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中古戸建投資のメリットデメリットは?物件選びの方法や注意点などを解説

空家ベース編集部

中古の物件を購入して入居者を募集し、戸建賃貸として利益を得るためには一戸建てが持つ投資物件としての特徴を理解しておく必要があります。
なぜなら戸建て投資は中古マンションを使ったマンション投資とノウハウが大きく異なり、中古物件ならではの修繕費や利回り、出口戦略といったポイントがあるからです。
投資を始めたばかりの初心者はただ物件価格が安いという理由で空き家を購入する傾向にありますが、購入後に賃貸物件として公開したものの入居者が集まらず、その結果思っていた家賃収入を得られないケースも少なくありません。
このような失敗を避けるためにも不動産投資における戸建とマンションの違いや比較検討は入念にしておくべきといえます。
この記事では投資用中古物件の魅力とメリット・デメリット、物件選びの方法と注意点、マンションとの比較について解説します。
これから戸建を購入して不動産投資を検討している人は、参考にしてください。

この記事で分かること

  • 中古戸建て投資の魅力
  • 中古戸建て投資のリスクとデメリット
  • 中古戸建て投資の物件選び方
  • 戸建投資とマンション投資の違い
  • 中古戸建て投資を成功させるためのポイント
  • 中古戸建が向いている人の特徴
  • 投資用中古戸建てを購入する際の注意点

中古戸建て投資の魅力とは?

中古戸建て投資 魅力
中古戸建を賃貸にだす投資には様々な魅力があり、売主としても築年数が古くても立地などの条件がよければすぐに売却できることから多くの収益物件が日々公開されています。
そのため中古戸建の投資は比較的スタートしやすく、需要の高さから選べる物件も多いので初心者に向いているケースもあります。
この章では中古戸建投資が持つ魅力について、解説します。

低額で始められる

中古戸建の価値は土地と建物に分けられますが建物の価値は年月の経過とともに減少し、木造であればおおよそ20年を超えた段階でほとんどゼロになります。
しかし資産価値がゼロになったからといって住めないわけではなく、リフォームやリノベーションといった修繕をすることで快適な住まいに改善することが可能です。
こうした資産価値の減少はマンションよりも戸建ての方が早いとされており、不動産の価格にも大きく影響することから中古戸建の方が購入金額を抑えられる可能性は高くなることもあります。
不動産投資の初心者はローンを組まずに自己資金でスタートするケースが多いため、中古建てを中心に物件を検討することがポイントです。

利回りが高く、キャッシュフローが良い

中古戸建を投資家が選ぶ多くの理由として「高利回り」が期待できるという点があり、マンションよりも賃料を高く設定しやすいことからキャッシュフローが良いというメリットがあります。
キャッシュフローとは「お金の流れ」のことで不動産投資においては収益計画における重要な指標となっており、年間の総利益から所得税や住民税、さらに金融機関から融資を受けている場合はローン返済額を差し引いた収益を重要視します。
中古戸建の場合は初期投資を抑えることができれば高い家賃設定によって優れたキャッシュフローを実現することができ、その結果投資の回収時期を早めることができます。
資金回収が早期に実現できればそのまま賃貸を継続することも売却することも選択できるようになり、賃貸経営の幅が広がります。
このように戸建の賃貸物件は居住用だけでなく投資物件としても優秀であることから、日本だけでなく海外の投資家からの問合せも増えているそうです。

長期的な入居者が見込める

中古戸建を借りる人は単身ではなくファミリー層が多く、さらに入居期間が比較的長くなるという特徴があります。
なぜなら中古戸建はマンションよりも土地面積と建物面積が大きくなり、3LDKや4LDKといった間取りが多いことから一人暮らしよりも家族で住むのに向いているからです。
また日管協短観が公開しているデータによると単身者の平均入居期間は3.5ヶ月であるのに対し、ファミリー層は5.6ヶ月となることが分かり、頻繁に入居者を探す手間と費用を削減することもできます。
安定した家賃収入も期待できますので、中古戸建だけを購入して賃貸経営する投資家も多いです。

中古戸建て投資のリスクとデメリット

中古戸建て投資 リスク デメリット
魅力とメリットが多く投資家からも注目されている中古戸建投資ですが、投資である以上リスクとデメリットもあります。
「不動産投資で不労所得を得て会社を辞めました!」といった成功事例をインターネットで見かけることは多いですが、そのためには実際には多くの知識と実践経験が必要となります。
なかでも投資が持つリスクへの対策は重要であり、長期間安定して投資を継続するのであれば必ず押さえておくべきポイントです。
この章では中古戸建て投資のリスクとデメリットについて、詳しく解説します。
不動産投資に慣れていない初心者は特に気を付けるべきポイントとなっていますので、必ずチェックしてください。

