、司法書士へ依頼するケースが一般的です。報酬は依頼先によって異なりますが、5,000円〜3万円程度が相場とされています。
ご自身で申請も可能ですが、正確かつ迅速に手続きを進めるには専門家の活用がおすすめです。なお、抵当権が残ったままでは不動産の引き渡しができないため、売却前に費用と手続きの準備を進めておく必要があります。
不動産業者に売却の仲介を依頼する場合、仲介手数料が発生します。この費用は、売買契約が成立した際に発生する成功報酬であり、宅地建物取引業法によって上限が定められています。上限を超えて請求するのは認められていないため、事前に金額や計算方法を明確にしておくのが大切です。
また、仲介手数料には消費税が課税されるため、税込か税抜かの確認も必要です。売買価格が800万円以下の「低廉な空家等」の売却については、特例により「税込33万円」の上限まで手数料を受領できる場合があります。
仲介手数料は売却代金から差し引かれる代表的な費用のひとつです。媒介契約の締結前に、具体的な金額や条件を不動産会社と確認しておくことをおすすめします。なお、売買契約書を電子書面で作成した場合、印紙税が不要になるというメリットもあります。
参考:No.3255譲渡費用となるもの|国税庁
参考:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ|国土交通省
投資用不動産を売却した場合は、原則として確定申告が必要です。これは、売却によって得た利益が「譲渡所得」として課税対象となり、給与所得や事業所得とは別に申告しなければならないためです。
初めて売却を経験する方にとっては、確定申告の手続きや必要書類が複雑に感じられるかもしれません。しかし、適切に申告すれば税額を正しく算出でき、特例を活用することで税負担の軽減につながるケースもあります。
ここでは、確定申告が必要な条件、手続きの流れ、注意点を整理しています。自身の売却内容と照らし合わせながら、準備を進めるのをおすすめします。
不動産売却によって利益が出た場合は、譲渡所得として課税され、確定申告が必要です。
譲渡所得は、売却金額から取得費と譲渡費用を差し引いて算出されます。
取得費には、購入代金のほか、仲介手数料や登記費用、増改築費用などが含まれます。譲渡費用には、売却時の仲介手数料、印紙税、測量費、登記関連費用などが該当します。
税率は、売却年の1月1日時点での所有期間によって異なり、5年超なら長期譲渡所得、5年以下なら短期譲渡所得として課税されます。
所得税・復興特別所得税・住民税は、売却の翌年2月16日から3月15日までの間に申告・納税する必要があります。
譲渡損失が発生した場合でも、確定申告をすれば制度を活用できる可能性があります。
ただし、投資用不動産の売却損失は、原則として給与所得や事業所得との損益通算は認められていません。これは、投資用資産が生活に必要な資産ではないとされるためです。
マイホーム売却の場合に認められている繰越控除や損益通算の特例は、投資用不動産には適用されません。
一方、事業用資産の買換えや相続財産の取得費加算といった特例に該当すれば、将来の税負担を抑えられる可能性があります。そのため、赤字であっても、該当する制度があるかどうかを確認し、必要に応じて確定申告をするのが重要です。
参考:No.3370マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁
参考:No.3267相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
譲渡所得の確定申告には、必要書類を事前に準備するのが不可欠です。主な書類には、確定申告書と譲渡所得の内訳書(土地・建物用)があります。
内訳書には、所在地・構造・面積・取得日・売却価格・取得費・譲渡費用などを詳細に記載する必要があります。加えて、事業用資産の買換え特例や相続財産に関する特例を利用する場合は、それぞれに対応した明細書や登記事項証明書などの添付も必要です。これらの書類は、国税庁のウェブサイトでダウンロードできるほか、税務署でも入手可能です。
提出方法には、e-Tax(電子申告)・窓口提出・郵送の3種類があります。ご自身の都合に合わせて、確実に期限内に提出するのをおすすめします。
参考:No.3202譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
参考:タックスアンサー(よくある税の質問)|国税庁
税金に関する疑問は、初めて投資用不動産を売却する方にとって避けて通れないテーマです。
本項では、これらのよくある質問を国税庁の情報をもとに解説し、税務の不安を減らす一助とします。ご自身の売却条件と照らし合わせながら、理解を深めて売却の判断材料にお役立てください。
投資用不動産を売却する場合、居住用財産向けの税制優遇措置は原則として使えません。
よく知られている「3,000万円特別控除」や「マイホーム買換え時の譲渡損失の特例」などは、自己居住用の資産が対象であり、賃貸目的で保有している投資用不動産には適用されません。この違いは、税法上で生活に必要な資産と事業目的の資産とが区別されていることによるものです。
家賃収入の赤字は他の所得と損益通算できる場合がありますが、不動産売却による損失は、原則として通算の対象にはなりません。ただし、例外として、相続した空き家(被相続人の居住用財産)を売却した場合には、「最高3,000万円の特別控除」が適用される場合があります。この制度を利用するには、被相続人の居住状況や売却時期など、いくつかの要件を満たす必要があります。
なお、令和6年以降の譲渡においては、相続人が3人以上の場合、控除額の上限は2,000万円です。
参考:No.3306被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
参考:土地や建物を売ったとき|国税庁
所有期間が5年を超えると、長期譲渡所得として所得税15%・住民税5%(合計20%)の低い税率が適用されます。具体的には、5年以下であれば短期譲渡所得となり、所得税30%・住民税9%(合計39%)と税率が高くなります。このため、税制面では5年以上保有した物件の売却が有利になりやすい傾向があります。
とはいえ、「5年超えなら必ず得する」とは限りません。売却益の金額や取得費・譲渡費用の総額、不動産市況など、さまざまな要素が最終的な手取りに影響するからです。長期譲渡に該当しても利益が大きければ納税額も増えますし、短期でも利益が小さければ税額も低くなります。
したがって、所有期間だけで判断せず、コストや市場動向も含めて総合的に売却タイミングを見極めるのが大切です。
売却益が出た場合は翌年に確定申告をして、所定の期間内に納税する必要があります。
申告期間は通常、翌年の2月16日から3月15日までです。この期間内に申告書を作成し、税務署へ提出・納税を完了することが義務付けられています。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、必要項目を入力するだけで申告書が作成できます。申告を怠ったり実際より少なく申告した場合には、無申告加算税や過少申告加算税などのペナルティが発生します。さらに、納付が遅れた場合には延滞税が課され、意図的に事実を隠したケースでは重加算税が適用されるケースもあります。
したがって、正確な申告と期限内の納税は、不動産売却後の基本的な責務といえます。
投資不動産の売却にかかる税金について、その種類や計算方法、利用できる特例、申告手続きなど、幅広い情報を解説しました。税金に関する正確な知識を持ち、事前にしっかりと計画を立てることは、不動産売却を成功させるために不可欠です。特に初めて売却される方は、今回の内容を参考に疑問点を解消し、安心して取引に臨んでいただければ幸いです。
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不動産を売却するためには不動産会社と媒介契約を締結し、レインズや不動産ポータルサイト、紙媒体に物件の広告を出して買主を探すことになります。
媒介契約は3種類ありどの契約でも不動産業者に仲介を依頼することができますが、契約形態によって販売活動の報告頻度や契約期間、業者からの問い合わせ管理方法が異なります。
そのため場合によっては売主の手間が増えることもあり、さらに買い手が長期間見つからないという失敗事例もありますので、不動産売却を成功させるためには媒介契約の仕組みや内容について正しく理解してくことが大切です。
この記事では媒介契約の一つである「専任媒介」について、詳しく解説します。
土地や一戸建て、マンションなどをこれから売却する予定のある人は参考にしてください。
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不動産取引以外で媒介契約を締結するケースは少なく、日常生活で聞くことはあまりないため不動産売買時に初めて不動産会社から説明を受ける人も少なくありません。
しかし説明時に使われる不動産用語は難解であることから十分に理解することができず、よく分からないまま締結してしまう人も多いです。
このような失敗を避けるためにも、媒介契約の特徴についてあらかじめ把握しておくことがおすすめです。
この章では媒介契約の概要と種類について、解説します。
「媒介」は宅建業法に基づいて行う不動産会社の業務となっており、売主と買主の条件を調整して契約を成立させることが主な内容です。
一方、仲介は契約締結に至るまでの全体的なサポートとなっており、媒介業務の中に仲介業務は含まれます。
買主は不動産売買契約締結時に仲介会社と媒介契約を締結することになりますが、これは契約締結によって発生する不動産会社への支払いに対する契約ということになります。
売主も売却開始のタイミングで媒介契約を締結することになり、契約書には仲介手数料の支払い時期と報酬額が明記されています。
このように媒介と仲介は用語としての意味は異なるものの、売主と買主が不動産会社に求める活動としてはほとんど同じだといえます。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つがあり、自己発見取引の有無や依頼できる会社の数、報告義務の有無、指定流通機構の登録義務と登録までの期間などが異なります。
媒介契約の選択が成約できるかどうかに大きな影響を与える可能性がありますので、必ずそれぞれの特徴を押さえておくことをおすすめします。
媒介契約の一つである専任媒介契約は一般媒介契約と専属専任媒介契約の特徴を兼ね備えており、売主として効果的に立ち回りできるケースもあります。
この章では専任媒介契約の特徴と一般媒介・専属専任媒介との違いについて解説しますので、これから不動産会社と媒介契約を締結する予定のある人はチェックしてください。
国土交通省が定めた標準媒介約款によると、専任媒介は次のような特徴となっています。
依頼者は目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を、当社以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼することができません。
依頼者は自ら発見した相手方と売買又は交換の契約を締結することができます。
当社は目的物件を国土交通大臣が指定した指定流通機構に登録します。
専任媒介契約を選んだ場合、販売を委託する不動産会社は1社のみとなり複数社に依頼することはできません。
ただし自分で買い手を探すことはできますので、不動産会社だけでなく自己発見による不動産取引を目指したい人に選ばれやすい契約形態です。
また不動産会社に対しても指定流通機構の情報登録が義務付けされるため、積極的な販売活動を期待することができるという点も特徴といえます。
参考:宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款
一般媒介と専属専任媒介との違いは、次のようになります。
| 媒介形態 | 自己発見取引 | 媒介の有効期間 | 販売報告頻度 | レインズ登録期日 | 同時契約社数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 専任 | 可能 | 3ヶ月 | 2週間に1度 | 7日以内 | 1社 |
| 専属専任 | 不可能 | 3ヶ月 | 1週間に1度 | 5日以内 | 1社 |
| 一般 | 可能 | 規定なし | 規定なし | 規定なし | 自由 |
専属専任媒介は専任媒介よりも制限が厳しく、売主は自ら買い手を探すことができませんが、専任媒介よりも頻繁に販売報告を受けることができ、レインズへの登録期間も短くなります。
そのため早期売却を狙いたい人や自分で買い手を探す予定のない人は、専属専任媒介を選ぶ傾向にあります。
一般媒介は3種類の中で最も売主の自由度が高く、何社でも同時に契約することが可能です。
ただし会社によっては一般媒介の物件にかける広告費を減らしたり、一般媒介であれば締結を拒むこともあります。
なぜなら一般媒介の物件は自社が仲介に入れないこともあり、売主が他社を通じて売買契約を締結する可能性もあるからです。
さらに販売報告を受けられないケースが多いため、売却の進捗が把握できないというデメリットもあります。
このような特徴の違いは売主が望む売却活動に大きく影響することから、不動産会社と十分に協議したうえで判断することが重要です。
専任媒介契約にはいくつかメリットがあるため、積極的に選ぶ売主もいます。
特に手間をかけずに不動産を売却したい人や、知り合いが買い手になる可能性がある人に有効です。
この章ではこうした専任媒介契約のメリットについて、詳しく解説します。
「専任」で1社にだけ販売を任せるため販売の機会が少なくなるイメージがありますが、実際には依頼を受けた不動産会社が積極的に販売活動を行うため、早期売却できるケースも多いです。
また、専任媒介契約はレインズに物件情報を登録するため、依頼した不動産会社以外にも情報は展開されることになります。
そのため依頼した会社は1社であっても、レインズを使っている宅建業者全てがストック顧客に物件紹介できることになります。
不動産業界はこのような仕組みとなっていることから、なるべく早く物件を売却したい人に専任媒介契約はおすすめです。
一般媒介は複数の不動産会社に依頼できるというメリットがありますが、依頼した不動産会社の販売状況や反響スケジュールの管理を売主が行わなければなりません。
特に内覧が重複した場合の調整や立会の時間などには工数がかかってしまい、売主の日常生活に支障が出てしまうケースも少なくありません。
その点、専任媒介契約であれば依頼した不動産会社が内覧調整などを全て取り仕切ってくれるため、手間がかからないというメリットがあります。
知人や親族が物件を購入する可能性がある場合は専任媒介契約が選ばれやすく、こうした自己発見取引の余地は媒介契約締結前に確認しておくことが大切です。
自己発見取引によって個人間売買を選択した場合は仲介手数料がかからず、諸費用を削減することができます。
また、個人間売買が不安で不動産会社に仲介を依頼した場合であっても、不動産会社は買い手を探していないことから仲介手数料の値引きに応じるケースもあります。
このように売主側にある程度自由な選択があるのが、専任媒介契約のメリットといえます。
ただし、不動産会社の活動内容によっては自己発見取引による個人間売買であっても仲介手数料に相当する費用を請求される可能性がありますので、注意が必要です。
専任媒介契約にはメリットだけでなくデメリットもありますので、注意が必要です。
この章では専任媒介契約のデメリットについて解説しますので、前述したメリットと合わせてチェックしてください。
媒介契約は「売主」と「不動産会社」との契約ですが、実際に販売活動をするのは最初に対応した担当者であるため、担当者の経験値が販売活動に大きく影響することになります。
たとえば査定時の対応が良く、信頼できると思って任せた場合でも実際には担当者の不動産売却に関する知識や経験が少なく、その結果販売の機会を損失してしまうケースもあります。
こうした状況に売主がすぐに気づくことができれば担当者変更によって改善することができますが、実際に気づくことは難しくそのまま任せっぱなしになることがほとんどです。
売却物件が戸建てやマンションの場合、販売期間中も家屋は経年劣化し資産価値は減少するため、長期間売却できなければ資産価値の減少に合わせて価格を下げることも考えなければなりません。
そのため販売の状況が良くない場合は担当者や不動産会社を変更するなどを検討する必要があり、大きなデメリットといえます。
複数の不動産会社と契約できる媒介契約は一般媒介契約のみとなっており、専属専任媒介契約と専任媒介契約は1社のみです。
そのため候補の会社全てに販売を任せることができず、媒介契約の効力終了と同時に会社を変更するしか方法はありません。
このデメリットによって良いサービスを持つ会社を同時に利用することができなくなり、結果的に販売のチャンスを逃してしまうこともあります。
囲い込みとは専任媒介契約を締結した不動産会社が他社に物件を紹介せず、利益を独占しようとする行為のことです。
媒介契約を締結した会社が買い手を見つけることを「両手取引」と呼び、両手取引によって売主と買主の両方から仲介手数料の支払いを受けることができます。
不動産会社によっては意図的に両手取引になるよう他社からの物件確認時に「商談中」と伝え、紹介を拒む囲い込み行為を頻繁に行うこともあります。
このような囲い込み行為をされると販売期間が長期化するだけでなく、それに伴って売買代金を変更せざるを得なくなり、売主にとって大きな損失です。
国土交通省もこうした囲い込み行為について対策を強化しており、悪質な場合は業務停止などを勧告するように法改正されています。
しかし現実的には全ての囲い込み行為を防止できるわけではありませんので、売主が一般人の振りをして他社経由で物件確認を行い、囲い込みされていないかチェックする必要があります。
【参考サイト:レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!】
