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登記簿謄本(登記事項証明書)のオンライン申請方法は?手順と注意点をわかりやすく解説!

空家ベース編集部

土地や建物の所有者や権利関係、地番、不動産の種類を調べる場合、登記情報を閲覧するのが一般的です。
登記情報は登記簿謄本と呼ばれる書類に記載されていますがいくつか種類があり、混同してしまう人もいますので注意が必要です。
また登記簿謄本は法務局の窓口だけでなく、郵送やオンライン申請も可能です。
特にオンラインの交付サービスは自宅にいながら交付請求できるため、おすすめの取得方法といえます。
このように不動産取引を行う際には不動産会社だけでなく、売主と買主が直接登記情報を取得できますので、申請の方法について確認しておくべき情報といえます。
この記事では登記内容を調べる方法と登記事項が記載されている書類の種類について、解説します。
これから不動産売却を検討している人は参考にしてください。

この記事で分かること

  • 登記簿謄本をオンライン請求する手続きと注意点
  • 登記簿謄本の種類
  • 登記簿謄本の交付方法

登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで申請する手順

登記簿謄本をオンラインで取得しても窓口と同様に有効な情報を取得できるため、調査を時間短縮できることから不動産会社も頻繁に利用するサービスです。
この章では登記情報の提供サービスを実施している「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」をベースに、情報取得までの流れを紹介します。
【参考サイト:登記・供託オンライン申請システム

法務局の「登記・供託オンライン申請システム」にアクセスする

登記簿謄本 取得方法 オンライン
登記・供託オンライン申請システムにアクセスするとトップページにサービス内容が表示されますが、登記簿謄本を請求するには「かんたん証明書請求」を選びます。
ただしこの時点では必要なIDとパスワードがないため、次ステップの申請者情報登録を行った後にクリックします。
登録するためには個人情報を入力する必要がありますが、受付や交付の確認はメールで行います。
そのため普段よく使用するパソコンのメールアドレスを用意しておく必要がありますので、事前に準備しておくことが大切です。
なお、利用時間は平日の8時30分から午後9時までとなっており土日祝の請求はできませんので、注意が必要です。

申請者情報登録を行なう(初回のみ)

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申請者情報登録をクリックすると使用承諾書の約款が表示されますので合意をクリックし、情報入力の画面を表示させます。
この画面では以下の情報を正確に入力する必要がありますので、不動産の情報が分かる書類を手元に置いた状態で入力するのがポイントです。

  • 申請者ID(半角英数字11文字以内、大文字小文字区別)
  • パスワード(8文字以上20文字以内、大文字小文字区別)
  • 氏名
  • 氏名(フリガナ)
  • 郵便番号
  • 住所
  • 住所(フリガナ)
  • 職業
  • 連絡先・電話番号
  • メールアドレス
  • 質問(キーワード)
  • 質問の答え(キーワード)

入力が完了するとメールアドレスに仮情報が送付されますので、指示に従って認証すると正式に情報が登録され、サービスを利用できるようになります。
ただし認証情報入力の画面を間違って閉じてしまうと最初からやり直しになりますので、スマートフォンではなくパソコンでの入力作業がおすすめです。

かんたん証明書請求を作成

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申請者情報の登録が完了するとログイン画面から「かんたん証明書請求」を選択し、物件情報を入力します。
物件情報は直接入力するだけでなくオンラインで物件検索することもできますので、自分に合った方法を選択するのがポイントです。
住所を入力するだけでなく証明書の種類や請求対象、共同担保目録の有無などもこの画面で選択します。

交付方法を選ぶ

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交付方法は郵送・窓口受取のどちらかを選択でき、郵送を選んだ場合は普通・書留・簡易書留を選択できます。
郵送で急ぎの場合は速達も可能ですので、書類が必要になる時期から逆算して交付方法を選ぶ必要があります。
窓口を選ぶ場合は営業時間に注意し、余裕を持って法務局に出向くよう準備するのがポイントです。
特に確定申告の時期は法務局の駐車場が満車になり、時間内に受け取れないことも少なくありません。
そのため、確実に受け取りたい場合はなるべく早い時期に郵送で請求するのがおすすめです。

手数料を電子納付する


不動産情報と交付方法の入力が完了すれば電子納付の送信が行われますので、3つの方法から納付方法を選んで完了です。
納付方法には「インターネットバンキング」「モバイルバンキング」「ATM」があり、インターネットバンキングとモバイルバンキングを利用する際にはe-Gov電子納付を取り扱っている金融機関を選ぶ必要があります。
また、ATMの場合はPay-easyマークがあるATMのみが対象となり、さらに金融機関のマニュアルに従って操作することになります。
そのため住んでいる地域やATMの操作に不慣れな人はスムーズに納付できないこともありますので、事前に確認しておくべきポイントといえます。
なお、納付期間最終年月日までに納付がなければ自動的にキャンセルとなります。

登記簿謄本(登記事項証明書)オンライン申請の注意点

オンライン申請のサービスは登記簿謄本を取得するうえで便利ですが、正確に住所を入力しなければならないという注意点があります。
不動産情報は地番が一つ違うだけで内容が全く異なってしまい、そのまま不動産取引を進めてしまうと大きなトラブルになってしまいます。
しかし区画整理地内や住居表示エリアは住所が分からず、法務局のブルーマップで調べる必要があります。
またマンションの登記情報を調べるためには家屋番号が必須となり、法務局に問合せなければなりません。
このように、オンラインで申請する場合は必要情報を入手したうえで利用することが大切だといえます。
これ以外にも登記簿謄本は提供サービスによっては平日しか発行されないため、郵送を選択すると届くのに時間がかかってしまうという点にも注意する必要があります。

登記簿謄本(登記事項証明書)とは?

