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抵当権抹消手続きの方法は?必要なタイミング・費用・流れを解説

空家ベース編集部

住宅ローンや不動産投資用のローンを完済した後は、担保として設定されていた抵当権を抹消する手続きが必要です。抵当権は自動的には消えないため、所有者自身が法務局へ申請する必要があります。

本記事では、抵当権抹消登記をするべきタイミング、必要な書類、手続きの流れ、そして登録免許税などの費用について詳しく解説します。不動産を活用した事業を始めたい方や、空き家を購入して移住を検討している方など、ご自身で手続きをしたい方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 抵当権抹消登記をするべき具体的なタイミング
  • 手続きに必要な書類とその入手方法
  • 窓口申請、郵送申請、オンライン申請の流れ
  • 登録免許税やその他の費用
  • 抵当権抹消を放置するリスク

空家ベースでは、全国の空き家物件を多数掲載しており、少ない資金で不動産事業を始めたい方や地方移住を検討している方を応援しています。抵当権の抹消が完了した物件から、新たな挑戦をスタートしてみませんか。

抵当権とは?

抵当権とは、万が一債務者がローンの返済を履行できなくなった場合に、金融機関が担保となっている不動産を競売にかけ、融資金の回収を図るための権利です。

抵当権の存在により、金融機関は貸し倒れリスクを抑えられるため、融資の安全性が確保されます。不動産投資をするうえでは、抵当権の仕組みと法的な意味合いを事前に理解しておくのが重要です。権利関係が明確になることで、物件取引の信頼性が高まり、金融機関との交渉や契約もスムーズに進められます。

抵当権が設定される仕組み

ローンの借入時には、まず借入金額や返済条件を定めた金銭消費貸借契約が締結されます。あわせて、担保とする不動産を特定し、抵当権設定契約も結ばれます。

契約の成立後、金融機関が法務局に対して抵当権の設定登記を申請します。登記完了後は、不動産の登記簿謄本(乙区)に抵当権の内容が記載され、第三者にもその情報が開示される仕組みです。

抵当権の登記によって、金融機関は法的に強い担保権を取得できるため、より安心して融資を実行できます。ローン完済後に抵当権を抹消するには、契約や登記の流れを正しく把握しておくと、スムーズな手続きができます。

抵当権抹消登記をするタイミング

ローンを完済しても、抵当権は自動的に消えるわけではなく、法務局での抹消登記をもってはじめて法的に効力を失います。不動産登記簿上に抵当権が残っている状態では、物件の売却や新たな融資を受ける際に支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。

以下では、具体的にどのようなタイミングで抵当権抹消登記をするべきかを解説します。

不動産を売却しローンを完済したとき

所有する不動産を売却する際、ローンの残債がある場合は、売却代金でローンを完済し、同時に抵当権の抹消登記をするのが一般的です。

ローン返済が完了した時点で、金融機関は抵当権の実質的な権利を失いますが、登記簿上には依然として抵当権が記載されたままとなります。この状態では、買主にとって物件の取得に不安が残るため、売買契約においては、売主が抵当権を抹消し、登記簿が「担保権なし」の状態で引き渡すことが通常の取り扱いです。

また、抵当権の抹消登記に必要な書類には有効期限が設けられていることもあるため、一定期間が経過すると再発行の手間や費用が発生するリスクも考えられます。不動産取引を円滑に進めるため、そして将来的なトラブルを未然に防ぐためにも、ローン完済後は早期に抵当権抹消の手続きを進めるのがおすすめです。

抵当権のある物件を相続するとき

被相続人がローンを完済していたにもかかわらず、抵当権の抹消登記をしないまま亡くなったケースでは、登記簿上に抵当権が残存した状態となります。抵当権が残存した状態で不動産を相続する際は、通常の相続登記とは別に、抵当権抹消の手続きが必要になります。

抵当権が残っている限り、相続人による不動産の売却や、新たな融資の担保としての活用が難しくなります。まずは相続登記によって不動産の所有権を相続人名義に変更し、抵当権が存在する場合は、所有者変更後に抹消登記をする必要があります。

特に注意すべき点として、抵当権設定時の債務者(被相続人)と、現在の所有者(相続人)が異なることが挙げられます。このような場合、金融機関によっては、相続関係を証明する戸籍謄本などの追加書類が必要となるケースがあります。

