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不動産投資に資格は必要?おすすめ資格14選と取得するメリットご紹介

空家ベース編集部

賃貸経営をするうえで資格は必ずしも必要ではありませんが、不動産関連の資格を取得しておくことはメリットも多く、オススメです。
不動産経営は専門的な知識や経験が必要となるため管理組合や管理会社に運営を任せっぱなしになることも多いですが、管理の基礎知識を勉強しておくことでより主体的に資産運用できるようになります。
そのため賃貸管理において不動産の資格は重要な役割を担っているといえますが、資格によって難易度が異なるという注意点があります。
合格率の低い資格では合格するまで長い時間、工数と費用を費やすことになりますので、資格の特徴を知っておくことが大切です。
この記事では不動産オーナーとして取得しておきたいおすすめの資格について、解説します。
資格が必要なケースと不要のケースについても紹介しますので、マンション経営などをこれから検討する人は参考にしてください。

この記事で分かること

  • 不動産投資が投資家から注目されている理由
  • 不動産投資をするうえで資格を取得すべき判断ポイント
  • 不動産投資に役立つ国家資格
  • 不動産投資に役立つ民間資格
  • 資格取得以外に押さえておきたい不動産投資の学習方法

不動産投資で資格が注目される理由

賃貸経営に必須の資格はありませんが、資格の取得を検討しているオーナーは多いです。
その理由として資格を保持することで不動産投資に大きなメリットがあり、安定して経営できる可能性を高めることができるからです。
この章では不動産投資で資格が注目される2つのポイントを紹介します。

信用度の向上と交渉力アップ

金融機関から融資を受ける場合、不動産オーナーは賃貸経営の「経営者」として評価されます。
その際に不動産関連の資格を所有していれば信用度が向上し、好条件で融資を受けられるようになることもあります。
また、資格を取得する過程で得られる専門的知識は不動産会社と同等であることから、管理会社に任せっきりだった管理部分を自分で対応できるようになります。
これにより管理会社に依頼する管理業務が少なくなり、管理料の交渉がしやすくなることも少なくありません。
これ以外にも、不動産会社の営業トークが本当かどうか見極められるというメリットもあります。
このように不動産投資をよりスムーズに進めたい人に、不動産関連の資格取得はおすすめです。

専門知識を活かしてリスクを軽減

たとえば宅地建物取引士の資格を取得していれば物件を購入する際に説明を受ける重要事項説明書の内容をあらかじめ把握することができ、契約不適合責任免責などの潜在的リスクがないか見極めることができます。
また物件を購入し賃貸経営をスタートした後に家賃滞納が発生した場合、マンション管理士や賃貸不動産経営管理士などの知識があれば泣き寝入りすることなく支払督促や少額訴訟といった選択肢を検討することができます。
不動産投資は予想外のトラブルが発生した際に、対応を間違えれば損害が出てしまうこともありますので、不動産関連の資格を取得し適切なリスクへの対策を講じられるようにしておくことが大切です。

不動産投資に資格は本当に必須?判断のポイント

資格を取得しておくことで不動産投資がスムーズになるというメリットはありますが、必ずしも資格が役立つわけではありませんので、注意が必要です。
この章では不動産投資をするうえで資格を取得した方が良いケースと不要なケースについて、解説します。

資格取得が不要なケース

たとえばマンション1室や1戸の戸建てを賃貸に出すなど、経営の規模が小さい場合は資格を取得する必要性は高くないといえます。
なぜなら不動産投資の規模が小さければリスクも低くなり、管理会社に任せなくても実践的な勉強で習得できる知識で十分だからです。
時間と費用をかけて資格を取得しても小規模の不動産投資であれば知識を活かす場面は少ないため、資格なしで経営するオーナーも多いです。

