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【投資家必見】農地の「青地・白地」とは? 農地転用の可否を分ける決定的な違いと手続きを徹底解説!

空家ベース編集部

不動産投資で成功するためには、なるべく安く不動産を購入することが重要です。多くの投資家は少しでも利回りのよい物件を探すことに時間を費やし、一般的に宅地よりも価格が安く、敷地面積が広い「農地」にたどりついたことがあるのではないでしょうか。

農地を購入して農地転用し、宅地として再建築したり、事業用地として活用することを検討する投資家は少なくありませんが、購入を検討している農地が「青地」だった場合は注意が必要です。
「青地」農地転用が非常に難しい土地となっており、購入する人の属性や周辺環境によっては売買そのものが成立しないケースもあるからです。また、青地の特徴を理解しないまま相続した結果、売却も活用もできずに放置されるケースも散見されます。

青地を所有する際には、活用するためのステップと注意点について正しく理解することが大切だと言えそうです。

この記事では青地の特徴と活用が難しい理由、その調べ方について解説します。青地のおすすめ活用方法についても紹介しますので、これから農地を購入する予定のある投資家や青地を農地転用できず困っている方はぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

    ・青地の特徴と白地との違い
    ・青地の土地活用が難しい理由
    ・青地の調べ方
    ・青地のおすすめ活用方法

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「青地」と「白地」の定義と決定的な違い

「青地」「白地」とは都道府県が指定する農業振興地域制度における区分で、いずれも農地を指す用語です。
明治時代の公図で青色に着色されていた部分を「青地」、それ以外を「白地」と呼んだことが名称の由来で、現代でも不動産取引において広く使用されています。

外見上はいずれも農地に変わりありませんが、青地と白地では法規制の強さに違いがあり、農地転用の可否や難易度に大きな差があります。
以下に青地と白地の定義と違いについて解説します。

青地(農振農用地)の定義と規制の強さ

農林水産省が定める「農業振興地域制度」に基づいて、自治体は農業振興地域内に「農用地区域」を指定することができます。この農用地区域内の農地が「青地」と呼ばれます。
青地は、農地の保全と有効利用を図ることを目的としており、農地転用や開発行為に対して厳しい制限が課されます。そのため、市街化区域内の農地や白地よりも転用が難しくなります。
また、転用できる条件が揃っていても、協議や承諾に1年以上かかることも多く、スピーディーな投資には向いていない土地と言えます。
こうした点から、農地を購入する際には青地に該当しないかをしっかりチェックすることをおすすめします。なお、不動産ポータルサイトや行政資料では「青地」以外にも、正式名称である「農振農用地」や「農地内」という表記がされることもあります。
【参考:農業振興地域制度の概要 – 農林水産省

白地(農用地区域外)の定義と転用の難易度

農林水産省が定める「農業振興地域制度」に基づき、自治体は農業振興地域内に「農用地区域(青地)」を指定します。この農用地区域に指定されていない農地が「白地」です。白地は青地と比べて規制が弱く、青地よりも農地転用の難易度は相対的に低いです。
そのため、投資目的で農地を購入するのであれば、青地ではなく白地を検討することが重要です。
ただし、白地であっても農地であることは変わりませんので、農地転用の手続き自体は必須となります。

農地転用の可否を分ける決定的な違い

農地を農地以外の用途で使用する場合は農地転用が必要となりますが、青地と白地でその難易度が異なり、青地の方が厳しくなります。
これは、青地が農業用地に適したエリアに設定されることが多く、法律によって保全することが定められているからです。
つまり、青地では原則として「農業利用が前提」とされており、転用するためには多くの手続きとクリアすべき厳しい条件があります。

青地の土地活用は難しい? 「農地転用不可」を乗り越える手続き

青地を農地以外の用途で使用するためには、青地を白地に変更する必要があります。
「農振除外」と呼ばれるこの手続きは、2025年4月に改正された農業振興地域整備法によって厳格に要件が設定されており、全ての要件を満たさなければ承諾されません。

この章では青地を農地転用する上で大きなハードルとなる農振除外の特徴と要件除外後の手続きについて解説します。

青地転用のハードル「農振除外」とは

青地は農用地区域内に指定された農地で、作物の生産性が高いことから、原則として農地以外の用途に利用することはできません。
しかし、所有者や購入予定者が農家でない場合や、所有者が農業を廃業する場合など、作物の生産ができなくなるケースも少なくありません。
このような場合には「農振除外」を申請し、青地を白地にすることで農地転用の許可を得られるよう手続きを進めることが可能になります。