手続きを円滑に進めるためにも、被相続人がローンを完済していると確認できた段階で、相続登記とあわせて抵当権の抹消登記を検討するのが望ましい対応です。

その物件を担保に新たな融資を受けるとき

既に抵当権が設定されている不動産を担保として、新たな融資を受ける場合には、原則として先に既存の抵当権を抹消する必要があります。

不動産には複数の抵当権を設定することが可能ですが、後順位の抵当権は先順位の抵当権に劣後するため、担保価値が大きく下がるという問題があります。そのため、新たに融資をする金融機関は、原則として他の抵当権が設定されていない状態での担保提供を求めるケースがほとんどです。

仮に既存の抵当権が残存している状態でも融資を受けられる場合はありますが、融資条件が不利になる可能性が高く、審査においても制約が多くなる傾向があります。

したがって、新たな融資を検討する際には、既存のローンなどを完済し、抵当権を速やかに抹消することで、当該不動産を「担保権なし」の状態に整えておくことが望ましいといえます。このように抵当権が抹消された不動産であれば、金融機関も担保価値を正当に評価しやすくなり、より有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。

事業拡大や資産運用の一環として不動産を活用する場合は、抵当権の抹消と担保設定のタイミングを適切に管理することが、資金調達の効率化にも直結します。

抵当権抹消を放置するリスク

抵当権が残存している状態を放置すると、将来的にさまざまな不利益が生じる可能性があります。たとえば、不動産の売却が円滑に進まなくなる、新たな融資を受けにくくなる、必要書類の紛失によって手続きが煩雑化するなど、不動産投資全体の計画に悪影響を及ぼす恐れがあります。

ローンの返済が完了した段階で、速やかに抹消登記をするのが、将来的なリスク回避につながります。以下では、抵当権抹消登記を怠った場合に想定される具体的なリスクについて解説します。

不動産を売却できない可能性が高まる

登記記録に抵当権の記載がある状態では、ローンが完済されていることが第三者に確認できず、購入を躊躇される可能性が高くなります。

たとえ売主が「完済済み」である旨を説明しても、登記簿で裏付けが取れなければ、抵当権が実行されるリスクを買主が懸念するのは自然な流れです。その結果、購入の見送りや、売却価格の大幅な値下げ交渉を受けるケースも想定されます。

不動産取引における一般的な慣行では、抵当権が抹消された状態で物件を引き渡すことが基本とされています。売却活動の開始時点でローンが完済済みであっても、抹消登記をしていない場合、買主が見つかっても手続きに時間を要し、売買契約の締結が遅れる可能性があります。タイミングを逸して商談が流れることもあるため、売却を検討する際には早期の抹消対応が求められます。

追加融資が受けにくくなる

融資審査では、不動産の担保価値や既存の権利関係が厳密に調査されます。登記簿に記載されている抵当権の金額や設定時期、返済状況などを確認する過程で、既存ローンの返済能力に対して懸念を持たれる場合があります。

未抹消の抵当権が多額で残っていると判断されれば、新たな融資が承認されにくくなったり、金利条件などが不利に設定されたりすることが考えられます。不動産投資を継続的に展開していくためには、必要のない抵当権は早めに抹消し、登記簿の状態を整えておくことが、信用力維持の観点からもおすすめです。

書類紛失による手続きの煩雑化

ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類一式が交付されます。主な書類には、登記原因証明情報、金融機関の代表者事項証明書、登記識別情報通知(または登記済証)などが含まれます。

特に登記識別情報通知は、原則として再発行ができない書類であり、紛失した場合は「事前通知制度」を利用する必要があります。この制度では、法務局が金融機関に登記申請の通知をして、意思確認の回答を経てから手続きを進める流れとなるため、通常よりも時間と労力がかかるのが一般的です。

また、代表者事項証明書などには有効期限が設けられているケースも多く、期限切れとなれば再取得の手続きが必要になります。さらに、金融機関が合併や統合などにより組織変更をしている場合、抹消登記のための権利関係の確認に予想以上の時間を要する可能性もあります。

リスクを回避するためには、ローン完済後すぐに抹消登記をして、必要書類は適切に保管するのが重要です。手続きを後回しにすることで発生する余計な手間とコストは、避けられる問題であるため、早めの対応が最善の策となります。

抵当権抹消登記に必要な書類

抵当権抹消に必要な書類には、ローン完済を証明するものや、手続きの委任に関する書類などが含まれます。スムーズに抵当権抹消の手続きを進めるためには、必要な書類の種類や入手方法を事前に把握しておくと良いです。

ここでは、抵当権抹消登記に必要な主要書類とその詳細について解説します。

登記原因証明情報(解除証書・弁済証書など)