専任媒介契約にはメリットもデメリットもありますので十分に注意しながら検討しなければなりませんが、おすすめできるケースはあります。
この章では専任媒介契約に向いている人の特徴やケースについて、解説します。
専任媒介契約を依頼した不動産会社は一般媒介よりも積極的に販売活動を進めてくれる可能性があるため、早期売却を希望している人に向いています。
一般媒介でも不動産会社の販売活動に影響はないケースもありますが、不動産会社としては売主と買主の両方から仲介手数料の支払いを受けられるチャンスといえますので、広告費の割合を増やすなどの工夫をしてくれます。
前述したような囲い込み行為のチェックは必要ですが、多くの不動産会社は他社にも公開しつつ自社でも顧客への紹介をスピーディーに進めてくれますので、おすすめです。
一般媒介は各不動産会社への連絡や書類手続きなどを自分で行うことになりますが、専任媒介契約は窓口を一本化できるため工数が削減できます。
そのため不動産売却に時間を割けない人に向いている媒介契約といえます。
専任媒介契約をおすすめできるケースがあるように、おすすめしないケースもあります。
この章で詳しく解説します。
知人や親族が購入することが確定しており、契約書や重要事項説明書の作成も不要な場合は専任媒介契約を締結することなく、個人間売買で進める方がコスト削減に繋がりやすくなります。
特に不動産売買に詳しい人と契約できるのであれば必要書類の作成も任せられますので、専任媒介契約のメリットは活かしきれないケースが多いです。
ただしトラブル発生時には当事者で解決することになり、司法書士などの手配といった工数は増えてしまいますので、注意点といえます。
媒介契約のうち、一般媒介だけが複数の不動産会社と同時に契約することができます。
たとえば遠方の不動産を相続した場合などは相場や地域のルールが分からず、信頼できる不動産会社を調べるのにも時間がかかってしまいます。
このようなケースでは複数の不動産会社と契約することでリスクを分散することができ、早期売却しやすくなります。
これ以外にも信頼できる不動産会社が2社以上あるケースでも無理に厳選することなく依頼できますので、専任媒介契約ではなく一般媒介契約がおすすめです。
不動産会社の仲介によって買い手が見つかり売買契約を締結した場合、媒介契約の約定に従い仲介手数料を支払うことになります。
仲介手数料は国土交通省によって上限が定められており、計算方法も公開されていますのであらかじめ上限額をイメージすることは可能です。
また売買契約が途中解約になった場合でも仲介手数料の支払いが発生するケースもありますので、注意が必要です。
この章では仲介手数料の上限と計算方法、支払いタイミングについて解説します。
宅地建物取引業者が受け取ることができる仲介手数料の上限額は、次の計算式によって算出することができます。
たとえば1,000万円の不動産を売却した場合、仲介手数料は税抜きで36万円です。
ただし令和6年6月に交付された「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」により、800万円以下の空き家や空き地の場合は上限額が税抜きで30万円に設定されることとなりました。
なお、仲介手数料で定められているのはあくまでも「上限額」のため値引き交渉することは可能ですが、仲介手数料は不動産会社にとって重要な収入源のため値引き交渉に応じてくれることは少なく、資金計画を立てる際には上限額で予算取りすることをおすすめします。
【参考サイト:仲介手数料の上限額】
【参考サイト:空き家等に係る媒介報酬規制の見直し】
不動産売買契約にはいくつか解約条件が設定されていますが、手付解除と契約違反による解除の場合は一般的に仲介手数料が発生します。
なぜならどちらの解除条件も契約が白紙になるわけはなく、さらに契約の効力が発生した後に解除となるため契約自体は成立しているからです。
契約の成立によって仲介手数料を支払う義務が発生することから、上記を理由に解除する場合は注意が必要です。
なお、天災地変による滅失損傷やローン特約による解除は白紙解除となり、契約前まで遡ることから、仲介手数料は発生しません。
支払いタイミングは不動産会社や地域の慣習によって様々ですが、一般的には契約時か決済時に全額支払うケースが多いです。
囲い込み行為は売主にとって重要な損害を招く可能性があることから、囲い込み行為をしない不動産会社を選ぶことが大切です。
そのためにもレインズへの情報登録が正確に実施されているかチェックし、業務報告の内容にも目を光らせる必要があります。
この章では媒介契約締結後に注意しておきたいポイントについて、解説します。
専任媒介契約を締結した際、7日以内に指定流通機構であるレインズに物件情報を登録し売主に登録証明書を交付しなけばなりません。
登録しなければ媒介契約自体が解除されてしまうため不動産会社は必ず規定期間内に登録しますが、囲い込み行為をする業者は登録しないこともあります。
また、媒介契約の種類や内容、宅建業法で定められた業務については締結前に説明することが義務付けられていますが、これらの説明を意図的にしない会社は囲い込み行為をする可能性が高いといえます。
このようにレインズへの登録は囲い込み行為を抑制し円滑な不動産取引をするために重要なステップだといえますので、必ず登録内容はチェックすることが重要です。
【参考サイト:媒介契約制度 | REINS TOWER】
専任媒介契約を締結した際には2週間に1度業務報告を受けることになりますが、書式や方法については宅建業法で定められていません。
不動産会社によっては電話やメール、LINEで報告することもあり、「〇月〇日~〇月〇日までの反響数は1件でした。」など簡易的な報告でも問題ありません。
しかし販売を不動産会社に任せている以上、売主は業務報告でしか販売状況を把握することができないことから、できる限り細かく把握することが大切です。
特に専任媒介契約は専属専任媒介契約と違って業務報告の間隔は最大で2週間空くため、販売方法を変更して効果検証するための期間も長くなってしまいます。
このことからも2週間に1度というルールに縛られず、売主側から積極的に土日の反響や問い合わせがあった顧客の情報などをヒアリングする必要があります。
このような姿勢を不動産会社に見せることで最適な販売活動が可能となることから、早期売却のコツといえます。
媒介契約は不動産会社に販売を委託する正式な書類として取り扱われるケースが多く、契約書の裏側に記載されている約款について説明を受けることなく署名押印してしまう売主もいます。
しかし契約である以上、約款に記載されている違反行為があれば契約が解除になってしまうこともあり、不動産会社に違約金を支払わなければならないこともあります。
このような失敗をしないためにも、違約金や契約解除が発生するケースについて把握しておくことをおすすめします。
専任媒介契約の違約金については、国土交通省が定めた標準媒介契約約款の第12条(違約金の請求)と第14条(費用償還の請求)で次のように定められています。
【第12条】売主は専任媒介契約の有効期間内は媒介契約を締結した宅建業者にしか目的物件の売買や交換の媒介又は代理を依頼することはできず、違反した場合には約定報酬額に相当する違約金を支払わなければならない。
【第14条】売主は専任媒介契約の有効期間内に自己発見取引を行い契約を締結させた場合、専任媒介契約の履行のために要した費用を宅建業者は償還請求できる。
(宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款を要約)
たとえば依頼できる不動産会社が1社だと知らずに他社とも契約し、他社を介して売買契約を締結した場合は媒介契約を締結した不動産会社と売買契約の仲介を行った不動産会社の2社に仲介手数料を支払うことになります。
また、専任媒介契約は自己発見取引することが可能ですが、売買契約締結の時点で不動産会社が宅建業法で定められた業務を遂行していた場合は発生した費用を請求されることもあります。
こうした違約金発生事案は全国的に発生しており宅建協会を交えたトラブルに発展することも少なくありませんので、注意が必要です。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は自動更新することができず、売主と不動産会社が更新することを合意した内容を書面に残さなければなりません。
つまり、有効期間が超過し不動産会社から連絡がなかった時点で専任媒介契約は解除されることになり、不動産会社に連絡してレインズの登録を抹消してもらうことで媒介業務は終了となります。
ただし不動産会社によっては解除を認めずに販売を継続したり費用を売主に請求することもありますので、そのようなトラブルに巻き込まれた場合は宅建協会や消費者センターに相談することをおすすめします。
媒介契約を締結することによって売主は不動産会社に販売を委託し、不動産売却をスタートさせることができます。
専任媒介契約は媒介契約の1種となっており、不動産会社は1社にしか依頼できないものの自ら買い手を探すことができるというメリットもあります。
そのため知人や親族が売却物件を購入する可能性がある人におすすめの契約形態といえますが、囲い込み行為をする不動産会社に依頼してしまったり担当者の経験不足により販売が長期化してしまうというデメリットもありますので、注意が必要です。
このことからも媒介契約の特徴やメリット・デメリットについて不動産会社からしっかり説明を受け、納得したうえで選択することが大切だといえます。
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空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!
不動産投資におけるポートフォリオとは、複数の資産に分散して投資することでリスクを抑え、安定した収益を目指すための資産構成のことです。
特に不動産投資は、株式や債券といった金融資産とは異なる特性を持つため、ポートフォリオに組み込めばさまざまなメリットが期待できます。
本記事では、なぜ不動産投資でポートフォリオが重要なのか、不動産をポートフォリオに組み込むメリット、具体的な作り方、リスク分散の方法、そして市場環境の変化に応じた見直し方まで、戸建て投資家が知っておくべきポイントを詳しく解説します。
これから不動産事業にチャレンジしたいと考えている方や、ご自身の資産運用を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
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投資ポートフォリオは、株式・債券・不動産・現金などの資産クラスに対し、どのような配分で資産を保有するかを設計する行為を指します。資産構成は、運用目標の違いや年齢、世帯構成、リスク許容度などの要因によって最適なバランスが異なります。
資産の増加を重視する投資家は、ある程度リスクのある資産への比重を高める必要があります。一方、元本の保全を重視する方は、よりリスクの低い資産への配分が中心となります。
また、ポートフォリオは一度決めて終わりではなく、経済状況やライフイベントの変化に応じて定期的な見直しと再構成が投資をするうえで重要になってきます。
ポートフォリオと分散投資は密接に関連していますが、概念としては異なります。ポートフォリオは投資対象資産の全体的な構成と配分を示す設計図であり、分散投資はリスクを抑えるための具体的な実践手法です。
具体的には、不動産・株式・債券・現金といった異なる資産クラスへ資金を分配したり、複数地域に分散して投資したりすれば、特定の資産が値下がりした場合でも損失を限定できる仕組みが構築されます。不動産においても同様で、複数の物件への投資や金融商品との組み合わせによって、空室や自然災害などのリスク分散が可能になります。さらに、「時間の分散」として購入タイミングを複数に分ける投資スタイルも有効です。言い換えれば、資産・地域・時間を分散させる戦略を描くプロセス自体が、ポートフォリオ設計そのものと言えます。
不動産投資をポートフォリオに取り入れれば、株式や債券では得にくいメリットを享受できます。定期的な収益や資産保全、レバレッジの活用など、不動産独自の利点が存在します。
最大の特徴は、物件の賃貸によって得られる安定的な家賃収入です。金融商品が値動きに左右されやすい中で、毎月得られる収入はキャッシュフローの安定につながります。低金利時代において、利回りの高い資産として家賃収入は重要な収益源となるのです。ただし、空室や修繕費などの不確実性にも備える必要があるため、運用コストを見込んだ計画的な資金管理が求められます。
不動産はインフレ時にも価値が維持されやすい実物資産です。物価の上昇に伴い、家賃も上昇する可能性があるため、実質的な収益と資産価値の両方を保ちやすい特性があります。将来の不確実性に備えたいサラリーマン層や少額資金の投資家にとって、インフレ耐性のある資産を持つことは投資において重要です。
不動産投資では、金融機関の融資を活用することで、自己資金が少なくても規模の大きな投資が可能になります。さらに、クラウドファンディング型不動産投資を通じて、数万円単位の少額から始められる仕組みも登場しています。奥州市や関市、栃木市の事例では、小規模不動産の流動化を促す地域施策が進められており、初期費用を抑えながらも資産形成に参入できる道が広がっています。
参考:第15回不動産投資市場政策懇談会_資料3不動産投資市場に係る政策動向|(事務局)国土交通省
不動産投資は大きな利益は見込めないが、預金よりも高いリターンが得られる中間的な投資手法として位置づけられています。本業で安定収入があるサラリーマンが、副業として不動産投資をする際にも、リスクを過度に取らずに堅実な運用を目指せる点が評価されています。
もちろん、空室・災害・価格変動といったリスクは避けられませんが、地域や物件の分散、管理体制の強化などを通じてリスクは一定程度コントロール可能です。
ポートフォリオに占める不動産の割合は一律ではなく、目標や資産背景、年齢などに応じて柔軟に調整する必要があります。資産三分法では、不動産・現金・有価証券をそれぞれ約33%ずつ保有する考え方が基本です。
収益を重視する場合は、不動産の比率を50%まで引き上げる構成も視野に入ります。ただし、不動産に過度に偏るのは、流動性リスクや売却難への備えを弱める原因にもなり得ます。そこで、不動産50%、株式や債券などの有価証券30%、現金・預金20%といったバランス重視の配分を一例として検討してもよいかもしれません。
重要なのは、複数の資産に分散して偏りを避けること。一人ひとりの投資スタイルやライフプランに合った比率を見つけるのが、資産形成をするうえで大切です。
不動産ポートフォリオとは、複数の不動産や他資産を組み合わせて運用リスクを分散させるための投資設計を意味します。異なる投資商品は常に同じ値動きをするわけではないため、不動産に加えて株式や債券などの金融資産を組み合わせれば、市場変動による資産への影響を抑える効果が期待できます。
なかでも不動産は、地域や取得時期を分けることでリスクを分散しやすい資産です。たとえば、特定のエリアで経済的な変動があっても、他地域の物件がカバーする可能性があります。自然災害や需要の変化といった地域特有のリスクを抑えるには、立地を分散させた運用が効果的です。また、一度にまとめて購入するのではなく、タイミングを分けて取得すれば、価格変動リスクを軽減できます。
こうした分散戦略は、長期的な視点と判断力をもつ投資家にとって、不動産の魅力をより高める要素になります。さらに、余裕資金がある場合は他の資産と組み合わせることで、不動産の安定性と成長性のバランスが取れたポートフォリオを構築できます。
ポートフォリオを設計する第一歩は、目指す資産運用のゴールと受け入れ可能なリスクの範囲を明確にすることです。老後資金の形成や家賃収入による安定的なキャッシュフローの確保など、目的が異なれば資産構成も変わります。
また、どの程度の価格変動や損失を許容できるかを把握すれば、適切な投資戦略を選択しやすくなります。不動産投資はインフレ耐性や相続対策の面でも有効な手段とされますが、運用期間については投資スタイルにより異なります。たとえば、たとえば、短期での売却益を狙うケースと、20年以上の長期保有によって安定収入を目指すケースとでは、求められるリスク管理や資金計画がまったく異なります。こうした違いを理解したうえで、自身の状況に合った運用方針を明確にしておくと良いかもしれません。
そのため、目標とリスク許容度を軸に、保有期間や物件種別を含めた最適なポートフォリオ構成を検討するのをおすすめします。
次のステップは、各資産クラスへの投資比率を決定するプロセスです。具体的には、不動産・株式・債券・現金などへ、どの程度の割合で資金を分配するかを決めます。資産ごとの値動きは必ずしも連動しないため、組み合わせることで全体としてのリスクを抑える効果があります。
不動産の場合も、地域や用途の分散によって一極集中のリスクを軽減できます。さらに、購入時期を分ける「時間の分散」や、不動産投資ローンの適切な活用も資金計画における重要な視点となります。
資産配分の方針に従って、投資する物件や商品を具体的に選定します。不動産であれば、マンション・アパート・戸建て・不動産特定共同事業(不特事業)を通じた空き家再生など、さまざまな選択肢があります。
利回りだけで判断せず、立地・周辺需要・将来性などを加味した精査が必要です。長期的に安定した収益が見込める、空室リスクの低い物件を選ぶ視点が重要になります。
また、不動産は短期的な価格変動に一喜一憂するのではなく、長期での保有と運用を前提に設計することが基本です。価格の上下に惑わされず、継続的な需要が見込める地域やターゲット層を選ぶことで、安定したポートフォリオ運用につながります。とくに初心者の場合は、即時の利益を追うよりも、時間をかけて堅実に資産形成を進める意識を大切にしてください。
不動産投資においてリスク分散をするのは、安定した資産運用を実現するための基本戦略のひとつです。ポートフォリオとは、こうした分散投資の考え方をもとに、異なる資産や物件の組み合わせを設計することを指します。
