別荘の投げ売りは投資のチャンス?激安物件の裏側と活用法
近年、別荘地の物件がat homeなどの不動産ポータルサイトに多く出回るようになりました。築年数や建築面積の割に価格が低く抑えられているケースも多く、「投げ売り」と表現されることもあるほどです。
ただし、安く売り出されている理由によっては不動産投資に向いていないこともあり、事前情報なく購入して投資をスタートさせたものの失敗してしまった…という人もいます。
相場より安く、販売が長期化している物件には必ずといっていいほど理由があります。物件が安く出回る背景と価格設定の内容は、購入前に把握しておいた方がよい情報です。
この記事では別荘が安く販売されている理由と、格安別荘・空き家投資で失敗しないための3つの鉄則について解説します。
エリア別事例として伊豆エリアと北軽井沢エリアで公開されている物件のポイントについても紹介しますので、別荘を購入して不動産投資を検討している人は参考にしてください。
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なぜ別荘が10万円や100円で「投げ売り」されているのか?5つの理由
別荘地で販売されている物件は周辺地域の都市部に比べてかなり安く、10万円や100万円といった現金での購入が可能な価格で販売されているケースも見受けられます。一般的に売主は1円でも高く売りたいと考えることから、あえて相場よりも安く公開するのには相当の理由があると考えるべきといえます。
「投げ売り」と呼ばれるほど安く公開される別荘には、それ相応の事情があります。代表的な5つの理由をを見ていきましょう。
理由1:バブル期の負の遺産と所有者の高齢化・相続問題
1986年12月から1991年2月頃のバブル全盛期には多くの別荘が建築され、販売価格は比較的高額でした。しかしバブル崩壊後は節約志向が広がり、別荘の人気は長らく低迷しています。
その影響で、築30年以上の別荘を持つ所有者の高齢化が進み、相続によって別荘を引き継ぐケースも増えてきました。
相続した側にとっては、管理不足による建物の劣化や立地の悪さから自分で利用することが難しく、維持費だけがかかる「負動産」になってしまうことも少なくありません。
こうした背景から「少しでも早く手放したい」と考える相続人が増え、別荘が多く売り出されることになりました。
同じエリアから同じような物件が公開されると相対的に資産価値は低くなり、物件価格はさらに安くなっていきます。
売主が早期売却を望むこともあり、こうした構造が重なった結果、別荘は「投げ売り」のような価格で市場に出回ることになりました。
理由2:異常に高いランニングコスト
不動産を所有すると固定資産税の支払い義務が生じ、地域によっては都市計画税も支払わなければなりません。
これは別荘地に限った話ではありませんが、別荘地では温泉の引込代や源泉の管理費、山林の保全費用といった特殊なコストが上乗せされることも多いです。
さらに厄介なのが、これらの費用を所有者全員で按分する仕組みです。別荘を解体する人や連絡が取れない所有者が増えると、残った人の負担がその分重くなります。
たとえば20人で年間20万円を負担していた場合、人数が半分の10人になれば1人あたりの負担は1万円から2万円へと倍増します。
極端なケースでは数人で維持管理を抱えることになり、固定費だけで年間数十万円に達することもあります。
自己利用したり投資物件として活用しているのであればこうした維持管理費を支払う価値はありますが、ただ所有しているだけではまさに負の遺産です。
維持費の流出が止まるという観点では、投げ売りのような価格での売却でも経済的な合理性があるケースは少なくありません。
理由3:立地の悪さとインフラの衰退

別荘地の特徴といえば、高原や海、山、温泉地帯といった自然豊かな環境に位置し、喧騒から離れたプライベートな空間で、趣味やリフレッシュ、セカンドライフを楽しむことができる点です。
そのため都市部から離れた郊外が別荘地になることが多く、どうしても立地は悪くなります。