登記原因証明情報は、ローン完済により抵当権が消滅したことを証明するための書類です。通常は、融資を受けた金融機関から「抵当権解除証書」「弁済証書」「解約証書」などの名称で発行されます。金融機関によっては、「解除」の文言と押印がある契約書を登記原因証明情報として扱う場合もあります。

書類には、抵当権設定時の契約内容や完済日・解除日などが記載されており、法務局への申請時に提出する必要があります。紛失した場合は、再発行を金融機関に依頼することが可能ですが、手続きや必要書類は金融機関ごとに異なるため、早めの対応が望ましいです。

また、金融機関の名称や所在地が当時と異なる場合には、変更の経緯を示すために、商業登記簿謄本などの補足書類が必要となるケースがあります。

抵当権抹消登記申請書

抹消登記の申請に必要な書類は、法務局の窓口またはホームページから入手可能です。

申請書には、登記目的、不動産の表示、権利者(不動産所有者)、義務者(金融機関)、添付情報、申請日、提出先法務局、登録免許税などを正確に記載する必要があります。不動産の表示は、登記事項証明書に記載された内容と一字一句一致させる必要があります。

登録免許税は、不動産1個につき1,000円で、申請書に収入印紙を貼付して納付します。マンションなど土地と建物が分かれている場合は、それぞれに対して課税されます。申請書が複数ページにわたる場合は、申請人または代理人による契印が必要です。

抵当権の抹消の登記の申請に必要な書類とその入手先等|法務局

金融機関の委任状

抵当権抹消登記は、権利者(所有者)と義務者(金融機関)が共同で行うのが原則ですが、実務上は金融機関が手続きをすることは少なく、金融機関が所有者に手続きの委任状を発行します。

委任状には、抹消登記申請に関する委任内容、委任日、金融機関の名称・所在地・代表者名・押印などが記載されており、通常は他の書類とともに郵送で送付されます。委任状の代理人欄が空欄の場合は、所有者が自らの氏名を記入します。

また、登記識別情報の取り扱いについての委任が明記されているかを確認する必要があるほか、金融機関の代表者が変更されていても、一定の条件下で既存の委任状を使用できる場合があります。記載内容に不備がある場合は、速やかに訂正または再発行を依頼してください。

印鑑証明書・住民票が必要なケース

基本的な抹消登記手続きでは、所有者の印鑑証明書や実印は不要であり、認印で対応可能です。また、住民票も、登記簿上の所有者情報に変更がなければ不要です。

ただし、所有者の氏名または住所に変更があった場合は、「登記名義人住所・氏名変更登記」を先に行う必要があり、この際には住民票、戸籍附票、戸籍謄本などの書類を添付します。特に転居が複数回ある場合は、戸籍附票で住所の履歴を証明する必要があります。

さらに、登記識別情報を紛失し、事前通知制度を利用して申請する場合は、金融機関の印鑑証明書が必要になることがあります。司法書士に手続きを依頼する場合には、所有者の印鑑証明書と実印の押印が求められるケースもあります。

抵当権抹消手続きの流れ

融資により設定された抵当権は、ローンを完済しても自動的に抹消されるわけではなく、登記簿上から権利を消除するためには法務局への登記申請が必要です。

抵当権が残存したままだと、物件の売却や新たな融資の際に支障が生じる恐れがあります。抹消手続きを怠った場合、将来的に余計な手間や費用が発生するリスクもあるため、ローン完済後は速やかに登記の手続きを進めるのがおすすめです。

以下では、本人が抵当権抹消登記をする際の一連の流れを、4つのステップに分けて解説します。

STEP1:必要書類の準備

はじめに、抹消登記に必要な書類をすべて揃えます。ローン完済後、通常は融資元の金融機関から以下の書類が送付されます。

  • 抵当権解除証書(または弁済証書・放棄証書等)
  • 金融機関の委任状
  • 登記済権利証または登記識別情報通知

上記の書類はいずれも、抵当権が消滅した事実や登記手続きをする権限を証明する重要な資料であり、紛失しないように保管してください。

加えて、正確な物件情報を確認するために、最新の登記事項証明書を法務局で取得します。登記申請書へはこの証明書に記載された地番・家屋番号・所有者情報等を一字一句正確に転記する必要があります。

また、登記簿上の氏名や住所が現在と異なる場合は、事前に「登記名義人住所・氏名変更登記」をする必要があります。住所変更には住民票または戸籍附票、氏名変更には戸籍謄本などの書類が求められます。