資格を積極的に取得すべきケース

不動産投資の規模を拡大し複数の物件を同時に管理する場合は、不動産管理や資産形成に役立つ資格を取得した方が良いです。
管理物件が多いほど家賃回収や修繕計画など管理業務が複雑になり、管理会社に一任する部分が増えてしまいます。
しかし管理の実態が分からなければ管理内容が適切なのか判断することができず、トラブルが発生してから問題に気づくこともあります。
このような失敗を防ぐためにも不動産の管理には積極的に参加する必要があり、そのためにも専門的知識を有しておくことが重要です。

不動産投資に役立つ国家資格6選

この章では不動産投資に役立つ国家資格を6つ、紹介します。
国家資格は民間資格よりも難易度が高いですが、取得できれば信用度は高くなり実務に必要な知識を習得することができます。
そのため資格の取得を考えるのであれば、まずは国家資格から検討してみることをおすすめします。

宅地建物取引士(宅建士)

宅建士は不動産全般の知識を習得できる資格として有名で、不動産会社に入社した新入社員がチャレンジする資格です。
不動産取引に関連する民法や宅建業法、法令上の制限などについて理解することができ、仲介手数料の計算方法や具体的な民法上のトラブル対策を知りたい人に向いています。
受験者は多く毎年20万人以上が受験しており、合格率は15%前後とされています。
受験料も7,000円と国家資格の中では比較的安いため、何度もチャレンジする不動産オーナーもいます。
【参考サイト:一般財団法人不動産適正取引推進機構

賃貸不動産経営管理士

賃貸住宅に関する知識や実務的技能を習得するための資格となっており、賃貸住宅を経営する会社は必ず資格者を置かなければなりません。
合格率は30%近くと比較的高く、不動産投資を始めたばかりの人でも取得しやすいという特徴があります。
賃貸不動産経営管理士を取得すると入居募集から退去手続きの流れや設備の専門知識、賃貸経営に関連する税金全般について理解できるようになることから、不動産オーナーに向いている資格といえます。
【参考サイト:賃貸不動産経営管理士

マンション管理士

マンション管理士はマンションの構造など技術的な知識を習得できる資格ですが、同時に管理組合の仕組みや管理規約、使用細則の内容を理解できるようになります。
賃貸経営の規模が大きくなると複数の管理会社に管理を依頼することになりますが、経営者である以上は管理内容をある程度知っておくことが大切です。
特に管理規約と使用細則は入居者を募集する際に重要なポイントとなっており、ペット飼育不可や楽器の演奏時間などに定めがあればあらかじめ把握しておく必要があります。
試験内容は宅建士とよく似ていますが合格率は10%以下と難易度は高めのため、しっかりと準備をして受験することをおすすめします。
【参考サイト:マンション管理士

管理業務主任者

マンション管理士はマンションの維持管理に関する知識を習得できる資格ですが、管理業務主任者はマンション管理についてアドバイスできるようになります。
管理受託契約に関連する重要事項説明や報告に必要な資格のため管理会社に勤める多くの社員が保有していることから、管理会社と対等に管理方法について協議したい人におすすめの資格です。
合格率は20%前半と高いことから、一番最初にチャレンジする不動産オーナーも多いです。
【参考サイト:管理業務主任者とは

不動産鑑定士

不動産の経済価値を判定する国家資格となっており、不動産の利用や取引、投資に関するコンサルティングなどを目的とした資格です。
固定資産税や相続税の算出根拠となる公示価格や評価額を計算することができ、取得できれば非常に高度な不動産査定を実施できるようになります。
会計や財務、経営学についても勉強することができますので不動産のプロも取得を目指す資格です。
ただし難易度は非常に高く合格率は5%前後となっていますので、他の資格を先に取得した後にチャレンジすることをおすすめします。
【参考サイト:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 – 国土交通省

司法書士

不動産登記、商業登記のほか、民事訴訟法などについて幅広く知識を習得できる資格となっており、宅建士やマンション管理士と合わせて取得できれば不動産経営に関連する知識を網羅することができます。
不動産登記を自分で手続きできることから大きなコストダウンを見込むことができ、取得を目指して勉強している不動産オーナーも多いです。
合格率は3%前後と非常に難易度が高いことから、数年かけて準備することをおすすめします。
【参考サイト:日本司法書士会連合会

