コラム
マイソク
不動産売却

「マイソク」とは?作り方や差別化の方法、確認すべき法律などをわかりやすく解説

空家ベース編集部

マイソクは物件の魅力を伝える営業用の資料です。副業として不動産投資を始める会社員や、少額から事業を始めたい個人にとって、マイソク作成の質が成約率に影響します。

情報は読み手に配慮して整理・構成し、宅建業法などに則った正確な内容でまとめることが求められます。

この記事では、マイソクに盛り込むべき情報、見やすく仕上げるコツ、注意すべき法的ポイントを紹介します。

不動産売却については、こちらの記事も参考にしてください。
投資用築古物件の不動産売却はどこがいい?失敗しないための業者選びと売却術

この記事でわかること

  • マイソクとは何か
  • マイソクに盛り込むべき情報
  • マイソクの作り方と差別化の方法
  • マイソクに関わる法律・規制

空家ベースは、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。空き家投資用物件を探すときはもちろん、売却時にもご活用いただけます。「次の物件購入の資金にするために売却したいが売れない」「負担が大きくなってきて手放したいが買い手が見つからない」、など空き家の売却でお困りの際はぜひお問い合わせください。

マイソクとは


マイソクは、物件概要や間取り、契約条件などをまとめた不動産業界専用の資料です。語源は「毎日速報センター」という事業名に由来し、現在では物件紹介の基本ツールとして定着しています。

不動産投資家が物件を売却する際には、仲介会社への効果的な訴求手段として活用されているのはご存じでしょうか。マイソクは、一般向けのチラシとは異なり、不動産会社間での情報共有を目的として作成されます。

そのため、仲介会社が内容を正確に理解し、購入希望者に魅力を伝えやすい構成にする必要があります。作成時には、宅地建物取引業法や景品表示法、公正競争規約の順守が求められます。

違反があれば行政処分や罰則を受ける可能性もあり、情報の正確性と法令対応がマイソクの信頼性を左右すると言っても過言ではありません。

マイソクに盛り込む情報

マイソクは、購入検討者に物件の魅力や条件を伝える販促資料です。所在地・間取り・価格・連絡先などを正確かつ明快に記載します。

不動産広告には表示ルールがあり、「宅地建物取引業法」や「景品表示法」などの法令を順守する必要があります。文字サイズは原則7ポイント以上が基準です。

視認性を高めるため、強調箇所には太字を使うなど、情報整理にも配慮が求められます。

参考:不動産広告の規制について_必要な表示事項(第8条・規則第4条)_7頁|公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会

物件の基本情報

マイソクでは、物件の種類・所在地・最寄り駅・価格・間取り・築年数など、購入判断に必要な基本情報を明示します。徒歩分数は道路距離80mごとに1分として算出し、端数は切り上げます。

納戸は「サービスルーム」と表現せず、用途を正しく記載します。リフォーム歴がある場合は、時期と内容を明確に書き添えることが求められます。

法令に反した記載や不正確な表現は、不当表示に該当し、行政処分のリスクがあります。

建物の間取りや写真

マイソクにおいて間取り図や写真は、物件の第一印象を決める重要な要素です。外観・室内・水回りなどを明るく撮影し、実際の状態を忠実に反映させます。

図面には各部屋の畳数や用途を記載し、反響を呼ぶには生活イメージがしやすい構成が効果的です。建築中物件の場合は、建築確認番号や完成予想図を明示します。

写真や間取りが実物と異なる場合、「不当表示」とされる可能性があるため、表現には細心の注意が必要です。

物件のアピールポイント

物件の魅力を伝えるには、立地や周辺環境、設備などの具体的な利点を記載します。「駅徒歩3分」や「小学校近接」といった事実に基づく情報を記載するのがおすすめです。

最上級表現や曖昧な訴求は「景品表示法」などに違反する可能性があるため、「格安」や「完売」などの使用は避ける必要があります。

空室対策としては、広告料(AD)やフリーレントの情報も記載することで、仲介会社の関心を高められます。

仲介会社向けの問い合わせ先情報

不動産会社名・所在地・電話番号・免許番号などを記載し、連絡先は迅速な対応が可能な担当者の携帯番号が望ましいです。あわせて、取引態様(売主・仲介など)も明記します。

仲介会社向けには、ADの有無、内見方法、空室確認の手段、ネット掲載可否など、紹介活動に必要な情報も盛り込むと、物件の取扱いがスムーズになります。

丁寧な情報提供が、信頼関係と成約促進につながります。

マイソクの作り方と差別化する方法

不動産の売却では、資料の作り方次第で結果が大きく変わります。特に初めて戸建てを手放す方は、情報整理や書類作成に戸惑いがちです。

物件を魅力的に伝えるために欠かせないのが「マイソク(物件概要書)」です。価格や間取りなどの基本情報をまとめた販促資料で、購入希望者や仲介会社に向けて物件の魅力を伝える役割があります。