山間部や温泉地帯では、バスや電車の本数が限られているうえ、過疎化の影響でスーパーや病院といった生活インフラが十分に整っていないエリアも少なくありません。
人口が減ってしまうと道路の舗装や凍結防止の予算が少なくなることもあり、事故が増える原因になってしまいます。
都会の喧騒から離れることを期待して移り住んでも、インフラ不足から来る生活の不便さがそのままストレスとなり、積み重なっていくケースは少なくありません。
立地が悪くインフラの整備が不十分な別荘は利用頻度が低くなることから、所有者が売却を決める理由になりやすいといえます。
理由4:長期放置による深刻な老朽化
別荘を自己利用したり賃貸として活用するためには建物の状態が良好である必要があります。しかし、築年数が古い別荘だったり長期間使用していない別荘だと経年劣化が進み、すぐ利用できる状態になっていないこともあります。
たとえば、屋根の定期的なメンテナンスを怠ると雨漏りが発生し、カビやダニの温床になりやすくなります。また、人が住んでいない空き家ではシロアリが発生しやすく、結果として建物の耐久性や耐震性の低下につながります。
海沿いでは潮風による塩害も見逃せません。外壁や屋根が腐食しやすく、一度ダメージが広がると修繕費用が跳ね上がるケースがあります。
定期的なメンテナンスのために現地へ足を運ぶ手間と費用は、所有者にとって無視できない負担になりやすいです。
売却を決めた所有者の中には、こうした「管理の手間」や「修繕費の高さ」といった理由を挙げる人も少なくありません。
理由5:既存不適格や接道義務違反などの法的な縛り
既存不適格とは、建築時は適法だったものの、その後の法改正や都市計画変更により現行の基準を満たさなくなった建物のことです。
都市計画法や建築基準法は自然災害や省エネに対する考え方の変化に合わせて改正されており、建築基準法は1950年(昭和25年)に制定以来、複数回にわたって改正されてきました。
その結果、築年数の古い別荘は現行法令では違法建築物になっていることが多く、同じ建築面積・延床面積で建替えできないこともあります。
特にマンションタイプの別荘の場合、かつてと同規模の建物を建て替えることは難しく、実施には所有者の4分の3以上の賛成が必要になるケースが多いです。
所有者不明物件への対応も法整備の途上にあり、建て替えに関するハードルは依然として高いのが実情です。
【エリア別事例】伊豆・北軽井沢の格安別荘に潜む「特有の罠」と「狙い目」

関東からアクセスしやすい別荘地は、高度経済成長期を中心に開発が進み、多くの物件が建ち並びました。開発から時間が経ち、当時人気を集めたエリアほど、今は売りに出される物件も多い傾向があります。
自然豊かで交通利便性が高いといった強みは今も健在ですが、現代のライフスタイルとのミスマッチが新たな課題として浮上しています。
投資用として購入するなら、そのエリアが持つ資産価値の実態と潜在リスクを事前に把握しておくことが判断の前提になります。
この章では別荘地として人気の伊豆と北軽井沢エリアを事例として、別荘地のポテンシャルと罠について解説します。
事例①:伊豆エリア(熱海・伊東など)の罠とポテンシャル
静岡県伊豆市は熱海や伊東といった全国でも有名な温泉があり、さらに海沿いということからも人気の高い別荘地です。
バブル期には伊豆エリアで週末を過ごすのが優雅な暮らしと考える人も多く、別荘が公開された日に買い手が見つかったり、建物が未完成の段階でオーシャンビューのマンションが完売することもありました。
このような特徴をメリットとして捉える人は現代でも多いですが、海沿い特有の塩害と別荘地特有の管理費が伊豆エリアの別荘に潜む「罠」といえます。
塩害とは、海水や凍結防止剤由来の塩分が建物やインフラに付着し、サビや腐食といった被害を引き起こす現象のことです。
海沿いではない都市部や山間部に比べて外壁や屋根、車庫などの劣化が非常に早く、エリアによっては毎月清掃しなければ錆びてしまうこともあります。