特に、限られた資金で投資をする会社員や、戸建てといった特定の不動産に投資する個人投資家にとっては、地域や物件タイプにリスクが偏らないよう配慮した計画が求められます。資産の種類や投資タイミング、立地などを多様化すれば、市場の急変や個別物件のトラブルによる損失を軽減できます。ここでは、リスク分散の具体的な実践方法について解説します。
異なる物件タイプを組み合わせることにより、賃貸需要の変動による影響を抑える効果が期待できます。戸建て賃貸、マンションの一室、一棟アパートなどをバランスよく組み合わせれば、市場環境の変化による偏りを最小限に抑える構成が可能となります。
特に戸建て中心の投資家であれば、同種物件への依存を避けるために、居住用・商業用・不動産特定共同事業(不特事業)などを組み合わせる工夫が必要です。不特事業では、空き家を再生してコワーキングスペースなどに活用する取り組みも進んでおり、地域課題の解決と投資機会の創出を両立できる手段として注目されています。
さらに、少額投資が可能な仕組みも整備されているため、初期資金が限られていても多様なポートフォリオを構築できる点も魅力です。物件選定の際には、各物件タイプの特徴やリスク・収益性を事前に把握し、適切なバランスを取った構成を意識してみてください。
築年数の異なる物件を組み合わせることも、修繕費用や収益性の観点からリスクを抑える効果的な手段です。築古物件は購入価格が抑えられる反面、設備更新や修繕が頻発するリスクがあり、築浅物件は維持費は少ないものの、投資額が高くなる傾向があります。
築年数の異なる物件をバランスよく取り入れれば、投資コストの平準化と収益性の両立が図れます。とくに築古物件を扱う際には、耐震性や省エネ性能の改善が求められるケースもあるため、国の「耐震・環境不動産形成促進事業」などの支援制度を活用するのも視野に入れるとよいかもしれません。
このような外部支援を活用しながら、築年数の異なる物件を戦略的に組み合わせれば、長期的に安定した不動産ポートフォリオの構築が可能になります。
不動産投資におけるリスク分散の基本は、投資対象地域の分散です。単一の地域に投資先が集中すると、地域の経済情勢や自然災害、人口減少などによる影響を強く受けやすくなります。
エリアを複数に分けて物件を保有すれば、地域特有のリスクを相互に緩和し合う構成が可能となり、収益の安定化にもつながります。戸建てを中心に運用する場合でも、地方都市や空き家再生対象エリアなどを含めて広範囲に検討する視点を持つことをおすすめします。
地域選定では、価格の安さだけでなく、賃貸需要や将来の人口動態、地域活性化政策などの公的データをもとに判断することが求められます。こうした情報を活用して、空室リスクの低い地域を選定するのが、長期的なポートフォリオの安定性向上に直結します。
不動産ポートフォリオは構築した時点で完成ではなく、定期的な見直しと最適化によって成果を最大化する運用体制の構築が重要です。市場環境は常に変化しており、投資家自身のライフプランや資産運用の目標も時間とともに変化するため、柔軟に対応できるポートフォリオ設計が求められます。
定期的にポートフォリオを点検すれば、目標との整合性やリスク管理の適切さをチェックでき、現状に応じた売却や新規取得の判断にもつながります。特に、個別物件の影響が大きい戸建て投資においては、物件ごとの状況や地域の変化を把握したうえでの細やかな対応が安定運用のポイントとなります。
不動産ごとの評価を定期的に実施し、戸建て市場全体の動向を把握しておくことは、効率的なポートフォリオ運用に直結します。個々の戸建てについて、現在の市場価格・賃料水準・稼働率などの基本指標を把握しておくことで、物件の収益性や資産価値の変動に即座に対応可能です。
あわせて、地域別や全国の戸建て市場全体の傾向も把握しておくのがおすすめです。国土交通省が提供している既存住宅販売量指数(毎月末発表)を確認すれば、既存戸建て住宅の流通状況や市場の活況度を定量的に捉えられます。
こうした定期的な評価と情報収集により、ポートフォリオが現在の投資環境や目標に適しているかどうかを判断するための指標が得られます。
参考:既存住宅販売量指数_令和7年1月分を公表(試験運用)~全国において、前月比5.7%上昇~|国土交通省
ポートフォリオの見直しを通じて、売却または買い増しの判断をする最適なタイミングを見極めるのが不動産投資において重要です。たとえば、物件価格が高騰している時期や修繕費の増加が見込まれる場合は、売却によってポートフォリオの質を高める選択肢が考えられます。
一方、異なるエリアや新たな物件タイプの追加によって分散効果を高めたい場合には、新規購入の検討も有効です。空き家を活用したコワーキングスペースへの転用など、不動産特定共同事業を活用する方法も広がっており、少額投資で多様な資産にアクセスできる選択肢も増えています。
売却や買い増しのタイミングの判断は、資金状況・目標・市場流動性・将来予測といった要素を総合的に勘案して下す必要があります。
不動産投資は、購入から保有、そして売却に至るまでの出口戦略を視野に入れた計画的な構成が重要です。保有期間の目標を設定し、その期間に応じて最終的にどう資産を処分・活用するかを明確に設計することをおすすめします。
長期保有を前提とした投資主体(ゼネコン・デベロッパー・保険会社・J-REITなど)に共通する戦略を参考に、個人投資家も自らの保有方針と出口計画を一致させた資産選定が求められます。
また、売却時にかかる税負担・仲介手数料などのコストも事前に把握しておけば、より精度の高い判断が可能です。加えて、環境性能や地域貢献といった要素が評価される社会的インパクト不動産への注目も高まりつつあり、将来的な売却価値の向上要因として意識すべき視点となります。
不動産ポートフォリオの運用に迷った際は、信頼できる専門家の助言を得るのが欠かせません。売買や管理の一般的な相談は不動産会社、税務処理や確定申告などは税理士、契約や法的なトラブルについては弁護士や司法書士が適任です。
特に、初めて不動産投資を行う方や、資金に限りがあるサラリーマン投資家の場合、専門的な知見を持つ第三者の視点が意思決定において大きな支えとなります。課題に応じて最適な専門家を選び、状況に即したアドバイスを受けながら、持続的かつ戦略的なポートフォリオ運用を進めていくことをおすすめします。
本記事では、不動産投資におけるポートフォリオの意義やメリット、効果的な構築方法、リスク分散の考え方、そして定期的な見直しと最適化について解説しました。不動産をポートフォリオに適切に組み込めば、インフレ対策や安定収入確保において有効です。
戸建て投資家の皆様がご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて最適なポートフォリオを構築し、市場状況やライフプランの変化に応じて柔軟に見直していくのが、長期的な成功につながります。必要に応じて専門家の意見も参考にしながら、堅実な資産形成を目指すことをおすすめします。
空家ベースは空き家を売りたい人と買いたい人を繋ぐプラットフォームです。全国の物件が対象となっているため、都市部に限らず、郊外の不動産も公開・掲載が可能です。不動産事業に興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。
さらに、不動産ポートフォリオの一部として投資用物件をお探しの方にとっても、空家ベースは有益な選択肢です。収益物件としての可能性を持つ空き家を見つけたい場合は、ぜひ空家ベースの掲載情報をご覧ください。














空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!
土地や建物の売買に慣れている売主と買主でない限り、不動産売買契約書の内容を一度で理解することは難しいです。
特に個人間で売買契約を締結する場合は不動産会社が仲介しないことから予想外のトラブルが発生することも多く、スムーズに取引を完了できないことも多いです。
また、不動産会社が契約書類を準備していたとしても記載内容を十分に理解できなかったり勘違いしてしまい、後から大きな損害を被ることも少なくありません。
このような契約のトラブルを避けるためには不動産売買契約書と重要事項説明書の内容について、重要なポイントを事前に確認しておくことが大切です。
この記事では不動産売買契約書の重要なポイントと雛形の入手方法、契約の流れや費用、税金について解説します。
これから不動産の売買を検討している人は参考にしてください。
空家ベースは不動産事業にチャレンジしたい人や、地方に空き家を買って移住したい人に日本全国の空き家を紹介するポータルサイトです。
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不動産売買契約書とは土地や建物、マンションといった不動産の売買を締結するために必要な「約束事」を明記した書類のことで、物件の所在地や契約金額、解除の条件、解約手付と引渡し期日などが条項としてまとめられています。
不動産会社が仲介する場合は不動産会社が作成し、宅地建物取引士が契約書に記名押印したうえで売主と買主に提示されます。
売主と買主は署名押印することで合意したものとみなし、それぞれの責任と負担によって引き渡しの準備を進めることになります。
このように、不動産売買契約書には取引を円滑に進めるために必要な決まり事が文書にまとめられているため、署名押印する前にしっかりと契約内容をチェックすることが必要です。
売買契約書と土地売買契約書はほとんど同じとなっており、売買契約書は建物売買も兼ねていますが土地売買契約書は土地に特化しているという点が異なります。
一般的に売買契約書であれば不動産種別を問わず重要な内容を網羅していますので、ひな形を選ぶ場合は売買契約書を選ぶのがおすすめです。
不動産会社が仲介に入ると不動産売買契約書と同タイミングで重要事項説明書が交付されますが、契約書とは別の意味を持つ書類です。
契約書は売買契約を締結したことを証明する書類であり、重要事項説明書は契約前に取引の重要事項を説明するための書類となっています。
重要事項説明書は宅地建物取引士の資格保持者でしか説明することができず、不動産売買契約書は誰でも説明が可能です。
2つの書類はこのような位置づけになっていることから、重要事項説明書に重要なポイントを記載する傾向にあります。
ただし、重要事項説明書の説明義務は「買主」に対してのみであり、売主については説明義務はありません。
なぜならこれから不動産を手放す売主は不動産の詳細を把握する必要がないからであり、署名押印のみで説明をしないケースは多いです。
一方、不動産売買契約書には売主と買主がそれぞれやるべきことが記載されていますので、必ず双方に説明することになります。
不動産売買契約書には「契約不適合責任」や「滅失・損傷」など、聞きなれない単語が乱立しています。
そのため不動産売買に慣れていない売主と買主は内容を全て把握することができないケースも多く、分からないまま署名押印してしまうこともあります。
不動産会社が作成する不動産売買契約書であれば不動産会社が分かりやすく説明してくれるものの、正しく理解しなければトラブルになるポイントもあります。
そこで、この記事では不動産売買契約を締結するうえで押さえておきたいポイントを紹介しますので、契約前にチェックしてください。
契約書の1ページ目左上には「売買物件の詳細」が記載されており、左下には「売買代金」が記載されています。
売買物件の詳細とは「所在」「地番」「地目」「地積」「持分」となっており、建物がある場合は「床面積」や「建物の種類・構造」「家屋番号」も追記されます。
不動産の特徴を表示していることから売主と買主は全部事項証明書と照らし合わせながらチェックする必要があり、万が一相違している場合は不動産会社に修正を依頼しなければなりません。
特に土地の面積が異なる場合は資産価値に直結しますので、注意が必要です。
これ以外にも地目が「田・畑」になっている場合は農地転用の届出もしくは許可が必要になり、費用が発生するためチェックすべきポイントです。
売買代金は買主から提示された購入申込書の内容がそのまま転記されています。
価格に齟齬がないか、しっかり確認することをおすすめします。
決済前と決済後の責任負担についても不動産売買契約書に明記されています。
契約を締結してから決済まで、売主は処分する不動産であっても大切に取り扱わなければなりません。
民法では「善管注意義務」という考え方があり、他人に譲渡することが確定していても自分の所有物であるかのように管理する必要があります。
そのため引渡し前までは売主が、引渡し後は買主が不動産を管理することになります。
一方、決済後で所有権が売主から買主に移転した場合であっても、一定期間売主の責任負担は残ります。
契約不適合責任と呼ばれるこの責任は、契約によって定められた期間内に買主が目的を達成できないような障害が発生した場合、売主が対応するという内容です。
契約不適合に該当する可能性が高いトラブルとして、次のような事例があります。
不動産売買契約書にはこうした危険負担や契約不適合責任について細かく明記されており、特に売主にとって決済後のリスクになることから正しく理解しておく必要があります。
手付金・契約解除の条件・違約金の発生条件については売主と買主どちらにも重要であることいえますので、重要なチェックポイントです。
それぞれの特徴は次の通りです。
契約締結のタイミングで買主から売主に支払われ、売買代金の一部として充当される。手付解除の期間内に買主が契約を解除したい場合は手付金を放棄し、売主が解除したい場合は手付金の倍額を支払うことで解除が成立する。
手付解除以外の条件として「天災地変により不動産が破損した場合の解除」「契約違反による解除」「買主の住宅ローンが否決になった場合の解除」「暴力団排除条例による解除」「契約不適合責任による解除」がある。
売主と買主が契約書に定められた責任を全うせず契約が不成立になった場合に支払う損害賠償金のこと。「住宅ローンの審査をうっかり忘れていた」「約束の期日までに振り込みがなかった」「売買代金を振り込みしたのに所有権が移転されなかった」といったケースが該当する。
不動産会社に仲介してもらうことなく個人間で売買する場合、契約書類を売主と買主で作成しなければなりません。
しかし専門的な知識がないまま契約書を作成すると重要な条項が抜けてしまったり法令違反になる可能性があります。
そのため宅建協会が公開している雛形を活用するのがおすすめです。
この章では雛形の入手方法と注意点について、解説します。
不動産売買契約書の雛形はいくつかあり、管轄の宅建協会によって多少の違いはありますが概ね記載事項は同じです。
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会の雛形は以下のリンクからダウンロードできますので、参考にしてください。
【参考サイト:不 動 産 売 買 契 約 書】
不動産売買契約書の雛形ですが、正しくは宅建業法37条書面と呼ばれており、宅建業者が仲介に入る際に交付することが義務付けられている書面です。
そのため厳密に言えば不動産売買契約書ではなく、「不動産売買契約書として取り扱っても問題のない書面」ということになります。
売主と買主の取り決めによっては不利になる内容が記載されている可能性があることから、雛形をそのまま活用せず末尾の特約事項に円滑な取引ができるよう追記することをおすすめします。
不動産売買契約書の雛形を活用する際に注意しておくべきポイントは、以下の通りです。
不動産の売買は車や時計といった動産物に比べて手続きは複雑になり、準備物も多いです。
そのため円滑に取引を完了するためにはあらかじめ流れを理解し、なるべく早めに準備物を用意しておく必要があります。
この章では不動産売買契約を締結するための流れと準備物について、解説します。
買主は購入したい不動産が見つかった場合、購入申込書を記載して売主に提示します。
購入申込書には買主の住所、氏名、購入したい不動産の所在地などを記載しますが、同時に契約日と購入したい価格を記載することが可能です。
たとえば3,000万円の物件に対して2,900万円と記載した場合、「2,900万円であれば購入します」という意思表示をしたことになります。
これに対して売主は承諾、否決、妥協案を提示し、買主と合意すれば売買契約に進むことになります。
売買契約を締結する日には売主と買主は認印と身分証明書を準備することになりますが、買主は追加で手付金の準備が必要です。
また、売主と買主双方が契約書の原本を保有する場合、印紙は2枚必要ですが売主が複写を保管する場合は買主のみが収入印紙1枚を準備することになるため、事前に確認しておくべきポイントといえます。
契約書の記載内容で注意すべきポイントと書類は異なります。
この章で詳しく解説しますので、参考にしてください。
売主の準備物は次の通りです。
1から4は必ず必要ですが、5から6はなくても契約締結は可能です。
7については管理会社に請求することで入手することができます。
売主は不動産を手放す側になるため細かい仕様や要件を理解する必要はありませんが、手付解除期限や融資特約期限など契約が解除になる可能性がある期日はチェックポイントです。
また決済後の契約不適合責任についても影響が大きいことから、契約不適合責任の期限も知っておくことが大切です。
買主の準備物は次の通りです。
売主と違って買主は印紙もしくは印紙代を必ず用意することになるため、注意ポイントです。
契約内容についても買主はこれから不動産を活用する側になることから、面積や越境の有無など細かくチェックすることをおすすめします。
売買契約には印紙税という税金がかかり、印紙を契約書に貼付して消印することで納税となります。
そのため事前に印紙税額をチェックしておく必要がありますが、電子契約や複写の保管など節税する方法もあります。
この章では売買契約にかかる印紙税について、解説します。
不動産売買契約書は課税文書のため印紙税が発生することになり、売買代金によって次のように変動します。