なお、金融機関から送付される委任状には、「登記識別情報の暗号化・復号化に関する一切の件を委任します」という文言の有無を確認しておくことも重要です。文言が不足している場合は、再発行の手続きをしてください。

STEP2:登記申請書の作成

必要書類の準備が整ったら、抵当権抹消登記申請書を作成します。様式は法務局窓口またはホームページから取得可能です。

申請書には、以下の項目を正確に記載します。

  • 登記の目的と原因(通常は「解除」と完済日)
  • 不動産の表示(地番・家屋番号等)
  • 権利者(所有者)、義務者(金融機関)
  • 添付情報の明細
  • 申請日、申請先法務局
  • 登録免許税の額(原則として不動産1件あたり1,000円)

土地と建物の双方に抵当権が設定されている場合は、それぞれに登録免許税が課税されるため、合計2,000円となります。納付方法は、申請書に収入印紙を貼付するのが一般的です。

作成時には、法務局の記入例を参照しながら丁寧に記載し、誤記や漏れがないよう注意を払ってください。申請書に不備があると、手続きが遅延する場合があります。

オンラインでの提出には「登記・供託オンライン申請システム」を利用し、「申請用総合ソフト」にて申請情報を作成します。

STEP3:管轄の法務局への申請(窓口・郵送・オンライン)

登記申請書の作成が完了したら、不動産所在地を管轄する法務局へ申請をします。提出方法は、以下の3通りから選択可能です。

  • 窓口申請(平日8:30~17:15に直接提出)
  • 郵送申請(書留等で書類を郵送)
  • オンライン申請(登記・供託オンライン申請システムを利用)

オンライン申請をする際は、電子証明書による署名をして、必要情報を送信します。その後、登記原因証明情報や委任状などの一部添付書類は、オンラインでは送信できないため、申請受付日から2日以内(土日祝除く)に法務局へ郵送または持参する必要があります。

登録免許税の納付方法は、電子納付、現金納付、または収入印紙の郵送から選択可能です。

なお、提出内容に不備がある場合は、法務局から補正の連絡が入ることがあるため、速やかに対応できるよう準備するのがおすすめです。

STEP4:登記完了の確認と書類の受け取り

登記申請後、通常1週間~2週間程度で抹消登記が完了します。完了予定日は申請時に法務局で確認が可能です。オンライン申請の場合は、申請用総合ソフト上でも手続きの進捗確認ができます。

登記完了後は、「登記完了証」が交付されます。受け取り方法は以下の通りです。

  • 窓口・郵送申請の場合:郵送または窓口での受け取り
  • オンライン申請の場合:電子データでダウンロード

あわせて、金融機関から預かっていた登記識別情報通知や抵当権解除証書、委任状なども返却されます。書類は、将来的な売却・相続などで必要になる場合があるため、無くさないように保管しておきます。

最後に、念のため法務局で登記事項証明書を再度取得し、抵当権の抹消が正しく反映されているか確認することをおすすめします。登記情報提供サービスを利用してオンラインで確認することも可能です。

抵当権抹消手続きにかかる費用の目安

不動産投資をするにあたり、特に中古物件や空き家を活用する場合には、過去に設定された抵当権を抹消する必要が生じることがあります。抹消手続きには一定の費用が発生するため、事前に概算を把握しておくと投資計画の精度が上がります。

抵当権が残存している状態では、物件の売却や新たな融資の実行が難しくなるため、早期の抹消が推奨されます。費用の内訳には、登録免許税、登記事項証明書の取得費用、郵送料、そして司法書士に手続きを依頼する場合の報酬などが含まれます。

以下では、主な費用項目とその目安について解説します。

登録免許税

抵当権抹消登記をする際には、国に対して登録免許税の納付が義務付けられています。税額は不動産1物件につき1,000円と定められており、たとえば土地と建物の双方に抵当権が設定されている場合は、合計2,000円の納付が必要です。

登録免許税の納付は、収入印紙を登記申請書に貼付する方法で行います。

登記事項証明書取得費用や郵送料

抹消手続きに先立っては、不動産の権利関係を確認するために登記事項証明書の取得が必要です。さらに、登記完了後に正しく抹消されたかどうかを確認するためにも、再度の取得が推奨されます。