修繕費やリフォームコストがかかる

中古物件を購入した場合、築年数が古ければリフォームをする必要がありますが、マンションよりも戸建ての方がリフォーム費用は高くなりやすいです。
なぜなら戸建てはマンションよりも居住スペースの面積が広く、状態によっては外壁や屋根を修繕することになるからです。
特に耐震性が低い中古戸建は耐震補強工事をしなければ投資用ローンがおりなかったり地震保険が高額になるというリスクを抱えることになり、耐震補強工事の分リフォームコストがかかってしまいます。
そのため中古戸建は購入価格は安くなるものの状態が悪ければリフォームコストが高くなり、結果的に初期コストが高額になるデメリットがあることを知っておくことが大事です。
なお、戸建てのリフォームにかかるおおよその費用は次のようになります。
中古戸建て リフォーム 費用

空室リスクと需要の見極めが難しい

中古戸建はファミリー層に人気ですが中古マンションほど需要はないエリアが多く、入居者が退去すると借り手が中々見つからずに空室期間が長くなってしまうこともあります。
不動産投資において空室は利益を生み出さないことから空室対策の優先度は非常に高いといえますが、需要が少ないエリアの中古戸建を購入してしまうと対策できずに赤字が増えてしまうことも少なくありません。
投資目的で中古戸建を購入したもののすぐに売却したという失敗事例の多くは、こうした需要の見極めに失敗したことが原因となっています。

資産価値の低下や流動性の課題

中古戸建は中古マンションよりも経年劣化しやすく、資産価値は年々低下する一方でメンテナンス費用は増加しています。
そのため家賃と維持費のバランスが崩れることも多く、収益計画が成り立たなくなることもあり得ます。
不動産のポータルサイトでは収益物件が多く公開されていますがこうした収益性の悪い物件も多く、立地が良くなければ投資用物件だけでなく入居用物件としても売却できなくなってしまいます。
つまり、中古戸建を投資目的で購入する際には家賃の高さだけでなく、将来維持費の増加によって利回りが悪化する点や売却のしやすさも踏まえて総合的に判断することが大切です。

成功するための中古戸建て投資の物件選び

投資 物件選び
中古戸建を購入して賃貸経営を行い安定した収益を得るためには「良い物件」を購入することが重要であり、他の投資家にスピードで負けないよう準備しておくことが大切です。
物件を選定するための正しいチェックポイントを知っておくことでスピーディーに物件の良し悪しを判断できるようになることから、これから不動産投資を検討する人は必ず知っておく必要があると思われます。
この章では不動産投資で成功するために知っておくべき、中古戸建ての選び方について解説します。

エリアの需要と周辺環境の調査

不動産投資が成功するかどうかの大きなポイントに「需要と供給のバランス」と「周辺環境」があり、どちらのポイントもクリアしていることが重要です。
築年数が浅くて価格が安い物件であったとしても、過疎化が進んでいるエリアでは借り手を見つけることは難しく、長期間募集し続けなければ空室を埋められないことも少なくありません。
また建物は誰も住んでいない空き家の状態が長くなると劣化しやすくなり、家賃収入がないにもかかわらずメンテナンスコストが発生することもあります。
このような中古戸建を購入してしまうと、思い描いた不動産投資ができないばかりか売却することもできず、赤字を生み出す負債になってしまいます。
その一方で立地が良く人気のエリアでは競合となる借家も多く、選んでもらうためには家賃を相場よりも下げたり外観を常にキレイな状態にするなどの手間がかかります。
つまり、ある程度立地が良いものの借家があまり公開されていないエリアにある中古戸建を重点的に検討することが大切だといえるでしょう。
これ以外にも工場や墓地、クリーンセンター、産業廃棄物処理場、養豚場などが近くになる場合は平日や雨の日に現地へ足を運び、臭いや塵埃、騒音をチェックすることもポイントです。

耐震基準を満たしているか確認する

耐震基準は1924年に制定され、1981年に震度6強〜7程度の地震でも家屋が倒壊しない「新耐震基準」に改正されました。
その後2000年には地盤調査が義務付けられることで地震や台風などの自然災害に強い家が建てられるようになり、安心して住み続けられる家が供給されています。
新築住宅であれば現行法令に適合した基準となっていますが、中古戸建ては建築年月日によっては適法ではない仕様になっている可能性が高いといえます。
特に1981年以前の旧耐震基準は建築当時の耐震性がそもそも現行法令に適合しておらず、2024年時点で既に築43年を経過していることから耐震補強工事が必要になる場合も多いです。
また、耐震補強をしなければ火災保険や地震保険が高額になるだけでなく投資用ローンを組めないこともあり、なによりも倒壊のリスクを抱えることになります。
このような状態になっていると入居者の安全を確保できないことから物件購入後の修繕費が高額になってしまい、結果的に初期投資が膨らむ原因になってしまいます。
このような失敗をしないためにも中古戸建は価格で選ぶことなく、耐震基準を満たした家かどうかをチェックすることが重要です。