| 売買価格 | 印紙代 |
|---|---|
| 10万円を超え50万円以下 | 200円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 500円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 30,000円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 60,000円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 160,000円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 320,000円 |
| 50億円を超える | 480,000円 |
用意した印紙を契約書に貼付し、割印することで納税となります。
割印は買主のみでも問題ありませんが、売主と買主が割印するケースが多いです。
なお、印紙税は不動産売買契約書の原本のみが対象となることから、原本の複写を保管するのであれば印紙税は免除されます。
電子契約は課税文書である不動産売買契約書とは異なった書式であることから印紙税が発生せず、さらにオンラインで締結できるというメリットがあります。
ただし署名押印するためのツールがダウンロードされている必要があるなど制約も多く、さらに売主と買主のどちらかが電子契約を拒否した場合は締結できなくなってしまいます。
そのため電子契約を行う際には事前に打ち合わせし、問題ないことを確認したうえで進めなければなりません。
売買契約書の内容に沿って売主と買主は契約履行に必要な準備を進めるため、誤解を招く内容や間違いがあってはいけません。
そのため、不動産会社が売買契約書を作成した場合であっても事前に契約書案を入手し、内容を確認することをおすすめします。
この章では売買契約書の作成上の注意点を紹介します。
売買契約書で必ずチェックすべき項目は、次の通りです。
停止条件とは、ある条件を満たすことで契約書の効力が発生するという特約のことです。
たとえば「売主が住み替え先の所有権を取得できること」や「カーブミラーを希望の位置に移設できること」といった条件が停止条件として扱われます。
このようなチェックポイントについては疑問点が残らないよう、質問することも大切です。
事前に売買契約書の内容が分かっていれば必ず質問リストを作成し、署名押印前に疑問点を解消できるよう準備しておくことも重要です。
特に契約不適合責任や公租公課の日割り精算は一度の説明で理解できないことも多く、聞き流してしまうと後から大きな損害に繋がってしまうこともあります。
そのような失敗をしないためにも、気になる点を質問リストにまとめておくことがおすすめです。
売買契約が締結されると売主と買主は書類を保管することになりますが、保管方法にもコツがあります。
また、万が一のトラブルに備え相談先も調べておくことがポイントです。
売主は譲渡所得税の申告、買主は住宅ローン控除の申告で引渡しの翌年に確定申告を行います。
そのため売買契約書は押し入れの奥にしまうのではなく、すぐに取り出せる場所に保管しておくことをおすすめします。
また、火災や地震など避難を余儀なくされるケースに備え、玄関近くに保管しておくこともポイントです。
不動産関連のトラブルはまず仲介した不動産会社に相談すべきですが、対応が良くない場合は宅建協会や消費者相談センター、弁護士の無料相談などを活用する必要があります。
特に宅建協会は一般人からのトラブル相談に対しスピーディーに対応してくれることが多いので、不動産会社の対応に満足できない場合にはおすすめの相談先といえます。
不動産売買契約書に記載されている内容は非常に重要ですが難解な専門用語で記載されており、理解できないという人もいます。
そのため売買契約書は事前に入手し、疑問点を質問リストにまとめてから契約当日を迎えることがポイントです。
また売買契約が締結され円滑に引渡しを完了するためには準備しておく書類や手続きがあり、売主と買主は事前にチェックしておく必要があります。
このことからも、分からないことがあればすぐに不動産会社へ連絡し、確実に準備を進めることが大切だといえます。
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土地や建物といった不動産を投資目的や居住目的で購入する際に借入をする場合、金融機関によって抵当権が設定されることになります。
抵当権は借入したローンを滞納した際に実行されることになり、所有者は不動産の所有権を失うことになってしまうケースもあります。
そのため金融機関から融資を受けて不動産を購入するのであれば、抵当権の特徴について正しく理解しておくことが大切です。
この記事では抵当権の特徴とデメリット、リスクについて解説します。
これから住宅ローンや投資ローンを組む予定のある人は、参考にしてください。
抵当権とは金融機関が物件購入者に対して融資をする際の担保権のことで、抵当権が設定されると債権者である金融機関が抵当権者、債務者である融資を受けた人が抵当権設定者となります。
物件に設定された抵当権は抵当権設定登記によって効力を発揮することになり、一般的には所有権移転登記と同タイミングで設定されます。
債務者が借入を完済し抹消手続きをするまで抵当権は存続することになり、放置しておくと不動産売却や相続に大きな影響を与えてしまいます。
また返済を滞納してしまうと担保物の不動産を任意売却や競売にかけることで債権者は債権回収を実行することになり、その結果借金だけが残って所有権を放棄することにもなりかねません。
このことからも不動産を所有する際にはどのくらい借入するのか慎重に判断し、必ず返済できる範囲で融資を受けることがおすすめです。
金融機関は債務者から利息と元金の支払いを受けることで資金を回収することになりますが、債務者が返済不能になったり消息不明になってしまうと大きな損害を被ることになります。
そのため金融機関は債務者が購入する物件を返済困難時に差し押さえし売却できるようにする「担保」を持ち、資金回収が不可能というリスクを回避します。
こうした債権は所有権を保持している所有者であっても抵抗することはできない権利となっていることから、金融機関から融資を受けた場合は必ず抵当権が設定されると知っておく必要があります。
抵当権はこのような理由で設定されますので、ローンを利用する際には知っておくべきポイントです。
住宅を購入する際に住宅ローンを利用する人は多いですが、住宅ローンの場合は物件の資産価値だけでなく債務者となる人の属性も大きく影響します。
たとえば年収が高くて勤続年数も長く、さらに複数の資産を保有している人であれば物件の資産価値が低くても多額の融資を受けることができます。
なぜなら信頼性の高い人は返済不能となる可能性が低いといえるからであり、リスクが低い融資となるからです。
一方、融資額が低い場合でも金融機関のリスクは低くなりますが、債務者となる人の属性が良くなければ融資の審査が厳しくなり、否決となるケースも少なくありません。
このように金融機関にとって設定金額の多い抵当権はメリットもありますが、抵当権の実行によって全ての資金を回収できるわけではないため、大きなリスクでもあります。
そのため適切な設定金額で抵当権を設定できるかどうかが、住宅ローン審査を通すためのポイントといえます。
抵当権の一つに「根抵当権」がありますが、一般的な抵当権と少し特徴が異なります。
抵当権は特定の不動産に対して設定されますが根抵当権は複数の不動産に設定することができ、極度額と呼ばれる限度額までであれば何度でも借入することが可能です。
根抵当権は企業が金融機関から融資を受ける際に利用するケースが多く、融資の度に法務局へ出向いて抵当権の設定・抹消手続きを行う手間を省くことができます。
複数の不動産を所有し不動産投資を行う際には効果的な資金調達方法となりますので、一般的な抵当権と使い分けることをおすすめします。
抵当権は金融機関から融資を受けると自動的に設定されるのではなく、抵当権設定登記が必要になります。
抵当権設定登記は自分で行うこともできますが書類の漏れや記載ミスが発生しやすく、司法書士に依頼するケースがほとんどです。
そのため司法書士に依頼する流れについても押さえておく必要があります。
この章では抵当権を設定するための手順と必要書類について、解説します。
抵当権を設定するためにはまず所有権移転登記が必要となり、登録免許税がかかります。
この税金は固定資産税評価額に対して税率を掛け合わせることで計算することができ、税率は2%です。
ただし令和8年3月31日までの登記であれば土地は0.15%となります。
抵当権を設定する場合はさらに抵当権設定登記費用がかかり、税率は0.4%(一定の要件を満たす住宅の場合は0.1%)となります。
これ以外にも全部事項証明書や評価証明書の取得費用、司法書士の報酬などが発生しますので、あらかじめどのくらいの費用がかかるのか市区町村に相談しておくことが大切です。
参考:1 – ○登録免許税の計算 売買、相続などによる所有権の移転の登記
司法書士へ設定登記を依頼する場合は、まず見積の取得と必要書類を確認する必要があります。
司法書士は自分で探すことも不動産会社から紹介を受けることもできますが、不動産会社から紹介を受ける場合は紹介料が見積金額に上乗せされていることもあります。
そのため、可能であれば複数の司法書士事務所に見積を依頼することをおすすめします。
依頼する司法書士が決まれば金融機関の担当者と設定金額、不動産の決済日を伝え、必要書類を準備します。
住民票と印鑑証明書が必要書類となりますが、金融機関と司法書士のやり取りによっては印鑑証明書が2通必要になることもありますので、注意が必要です。
金融機関と司法書士への連絡を行い、必要書類の準備が終われば融資は実行され抵当権は設定されます。
抵当権が設定されたかどうかは法務局に備え付けられている全部事項証明書をチェックすることで確認できます。
金融機関が抵当権を設定する理由は債務者が返済不能になった場合のリスクに備えるためであり、抵当権が実行されると物件は差し押さえられ競売にかけられることになります。
競売はオークション形式で買主を決めることになり、最も高値を付けた落札者が所有権を得ることになります。
落札額はそのまま返済に充当されるため債務者の手に残ることはなく、さらに借金がゼロになるわけではありませんので強制退去後も支払いは続いてしまいます。
このように抵当権の実行は債務者にとって大きなマイナスになる可能性が高いといえますので、返済が難しくなる前に金融機関へ相談したり一般的な売却によって手放すことを検討することが重要です。
債務者が返済を滞納した時点で競売にかけられることはなく、いくつかステップがあります。
滞納が発覚した時点で金融機関は債務者へ催促を行い、返済が困難な状態だと分かれば返済計画の組みなおしや利息の猶予などを検討します。
このような提案は一時的な返済不能状態に対して有効であるため、滞納する前に金融機関へ相談するのもおすすめです。
ただし金融機関は総支払額を減額するわけではありませんので、いつかは返済しなければなりません。
そのため恒久的な改善が見込めなければ金融機関は債権をサービサーと呼ばれる債権回収会社に譲渡し、任意売却による不動産売却を薦められることになります。
任意売却は通常の売却とは異なり、債権回収会社が売却価格と引渡し条件を決定します。
ローンの残債よりも低い額で売却されるケースもあるため早期売却できる可能性もありますが、残った借金の返済義務は継続となるため注意が必要です。
そして任意売却を1年から1年半継続しても買い手が見つからなかった場合、裁判所の許可を得て競売にかけられることになります。
競売による資金回収額は一般の売却よりも少なく、さらに家電や家具などを自由に処分することはできません。
このように、競売は債務者の生活を大きく変えてしまう可能性があるといえます。
抵当権が設定されている不動産は売却することも相続することも可能ですが、いくつかポイントがあります。
この章ではそれぞれのポイントを紹介しますので、売却や相続の予定がある人はチェックしてください。
抵当権が設定されている不動産を売却する場合、抵当権を抹消したうえで買主に所有権を移転しなければなりません。
なぜなら抵当権が残存した状態だと新しい所有者は不動産の所有権を失う可能性があり、大きなリスクを伴う売買になってしまうからです。
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が公開している不動産売買契約書の雛形には、次の条項が記載されています。
第11条(負担の削除)
売主は、本物件の所有権移転の時期までに、抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権その他買主の完全な所有権の行使を阻害する一切の負担を削除する。
このことからも、売主が抵当権を抹消することで売買契約は成立することが分かりますが、残債によっては自己資金で返済できないことも多いです。
そこで買主から支払いを受けた売買代金を使って抵当権抹消を行い、自己資金を使わない方法が一般的となっています。
つまり、所有権移転登記と抵当権抹消登記は同時期に手続きされるケースが多いといえます。
参考:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
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売却と違って抵当権が設定されている不動産を相続する場合、債務者としての返済義務も同時に相続することになります。
居住用物件として被相続人が住宅ローンを組んでいた場合、団体信用生命保険によって残債の支払いは免除されることが多いです。
しかし相続する不動産が居住用物件でなかったりペアローンなどの利用によって残債が残ってしまった場合、残債の支払い責任を相続人が負うことになります。
このような場合は相続放棄を含めて検討する必要がありますので、抵当権が設定されている不動産を相続する可能性がある場合はなるべく早い段階で司法書士などに相談することをおすすめします。
抵当権はローンを完済することで抹消することができますが、金融機関が完済と同時に抹消してくれるわけではなく、債務者が自分で手続きをしなければなりません。
この章では抵当権を抹消する流れと必要書類を紹介します。
抵当権を抹消するためには以下の書類が必要となります。
これらの書類は金融機関から完済と同時に郵送されたり、法務局でダウンロードすることができます。
抵当権を抹消するための登録免許税は抵当権1本につき1,000円のため、土地と建物に抵当権が設定されている場合は2,000円必要です。
司法書士に依頼した場合、地域や手続きの内容によって費用は異なりますので事前に見積を取得し金額を把握しておくことがポイントですが、抵当権抹消登記は所有権移転登記よりも簡易的なため自分で行う人も多いです。
そのため、インターネットで情報収集したり法務局に相談し、自分で手続きを進められそうか確認してみるのもおすすめです。
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ローンの滞納を長期間継続してしまうと抵当権が実行され、競売によって所有権を失ってしまいます。
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このことからもローンを組む際には抵当権の特徴とデメリット、リスクについて十分理解したうえで判断することが重要だといえ、安全に返済できる資金計画を立てることが大切です。
空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!
住宅ローンや不動産投資用のローンを完済した後は、担保として設定されていた抵当権を抹消する手続きが必要です。抵当権は自動的には消えないため、所有者自身が法務局へ申請する必要があります。
本記事では、抵当権抹消登記をするべきタイミング、必要な書類、手続きの流れ、そして登録免許税などの費用について詳しく解説します。不動産を活用した事業を始めたい方や、空き家を購入して移住を検討している方など、ご自身で手続きをしたい方はぜひ参考にしてください。
空家ベースでは、全国の空き家物件を多数掲載しており、少ない資金で不動産事業を始めたい方や地方移住を検討している方を応援しています。抵当権の抹消が完了した物件から、新たな挑戦をスタートしてみませんか。
抵当権とは、万が一債務者がローンの返済を履行できなくなった場合に、金融機関が担保となっている不動産を競売にかけ、融資金の回収を図るための権利です。
抵当権の存在により、金融機関は貸し倒れリスクを抑えられるため、融資の安全性が確保されます。不動産投資をするうえでは、抵当権の仕組みと法的な意味合いを事前に理解しておくのが重要です。権利関係が明確になることで、物件取引の信頼性が高まり、金融機関との交渉や契約もスムーズに進められます。
ローンの借入時には、まず借入金額や返済条件を定めた金銭消費貸借契約が締結されます。あわせて、担保とする不動産を特定し、抵当権設定契約も結ばれます。
契約の成立後、金融機関が法務局に対して抵当権の設定登記を申請します。登記完了後は、不動産の登記簿謄本(乙区)に抵当権の内容が記載され、第三者にもその情報が開示される仕組みです。
抵当権の登記によって、金融機関は法的に強い担保権を取得できるため、より安心して融資を実行できます。ローン完済後に抵当権を抹消するには、契約や登記の流れを正しく把握しておくと、スムーズな手続きができます。
ローンを完済しても、抵当権は自動的に消えるわけではなく、法務局での抹消登記をもってはじめて法的に効力を失います。不動産登記簿上に抵当権が残っている状態では、物件の売却や新たな融資を受ける際に支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。
以下では、具体的にどのようなタイミングで抵当権抹消登記をするべきかを解説します。