証明書の取得方法は以下の通りです。

・法務局窓口で取得:1通600円
・オンライン申請・郵送受取:1通500円
・オンライン申請・窓口受取:1通480円

また、証明力はないものの、登記情報提供サービスを利用した閲覧(1件あたり331円)も可能です。

書類を郵送で提出する場合は、往復の郵送料や返信用封筒の切手代、書留料金などの実費が発生します。窓口提出をする場合には、交通費も念頭に置く必要があります。

司法書士に依頼するときの報酬

抵当権抹消登記は、所有者本人が手続きをすることも可能ですが、書類の不備や手続きの煩雑さを避けるために、司法書士へ依頼するケースも多く見られます。

司法書士報酬の目安は、1件あたり15,000円〜20,000円程度です。金額は事務所の所在地や不動産の状況、依頼内容の複雑さによって変動します。

司法書士に依頼するメリットは、以下の通りです。

  • 書類の正確な作成および申請代理
  • 法務局との連絡・対応を一任できる
  • 書類紛失や住所変更など、追加手続きが必要なケースへの柔軟な対応

複数の司法書士事務所から見積もりを取得し、費用や対応内容を比較検討することが安心・納得につながります。

よくある質問Q&A

抵当権抹消登記は、ローン完済後や不動産の売却時に必要となる重要な手続きです。特に空き家の取得や低資金での不動産投資を検討する方にとって、適切な知識と事前準備が求められます。

ここでは、実際によく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。

Q1.抵当権抹消を行う最適なタイミングは?

ローン完済後、できるだけ早めに手続きをするのがベターです。

抵当権は完済しても自動的には消えず、法務局での申請が必要です。放置すると、金融機関から送られてくる書類の有効期限切れ、住所・氏名・代表者の変更による手続きの煩雑化など、余計なトラブルを招く可能性があります。

将来的に物件を売却したり、新たな融資を受けたりする際にも影響が出るため、完済後は速やかに登記申請をするのをおすすめします。

Q2.必要書類を紛失した場合の対処法は?

まずは書類の発行元に相談し、再発行の可否を確認します。

金融機関が発行した書類を紛失した場合は、その金融機関に連絡を。再発行可能な場合もありますが、手数料が発生したり、再発行ができない書類もあります。

また、住所変更登記のための住民票や戸籍附票などを紛失した場合も、発行元である自治体や法務局に相談してください。登記済証や登記識別情報を紛失した場合は、法務局にて別の書類(上申書、不在住証明など)で代替できるケースもあります。

いずれにしても、早めの対応と法務局への確認がスムーズな解決につながります。

Q3.オンライン申請はどの程度簡単?

メリットは多いですが、事前準備が必要なため「誰でも簡単」とは言えません。

オンライン申請は、移動時間や待ち時間を削減できる便利な方法です。ただし、申請用ソフトのインストールや電子証明書の取得、書類の一部郵送、登録免許税の納付など、複数のステップをこなす必要があります。

操作や手続きに不安がある場合は、法務局窓口での申請や司法書士への依頼も検討するのをおすすめします。

Q4.抵当権抹消を放置するとどうなる?

抵当権抹消登記に期限はありませんが、放置すればするほど、手続きは面倒になります。

抵当権が残っていると、売却や融資の際に不利になるだけでなく、手続き自体も複雑化します。代表者の変更、住所変更、相続などが絡むと、必要書類が増えたり、追加登記が必要になったりします。

抵当権抹消を放置しても問題ありませんが、早期対応が手間と費用の節約につながります。

Q5.司法書士に依頼すると期日はどのくらいかかる?

通常はご自身で行うよりも早く、確実に完了します。

司法書士に依頼すれば、書類準備から法務局とのやり取りまで任せられるため、スムーズに手続きが進みます。ただし、申請時期や法務局の混雑状況によって所要日数は異なります。繁忙期(3月や年末年始など)は、やや時間がかかるケースもあります。

目安期間は、事前に依頼先の司法書士事務所に確認するのをおすすめします。

まとめ

ローンの完済はゴールではなく、抵当権を抹消して初めて不動産が完全に自由な状態になります。抵当権が残っていると、売却や新たな融資に支障をきたすおそれがあるため、完済後は速やかに抹消登記をするのが重要です。

本記事では、抹消登記の流れや必要書類、費用、よくある疑問まで幅広く解説しました。スムーズな不動産取引や投資のためには、こうした基礎知識の理解が欠かせません。

空家ベースでは、全国の空き家物件を多数掲載しており、少ない資金で不動産事業を始めたい方や地方移住を検討している方を応援しています。抵当権の抹消が完了した物件から、新たな挑戦をスタートしてみませんか。

不動産投資にご興味のある方は、ぜひ空家ベースの物件情報をご覧ください。