駐車場や周辺の利便性を考慮する

中古戸建を借家として借りる人は車を保有している人が多いですが、ライフスタイルが変わることで駐車スペースがさらに必要になることもあります。
そういった変化に対応できるよう駐車場が近くにあると借り手が見つかりやすいことから、アピールできる施設がないか周辺をチェックすることも重要です。
駐車場だけでなく複合施設などの建築が計画されている場合はエリア自体の需要が高まることもあるため、購入を決める重要な判断材料といえます。

投資用中古戸建てを購入する際の注意点

中古戸建て投資 注意点
株やFXと同様に不動産投資にもリスクがありますが、中古戸建を活用した賃貸経営ならではの注意点があります。
あらかじめ対策することで安全性の高い収益物件となることから、この章で解説する注意点を押さえておくことをおすすめします。

物件価格だけでなく、修繕費も計算に入れる

不動産投資において「利回りの高さ」は物件選定をする上で非常に重要な判断材料となり、利回りの一種である「実質利回り」を高めるためには初期費用だけでなく修繕費も抑える必要があります。
実質利回りは年間の収入から修繕費などの諸経費を差し引き、初期費用で割り戻すことで算出が可能です。
つまり物件価格を抑えても修繕費が高くなってしまうと結果的に利回りは悪くなってしまうため、大きな注意点といえます。

ホームインスペクションを活用してリスクを最小限に

ホームインスペクションとは第三者の立場である住宅診断士が専門的な調査を行い、家の劣化状態や欠陥、修繕すべき箇所などを調査書にまとめてアドバイスを行う業務のことです。
住宅診断とも呼ばれるこの業務を実施することで購入する物件の瑕疵を早期に発見することができ、事前に対策することができるようになります。
入居者の安心材料にもなるため、ホームインスペクションはなるべく活用することをおすすめします。
ただしホームインスペクションを実施できるのは中古戸建を購入した後になるケースが多く、購入前に実施する場合は所有者の許可が必要です。
費用も数万円かかることから、実施する物件については慎重に判断することが重要といえます。

物件を複数比較して最適な選択を

良い物件を購入するためにはなるべく多くの物件を比較検討し、収益とリスクのバランスを見定めることがポイントです。
そのためにも不動産会社から常に新着物件を紹介してもらえる関係性を構築しておき、鮮度が良い情報を持っておく必要があります。

その一方で優良物件は公開されてから数時間で売れてしまうこともあり、判断するスピードも重要です。
物件選定で後悔しないためにも複数の物件を比較検討しつつ、スピーディーに判断できる材料を常に持っておくことも不動産投資を成功させるためには大切だといえます。

中古戸建て投資とマンション投資の違いは?

戸建て投資 マンション投資 違い
中古戸建てと中古マンションのどちらを選ぶのかで、不動産投資の内容は大きく変わります。
この章では「購入価格」と「維持管理」、「売却」というポイントで中古戸建と中古マンションを比較し、解説します。
これから不動産投資を検討している人はチェックしてみてください。

購入価格と利回りの比較

中古戸建の価格は土地と建物の資産価値が考慮され、中古マンションの資産価値は主に専有面積の広さです。
つまり土地の資産価値が考慮されない分中古マンションの方が安くなる傾向があり、さらに居住スペースも戸建ての方が広くなりがちです。
そのため購入価格を抑えることを優先するのであれば、中古マンションの方がおすすめといえます。
また、中古戸建の方が中古マンションよりも家賃が高くなりやすいため高利回りを期待することができ、収益性の高い不動産投資を目指したい投資家は中古戸建てを選ぶ傾向にあります。

維持管理の手間とコストの違い

中古戸建は外壁や屋根の修繕や草むしりなどは全てオーナーが実施することになるため手間がかかりますが修繕費用は抑えることができ、中古マンションは管理会社に委託することっで維持管理の手間を減らすことができる一方、委託料がかかってしまいます。
ただし火災保険や地震保険、固定資産税などは中古戸建の方が高くなりやすいです。
このように維持管理の手間とコストは物件の種類だけでなく築年数や広さ、どこまで自己管理できるのかで大きく変わるといえます。