所有する不動産を売却する際、ローンの残債がある場合は、売却代金でローンを完済し、同時に抵当権の抹消登記をするのが一般的です。
ローン返済が完了した時点で、金融機関は抵当権の実質的な権利を失いますが、登記簿上には依然として抵当権が記載されたままとなります。この状態では、買主にとって物件の取得に不安が残るため、売買契約においては、売主が抵当権を抹消し、登記簿が「担保権なし」の状態で引き渡すことが通常の取り扱いです。
また、抵当権の抹消登記に必要な書類には有効期限が設けられていることもあるため、一定期間が経過すると再発行の手間や費用が発生するリスクも考えられます。不動産取引を円滑に進めるため、そして将来的なトラブルを未然に防ぐためにも、ローン完済後は早期に抵当権抹消の手続きを進めるのがおすすめです。
被相続人がローンを完済していたにもかかわらず、抵当権の抹消登記をしないまま亡くなったケースでは、登記簿上に抵当権が残存した状態となります。抵当権が残存した状態で不動産を相続する際は、通常の相続登記とは別に、抵当権抹消の手続きが必要になります。
抵当権が残っている限り、相続人による不動産の売却や、新たな融資の担保としての活用が難しくなります。まずは相続登記によって不動産の所有権を相続人名義に変更し、抵当権が存在する場合は、所有者変更後に抹消登記をする必要があります。
特に注意すべき点として、抵当権設定時の債務者(被相続人)と、現在の所有者(相続人)が異なることが挙げられます。このような場合、金融機関によっては、相続関係を証明する戸籍謄本などの追加書類が必要となるケースがあります。
手続きを円滑に進めるためにも、被相続人がローンを完済していると確認できた段階で、相続登記とあわせて抵当権の抹消登記を検討するのが望ましい対応です。
既に抵当権が設定されている不動産を担保として、新たな融資を受ける場合には、原則として先に既存の抵当権を抹消する必要があります。
不動産には複数の抵当権を設定することが可能ですが、後順位の抵当権は先順位の抵当権に劣後するため、担保価値が大きく下がるという問題があります。そのため、新たに融資をする金融機関は、原則として他の抵当権が設定されていない状態での担保提供を求めるケースがほとんどです。
仮に既存の抵当権が残存している状態でも融資を受けられる場合はありますが、融資条件が不利になる可能性が高く、審査においても制約が多くなる傾向があります。
したがって、新たな融資を検討する際には、既存のローンなどを完済し、抵当権を速やかに抹消することで、当該不動産を「担保権なし」の状態に整えておくことが望ましいといえます。このように抵当権が抹消された不動産であれば、金融機関も担保価値を正当に評価しやすくなり、より有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。
事業拡大や資産運用の一環として不動産を活用する場合は、抵当権の抹消と担保設定のタイミングを適切に管理することが、資金調達の効率化にも直結します。
抵当権が残存している状態を放置すると、将来的にさまざまな不利益が生じる可能性があります。たとえば、不動産の売却が円滑に進まなくなる、新たな融資を受けにくくなる、必要書類の紛失によって手続きが煩雑化するなど、不動産投資全体の計画に悪影響を及ぼす恐れがあります。
ローンの返済が完了した段階で、速やかに抹消登記をするのが、将来的なリスク回避につながります。以下では、抵当権抹消登記を怠った場合に想定される具体的なリスクについて解説します。
登記記録に抵当権の記載がある状態では、ローンが完済されていることが第三者に確認できず、購入を躊躇される可能性が高くなります。
たとえ売主が「完済済み」である旨を説明しても、登記簿で裏付けが取れなければ、抵当権が実行されるリスクを買主が懸念するのは自然な流れです。その結果、購入の見送りや、売却価格の大幅な値下げ交渉を受けるケースも想定されます。
不動産取引における一般的な慣行では、抵当権が抹消された状態で物件を引き渡すことが基本とされています。売却活動の開始時点でローンが完済済みであっても、抹消登記をしていない場合、買主が見つかっても手続きに時間を要し、売買契約の締結が遅れる可能性があります。タイミングを逸して商談が流れることもあるため、売却を検討する際には早期の抹消対応が求められます。
融資審査では、不動産の担保価値や既存の権利関係が厳密に調査されます。登記簿に記載されている抵当権の金額や設定時期、返済状況などを確認する過程で、既存ローンの返済能力に対して懸念を持たれる場合があります。
未抹消の抵当権が多額で残っていると判断されれば、新たな融資が承認されにくくなったり、金利条件などが不利に設定されたりすることが考えられます。不動産投資を継続的に展開していくためには、必要のない抵当権は早めに抹消し、登記簿の状態を整えておくことが、信用力維持の観点からもおすすめです。
ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類一式が交付されます。主な書類には、登記原因証明情報、金融機関の代表者事項証明書、登記識別情報通知(または登記済証)などが含まれます。
特に登記識別情報通知は、原則として再発行ができない書類であり、紛失した場合は「事前通知制度」を利用する必要があります。この制度では、法務局が金融機関に登記申請の通知をして、意思確認の回答を経てから手続きを進める流れとなるため、通常よりも時間と労力がかかるのが一般的です。
また、代表者事項証明書などには有効期限が設けられているケースも多く、期限切れとなれば再取得の手続きが必要になります。さらに、金融機関が合併や統合などにより組織変更をしている場合、抹消登記のための権利関係の確認に予想以上の時間を要する可能性もあります。
リスクを回避するためには、ローン完済後すぐに抹消登記をして、必要書類は適切に保管するのが重要です。手続きを後回しにすることで発生する余計な手間とコストは、避けられる問題であるため、早めの対応が最善の策となります。
抵当権抹消に必要な書類には、ローン完済を証明するものや、手続きの委任に関する書類などが含まれます。スムーズに抵当権抹消の手続きを進めるためには、必要な書類の種類や入手方法を事前に把握しておくと良いです。
ここでは、抵当権抹消登記に必要な主要書類とその詳細について解説します。
登記原因証明情報は、ローン完済により抵当権が消滅したことを証明するための書類です。通常は、融資を受けた金融機関から「抵当権解除証書」「弁済証書」「解約証書」などの名称で発行されます。金融機関によっては、「解除」の文言と押印がある契約書を登記原因証明情報として扱う場合もあります。
書類には、抵当権設定時の契約内容や完済日・解除日などが記載されており、法務局への申請時に提出する必要があります。紛失した場合は、再発行を金融機関に依頼することが可能ですが、手続きや必要書類は金融機関ごとに異なるため、早めの対応が望ましいです。
また、金融機関の名称や所在地が当時と異なる場合には、変更の経緯を示すために、商業登記簿謄本などの補足書類が必要となるケースがあります。
抹消登記の申請に必要な書類は、法務局の窓口またはホームページから入手可能です。
申請書には、登記目的、不動産の表示、権利者(不動産所有者)、義務者(金融機関)、添付情報、申請日、提出先法務局、登録免許税などを正確に記載する必要があります。不動産の表示は、登記事項証明書に記載された内容と一字一句一致させる必要があります。
登録免許税は、不動産1個につき1,000円で、申請書に収入印紙を貼付して納付します。マンションなど土地と建物が分かれている場合は、それぞれに対して課税されます。申請書が複数ページにわたる場合は、申請人または代理人による契印が必要です。
抵当権抹消登記は、権利者(所有者)と義務者(金融機関)が共同で行うのが原則ですが、実務上は金融機関が手続きをすることは少なく、金融機関が所有者に手続きの委任状を発行します。
委任状には、抹消登記申請に関する委任内容、委任日、金融機関の名称・所在地・代表者名・押印などが記載されており、通常は他の書類とともに郵送で送付されます。委任状の代理人欄が空欄の場合は、所有者が自らの氏名を記入します。
また、登記識別情報の取り扱いについての委任が明記されているかを確認する必要があるほか、金融機関の代表者が変更されていても、一定の条件下で既存の委任状を使用できる場合があります。記載内容に不備がある場合は、速やかに訂正または再発行を依頼してください。
基本的な抹消登記手続きでは、所有者の印鑑証明書や実印は不要であり、認印で対応可能です。また、住民票も、登記簿上の所有者情報に変更がなければ不要です。
ただし、所有者の氏名または住所に変更があった場合は、「登記名義人住所・氏名変更登記」を先に行う必要があり、この際には住民票、戸籍附票、戸籍謄本などの書類を添付します。特に転居が複数回ある場合は、戸籍附票で住所の履歴を証明する必要があります。
さらに、登記識別情報を紛失し、事前通知制度を利用して申請する場合は、金融機関の印鑑証明書が必要になることがあります。司法書士に手続きを依頼する場合には、所有者の印鑑証明書と実印の押印が求められるケースもあります。
融資により設定された抵当権は、ローンを完済しても自動的に抹消されるわけではなく、登記簿上から権利を消除するためには法務局への登記申請が必要です。
抵当権が残存したままだと、物件の売却や新たな融資の際に支障が生じる恐れがあります。抹消手続きを怠った場合、将来的に余計な手間や費用が発生するリスクもあるため、ローン完済後は速やかに登記の手続きを進めるのがおすすめです。
以下では、本人が抵当権抹消登記をする際の一連の流れを、4つのステップに分けて解説します。
はじめに、抹消登記に必要な書類をすべて揃えます。ローン完済後、通常は融資元の金融機関から以下の書類が送付されます。
上記の書類はいずれも、抵当権が消滅した事実や登記手続きをする権限を証明する重要な資料であり、紛失しないように保管してください。
加えて、正確な物件情報を確認するために、最新の登記事項証明書を法務局で取得します。登記申請書へはこの証明書に記載された地番・家屋番号・所有者情報等を一字一句正確に転記する必要があります。
また、登記簿上の氏名や住所が現在と異なる場合は、事前に「登記名義人住所・氏名変更登記」をする必要があります。住所変更には住民票または戸籍附票、氏名変更には戸籍謄本などの書類が求められます。
なお、金融機関から送付される委任状には、「登記識別情報の暗号化・復号化に関する一切の件を委任します」という文言の有無を確認しておくことも重要です。文言が不足している場合は、再発行の手続きをしてください。
必要書類の準備が整ったら、抵当権抹消登記申請書を作成します。様式は法務局窓口またはホームページから取得可能です。
申請書には、以下の項目を正確に記載します。
土地と建物の双方に抵当権が設定されている場合は、それぞれに登録免許税が課税されるため、合計2,000円となります。納付方法は、申請書に収入印紙を貼付するのが一般的です。
作成時には、法務局の記入例を参照しながら丁寧に記載し、誤記や漏れがないよう注意を払ってください。申請書に不備があると、手続きが遅延する場合があります。
オンラインでの提出には「登記・供託オンライン申請システム」を利用し、「申請用総合ソフト」にて申請情報を作成します。
登記申請書の作成が完了したら、不動産所在地を管轄する法務局へ申請をします。提出方法は、以下の3通りから選択可能です。
オンライン申請をする際は、電子証明書による署名をして、必要情報を送信します。その後、登記原因証明情報や委任状などの一部添付書類は、オンラインでは送信できないため、申請受付日から2日以内(土日祝除く)に法務局へ郵送または持参する必要があります。
登録免許税の納付方法は、電子納付、現金納付、または収入印紙の郵送から選択可能です。
なお、提出内容に不備がある場合は、法務局から補正の連絡が入ることがあるため、速やかに対応できるよう準備するのがおすすめです。
登記申請後、通常1週間~2週間程度で抹消登記が完了します。完了予定日は申請時に法務局で確認が可能です。オンライン申請の場合は、申請用総合ソフト上でも手続きの進捗確認ができます。
登記完了後は、「登記完了証」が交付されます。受け取り方法は以下の通りです。
あわせて、金融機関から預かっていた登記識別情報通知や抵当権解除証書、委任状なども返却されます。書類は、将来的な売却・相続などで必要になる場合があるため、無くさないように保管しておきます。
最後に、念のため法務局で登記事項証明書を再度取得し、抵当権の抹消が正しく反映されているか確認することをおすすめします。登記情報提供サービスを利用してオンラインで確認することも可能です。
不動産投資をするにあたり、特に中古物件や空き家を活用する場合には、過去に設定された抵当権を抹消する必要が生じることがあります。抹消手続きには一定の費用が発生するため、事前に概算を把握しておくと投資計画の精度が上がります。
抵当権が残存している状態では、物件の売却や新たな融資の実行が難しくなるため、早期の抹消が推奨されます。費用の内訳には、登録免許税、登記事項証明書の取得費用、郵送料、そして司法書士に手続きを依頼する場合の報酬などが含まれます。
以下では、主な費用項目とその目安について解説します。
抵当権抹消登記をする際には、国に対して登録免許税の納付が義務付けられています。税額は不動産1物件につき1,000円と定められており、たとえば土地と建物の双方に抵当権が設定されている場合は、合計2,000円の納付が必要です。
登録免許税の納付は、収入印紙を登記申請書に貼付する方法で行います。
抹消手続きに先立っては、不動産の権利関係を確認するために登記事項証明書の取得が必要です。さらに、登記完了後に正しく抹消されたかどうかを確認するためにも、再度の取得が推奨されます。
証明書の取得方法は以下の通りです。
また、証明力はないものの、登記情報提供サービスを利用した閲覧(1件あたり331円)も可能です。
書類を郵送で提出する場合は、往復の郵送料や返信用封筒の切手代、書留料金などの実費が発生します。窓口提出をする場合には、交通費も念頭に置く必要があります。
抵当権抹消登記は、所有者本人が手続きをすることも可能ですが、書類の不備や手続きの煩雑さを避けるために、司法書士へ依頼するケースも多く見られます。
司法書士報酬の目安は、1件あたり15,000円〜20,000円程度です。金額は事務所の所在地や不動産の状況、依頼内容の複雑さによって変動します。
司法書士に依頼するメリットは、以下の通りです。
複数の司法書士事務所から見積もりを取得し、費用や対応内容を比較検討することが安心・納得につながります。
抵当権抹消登記は、ローン完済後や不動産の売却時に必要となる重要な手続きです。特に空き家の取得や低資金での不動産投資を検討する方にとって、適切な知識と事前準備が求められます。
ここでは、実際によく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
ローン完済後、できるだけ早めに手続きをするのがベターです。
抵当権は完済しても自動的には消えず、法務局での申請が必要です。放置すると、金融機関から送られてくる書類の有効期限切れ、住所・氏名・代表者の変更による手続きの煩雑化など、余計なトラブルを招く可能性があります。
将来的に物件を売却したり、新たな融資を受けたりする際にも影響が出るため、完済後は速やかに登記申請をするのをおすすめします。
まずは書類の発行元に相談し、再発行の可否を確認します。
金融機関が発行した書類を紛失した場合は、その金融機関に連絡を。再発行可能な場合もありますが、手数料が発生したり、再発行ができない書類もあります。
また、住所変更登記のための住民票や戸籍附票などを紛失した場合も、発行元である自治体や法務局に相談してください。登記済証や登記識別情報を紛失した場合は、法務局にて別の書類(上申書、不在住証明など)で代替できるケースもあります。
いずれにしても、早めの対応と法務局への確認がスムーズな解決につながります。
メリットは多いですが、事前準備が必要なため「誰でも簡単」とは言えません。
オンライン申請は、移動時間や待ち時間を削減できる便利な方法です。ただし、申請用ソフトのインストールや電子証明書の取得、書類の一部郵送、登録免許税の納付など、複数のステップをこなす必要があります。
操作や手続きに不安がある場合は、法務局窓口での申請や司法書士への依頼も検討するのをおすすめします。
抵当権抹消登記に期限はありませんが、放置すればするほど、手続きは面倒になります。
抵当権が残っていると、売却や融資の際に不利になるだけでなく、手続き自体も複雑化します。代表者の変更、住所変更、相続などが絡むと、必要書類が増えたり、追加登記が必要になったりします。
抵当権抹消を放置しても問題ありませんが、早期対応が手間と費用の節約につながります。
通常はご自身で行うよりも早く、確実に完了します。
司法書士に依頼すれば、書類準備から法務局とのやり取りまで任せられるため、スムーズに手続きが進みます。ただし、申請時期や法務局の混雑状況によって所要日数は異なります。繁忙期(3月や年末年始など)は、やや時間がかかるケースもあります。
目安期間は、事前に依頼先の司法書士事務所に確認するのをおすすめします。
ローンの完済はゴールではなく、抵当権を抹消して初めて不動産が完全に自由な状態になります。抵当権が残っていると、売却や新たな融資に支障をきたすおそれがあるため、完済後は速やかに抹消登記をするのが重要です。
本記事では、抹消登記の流れや必要書類、費用、よくある疑問まで幅広く解説しました。スムーズな不動産取引や投資のためには、こうした基礎知識の理解が欠かせません。
空家ベースでは、全国の空き家物件を多数掲載しており、少ない資金で不動産事業を始めたい方や地方移住を検討している方を応援しています。抵当権の抹消が完了した物件から、新たな挑戦をスタートしてみませんか。
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空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!