戸建ての場合、こうしたメンテナンスはすべて所有者が担うことになります。マンションであれば管理修繕費でカバーされる部分も、戸建てでは自費での対応が前提です。
手間とコストをかけても建物の傷みは進みやすく、いざ売却しようとしても思うような価格がつかないケースが散見されます。
温泉地ならではのコストも伊豆特有のリスクです。温泉の引込費用・使用料・名義変更料・更新料が重なり、維持管理費が他エリアより年間数十万円規模で膨らむケースがあります。
温泉設備の入れ替えを理由に1世帯あたり100万円近く徴収されるケースもありますので、注意が必要です。
一方、伊豆エリアは首都圏へのアクセスが良く、修善寺駅から品川駅までは約1時間半で到着することができます。
伊豆縦貫自動車道も整備されていますので、ワーケーションや週末のバカンスとして利用されるケースは少なくありません。
そのため「オーシャンビュー・温泉付き一棟貸し民泊」として利用する投資家にとっては依然として人気が高く、高値で売却できることもあります。
事例②:北軽井沢エリア(群馬県吾妻郡など)の罠とポテンシャル
群馬県にある北軽井沢は日本を代表する別荘地といえ、自然豊かな環境で乗馬やテニスを楽しむことをステータスと考える人に今でも人気があります。
塩害もないことから管理の手間が海沿いの別荘地よりは少なく、有名な企業の社長や著名人が所有している別荘も多いです。
北軽井沢は一定の資産価値と知名度を維持しやすいエリアですが、ブランドイメージの高い「軽井沢」に比べて見劣りするという点には注意が必要です。
軽井沢だと思って内覧したものの北軽井沢だと分かり、購入を取りやめる人も実際にいます。
高山地帯ならではのコスト負担も見落とせないポイントです。除雪やカビ対策は定期的に費用がかかり、怠れば建物の劣化が加速します。
特に除雪を怠ると屋根の耐久性が低下してしまい、家が倒壊するリスクを抱えてしまいます。
これ以外にも冬場は水道管が凍結するトラブルも発生しやすいので、突発的な修繕費と定常的な維持管理費、その両方をカバーできる資金計画を前提に検討したいエリアです。
ただし、軽井沢と比較されることが多いとは言え人気のあるエリアには変わりなく、さらに軽井沢よりも物件価格が安くなりやすいという点はメリットといえます。
国土交通省が公開しているREINS Market Informationとレインズで長野県北佐久郡軽井沢町と、北軽井沢として位置づけられている群馬県吾妻郡長野原町の物件価格を比較したところ、次のようになりました。

上記から、軽井沢に比べて北軽井沢は約半額で、価格にして約2,400万円安く物件を購入することができることが分かり、初期投資を抑えることが重要な不動産投資においては重要な判断材料といえます。
これ以外にも、高山地帯の特徴を活かすためにサウナや薪ストーブをDIYで導入し、「冬でも楽しめるリトリート(隠れ家)空間」として差別化することで収益性の改善につながるケースもあります。
参考:レインズ
格安別荘・空き家投資で失敗しないための3つの鉄則

別荘は投資用物件の中でも購入価格が安く、初期費用を抑えられることから多くの投資家に人気があります。しかし、別荘地ならではの特殊な維持管理費など注意すべきポイントも多く、場合によっては初期投資を回収することができず、失敗してしまうケースもあります。
このようなリスクを避けるためには、確保できる利回りのチェックと入念な周辺リサーチが必要です。
この章では、格安別荘を活用した空き家投資で失敗しないために、知っておくべき3つの鉄則を紹介します。
「表面利回り」ではなく「実質利回り」でシビアに計算する
どのような不動産投資にも共通するのが、想定している利回りの実現です。
利回りとは投資した資金と回収した利益との割合を表した指標のことで、別荘投資において利回りの改善・悪化は収益に大きな影響を与えます。
たとえば取得費が100万円の物件を家賃1万円で貸し出した場合、12万円(年間家賃収入)÷ 100万円(物件取得費)× 100 = 12%が利回りとなり、この場合だと計算上は約8年間で初期投資費用を回収できることになります。