登記簿謄本は記載内容によって書類が異なるため、知りたい情報に合わせた謄本を取得する必要があります。
また登記簿謄本は日時によってはすぐに取得できないこともありますので、どのようなケースで謄本が必要になるのか知っておくことが大切です。
この章では登記簿謄本の種類と必要になるケースについて、解説します。

登記簿謄本の種類

登記簿謄本には大きく分けて「全部事項証明書」「現在事項証明書」「一部事項証明書」「閉鎖事項証明書」があり、記載されている内容が異なります。
場合によっては必要な情報が得られず二度手間になってしまうこともありますので、それぞれの書類に記載されている情報を正しく把握しておくことが重要です。
この章ではそれぞれの書類が持つ特徴を紹介しますので、謄本を取得する前にチェックしてください。

全部事項証明書

全部事項証明書は不動産の登記に関連する情報が全て記載されており、不動産の所在や面積、所有者、居宅、構造等を確認することができます。
これ以外にも抵当権が設定されている場合は債権額と債権者が記載され、滞納の有無などもチェック可能です。
重要な不動産情報のほとんどが記載されている証明書ですので、どの謄本を取得すべきか分からない場合はまず全部事項証明書を取得することをおすすめします。
ただしマンションの場合は土地の所有者が非常に多く、何十枚も発行されてしまうこともあるため、全部事項証明書で請求すべきか慎重に判断する必要があります。

現在事項証明書

現在事項証明書は現在効力がある権利を確認する際に取得する証明書です。
この書類には全部事項証明書と違って過去の権利関係は記載されていませんので、注意が必要です。

一部事項証明書

全部事項証明書に記載されている情報の一部を抜き出したのが、一部事項証明書です。
マンションのように所有者が多い不動産は全部事項証明書が何十枚も発行されてしまい、必要な情報を抜き出すのに時間がかかってしまいます。
そこで一部事項証明書を利用することで必要な情報のみをスムーズに取得することができ、時間を短縮することができます。

閉鎖事項証明書

建物を解体したり土地を分筆・合筆することで登記情報は削除されますが、削除された情報を閉鎖事項証明書を使って閲覧できるようになります。
こうした情報は建物で30年、土地で50年保存されており、解体時期や地目の変更時期を確認する際に使用します。
不動産会社が市街化調整区域の土地を取引する際に再建築可能かどうかを確認する際によく使われる謄本となっており、一般の人は使う頻度が少ないといえます。

登記簿謄本が必要になるケース

不動産会社は不動産の査定や売買契約書の作成タイミングで登記簿謄本を取得し、不動産情報をチェックしますが、不動産会社でなくても必要になるケースがあります。
たとえば相続や贈与が発生し現在の所有者や共有者の有無を確認するケースがありますので、登記簿謄本でチェックすることが最も正確な方法です。
特に相続や贈与は抵当権設定や差し押さえされた状態で所有権を移転してしまうと債務も引き継いでしまうため、必ず確認すべき情報といえます。
また、不動産が共有名義と知らずに売却してしまうと共有名義者の合意を得ていないことになるため、契約が無効になってしまうリスクを抱えることになります。
このことからも、不動産を売却したり所有権を移転する予定がある人は登記簿謄本を取得し、スムーズに所有権移転する方法を模索することが重要です。

登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法は3つある

登記簿謄本を取得するためには法務局の窓口と郵送、オンラインで申請することができます。
それぞれ取得タイミングと費用が異なりますので、この章で詳しく解説します。

窓口申請

法務局に出向いて窓口で申請する場合は手数料として600円かかり、収入印紙専用の窓口で印紙を購入する必要があります。
原則どの登記情報も最寄りの法務局で取得できますが、閉鎖事項証明書などは管轄の法務局で保管されているため、不動産の所在地によっては遠方の法務局まで出向く必要があります。
そのため、法務局で窓口申請する場合はまず最寄りのHPをチェックすることをお勧めします。
【参考サイト:法務省:法務局・地方法務局所在地一覧

郵送申請

郵送で申請する場合は法務局のHPから申請書をダウンロードし、必要事項を記載して500円の収入印紙を貼付し、返信用封筒を同封して最寄りの法務局に郵送します。
郵送申請してから手元に謄本が届くまで1週間程度かかりますので、余裕を持って申請することをおすすめします。
【参考サイト:登記事項証明書 登記簿謄本・抄本交付申請書

オンライン申請

オンライン申請は必要事項を入力すればすぐに謄本を取得することができ、手数料も480円と比較的安いうえに支払い方法をインターネットバンキング、モバイルバンキング、ATMの中から選択することができます。
そのため投資用物件を多く保有しているなど頻繁に不動産売却するオーナーにはオンライン申請が向いています。
なお、登記情報の閲覧のみで良ければ登記情報提供サービスを利用する方が手数料が安くなり、全部事項証明書を331円で閲覧できます。
【参考サイト:登記情報提供サービス

まとめ

登記簿謄本は不動産情報や所有者、権利関係を確認する際に取得する書類となっており、不動産会社だけでなく一般の売主でも請求可能です。
謄本が保管されているのは法務局ですが、オンラインや郵送で請求することもでき、わざわざ法務局に行かなくても入手することもできます。
ただし登記簿謄本には全部事項証明書だけでなくいくつか種類があり、オンラインや郵送で請求したもののイメージしていた書類ではなかったという失敗事例も少なくありません。
このような失敗を避けるためにも、自信のない人は直接法務局に出向いて相談するか不動産会社から取得してもらうことをおすすめします。