不動産投資におすすめのその他の資格

国家資格でなくても不動産投資に役立つ民間資格はありますので、国家資格と合わせてチェックしておくことが大切です。
この章では不動産投資におすすめの資格を8つ、紹介します。

不動産実務検定

一般財団法人日本不動産コミュニティーが運営している不動産実務検定は1級と2級があり、金融機関の融資や賃貸経営のリスク、家賃アップの方法、不動産投資のステップなどを具体的に知ることができます。
不動産投資の実務的な知識やマンションの基礎的な施工管理技術を把握したい人に向いていることから、賃貸経営に特化した知識を習得したい人に適した資格です。
【参考サイト:不動産実務検定

投資不動産取引士

投資不動産取引士は一般社団法人投資不動産流通協会が運営しており、投資用不動産売買におけるコンサルティングや売買仲介業に必要な知識を習得できる資格です。
民法や区分所有法、不動産の鑑定評価など宅建士の試験と内容はよく似ていますが難易度は低めであることから、投資不動産取引士から勉強を始めるオーナーも多いです。
【参考サイト:投資不動産取引士

ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナーはお金に関する知識を習得できる資格となっており、不動産投資の規模が大きくなると必要になる税金対策や収支計画の立案に役立ちます。
また不動産投資以外にも保険や相続の基礎的な知識を身につけることができるようになることから、不動産会社や保険会社の社員も積極的にチャレンジしている資格です。
収支の仕組みだけでなく確定申告の詳細を理解できるようになりますので、納税額が予想外に高くなるなどのストレスがなくなります。
FPは3級から1級までありますが難易度が大きく異なり、3級は難易度が低く合格率は高めです。
ただし実務的な計算や節税対策の内容を理解したいのであれば、2級以上のFPを取得することをおすすめします。
【参考サイト:ファイナンシャル・プランナー(FP)とは | 日本FP協会

簿記

簿記は不動産の収益を計算して整理し、帳簿にまとめるために必要な知識を習得することができます。
個人事業主として青色申告をする場合は複式簿記による計算書類を提出しなければならないため、知識がないと会計士に依頼せざるを得なくなってしまいます。
その点、簿記の知識があれば自分で作成できますので、コストダウンできるというメリットがあります。
簿記は3級から1級までありますが、固定資産の減価償却や財務諸表の作成など不動産投資に必要な知識だけ習得したいのであれば3級でも十分です。
そのため不動産投資を始める段階で簿記3級を取得しておくことも、安定した賃貸経営のために重要なポイントといえます。
【参考サイト:簿記 | 商工会議所の検定試験

ホームインスペクター(住宅診断士)

ホームインスペクターは住宅全体の劣化などをチェックし、報告書にまとめられる資格です。
住宅診断士ともいわれ、不動産売却で売主が物件の状況を把握するためにホームインスペクションを依頼することは多いです。
不動産投資と直接的な関係はありませんが、建物のチェック方法やメンテナンス方法を知っておくことはオーナーとして重要です。
【参考サイト:日本ホームインスペクターズ協会

住宅ローンアドバイザー

住宅ローンアドバイザーは住宅ローンに関連する知識を習得することができ、一般財団法人住宅金融普及協会では次のような資格だと説明されています。
住宅金融普及協会の住宅ローンアドバイザーは、お客様が最適な住宅ローンを選択することができるように、消費者保護や説明責任を果たし、住宅ローンについての正確な商品知識、リスク、情報などを、アドバイスする資格者です。

住宅ローンと投資ローンは審査基準が異なりますが、審査の仕組みはほとんど同じです。
そのため、金融機関の融資が好条件になるポイントを勉強できる資格といえます。
【参考サイト:住宅ローンアドバイザー