将来的な売却や出口戦略の柔軟性

出口戦略とは収益物件を最終的にどのような形で処分するのかを決める計画のことで、一般的には売却しやすい物件かどうかを検討することを出口戦略と呼びます。
仮に同じエリアにある中古戸建と中古マンションで比較した場合、どちらもオーナーチェンジ物件として売却することができますが、入居者が退去し空室となっていれば中古戸建ては土地として売却することもでき、選択肢は多いといえます。
ただし物件の立地やオーナーのライフスタイルによっては自己利用したり親族が住むという出口戦略もあり、駅近であれば中古マンションの方が選択肢が増えるケースもあります。
そのため購入した不動産を将来どのような形で活用、もしくは処分するのかを先に決めておき、その上で物件を選ぶことがポイントです。

中古戸建て投資を成功させるためのポイント

中古戸建て投資 ポイント
この章では中古戸建て投資をさせるために知っておくべきポイントについて解説します。
「投資」は投下した資金をなるべく早く、多く回収することが目的です。
そのためにはなるべく安く物件を購入した上で修繕費やランニングコストを抑え、なるべく高く家賃設定することが大切となりますが全ての不動産で達成することは難しいといえます。
また借り手をオーナー自ら探すという方法は手間も費用もかかり、効率は良くありません。
そこで不動産投資をスタートする際にはまず成功するためのポイントを把握し、確実に実行することをおすすめします。

賃貸管理のプロに依頼する

不動産のメンテナンスや家賃回収はオーナーにとって大きな負担となるためストレスを感じる業務になりやすいことから、賃貸管理のプロに依頼するのがおすすめです。
賃貸管理会社に管理を依頼することでオーナーは工数をかけることなく家屋を快適に暮らすことができる状態に維持することができ、家賃回収や家賃滞納時の催促をする必要もありません。
また退去が決まった時点で新しい入居者を募集してくれますので空室期間を短くすることができ、安定した収益にも繋がります。
管理手数料などのランニングコストはかかってしまいますが、オーナーの負担を考えると依頼した方が得になるケースも多いです。
そのため中古戸建て投資をスタートするタイミングで複数の管理会社に相談し、費用やサービス内容を比較検討することがポイントとなります。

複数物件に分散投資してリスクを軽減

一戸の中古戸建てを運用するよりも複数の戸建てや中古マンションを同時に運用することで空室発生による減益リスクを下げることができ、常に収益がある状態を維持することができます。
そのため購入資金も複数の不動産を購入する前提で資金計画するのが成功のコツとなっており、一戸の戸建てで予算を使い切らないよう注意する必要があります。

節税や経費計上でキャッシュフローを最適化

減価償却や損益通算など、不動産投資を使った節税や経費削減方法はいくつか公開されています。
これらの方法については税務署からアドバイスがあるわけではなくオーナー自ら調べて活用しなければならないため、注意が必要です。
利益を最大化する収益計画にするためにも、中古戸建てを購入するタイミングで不動産会社や会計士、税理士に相談することが重要といえます。

中古戸建て投資に向いている人は?

中古戸建てを投資目的で購入する人にはいくつか特徴があります。
この章で詳しく解説します。

長期的に安定した収入を望む人

中古戸建ての入居者は中古マンションよりも入居期間が長く、退去しにくい傾向があります。
そのため、頻繁に入退去が発生する中古マンションよりも長期的に安定した賃貸経営をしたい人には、中古戸建ては向いています。

リフォームやDIYに興味がある人

築年数の古い中古戸建ては価格が安くなる一方でリフォームや修繕費用が高くなることがありますが、壁紙や設備を自ら選定したりDIYが得意なオーナーであれば費用を抑えることができます。
特にDIYが趣味の人は楽しみながら収益物件を修繕することができるため、進んで購入する人も多いです。
このようにリフォームの内容検討やDIYの時間を設けられる人に、中古戸建て投資はおすすめといえます。

空き家活用で地域貢献をしたい人

空き家が増えると治安の悪化や火災の発生など地域の評判が悪くなり、その結果転出者が増加することでさらに空き家が増えるという悪循環となってしまいます。
そこで故郷や気に入った地域にある空き家を購入して賃貸にすることで空き家を減らすだけでなく転入者を増やすこともでき、地域創生の力になることができます。
このことからも、積極的に地域貢献したい人にも中古戸建て投資は向いているといえます。

まとめ

中古戸建てを活用した不動産投資には中古マンションや土地活用にはない特徴やメリットがあるため、正しく理解することで安定した賃貸経営を実現することができます。
その一方でデメリットやリスクもあり、注意すべきポイントを抑えておかなければ失敗する可能性がある投資でもあります。
そのため中古戸建を投資目的で購入する際には価格だけでなく修繕費用やランニングコストをあらかじめイメージしておき、さらに将来売却できるかどうかも見定めた上で判断することが重要といえます。
不動産会社や賃貸管理会社はこうした投資に必要なノウハウを多く持っていますので、早めに相談することをおすすめします。