適切なマイソクを作成すると、販売の進行がスムーズになり、価格交渉や資金計画も立てやすくなります。

デザインは自由だがよく使われる定型がある

マイソクの構成に厳密なルールはありませんが、外観写真・間取り図を中央に配置し、物件情報を右側、会社情報を下部にまとめた形式がよく使われます。物件資料は景品表示法・宅建業法に基づく広告に該当するため、正確性が求められます。

「新築」や「最高」などの表現は、基準に沿わなければ不当表示と判断されるおそれがあります。不動産公正取引協議会が定める表記ルールを確認のうえ、誇張表現を避けるのがポイントです。

Zの流れを意識して情報を配置する

仲介会社は、大量のマイソクを左上から右下にかけて目を通します。この「Z」の視線の流れに沿って、もっとも伝えたい情報(価格、用途、成約報酬など)を左上に配置するのが効果的です。

入居者を集めやすい家賃帯や、報酬額・限定キャンペーンの情報などは、優先的に掲載すると紹介率が高まるのでおすすめです。

写真や図面を目立たせる

マイソクには外観や室内の写真、間取り図、周辺地図などの視覚情報を必ず掲載します。とくに購入検討者が重視するのは、水回りや日当たり、動線など暮らしをイメージしやすい写真です。

撮影は晴天時の昼間が望ましく、明るく清潔な印象を与えるカットを選択するのがおすすめです。間取り図には部屋の畳数や用途(洋室・和室・収納)を明記し、全体像が把握しやすい構成にします。

視覚的な情報が不足すると他物件との差別化が難しくなります。写真・図面の質にもこだわり、物件の魅力を直感的に伝えるのが大切です。

文字情報を整理して伝わりやすくする

家賃・交通・間取り・敷金礼金の有無などは、視認性の高い文字サイズで目立たせるのがおすすめです。

所在地・築年・設備などは簡潔に並列表示し、過不足のない情報構成にします。徒歩分数は道路距離80m=1分で換算し、端数は切り上げるルールに従います。

誤表記や誇張は不当表示にあたるため、最新かつ根拠のある情報のみ記載してください。

マイソクに関わる法律・規制

マイソクの内容には、「宅地建物取引業法」「景品表示法」「不動産の表示に関する公正競争規約」が関わります。これらはすべて消費者保護と取引の適正化を目的とした規制で、マイソクもその対象です。

誇大表現や記載漏れは、警告や違約金、最悪の場合は業務停止処分の対象となります。売却時の信頼性確保には、内容と表現の両方を慎重に確認する姿勢が欠かせません。

宅地建物取引業法に基づく表記のポイント

宅建業法では、広告の「誇大表現の禁止」「広告開始時期の制限」「取引態様の明示」が求められます。

・「新築」と偽る、「駅徒歩5分」と実際より短く表示する行為は違反です。
・未完成物件は、建築確認済みでなければ広告できません。建築確認番号や開発許可番号も記載が必要です。
・取引態様(売主・代理・仲介など)は明記しなければなりません。不明な立場は取引リスクにつながります。

仲介会社や購入希望者が安心して取引できるよう、情報は正確かつ明確に示すことが求められます。

参考:不動産広告のルール|公益社団法人全日本不動産協会

景品表示法を踏まえた広告表示の注意点

景品表示法は、「誤認される恐れのある表示」の禁止を目的とした法律です。

・「80m=徒歩1分」の原則に沿って所要時間を記載します。
・「新築」や「LDK」などの用語には定義があり、使用には根拠が必要です。
・「激安」「完璧」などの最上級表現は、正当な裏付けがない限り記載できません。

これらを根拠なく記載すると、法令違反として指摘される恐れがあります。

参考:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則|不動産公正取引協議会連合会

その他の広告規制や違反リスク対策

マイソクは、「公正競争規約」に基づく表記ルールも守る必要があります。中でも注意が必要なのは「おとり広告」の禁止です。

・契約済みの物件を掲載し続けると、意図がなくても違反とみなされます。
・インターネット広告では、情報更新日や次回更新予定日を明記し、2週間以内の定期更新が求められます。
・違反が確認されると、業務停止や違約金課徴、免許取消といった処分に加え、広告掲載の停止措置を受ける可能性もあります。

マイソク作成を不動産会社任せにせず、不動産投資家自身も内容確認を徹底するようにしてください。

参考:事例でわかる景品表示法_4不動産のおとり広告に関する表示_14頁|消費者庁

まとめ

本記事では、不動産事業に欠かせない「マイソク(物件概要書)」について、概要、作成の基本、差別化を図る工夫、そして宅地建物取引業法や景品表示法といった法令への対応までを解説しました。

マイソクの内容がわかりやすく魅力的であれば、購入検討者や仲介会社の関心を高め、結果的に成約までのスピードを早められます。マイソクの作成では、正確な情報を掲載しつつ、物件の特長を適切に伝える工夫が重要です。

また、空家ベースは、空き家を売却したい所有者と、購入・投資を検討する個人や法人をつなぐ不動産プラットフォームです。都市部に限らず、地方や郊外の物件も幅広く掲載されており、収益性のある物件を探している方にも適しています。

不動産投資や空き家活用に関心がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。