ただし、青地を簡単に白地に変更できてしまうと地域全体の農地面積が大きく減少してしまうため、自治体は農振除外について厳しく協議を行うのが一般的です。

農振除外が認められるための「厳格な6つの要件」

農振除外の承諾を得るためにも、法で定められている要件を正しく理解しておくことが重要です。
以下では、農振法に基づく農振除外の要件について詳しく解説します。

要件1: 転用計画の必要性・代替性の有無

農振除外においてはまず、転用の目的が明確であり、その農地でなければ実現できない理由があるかが審査されます。単に「使いたいから」「空いているから」といった理由では足りず、転用計画そのものの必要性と合理性が求められます。
たとえば事業が急激に拡大して資材置き場や社員の駐車場を緊急的に確保する必要があり、かつ本社や支店の近隣でなければ業務に支障が出るような場合は、この要件を満たせる可能性があります。
また、他の白地など代替できる土地を所有していないことも重要なポイントです。代替地が存在する場合は、そちらを優先すべきとされ、農振除外が認められにくくなります。

要件2: 地域の農業計画の達成に支障がないか

青地は生産性の高い農地であることから、転用してしまうことで農地利用の計画や作物の生産量に大きな影響を与えてしまう可能性が考えられます。
農振除外を検討している青地の生産能力が高い水準のままだと申請が通りにくくなるため、長期間休耕地になっている等の実態が必要です。

要件3: 農地の集団化・効率的な利用に支障を及ぼさないか

農振除外をしようとしている青地が、農用地区域内のどの位置にあるのかも重要な要件です。
たとえば農用地区域を分断するような位置にある農地を除外してしまうと、区域全体の生産効率が下がってしまうことが想定されます。
このように、農地転用することによって申請地単体の生産性だけでなく、区域全体にどのような影響があるのかを検討する必要があります。具体的には、小作人の作業動線や、耕作・収穫に使う農業機械の通行・利用に支障が生じないことを証明することも要件の一つになっています。

要件4: 地域の担い手農家の利用集積に支障がないか

農業における担い手農家とは、「単に農作業を行うだけでなく、地域農業を将来にわたって支える効率的かつ安定的な経営体」と定義されます。
そのため、農振除外にあたっては、担い手農家の営農や規模拡大に悪影響を与えない計画であることが求められます。
【参考:農地及び担い手について – 農林水産省

要件5: 土地改良施設の機能維持に支障がないか

土地改良施設とは農業を営むために整備されたダムや用水路、排水路、ため池などの私設を指します。
農地転用によって農地が宅地や事業用地に変わることで、これらの施設の利用に支障が出た場合、農用地区域全体の生産性が低下してしまうことも考えられます。
土地改良施設への影響は、青地の面積の大小だけでなく、立地条件や転用後の利用内容によっても左右されます。
そのため農振除外を申請する際には、土地改良施設が周辺にないことを確認し、近くにある場合は機能維持に影響が出ないことを具体的に説明する資料を作成しなければなりません。

要件6: 土地改良事業完了から8年が経過しているか

土地改良事業とは、用水路や排水路の整備、区画整理などを行い、農地を効率的かつ安定的に利用できるようにするための事業です。
土地改良事業によって生産性が高められた農地は、事業効果を検証するうえでも8年間保全する必要があります。
そのため、事業完了から8年未満の青地は農振除外が非常に難しくなるため注意が必要です。
なお、経過年数は土地改良事業の「完了公告日」が基準となります。土地改良事業が関係している青地については、なるべく早く自治体へ確認しておくことをおすすめします。

    農振除外が認められるための「6つの要件」一覧
    ・転用計画の必要性があり、代替できる土地が存在しないこと
    ・周辺農地の営農活動や農業利用に支障を及ぼさないこと
    ・農地の集団化や農作業の効率的な利用を阻害しないこと
    ・地域の担い手農家による農地利用集積や経営に悪影響がないこと
    ・用水路・排水路など土地改良施設の機能維持に支障がないこと
    ・土地改良事業の完了から8年以上が経過していること

農振除外後の最終ステップ「農地転用許可申請」

農振除外手続きによって青地を白地に変更できた後は、最終ステップとして「農地転用許可申請」を行います。この手続きは、自己転用の場合は農地法第4条、権利移転を伴う場合は農地法第5条に基づく許可申請となります。

農地を農地以外の用途で利用するには、農業委員会の審査や都道府県知事(または指定市町村長)の許可が必要です。審査には数ヶ月を要し、農振除外と合わせると年単位のプロジェクトになるケースも珍しくありません。
また、提出書類も多いことから、農振除外の許可がおりる前から準備を進めておくことをおすすめします。