不動産売買や賃貸を検討する際、仲介手数料の負担をなくしたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。インターネットの普及により物件情報へのアクセスが容易になったことも、仲介業者の必要性について疑問を抱かせる背景の一つです。
確かに、個人間取引であれば仲介手数料を節約できるというメリットはあります。しかし、不動産取引には専門的な知識が必要であり、契約書作成や物件調査、トラブル回避といった重要な役割を仲介業者が担っています。リスクを理解した上で、不動産仲介を上手に活用し、安全かつ円滑な取引を実現するのが重要です。
本記事では、不動産仲介がいらないと言われる背景から、仲介業者の役割、仲介業者なしで取引を行うメリット・デメリット、そして仲介を上手に活用するポイントまで徹底解説します。
空家ベースは、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。
戸建て投資で収益物件の売却を考えている方や、新しい物件を探したい方はぜひお問い合わせください。
不動産仲介はいらないといわれる背景ですが、不動産取引にかかる仲介手数料が高額になる場合やインターネットの普及により、物件情報へのアクセスが容易になったためです。不動産テック企業の登場も、従来の仲介業者の役割を見直すきっかけとなっています。
特に費用を抑えたい戸建て投資家にとって、仲介手数料は大きな負担と感じられる場合があります。さまざまな要因から不動産仲介業者を介さずに取引をしたいと考える人が増えているのが現状です。
インターネットの普及により、以前は不動産仲介業者だけが持っていた物件情報が、一般の人でも簡単に入手できるようになりました。特定の仲介業者を介さなくても物件を見つけられる機会が増えています。
大手管理会社やUR賃貸住宅の公式サイトでは、仲介手数料なしで物件を探したり、直接契約を進めたりするのも可能です。また、国土交通省のウェブサイトなどで取引事例や相場価格を調べれば、ある程度の適正価格を自分で判断するための情報を得られます。
情報収集という点においては仲介業者の必要性を感じない人が増えている背景があります。かつての情報格差が埋まりつつあるので「物件情報さえあれば仲介業者は不要だ」と考える人も出てきています。
不動産取引において、仲介業者に支払う仲介手数料が高額になるのが、業者を介さずに取引をしたいと考える理由の一つです。仲介手数料は法律で上限額が定められていますが、たとえば売買の場合、物件価格が400万円を超える部分には3%などが適用され、3,000万円の物件で100万円を超える場合もあります。
大きな費用を抑えたいという思いから、仲介業者なしの個人間取引を検討する人が少なくありません。また、不動産仲介業者の中には、自社の利益を優先して顧客にとって不利益な取引を勧めたり、物件紹介以外の重要な役割を十分に果たさなかったりするケースも存在します。
信頼できる業者かどうかを見極める重要性も指摘されています。仲介手数料というコストを、サービス内容や信頼性と比較検討する視点を持つのが大切です。
仲介手数料は大きな費用の一つですが「仲介業者を通さずに取引できたらコストを削減できるのでは?」とお考えになる場合もあるかもしれません。確かに、個人間での不動産売買は法的には可能であり、その場合は仲介手数料が発生しません。しかし、多くの不動産取引で仲介業者が利用されるのには理由があります。
仲介業者は単に物件情報を紹介するだけでなく、売主と買主、あるいは貸主と借主の間に立ち、取引を円滑かつ安全に進めるための多様な役割を担っているのです。不動産取引は専門知識が求められる複雑なプロセスであり、仲介業者のサポートは、時間や手間を省き、不測のトラブルを回避するために欠かせない存在と言えます。
不動産仲介業者は、不動産取引は専門知識が必要で、一般の方には時間と手間がかかります。仲介業者は、媒介契約から物件引き渡しまで、問い合わせや内覧対応を代行し、手間を省きます。また、適正価格の判断や価格交渉もします。
重要事項説明書や契約書作成・説明など、専門知識が必要な書類手続きもサポートし、取引の安全性を高めます。住宅ローンのあっせんや審査サポートも行い、資金調達面でも取引完了を導きます。仲介業者のサポートは、取引経験が少ない投資家にとって安心材料となります。
不動産取引では、専門知識不足や手続き不備からトラブルリスクが潜んでいます。仲介業者は、プロとして法的な問題や瑕疵、浸水履歴といった重要な情報を適切に伝えます。重要な情報提供は、取引後の不測の不利益を防ぐうえで重要です。
契約書条項不備や解釈相違は紛争発展の可能性があるため、仲介業者は専門知識で正確な書類を作成し、責任の所在を明確にします。契約不適合責任や原状回復義務など、トラブルになりやすい項目について適切な説明と条件設定をサポートします。
個人間取引ではリスクに自力対処が必要で高額賠償金発生の可能性もあるため、仲介業者の介在は将来的なトラブルを防ぎ、安全な取引完了に欠かせません。
不動産取引において、仲介業者へ支払う仲介手数料は費用負担の一つです。特に不動産投資の初期段階では、コストを極力抑えたいとお考えになるのは自然です。
また「仲介業者を通さずに取引すれば、仲介手数料を節約できるのでは?」と考えることもあるかもしれません。実際、自己所有の不動産を特定の相手と直接売買する「個人間売買」は法的に可能であり、宅地建物取引業法の規制対象外となるケースがあります。
すべての不動産取引で仲介業者が必須なわけではありません。仲介業者を介さない取引には、主にコスト面と取引への関与の面でメリットがあります。適切な知識を持って臨めば、仲介手数料という大きな費用を削減しながら、ご自身のペースで取引を進められます。
仲介業者を利用せずに不動産取引を行う最大のメリットは、仲介手数料が発生しない点です。不動産の仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められており、物件の売買価格に応じて計算されますが、その額は取引価格が高くなるにつれて大きくなります。
たとえば、3,000万円の物件であれば、仲介手数料は100万円を超えるのも珍しくありません。個人間で直接取引を行う場合、仲介業務自体が発生しないため、この高額な手数料を支払う必要がなくなります。よって、取引にかかる総費用を大幅に削減できます。
また、不動産会社が直接所有する物件を販売する「売主物件」を購入する場合も、原則として仲介手数料はかかりません。コスト効率を重視する不動産投資家にとって、仲介手数料の削減は大きな魅力であり、その分の資金を物件のリフォーム費用や次の投資に資金を回せます。
仲介業者を介さない個人間取引を選択する場合、不動産売買における一連のプロセスすべてを自分自身でします。これには、物件の相場価格や周辺環境の調査、インターネットやその他の手段を用いた買主または売主の探索、価格や引き渡し条件などの交渉、さらには売買契約書をはじめとする各種書類の作成や内容確認などが含まれます。
さまざまな手続きは専門知識が必要であり、時間と労力がかかりますが、不動産取引の具体的な流れや専門的な内容について深く学ぶ貴重な機会となります。特に、これから不動産投資家として経験を積んでいきたい方にとって、自分で取引プロセス全体を管理し、主体的に進める経験は、将来的な事業の発展に欠かせない知識やスキルを身につけることにつながります。
近年は個人間売買を支援するオンラインサービスなども登場しており、以前に比べて自分で取引を進めやすくなっています。手数料削減に加え、取引全体を把握し、自らの手で成功させる経験を積めるのも、仲介業者なしで取引を行うメリットと言えます。
不動産取引で仲介業者を使わない場合、仲介手数料を節約できるという明確な利点があります。とくに初期費用を抑えたい投資家にとっては魅力的です。
ただし、法律や契約の知識がないまま取引を進めると、さまざまなトラブルが発生するおそれがあります。コストだけで判断せず、リスクも十分に理解しておく必要があります。
仲介業者を介さずに不動産取引を行う場合、売買契約書の作成をはじめとする各種書類の準備や確認をすべてご自身でする必要があります。不動産取引の契約書は専門的かつ複雑で、売買物件の内容をはじめ、代金の支払い条件、所有権移転や引き渡しの条件、各種費用の負担、欠陥(契約不適合)に関するルール、抵当権の抹消など、他にも取り決めるべき項目は多いです。
書類作成や内容確認には専門的な法律知識が欠かせませんが、知識がない状態で不備のある契約書を作成してしまうと、後々トラブルが発生するリスクが高まります。
仲介業者は専門的な調査を行い、契約書や重要事項説明書に正確に反映させることで、トラブルを未然に防ぐ重要な役割を担っています。ご自身で手続きを進める場合は、リスクを十分に理解し、必要に応じて専門家(弁護士、司法書士など)のサポートを検討するのが賢明です。
買主が住宅ローンを利用して物件を購入するのは一般的ですが、仲介業者を介さない個人間での取引の場合、金融機関の住宅ローン審査が通りにくくなる可能性が高まります。
金融機関は、融資の対象となる不動産や取引の安全性について厳格な審査を行います。個人間取引では、取引価格の適正性が不明瞭であったり、契約内容に不備があったりするリスクを懸念するため、融資に対して消極的になる傾向があります。
特に、宅地建物取引業法で定められている重要事項説明書は、金融機関が物件を担保として承認する上で重要な書類となります。重要事項説明は、国家資格を持つ宅地建物取引士が買主に対して行うのが法令で義務付けられています。
仲介業者が間に入り、宅地建物取引士が正確な重要事項説明書を作成・説明すれば、金融機関は物件の状況や取引条件を適切に把握し、安心して融資を実行できるようになります。
買主が住宅ローンの利用を希望する場合、仲介業者を介さない個人間取引では買主が融資を受けられず、結果として売買契約が成立しないという状況に陥る可能性が高いです。また、売主側にとっても、買い手が限定されるという点で大きなデメリットとなります。
不動産を売却する場合、買主を見つけるための販売活動は重要です。仲介業者に売却を依頼すると、不動産ポータルサイトへの掲載、チラシ作成、既存顧客への紹介、レインズ(不動産業者間の情報ネットワーク)への登録など、多角的な広告宣伝活動や販売促進活動をしてくれます。
個人の伝手や限定的な広告手段では、買主を見つけるのに時間がかかる、あるいは全く見つからないという事態も想定されます。不動産取引に関する知識や経験が少ない場合、書類の準備や作成に時間がかかり、取引プロセス全体が長引く可能性もあります。
特に現金化を急ぎたい場合や、次の投資物件の購入資金に充てたい場合など、売却に時間をかけられない状況では、買主がなかなか見つからないのは大きなデメリットとなります。
仲介業者を利用しない場合は、ご自身で効果的な買主探索手段を講じる必要がありますが、労力や時間、そして売却機会を逃すリスクを十分に考慮する必要があります。
不動産仲介業者に支払う仲介手数料はコスト負担となりますが、金額は単に物件紹介の対価ではありません。仲介業者は、安全で円滑な取引を実現するために、契約手続きや法的確認など、幅広い専門的サポートをしています。
不動産取引に不慣れな方や、トラブルを避けたい方にとっては、専門知識を持つ仲介業者の存在が安心につながります。契約リスクの回避、適正価格の判断、物件探しにかかる時間や労力の削減など、幅広いメリットが得られます。
売主や買主との条件交渉も、第三者として対応すれば、やり取りを円滑に進める役割を担います。不動産投資に取り組む方にとっても、信頼できる仲介業者のサポートは、事業の安定的な運営を支える重要な要素です。
仲介業者を選ぶ際には、手数料の金額だけでなく、実績や地域事情への理解度、担当者との相性といった複数の観点から判断する必要があります。コストとリスクのバランスを考慮し、自身に合った業者と取引を進めるのが不動産投資の成功への近道です。
不動産仲介を利用すると仲介手数料が発生しますが、これは安全かつ円滑な取引のためのコストであり、専門的な知識に基づいた手厚いサポートやトラブル回避、煩雑な手続きの代行など、多くのメリットがあります。
特に、不動産取引の経験が少ない方や初めての取引の場合、個人間取引は予期せぬトラブルやリスクを招く可能性が高いため、専門家である仲介業者のサポートを受けるのが賢明です。
不動産仲介が不要なケースも存在しますが、トラブル回避や責任の所在を明確にするためにも、仲介業者に依頼するメリットは大きいといえます。自身の状況や取引内容に応じて、仲介業者を活用するかどうかを判断するのが、安全な取引への近道となります。
空家ベースは空き家を買いたい人専用のポータルサイトとなっており、有効活用しにくい不動産を所有している人に向いています。全国を対象としていますので郊外にある不動産も物件として公開できますので、不動産事業に興味のある方は是非お問い合わせください。














空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!
不動産を購入して入居者から家賃収入を得る不動産投資において収益性は物件選択の重要なポイントですが、不動産投資がプラスで終了するためには「いくらで売却できるか」という点も重視する必要があります。
なぜなら不動産は築年数が経過するにつれて設備の劣化や耐久性が低下し、それに合わせて資産価値が減少するからです。
つまり、どこかのタイミングで資産価値と家賃のバランスが崩れることになり、利益を確保できる時期に最適な売却価格で売却する必要があるといえます。
この売却計画を出口戦略と呼び、不動産会社に収益物件を紹介してもらう際には家賃と同様に確認しておくことをおすすめします。
不動産投資の収益計画は家賃収入+売却益で立案するのが一般的であり、売却価格は購入時の費用回収や不動産投資ローンの返済に大きく影響することになります。
このことからも賃貸経営において高値売却できるかどうかは投資用物件の重要な判断材料となっており、さらに売却が難しい場合の対策についても知っておくべきといえます。
この記事では投資物件を高値で売却する重要性と方法、売れない物件を売る方法について、解説します。
これから不動産投資を検討したり既にスタートしている投資家は、参考にしてください。
空家ベースは、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。
戸建て投資で収益物件の売却を考えている方はぜひお問い合わせください。
不動産投資において売却価格をイメージしておくことは重要なポイントであり、購入価格よりも売却価格の方が高く設定できれば大きな収益を生むことができます。
特に都市部のワンルームマンションなどは数年後に人気が上昇することもあり、スピーディーかつ高値で売却できることも少なくありません。
しっかり利益を確保できる売却価格で売却できれば次の投資物件を購入する資金を用意することができ、賃貸経営を途切れることなく継続させられます。
このように売却価格は不動産投資を成功させるうえで重要視すべきポイントだといえ、正しく理解しておくことが大切です。
高値で売れることが判明していれば家賃を相場以上に高く設定する必要がなくなり、入居希望者は増えます。
そして入居希望者が多ければ空室になるリスクが下がり、賃貸経営を安定させることができます。
このことからも、不動産投資では家賃収入と同じくらい不動産売却を重視する必要があります。
家賃収入はインカムゲインと呼ばれ、家賃収入に対してローンの返済や火災保険といった毎月発生する費用を差し引いた利益のことです。
一方、売却益をキャピタルゲインと呼び、売却時にかかる諸費用や税金を差し引いた利益です。
また、不動産を売却するためには「印紙代」「仲介手数料」「登録免許税」「譲渡所得税」といった諸費用や税金がかかることになり、物件購入時にある程度売れる価格と必要経費を計算しておき、手元に残る利益をイメージしておくことが大切です。
売却時にかかる必要経費の概要は次のようになりますので、売却時期までにある程度概算をイメージしておくことをおすすめします。
売買契約書に貼付する印紙の代金で、売買代金によって変動する。
契約書の原本を保管する場合に必要となり、契約書のコピーを保管する場合は不要。
No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
不動産会社の仲介によって契約を締結する場合にかかる費用。
売買代金によって次のような計算方法によって上限額が設定される。
ただし、売買代金が800万円以下の低廉な空き家や空き地の場合は特例として30万円+消費税が上限となる。
所有権移転登記や抵当権抹消登記、建物滅失登記にかかる税金。
司法書士に登記を依頼する場合は報酬と合わせて支払うのが一般的。
不動産売却において利益が発生した際にかかる税金となっており、課税額は次の計算式で計算することができる。
課税額に税率を掛け合わせて譲渡所得税額は計算されるが、税率は所有している期間によって次のように変動する。
これ以外にも原状回復費用や破損した設備の補修費用がかかることもあります。
No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁
不動産の市場価値は周辺環境や物価の影響を受けて変化するため必ずしも一番高い時期に売却できるとは限りませんが、最適なタイミングで売却できるよう情報収集しておくことは大切です。
また賃貸経営がうまくいっていないという理由で売却を検討するケースもあり、いわゆる「損切り」をすることも投資家として判断しなければならないこともあります。
不動産売却の理由によって最適な時期は異なることもありますので、タイミングを見極めるためのポイントをあらかじめ把握しておく必要があります。
この章では不動産売却のタイミングを見極める方法について、解説します。
不動産が高値で売れるイベントが発生することがあり、駅前の再開発事業や土地区画整理事業が代表的な事例です。
都道府県が主体となって実施するこれらの事業計画は街全体の利便性が向上し人口流入を促進させることから不動産資産価値は上昇しやすくなり、高値売却することが可能になります。
駅近再開発は工事完了時期、土地区画整理事業は仮換地が完了した時期から坪単価は上昇する傾向にありますので、自治体のHPをチェックしたり担当部署に問い合わせて時期を確認しておくことをおすすめします。
一方、最寄り駅の移動や鉄道の廃線といった事業計画が施行されることもあり、この場合は資産価値が下がります。
そのためマイナスの計画が施行されると判明した時点で売却をスタートし、売り抜けすることがポイントです。
減価償却とは国税庁が定めた固定資産を一定期間経費計上できる仕組みのことで、減価償却期間中は経費を抑えられます。
しかし期間は耐用年数によってそれぞれ決まっており終了と同時に収支表が悪化してしまい、赤字になることも多いです。
減価償却の終了以外にも火災保険料の増加や空室率悪化による収入減少が原因になり、赤字になってしまうデッドラインについても注視する必要があり、デッドラインが近くなると不動産売却のタイミングといえます。
このように損失を防ぐための売却や損失が小さいタイミングで売却することも賃貸経営において重要な判断材料であるといえ、長期的に不動産投資を成功させるために押さえておくべきポイントとなります。
買い手が魅力を感じられるような物件であれば高値かつスピーディーに売却することができ、不動産投資を成功させることができます。
そのためには売主として様々な事前準備が必要となり、さらに不動産会社に査定する際のコツもあります。
この章では売却前の事前準備と不動産会社から提示される査定額と売却プランについて、詳しく解説します。
魅力的な物件にするためには買い手が好印象となるような内装にしておく必要があります。
そのため水回りや設備が正常に動作するのかをチェックしておき、清掃した状態で内覧してもらうことが重要です。
また、設備の劣化や汚れが酷い場合はリフォームすることも検討する必要があります。
ただし物件が入居中の場合は空室時よりも対策できることは限られるため、その場合は現状が分かる「告知書」を買い手に提示し、現状を示したうえで売主負担で対応する項目を説明するのがおすすめです。
このように、買い手が購入後にすぐ賃貸経営をスタートできることをアピールすることで、収益物件は売れやすくなります。
売却価格を高く設定するためには物件の査定額が高くなるよう準備する必要がありますが、不動産会社によっても査定額は異なるため注意が必要です。
たとえば居住用物件しか取り扱っていない不動産会社は収益物件の販売に不慣れなケースもあり、査定額が相場よりも低くなることもあります。
また付近の家賃相場や土地相場に詳しくない不動産会社に依頼しても正確な査定額は提示されないため、なるべく多くの不動産会社に査定を依頼することがポイントです。
不動産会社を選ぶ際には査定額だけでなく、提示される売却プランもチェックする必要があります。
集客方法や内覧時の説明は早い段階で買い手を見つけ契約締結するために必須の活動といえますので、信頼して任せられる不動産会社に出会うことが不動産売却を成功させるコツです。
収益物件は「オーナーチェンジ物件」と呼ばれることも多く、居住用物件として明確に区別された状態で販売することになります。
収益物件の買い手は投資家になるため一般的に居住用物件よりもターゲット層が狭くなり、販売戦略を間違えると長期間売却できないこともあります。
入居者がいればその間の家賃収入は確保できますが、空室状態だと利益を得られないまま放置することになり、赤字期間が長くなってしまいます。
このような状態を避けるためにも、スムーズに売り抜くための販売戦略をオーナーとして立案しておくことが大切です。
空室であれば自由に内覧できますが入居者がいると生活している空間を内覧することになり、買い手は細かい部分までチェックできないことになります。
そのため空室状態の画像や設備の一覧表をあらかじめ用意しておき、レントロールと合わせてすぐに提示できるよう不動産会社に渡しておくことをおすすめします。
また買い手が投資ローンを利用する場合は承認を得やすい売却価格にする必要があり、価格調整に応じられるようあらかじめ希望価格よりも高く設定しておくこともポイントです。
このような工夫をすることで希望価格で売却することができ、買い手も安心して購入することができます。
オーナーチェンジ物件はあくまでも家賃収入を得る目的とした不動産として売却することになりますが、買い手から物件を解体して更地にすることを要望されることもあります。
居住目的として購入したり新しく家屋やマンションを建築して収益物件化するといった理由でこのような要求を受けることもありますが、もしオーナーとして要望に応える場合、賃借人に退去してもらわなければなりません。
賃借人は賃貸借契約によって居住する権利を得ているため、オーナー都合で退去させるには退去費用などの補償をするのが一般的です。
中には退去に応じないケースもありますので、交渉期間を長く設定し不動産会社を交えて根気よく交渉する必要があります。
希望価格で販売してすぐに買い手が見つかれば問題ありませんが、競合物件の数や不動産市場の影響を受けることで長期間販売を継続しなければならないこともあります。
このような状況を打開するための対策を紹介しますので、これから収益物件を売却する予定のある人は参考にしてください。
不動産の売却価格は物件の状況と市場を踏まえて設定することになりますが、相場から大きく逸脱していなければ販売期間が長期間になることは少ないです。
そのため買い手からの反響が少ない場合は価格が相場から乖離している可能性があるといえ、価格調整をするのがポイントです。
特に販売開始直後の3ヶ月は新着物件として投資家から注目を浴びやすく、買い手も見つかる可能性が高いことから販売直後の反響数は注視すべきといえます。
また、物件をどのように宣伝するのかも売り抜けを成功させるためのカギといえ、売主として不動産会社が公開している物件情報を細かくチェックする必要があります。
物件画像やアピールポイント、各部屋の説明コメントなどを工夫することで買い手が興味を持ちやすくなり、結果的に早期売却に繋がります。
不動産会社に任せっぱなしになるのではなく、買い手目線で売却価格や物件情報をチェックすることが大切です。
どのような投資も損失が発生するリスクを抱えており、不動産投資も例外ではありません。
不動産投資の場合は初期投資が多くプラスに転じるためには数年の月日を要することから、キャッシュフローが改善する時期は遅くなりやすいという特徴があります。
そのため運営中に空室率が悪化したり災害発生によって建物の耐久性が低下することで資産価値が下がることもあり、賃貸経営がイメージ通りに進められないことも少なくありません。
このような事態が起きた場合は損失額が増える前に売却し、損切りという形で賃貸経営を終了することが重要だといえます。
不動産投資において損切りのタイミングは非常に難しいとされており、ベテラン投資家でも悩むポイントです。
損切りの最適なタイミングについて正解はありませんが、目標の利益を確保できた時期や損失が発生した時期など、あらかじめ損切りするための条件を設定しておくことがおすすめです。
損切りの条件設定をしておけば売却すべきラインで悩まなくてすむため、焦ることなく賃貸経営を進めることができます。
不動産投資において収益物件を売却する出口戦略は賃貸収入と同じくらい重要な収益であり、賃貸収入と売却益の合算で収支計画を立案することも多いです。
このことからも収益物件を購入するタイミングで将来の売却価格をイメージしておく必要があります。
また、実際に売却するタイミングになれば複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格の相場とスピーディーに売却するための売却プランを不動産会社と一緒に考えなければなりません。
このように収益物件の売却を成功させるためには多くの事前準備と検討すべきポイントがありますので、売却のタイミングをなるべく早い段階から見極められるよう注視しておくことが大切です。
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戸建て投資で収益物件の売却を考えている方はぜひお問い合わせください。
空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!