このように、不動産投資ではコストと利益のバランスが重要視されますが、別荘の場合は維持管理費が高いため、上記の計算方法で算出される「表面利回り」では収益計画が破綻してしまうリスクがあります。
そのため別荘投資では、家賃収入だけではなく維持管理費や広告費、火災保険料といった支出を考慮した「実質利回り」で計画を立てることが大事です。
前述したケースで年間の支出が8万円だった場合、利回りは12%から4%まで下がり初期費用の回収まで25年かかる計算になってしまいます。
さらに不動産は築年数が古くなるにつれメンテナンス費用が高くなってしまうことから、実質利回りは投資を継続するにつれ悪化する可能性もあります。
別荘を購入する際にはできるだけ想定される支出を収益計画に盛り込み、最低確保できる実質利回りを把握したうえで検討することをおすすめします。
管理規約の確認と周辺リサーチを徹底する
別荘がマンションの場合は管理規約と使用細則を必ず確認し、そもそも賃貸として活用して良いかチェックすることが大切です。なぜなら賃貸にすると別荘の所有者と入居者が異なってしまうことになり、ルールを守らない人が増えるといった治安の悪化に繋がるからです。
別荘では都会の喧騒を忘れてゆっくり生活したいと考えている人も多いことから、管理規約や使用細則で「転貸(又貸し)禁止」となっているケースもあります。
あわせて確認しておきたいのが、長期修繕計画の有無です。
長期修繕計画にはマンションの大規模な修繕工事のタイミングと、それに合わせた修繕費用の積立計画が記載されており、将来的に修繕費用が上がるタイミングやマンションの資産価値が向上するタイミングを把握することができます。
管理組合によっては「特別修繕積立金」の名目で通常より高い費用が求められるケースもあるため、長期修繕計画の有無と内容は購入前に確認しておきたいポイントです。
これ以外にも、ハザードマップなどの災害リスクについても知っておく必要があります。
このように、別荘は物件の内覧以外にも、周辺環境や保管書類の確認に時間を使うことがポイントだといえます。
最終的な「出口戦略」を描いてから購入する
「出口戦略」とは、家賃収入を得ながら最終的な売却タイミングを見据え、投資全体の収益を完結させる計画のことです。
不動産投資における「利益」には家賃だけでなく、将来売却した際の「売却益」も含まれます。不動産投資においては収益を確定させる重要な工程といえます。
バブル期のように人口が多くバカンスに資金を使いやすい時代であればいつでも売却することができましたが、今後は人口が減少し、別荘を購入したり別荘地に住む人も少なくなると考えられます。
つまり、物件を購入した金額で別荘を売却することは難しいといえ、買い手が見つからないリスクも想定しておく必要があるといえます。
別荘投資では、人口の動向・周辺の空き家状況・賃料水準を継続的に追いかける姿勢が欠かせません。資産価値が残っているうちに売却して投資を完結させる判断も、出口戦略の重要な選択肢だからです。
まとめ|別荘投資は上級者向け。まずは手堅い空き家投資から
別荘投資は、維持管理費の重さと立地の特殊性から、空き家投資の中でも難易度が高い部類に入ります。ただし、エリア選びと差別化されたリノベーションによって、都市部物件では出せない収益性を実現できるケースもあります。
しかし、別荘の維持管理費は突発的に高くなったり、塩害によるメンテナンス費用や水道管破裂による修理費などが発生したりすることもあります。
突発的な出費が生じやすい別荘投資では、手元資金にある程度の余裕を持って臨むことが前提条件になります。
そのため、これから不動産投資をスタートさせる初心者は、まず都市部の戸建てやマンションの投資で経験を積み、確保した資金を使って別荘の投資を検討するのがおすすめです。
空家ベースでは、都市部の戸建てや区分マンション、別荘地のいずれも取り扱っています。公式LINEの登録者限定で公開初日の物件情報などもいち早くお届けしています。不動産投資を始める第一歩として、まずは情報収集から始めてみませんか?