農地転用許可申請に必要となる代表的な書類は以下の通りです。

・登記事項証明書
・公図、位置図、測量図
・所有者の住民票など本人確認書類
・転用後の利用内容が分かる資料(工事スケジュールや建物図面など)

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青地・白地の確実な調べ方

購入しようとしている農地、またはすでに所有している農地が青地か白地かによって、活用できる時期や選択肢は大きく変わってしまいます。
そのため、農地を取得する際には、まず青地か白地かを正確に把握しておく必要があります。
この章では青地か白地かを調べる代表的な方法について解説します。

最も確実な確認方法:市町村の担当部署への問い合わせ

青地かどうかを確認する方法として一番確実なのは、該当する自治体の担当部署へ直接問い合わせる方法です。
担当部署は「農政課」や「農業振興課」など自治体によって名称が異なるため、自治体の代表番号に連絡し、「農業振興地域について確認したい」と伝えて担当部署へ転送してもらうのがおすすめです。
なお、自治体の窓口対応は原則として平日のみとなるため、問い合わせのタイミングには注意が必要です。

手軽なインターネットでの概略調査

自治体に連絡する時間が取れない場合は、「eMAFF農地ナビ」を活用した調査がおすすめです。
【参考:eMAFF農地ナビ – 農林水産省
青地かどうかだけでなく、農地の面積や権利の種類、利用状況、管轄の農業委員会など、基本的な情報を調べることができます。

ただし、eMAFF農地ナビの情報はあくまで参考情報であり、最新情報が反映されていない場合もあります。
そのため、まずはeMAFF農地ナビで概要を把握し、具体的に検討を進めるタイミングで自治体へ正式に相談するのが一般的な流れです。

青地を抱える投資家が検討すべき3つの出口戦略

青地は有効活用や売却のハードルが高く、そのまま放置されてしまうケースも少なくありません。一方で、条件や進め方次第では活用の余地がある土地であることも事実です。
不動産投資の観点では、手放す場合・保有し続ける場合・活用する場合の選択肢を整理し、将来的な出口を意識しておくことが重要になります。
この章では青地を保有する投資家が検討しておきたい出口戦略について解説します。

戦略1:農地として近隣農家へ売却・賃貸する

比較的手間をかけずに進められる方法として、青地を農振除外せず、農地のまま近隣農家へ売却する選択肢があります。
この方法であれば、農振除外や農地転用といった手続きを行う必要がありません。

また、農地の作付け状況や時期によっては近隣農家が一時的に耕作地を必要とするケースもあり、その場合は賃貸に出すことで所有権を放棄することなく利益を得ることも可能です。

このように、農地を農地のまま売却・賃貸する方法は、複雑な手続きが必要ないためおすすめです。

戦略2:農振除外を申請し、宅地化してから売却する

農振除外は難易度が高い手続きであるものの、許可がおりれば農地転用の許可もセットでおりるケースが多く、可能性がある場合は検討する価値はあります
申請が認められれば宅地として扱うこともでき、高値での売却も期待できます。
青地と宅地では、地域によっては数十倍の価格差になることもあり、投資家としては魅力的な出口戦略といえます。
一方で、農振除外から農地転用が完了するまでに1年以上かかるケースも少なくなく、長期的な事業計画になりやすいという点がデメリットといえるでしょう。

戦略3:太陽光発電や農業関連施設として活用する

青地は本来農業に適した土地のため、宅地としての転用許可がおりないケースも散見されます。
その場合、太陽光発電施設や農業関連施設、福祉施設といった事業用地として活用の選択肢を探る方法もあります。
これらの用途は宅地化するよりも比較的許可がおりやすく、将来的には事業内容を見直しやすいことから、青地を手放すことなく活用したい人に向いています。

ただし、農業に関連する利用方法であっても農地転用の許可が必要になる場合があります。具体的な規制内容については、事前に自治体へ相談することをおすすめします。

まとめ

多くの農地は宅地に比べて価格が安く、面積も広いため投資対象として魅力がありますが、農業振興地域内の「青地」は活用方法が限定される点に注意が必要です。
青地を農地以外の用途で利用するには農振除外の申請が必要となり、厳しい要件を満たすだけでなく、協議に1年以上かかるケースも少なくありません。

さらに、必要書類や手続きも複雑になりやすいため、自治体への事前相談や行政書士への依頼など、できるだけ許可を得やすいよう進めていく工夫が必要です。

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