不動産を購入して家賃収入を得る不動産投資は物件の購入費用やリフォーム費用といった初期費用が必要になるため、不動産投資ローンを利用する投資家は多いです。
また自宅を購入する目的で住宅ローンを組むこともあり、住宅ローンから投資ローンに乗り換えを検討することもあります。
その場合はローンの仕組みを正しく理解しておかなければ、予想外の出費が発生することもあります。
さらに、二つのローンを併用する場合は融資を受ける順番によって審査の条件や金利が変わるケースもあり、注意点といえます。
この記事では住宅ローンと不動産投資ローンの違いと併用時の注意点、おすすめの活用方法について解説します。
これから賃貸経営をしつつ居住を目的として住宅を購入する予定のある人は、参考にしてください。
空家ベースは、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。
戸建て投資で収益物件の売却を考えている方や、新しい物件を探したい方はぜひお問い合わせください。
金融機関から借り入れを受け、毎月返済するという意味では住宅ローンと不動産投資ローンに差はありませんが、融資の目的が投資物件とマイホームという点が異なります。
そのため融資審査の判断ポイントも2つのローンでは大きく異なっており、審査基準について事前に確認しておくことが重要です。
この章では住宅ローンと不動産投資ローンの基本的な役割と目的の違いについて、解説します。
戸建てやマンションに自分で住む目的で不動産を購入するための借入が住宅ローンで、収益物件を購入するための借入が投資ローンです。
2つのローンには融資額の上限や金利、審査基準、返済期間という点で次のように異なり、借入を受ける際にはあらかじめ把握しておくべき大切なポイントといえます。
| 住宅ローン | 投資ローン | |
|---|---|---|
| 融資額の上限 | 年収or所得の8~9倍 | 年収or所得の10~20倍 |
| 金利(変動) | 0.3%~3% | 1.5%~4% |
| 審査基準 | 個人の年収or所得 | 個人の年収or所得+物件の収益性 |
| 返済期間 | 満70歳になるまで | 原則なし |
それぞれの違いについて、次章で詳しく解説します。
住宅ローンの融資額は年収の9倍以下に設定されることが多く、個人の属性が良くても10倍程度ですが、投資ローンの場合は20倍近くまで借入金額を増やすことができる可能性もあります。
また返済期間も投資ローンは住宅ローンのように原則制限はなく、返済原資である収入が返済額を超えていれば借入を継続することができます。
ただし投資ローンは住宅ローンよりも金利が高く、さらに購入する投資用不動産の収益性も審査対象になってしまいます。
そのため購入したいと考えている収益用不動産ではローンが通らず、物件を再検討しなければならないという失敗事例も多いです。
特に築年数の古いマンション投資や再建築ができない戸建てを活用した投資には金融機関も慎重に判断する傾向がありますので、注意が必要です。
投資ローンを返済するための原資は家賃と売却益であるため、債務者の年齢はあまり影響ありません。
たとえば住宅ローンの場合は個人の給与収入が原資となるケースが多く、一般的に定年退職後は給与所得が下がるため返済期間に上限が設定されていますが、不動産投資は所有者の年齢に関係なく収益を得ることができます。
一方、住宅ローンの原資である給料は毎月支払われることが多いため安定して返済が可能ですが、投資ローンは空室が増えたり滞納があると家賃が減ってしまい、返済が滞る可能性があります。
こうした理由から投資ローンの場合は購入しようとしている物件について細かく審査されることになり、収益性が低い物件だと個人の属性が良くても否決になることも少なくありません。
そのため不動産投資を検討する際には物件だけでなく投資ローンが通りそうか不動産会社に相談しておくことが大切です。
投資ローンは金利が高く、住宅ローンは投資ローンに比べて金利が低くなるケースがほとんどです。
そのため居住目的だと偽って投資ローンを組むことで低金利の不動産投資を実現できるように思えますが、不動産投資目的で住宅ローンを組むことは非常に危険です。
投資家としてだけでなく人生にも大きな影響が出る損失を抱えることにもなりかねませんので、不動産投資は投資ローンを利用することをおすすめします。
住宅ローンの融資を受けたにもかかわらず自ら居住せず、他人に賃貸として貸し出してしまうと不動産投資としてみなされます。
ただし、急な海外転勤などによって長期間家を空ける場合は例外的に認められるケースもあり、事前に金融機関へ相談することで賃貸に出していても投資目的とみなされないこともあります。
また、居住用部分が50%を超える併用住宅の場合も住宅ローンを利用することが可能です。
このことからも、金融機関に事前相談もなく最初から投資目的で住宅ローンの融資を受けた場合に、不正利用とみなされることが分かります。
万が一住宅ローンの不正利用が金融機関にバレた場合、借入額の残債を一括返済しなければなりません。
住宅金融支援機構の商品であるフラット35には、次のような注意点が公開されています。
フラット35は第三者に賃貸する目的の物件などの投資用物件の取得資金にはご利用いただけません。機構では、転送不要郵便にて融資住宅あてに融資額残高証明書をお送りすること等により、申込ご本人またはそのご親族の方が実際にお住まいになっていることを定期的に確認しています。確認の結果、第三者に賃貸するなどの投資用住宅としての利用や店舗・事務所などの目的外の利用が判明した場合は、お借入れの全額を一括して返済していただきますのでご注意ください。
(引用元:フラット35)
実際に金融機関の担当者が購入した戸建てを訪問したり近隣住民に聞き込みを行い、不正利用が発覚し一括返済命令を下したケースもあります。
このように多額の返済額を自己資金で支払うことになりかねませんので、注意すべきポイントです。
住宅ローンを使って投資物件を購入することはできませんが、住宅ローンと投資ローンを併用して住宅と投資物件を両方所有することは可能です。
こうしたローンの併用はどちらの融資を先に受けるかが大切ですので、住宅と投資物件の両方を所有したい人はこの章で解説するポイントを参考にしてください。
結論からいうと投資物件とマイホームであれば、投資物件を先に購入した方がローン審査は有利になります。
なぜなら投資物件を購入し賃貸経営することで収入を増やすことができ、次の住宅ローン審査では年収だけでなく賃貸収入も合算できるからです。
これにより借入額や金利が有利になる可能性が高くなり、金融機関の選択肢も増えることになります。
一方、住宅ローンを先に組んでしまうと借入額が投資ローンに影響してしまい、減額になることも多いです。
また、住宅ローンは年収+賃貸収入で審査できますが、投資ローンはあくまでも賃貸収入のみで判断するため、投資ローン先行時のような優遇は受けにくくなります。
このことからも、一般的には住宅ローンと投資ローンの併用を検討する場合は投資ローンを先に借りる方が有利だとされています。
投資ローンを先に借りる場合の返済原資は賃貸収入ですが、住宅ローンのように個人の収入や勤務先、所有している財産、預金残高も審査対象になります。
つまり、投資ローンを組むタイミングで既に住宅ローンを組んでいたり他の返済がある場合は審査に影響することになり、現時点の借入額を考慮した融資額が回答されることも少なくありません。
そのため住宅ローンなどの返済額が多すぎると投資ローンの融資額が減額されてしまう原因になってしまうため、注意が必要です。
これ以外にも、住宅ローンと投資ローンを同じ金融機関で借り入れすると多少審査や条件が優遇されるケースもあり、押さえておくべきポイントです。
不動産投資ローンを組んで投資物件を購入し、後から住宅ローンに切り替えられるケースはほとんどありませんが、住宅ローンを投資ローンに乗り換えするケースはあります。
受付している金融機関もありますので、ライフステージの変化などで投資ローンを利用したいと考えた場合にはなるべく早い段階で融資先に相談することをおすすめします。
この章では住宅ローンから投資ローンに切り替えすることのメリットとデメリット、有効になるケースについて解説します。
居住を目的とした住宅ローンは年収などを審査基準にしていることから、会社員の場合は定年退職の時期までしか借入することができません。
そのため65歳もしくは70歳までを借入限度期間に設定している金融機関がほとんどとなっており、借入期間が短い時期から住宅ローンを組むと月々の返済額が高くなってしまうこともあります。
そこで住宅ローンから投資ローンに乗り換えし、返済期間を延ばすことで月々の支払額を抑えつつ融資を受けることができるようになります。
なぜなら投資ローンであれば給与所得だけでなく家賃収入を踏まえて審査することができるからで、住宅を収益性の高い収益物件にできる可能性が高ければ融資額を増やすこともできます。
住宅ローンから投資ローンへの乗り換えにはこうしたメリットがありますが、デメリットもあるため注意が必要です。
投資ローンに乗り換えするためには手数料を支払うことになり、借入額によっては数百万円かかることもあります。
また住宅ローンに比べて投資ローンは金利が高く、総支払額は増えてしまいます。
このことからも住宅ローンから投資ローンへの乗り換えは慎重に判断する必要があるといえ、金融機関と相談しながら検討することが大切です。
投資ローンから住宅ローンに変更することで安い金利で借入できることから、投資ローンでは返済が困難になった場合に有効といえます。
また住宅ローンは団体生命信用保険への加入が義務付けられており、債務者が万が一死亡したり重大な障害状態になってしまうと残債の返済が免除されることになります。
このことからも様々なリスクに対応できることから、投資ローンから住宅ローンへ変更できるのであれば検討することをおすすめします。
ただしほとんどの金融機関は投資ローンから住宅ローンへの変更を承認していないため、注意が必要です。
仮に不動産投資を終了して所有者が住むようにした場合でも難しく、その場合は自己資金を使って投資ローンを完済してから再度住宅ローンを組むことになります。
そのため、あくまでも投資ローンのみで賃貸経営をすることをおすすめします。
ローンを乗り換えするということは現在組んでいるローンを一度完済することになりますが、返済期間満了前の完済には手数料がかかります。
また投資ローンの審査は個人の返済能力だけでなく物件の資産価値や収益性もチェックされるため審査が厳しく、否決になるケースも少なくありません。
投資ローンへの乗り換えにはこうしたデメリットがあるためなるべく早い時期に金融機関へ相談し、手数料の額や審査通過の見通しを把握しておくことが大事です。
投資家であれば投資ローンの利用を一度は検討することになりますが、そもそも住宅ローンと投資ローンの関係性や基本的な仕組みを把握していない投資家も多いです。
より多くの収益を得るためには初期投資も増えることになり、その結果投資ローンを利用する機会は増えます。
また副業の自由化を推奨する企業が増えたため、これまで投資に縁のなかったサラリーマンが不動産投資をスタートすることもあり、既に住宅ローンを組んでいる人が投資ローンの相談をするというケースも少なくありません。
このように住宅ローンと投資ローンは誰でも検討する可能性がある融資だといえますので、基礎知識は知っておくことをおすすめします。
この章では投資家が疑問に感じやすい住宅ローンと投資ローンのポイントを紹介しますので、これから不動産投資を予定している人はチェックしてください。
住宅ローンが通過しても投資ローンが通らないことはあり、その場合は「個人」と「物件」に分けて原因を模索することがポイントです。
たとえば個人に問題があるケースとして、住宅ローンなどの借入が残っていたり過去に借金や税金の滞納があるとローンは否決になりやすいです。
これ以外にも永住権を取得していない外国人や社会人になって3年以内の若手社員なども、信用面からローンが通らないこともあります。
永住権の取得や勤続年数が問題であれば比較的簡単に解消することができ、滞納がある場合は滞納を解消してから5年もしくは7年経過すればローンを組めるようになります。
ただし、どの原因であっても時間を要しますので、投資計画を見直す必要はあります。
また、物件に問題がある場合もローンが通りにくくなり、担保設定する物件の築年数が古かったり再建築が難しいなど、資産価値が融資額と釣り合わない場合も減額や否決の理由になってしまいます。
この場合は時間では解決できず、投資物件を変更するか自己資金で対応するしかありません。
このようにローンが通らない理由によって対策が異なりますので、ローン否決の理由はできる限り詳しく金融機関にヒアリングすることが重要です。
住宅ローンがある状態で投資ローンを組む場合は審査が通常よりも厳しくなってしまいますが、組めないわけではありません。
たとえば住宅ローンの残債や投資ローンの借入額が少ないのであれば金融機関にとってリスクの少ない融資となるため審査は通りやすくなり、収益性の高い物件を担保にできる場合も承認を得やすくなります。
また不動産投資の実績が豊富で何度も同じ金融機関から融資を受けていると返済計画の信頼性が高くなり、融資を受けやすくなります。
これ以外にも住宅ローンと投資ローンを同じ金融機関から融資を受けるなど、金融機関の信頼を獲得することが大切なポイントです。
このことからも、住宅ローンを組んだ後に投資ローンを組むためには金融機関が融資しやすい状態にすることが重要だといえます。
ローンの借入方式には「固定金利」と「変動金利」があり、どちらにも次のようなメリット・デメリットがあります。
| 借入方式 | 金利の特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 固定金利 | 一定期間固定 | 固定期間中は金利変動があっても影響を受けることがなく、 返済計画が立てやすい。 |
金利は変動金利よりも高くなり、 金融機関によっては途中から変動金利に変わるケースも多い。 |
| 変動金利 | 数ヶ月単位で変動 | 金利が低いため総支払額は固定金利よりも安くなる。 また、金利変動が起きても5年間は変動せず、 変動幅も25%以内というルールがある。 |
金利変動の影響を受けることになり、 さらに5年ルールと25%ルールによって返済されず残った利息は 返済期間満了時に一括返済しなければならない。 |
1戸の戸建てで何十年も不動産投資ローンを組む投資家は少なく、一定期間賃貸経営を継続すれば売却して利益確定するのが一般的です。
そのため低金利の変動金利を選択するケースが多いですが、金利変動が激しい時期であったり今後金利が急上昇する可能性が高いのであれば固定金利も検討すべきといえます。
どちらの返済方式が正解というわけではなく投資のタイミングや物件によって異なりますので、総合的に判断することをおすすめします。
住宅ローンと投資ローンは目的が大きく異なり、住宅ローンは居住用物件、投資ローンは収益物件に対して融資を受けることになります。
住宅ローンの方が投資ローンよりも条件や金利が良くなりますが、住宅ローンで投資物件を購入することは禁止事項にあたり一括返済のリスクを抱えるため避けるべきといえます。
また住宅ローンと投資ローンの併用や住宅ローンから投資ローンへ乗り換えするケースもあり、それぞれメリットとデメリットがあります。
このように不動産を購入するために利用する「ローン」には様々なチェックポイントがあるといえ、正しい知識を習得し仕組みを理解したうえで利用することが重要です。
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空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!