土地活用プランナー

土地活用プランナーは土地活用の専門家として空き地や休耕地などを活用するアドバイスができる資格となっており、土地を所有している投資家にとって必要な知識を習得することができます。
公益社団法人東京共同住宅協会によると、土地オーナーが土地活用プランナーを取得することに対して次のような説明があります。
土地活用の際には、多くの業者からの提案を受けることになります。もし、不適切な提案を鵜呑みにして誤った土地活用を進めてしまえば、借入金の返済もままならず取り返しのつかない事態となってしまいます。しかし、この資格を学ぶことで、その提案が本当に確かなものかどうか、土地オーナー様ご自身が判断できるようになり、自己防衛が可能になります。

このように、土地の活用方法についてリスクを下げ、安心安全な投資をするために土地活用プランナーの資格は活用できることが分かります。
【参考サイト:土地活用プランナー

サブリース建物取扱主任者

サブリース建物取扱主任者はサブリース賃貸契約における知識を習得できる資格です。
サブリースとは不動産オーナーが所有する物件を不動産会社が借り上げ、それをさらに別の入居者に転貸する仕組みのことです。
一括借り上げ方式とも呼ばれるこの仕組みは空室による家賃収入減少のリスクを軽減できるため、多くのオーナーが利用しています。
その一方でサブリース契約は簡単に解約できないうえに家賃のコントロールをオーナーができないため、仕組みを理解していないことでトラブルに巻き込まれることも多いです。
サブリース建物取扱主任者を取得することでサブリースのメリットとデメリットを正しく理解できるようになり、サブリース会社との交渉もしやすくなります。
そのため複数の不動産を投資目的で保有しサブリース契約を締結しているオーナーにとっては、おすすめの資格です。
【参考サイト:サブリース建物取扱主任者

資格取得以外に押さえておきたい不動産投資の学習方法

不動産関連の資格は不動産会社の社員が取得を目指す内容となっていることから、勉強することで専門家として不動産投資を行えるようになります。
しかし資格取得には時間とお金がかかりますので、資格取得以外の学習方法も知っておく必要があります。
この章では資格取得以外に押さえておきたい不動産投資の学習方法について、解説します。

投資家コミュニティやセミナーを活用する

投資家コミュニティでは多くのメンバーが有益な情報を交換しており、資格のテキストからは学べないような実践的知識を簡単に得られます。
特に金融機関からの融資を通りやすくする方法などの情報は多いため、チェックしておくことをおすすめします。
投資家コミュニティ以外にもYouTubeなどで不動産投資セミナーが開催されており、基礎的な知識を無料で習得することができます。
ただし投資家コミュニティと不動産投資セミナーでは必ずしも正しい情報だけでなく、詐欺行為や違法にあたる行為が含まれている場合もあるため、注意が必要です。

専門家に相談しながら実践で学ぶ

不動産会社や司法書士といった専門家は不動産投資家と密に連絡を取り、仕事の依頼を受ける関係性のため様々な情報を持っています。
そのため、独学で進めることに不安を感じる場合はこのような専門家に相談することが大切です。
最新の税金対策や市況など、不動産投資に活かすことができる情報を得られることもあります。
こうしたブレインがいることで安定した賃貸経営を実現できますので、信頼できる専門家を見つけることも重要だといえます。

まとめ

不動産投資をするうえで必ず取得しなければならない資格はありませんが、資格を取得しておくことには多くのメリットがあります。
不動産関連の資格を取得すると賃貸管理や税金、設備の修繕について理解することができ、管理会社に任せず主体的に運営できるようになります。
その結果管理会社と対等に交渉できるようになったり、賃貸経営の経営者として金融機関からの信頼度が向上し、好条件での融資を期待できるようになります。
ただし資格によっては難易度が高く、不動産のプロでも数年間勉強しなければならないことも多いです。
そのためまずは資格の特徴と費用、大まかな勉強時間を確認し、自分にとって必要な知識を得られる資格からチャレンジすることをおすすめします。