賃貸経営において物件の管理や維持は重要なポイントとなるため管理会社に委託するオーナーも多いですが、一般的にアパートやマンションに比べて一戸建ての賃貸管理は自ら行う自主管理の方も少なくありません。
なぜなら戸建賃貸は共有部がなく戸数も1戸しかないため管理業務が少なくなり、賃貸管理会社に支払う費用とのバランスが悪くなりやすいからです。
不動産投資において支出を減らすことは利益を確保するという点において重要であり、管理手数料を削減するために自主管理を選ぶ選択肢も検討する必要があります。
しかし戸建や庭の状態や広さによっては管理業務が多くなってしまうケースもあり、家賃の回収や入居者からのクレーム対応、さらに借主が退去後の入居者募集といった業務を全てこなすことになります。
そのためなるべく手間をかけずに家賃収入を得るためにも、戸建ての管理を不動産会社に委任すべきか考えておくことが大切です。
この記事では戸建て賃貸の管理を管理会社に任せるメリットとデメリット、管理会社を選ぶポイントについて解説します。
これから戸建て賃貸をスタートする人や、現在管理業務が負担になっているオーナーは参考にしてください。
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戸建て賃貸を成功させるためには借り手が安心して長期間住みたくなるように管理する必要があり、建物や設備の維持が必須といえます。
また収入を確保するための家賃回収や賃料設定、退去してしまった後の入居者募集活動、空室対策など不動産の賃貸経営を安定させるためにやっておくべき業務は多いです。
この章では賃貸物件の具体的な管理業務を紹介しますので、参考にしてください。
戸建て賃貸は比較的入居期間は長くなりやすいですが、それでも入居者が退去する時期はいつかやってきます。
その際にすぐ入居者を見つけることで収益を維持することができるため、退去のタイミングに合わせて入居希望者を募集することが大事です。
入居者の募集は不動産会社に依頼してポータルサイトなどに物件を公開し、希望者に対して内覧や契約条件の説明を行います。
そして借り手が見つかれば賃貸借契約を作成し、締結すると新しい賃貸経営がスタートします。
このことからも、現在の入居者が退去することが判明した時点で入居者募集と契約関連の準備を進めることがポイントといえ、賃貸経営において重要な業務です。
入居者が故意に破損させたケースを除き、一般的には建物や設備の修繕業務はオーナー負担です。
たとえば水回りの漏水や雨漏り、シロアリ被害などが発生してしまうと借り手は安心して住み続けられなくなるため、オーナーは早急に対応しなければなりません。
また日常的な清掃は借り手が行うべき業務ですが、庭や駐車場の草むしりなどは契約書に明記していなければ借り手に負担させることは難しく、その結果オーナーが対応するケースも少なくありません。
戸建てはアパートやマンションに比べて戸数が少なく共有部もないことからこうした設備や建物の維持管理業務は少ないものの、丁寧かつスピーディーに対応する必要がある業務です。
戸建てを賃貸経営として活用する以上、家賃回収し出納の管理は重要な作業です。
なぜなら安定した収益の維持は賃貸経営を支える基盤となるからであり、無駄な支出や将来的な収入の見通しは細かくチェックしておくべきだからです。
収益が安定している投資物件は将来高値で売却できる可能性があることから、家賃を確実に回収し出納管理をする必要があります。
万が一家賃滞納した場合は催促や裁判による回収を試みることになり、オーナーによって心身ともに負担のかかる作業といえます。
漏水や雨漏り、シロアリ被害の発生は借り手のクレームに繋がりやすく、オーナーはすぐに対処する必要があります。
これ以外にも停電による設備の故障や近隣住民とのトラブルもオーナーが対応しなければならないことが多く、解決しなければ借り手が退去する原因になることもあります。
一度入居者が退去してしまうと新しい入居者を募集して契約する手間が発生してしまいますので、少しでも長く借りてもらうようクレームやトラブルには迅速に対応することが重要です。
戸建て賃貸の管理には「自主管理」「一部外注管理」「全部委託管理」「サブリース」の4種類があり、オーナーは自分に合った管理方法を選択することになります。
自主管理以外は管理会社やサブリース会社と契約することになるため、契約内容によっては管理方法を途中で変更することは難しくなります。
そのためそれぞれの管理方法について特徴を正しく把握し、慎重に判断することをおすすめします。
この章では戸建て賃貸の管理パターンについて、詳しく解説します。
自主管理は管理会社に委託せず、オーナー自らが管理する方法です。
アパートやマンションよりも管理する面積が小さく、管理手数料がかからないというメリットがあることから自主管理を選択するオーナーは多いです。
家賃も1物件につき1世帯となるため回収しやすく出納管理もシンプルな内容になりやすいですが、全ての業務を自分で請け負うことなりクレームやトラブル対応も不動産会社に相談することなくオーナーが判断することになります。
そのため、自主管理を選択するオーナーは不動産投資の経験が豊富なベテラン投資家であることが多いです。
管理業務は内容によって負担が異なるため、負担の大きい管理だけを管理会社に委託するという方法もおすすめです。
特に家賃回収や設備補修、クレーム対応などはオーナーにとって大きな負担となるため、外注を検討することがポイントです。
ただしオーナーと管理会社で責任負担の判断が難しい問題が発生した場合、対応が遅れることもあり注意点といえます。
一部ではなく全ての管理業務を委託するのが、全部委託管理です。
アパートやマンションでは全部委託管理が多く、入居者募集から契約、日常的な維持管理、オーナーが確定申告時に必要となる書類に至るまで全て管理会社が対応することになります。
管理の負担がかからないことから手間をかけたくないオーナーにおすすめである一方で、管理手数料がかかり収益が悪化する原因になることもあります。
また、管理会社によっては管理方法が悪く借り手が満足できない賃貸物件になってしまい、その結果退去してしまうという失敗事例もあります。
このことからも全部委託管理を選ぶ際には管理会社の選定が重要なポイントです。
サブリースとはサブリース会社と賃貸契約を締結する方法で、オーナーは空室状態でも一定収入を得られるというメリットがあります。
家賃回収や維持管理といった管理業務もサブリース会社が行うため、全部管理業務と同様に手間がかからない管理方法といえます。
そのため人気のない戸建てや築年数が古い戸建てで借り手が見つかりにくい不動産を所有している場合におすすめです。
ただしサブリースは家賃相場が下落した場合、オーナーではなくサブリース会社の判断で家賃を下げることができ、賃貸経営に携われないというリスクも伴います。
さらにサブリース契約は一度締結すると解除が難しくなる内容も多いことから、慎重に判断することをおすすめします。
管理会社に戸建ての維持管理を依頼するためにはメリットとデメリットを理解したうえで依頼する必要があります。
この章では管理会社に委託することのメリットとデメリットについて解説しますので、参考にしてください。
戸建てが入居状態であれば問題ありませんが、入居者が退去してしまうと家賃収入が途絶えてしまいます。
そのためオーナーは退去が判明したタイミングで入居者を募集する必要があり、不動産会社に広告や内覧斡旋の依頼をしなければなりません。
その点、管理会社に依頼しておけば退去の把握から入居者募集活動、契約の締結まで対応してくれるため、オーナーの手間がかからないという点がメリットといえます。
管理業務の中でも家賃回収は重要な作業といえ、家賃滞納が発生すると収益が悪化してしまいます。
また入居者から設備の破損や近隣トラブルについてクレームを受けることもあり、対処しなければ入居者が退去してしまうかもしれません。
このように、家賃回収とクレーム対応は管理業務の中でもストレスが多いことから管理会社に委託するオーナーは多く、賃貸経営の作業効率を上げるためにもおすすめの方法です。
管理会社に委託する大きなデメリットとして管理委託費用の発生があり、利益を圧迫する原因になることもあります。
戸建ては1世帯からしか家賃を回収できないため、管理委託費用を支払うと手元に利益が残りにくくなってしまいます。
そのため家賃と委託費用のバランスを見極める必要があります。
全部委託であれば管理会社に全て任せることができますが、一部委託の場合はオーナーと管理会社が役割分担して管理することになります。
しかし実際に発生するトラブルはどちらの責任で対応するのか明確に判断できないケースも多く、管理会社と連携が取れないことで対応が遅れてしまうことも少なくありません。
その結果トラブルが大きくなってしまったという失敗事例もありますので、管理会社との連携には注意が必要です。
管理費用の相場は一般的に家賃の5%前後となっており、家賃10万円であれば月額5,000円が管理費用の目安です。
ただし一部委託の場合は依頼する項目によって費用が前後するため、詳細を管理会社に確認したうえで判断することをおすすめします。
戸建て賃貸において自主管理にするか管理会社に委託するのか悩むオーナーも多いですが、管理会社に委託することを決めた場合でも押さえておくべきポイントがあります。
なぜなら全ての管理会社が円滑に管理業務を行えるわけではなく、不慣れな業者に依頼してしまうと余計なトラブルが発生することもあるからです。
そこでこの章では管理会社を選ぶポイントを紹介します。
戸建て賃貸の管理はアパートやマンションとは違ったトラブルが発生することもありますので、戸建て賃貸の管理実績数が多い管理会社から選ぶことをおすすめします。
特に所有している戸建ての周辺で戸建て賃貸実績がある会社であれば地域のノウハウや家賃相場を熟知している可能性が高く、安心して任せることができます。
このことからも、管理実績数に加え募集している戸建て賃貸のエリアもチェックする必要があるといえます。
戸建て賃貸は入居者の入居期間が長くなりやすいですが、その一方で借り手が見つかりにくいという特徴もあります。
そのため退去が発生した場合、いかに早く次の入居者を見つけられるかが賃貸経営において重要なポイントといえ、そのためにも管理会社の集客力が大切です。
入居者の募集方法はインターネットで物件公開するだけでなく、ストック顧客へのアプローチなどもあります。
また最終的に契約してくれるかどうかは営業担当の提案力が大きく影響することになりますので、物件の良さを上手くアピールしてくれる管理会社であることも重要な判断材料です。
このように日々の管理業務だけでなく入居者募集に強い管理会社を選ぶことで、収益を途絶えさせることなく賃貸経営をすることができるようになります。
全ての管理会社が管理業務を網羅的に対応できるわけではなく、家賃回収と入居者募集のみだったり退去手続きや原状回復のみといったケースもあります。
また、大手に依頼すると対応部署が近くにないこともあり、このような場合はスピーディーに対応できないことも少なくありません。
管理会社が対応しない管理業務についてはオーナーが対応することになりますので、支払う管理費用でどこまで対応してくれるのか細かく確認しておくことが大事だといえます。
複数の管理会社に相談し比較検討することで、自分に合った管理会社を見つけやすくなります。
管理費用と管理業務、対応してくれる組織の体制などをチェックし、総合的に判断することで安心して任せられる会社を見つけることができます。
アパートやマンションよりも戸建て賃貸は物件数が少ないことから、ノウハウを持っている管理会社を見つけにくいです。
そのためなるべく多くの管理会社に相談し、各社の特徴と営業担当の対応内容を把握することがポイントといえます。
管理会社と契約締結する際には、いくつかチェックしておくべきポイントがあります。
一度契約してしまうと契約内容を変更することは難しいため、後悔のないよう詳細を把握したうえで締結することをおすすめします。
この章では管理契約前に確認すべきことについて、解説します。
入居中に水回りや外壁、屋根が破損した場合、借り手の使用方法に問題がなければオーナーもしくは管理会社の費用負担で修繕することになります。
管理会社によっては家賃の一部をこうした修繕費用として積み立てて対応することもありますが、修繕についてはオーナーが全額負担となるケースもあります。
このような修繕やリフォームの負担は収益に大きく影響するため事前に把握しておく必要があり、負担範囲や負担方法については管理会社と細かく決めておくことをおすすめします。
戸建て賃貸において家賃は唯一の収入源泉となるため、滞納がないよう確実に回収する仕組みは重要です。
自主管理の場合はオーナー自ら対応することになりますが、管理会社に委託する業務に家賃回収があれば管理会社が対応してくれます。
家賃回収はストレスがかかるうえに回収できるよう借り手と交渉する技術も必要になりますので、どのような対応をするのか管理会社に事前確認しておくことが大切です。
これ以外にも万が一家賃回収できなかった場合の家賃保証についても、契約書に明記されているかチェックしておく必要があります。
庭や駐車場は家屋とは別管理になることが多く、草むしりなどは原則借り手の管理責任です。
賃貸借契約において「善管注意義務」という規定があり、戸建てを借りる場合は自分の所有物のように大切に扱う必要があります。
つまり、戸建てに住んでいる入居者には他人物であっても掃除や草むしりをして適切な状態に維持管理する義務があるといえ、庭や駐車場の管理についても同様です。
しかし善管注意義務には罰則規定がないため入居者によっては草が生い茂った状態で放置するケースもあり、このような状態になった際の対応はオーナーと管理会社のどちらになるのかを決めておく必要があります。
入居者が退去し次の入居者が決まるまでに家屋を原状回復させる必要がありますが、「退去対応」が管理業務に含まれていれば管理会社が対応することになります。
ただし原状回復にかかる費用については管理委託費用に含まれておらず、契約内容によってはオーナーが全額負担となるケースもありますので、注意が必要です。
この章では管理会社に委託した際に起きやすいトラブルと対処方法を紹介します。
手間をかけずに賃貸経営を進めるためには管理会社の協力は不可欠ですが、責任と費用負担の割合で揉めることもあります。
このような失敗を防ぐためにも、トラブルと対処方法を事前に把握しておくことが大切です。
この章で詳しく紹介しますので、参考にしてください。
給湯器やエアコン、床暖房といった設備不良の修繕について、オーナーと管理会社のどちらが対応するのか事前に決めておくことはトラブルを防ぐという意味で重要です。
対応が遅れると入居者の生活に影響が出てしまいますので、スピーディーに対応できるよう事前に協議しておく必要があります。
また戸建て賃貸の場合は火災保険に加入する必要があり、自然災害の保障も保険で対応するのが一般的です。
ただし保険内容によっては全ての災害をカバーできませんので、どのような保険に加入すべきか慎重に判断することをおすすめします。
騒音や振動、臭気などで近隣トラブルが発生することもあり、オーナーや管理会社が介入しなければ解決できないこともあります。
このようなトラブルやクレームについては管理会社の方がうまく対応できるケースが多いので、依頼する業務項目に含めておくことがポイントです。
家賃滞納や支払い遅延時の対応も管理会社に任せるケースが多いですが、支払い遅延が増えたり滞納期間が長くなると賃貸経営に影響が出てしまいます。
そこで滞納や遅延が続く場合は入居者に退去を通告することも考えなければなりません。
このような判断は管理会社ではなくオーナーが行うため、管理会社と退去通告や調停申し立ての手続きについて相談しておく必要があります。
退去時には壁紙のキズや汚れ、水回りの清掃などを行い、新しい入居者を迎え入れる準備をしなければなりません。
こうした原状回復は管理会社に依頼することで業者選びからスケジュール調整まで任せることができますが、管理会社によってはマージンを取ることもあり注意が必要です。
そのため退去が発生すると判明したらなるべく早い段階で複数の業者に見積を依頼し、管理会社の見積内容が最適かチェックすることが大切です。
サブリースは空室時にも家賃収入が保証される便利な仕組みですが、家賃設定や売却など賃貸経営の根幹に関わる判断ができなくなるというデメリットもあります。
場合によっては赤字にも関わらず戸建て賃貸を継続しなければならないこともあり、初心者の投資家は慎重に判断すべき投資方法です。
サブリース契約を選択する場合は必ず事前に契約書を入手し、複数の専門家に内容を確認してもらったうえで検討することをおすすめします。
戸建て賃貸はアパートやマンションよりも管理部分が少ないため自分で管理するケースもありますが、管理会社に委託することで賃貸管理の工数を下げることができます。
そのため複数の不動産投資を行っている投資家や本業があるサラリーマンなどは管理会社を利用することが多いですが、管理会社への委託にはメリットもデメリットもあります。
さらに管理会社の選び方を間違えるとトラブルやクレームが発生することもあるため、戸建て賃貸の管理実績や集客力などをチェックし、信頼できる管理会社に依頼することが重要だといえます。














空家ベース編集部です。空家と書いて「ソライエ」と読みます。Twitter・Instagram・公式LINEなどでも物件情報を随時配信しています。空き家を買って再生したい方、他では売れないと言われてしまった空き家をご所有の方はぜひご相談ください!