コラム
不動産投資 売り抜け
不動産売却
  • 不動産投資
  • 売却
  • 戸建て投資

失敗しない不動産投資の「売り抜け」戦略|高値売却の秘訣を徹底解説

空家ベース編集部

不動産を購入して入居者から家賃収入を得る不動産投資において収益性は物件選択の重要なポイントですが、不動産投資がプラスで終了するためには「いくらで売却できるか」という点も重視する必要があります。
なぜなら不動産は築年数が経過するにつれて設備の劣化や耐久性が低下し、それに合わせて資産価値が減少するからです。
つまり、どこかのタイミングで資産価値と家賃のバランスが崩れることになり、利益を確保できる時期に最適な売却価格で売却する必要があるといえます。
この売却計画を出口戦略と呼び、不動産会社に収益物件を紹介してもらう際には家賃と同様に確認しておくことをおすすめします。
不動産投資の収益計画は家賃収入+売却益で立案するのが一般的であり、売却価格は購入時の費用回収や不動産投資ローンの返済に大きく影響することになります。
このことからも賃貸経営において高値売却できるかどうかは投資用物件の重要な判断材料となっており、さらに売却が難しい場合の対策についても知っておくべきといえます。
この記事では投資物件を高値で売却する重要性と方法、売れない物件を売る方法について、解説します。
これから不動産投資を検討したり既にスタートしている投資家は、参考にしてください。

この記事で分かること

  • 不動産投資における「売り抜け」の概要
  • 投資用不動産を売り抜けするタイミングの見極め方
  • 売却時に所有者がやっておくべきこと

空家ベースは、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。
戸建て投資で収益物件の売却を考えている方はぜひお問い合わせください。

不動産投資における「売り抜け」とは?

不動産投資において売却価格をイメージしておくことは重要なポイントであり、購入価格よりも売却価格の方が高く設定できれば大きな収益を生むことができます。
特に都市部のワンルームマンションなどは数年後に人気が上昇することもあり、スピーディーかつ高値で売却できることも少なくありません。
しっかり利益を確保できる売却価格で売却できれば次の投資物件を購入する資金を用意することができ、賃貸経営を途切れることなく継続させられます。
このように売却価格は不動産投資を成功させるうえで重要視すべきポイントだといえ、正しく理解しておくことが大切です。

出口戦略としての「売り抜け」の重要性

高値で売れることが判明していれば家賃を相場以上に高く設定する必要がなくなり、入居希望者は増えます。
そして入居希望者が多ければ空室になるリスクが下がり、賃貸経営を安定させることができます。
このことからも、不動産投資では家賃収入と同じくらい不動産売却を重視する必要があります。

「売り抜け」で得られるキャピタルゲインとは?

家賃収入はインカムゲインと呼ばれ、家賃収入に対してローンの返済や火災保険といった毎月発生する費用を差し引いた利益のことです。
一方、売却益をキャピタルゲインと呼び、売却時にかかる諸費用や税金を差し引いた利益です。
また、不動産を売却するためには「印紙代」「仲介手数料」「登録免許税」「譲渡所得税」といった諸費用や税金がかかることになり、物件購入時にある程度売れる価格と必要経費を計算しておき、手元に残る利益をイメージしておくことが大切です。
売却時にかかる必要経費の概要は次のようになりますので、売却時期までにある程度概算をイメージしておくことをおすすめします。

印紙代

売買契約書に貼付する印紙の代金で、売買代金によって変動する。
契約書の原本を保管する場合に必要となり、契約書のコピーを保管する場合は不要。

No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

仲介手数料

不動産会社の仲介によって契約を締結する場合にかかる費用。
売買代金によって次のような計算方法によって上限額が設定される。

売買代金が200万円以下:売買代金×5%+消費税
売買代金が200万円を超え400万円以下:売買代金×4%+消費税
売買代金が400万円を超える:売買代金×3%+消費税

ただし、売買代金が800万円以下の低廉な空き家や空き地の場合は特例として30万円+消費税が上限となる。

登録免許税

所有権移転登記や抵当権抹消登記、建物滅失登記にかかる税金。
司法書士に登記を依頼する場合は報酬と合わせて支払うのが一般的。

No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

譲渡所得税

不動産売却において利益が発生した際にかかる税金となっており、課税額は次の計算式で計算することができる。

売却価格ー売却時の諸費用ー物件購入価格ー購入時の諸費用

課税額に税率を掛け合わせて譲渡所得税額は計算されるが、税率は所有している期間によって次のように変動する。

所有期間が5年以内:39.63%
所有期間が5年を超える:20.315%

これ以外にも原状回復費用や破損した設備の補修費用がかかることもあります。

No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁

不動産を売り抜く最適なタイミングを見極めるには?

不動産の市場価値は周辺環境や物価の影響を受けて変化するため必ずしも一番高い時期に売却できるとは限りませんが、最適なタイミングで売却できるよう情報収集しておくことは大切です。
また賃貸経営がうまくいっていないという理由で売却を検討するケースもあり、いわゆる「損切り」をすることも投資家として判断しなければならないこともあります。
不動産売却の理由によって最適な時期は異なることもありますので、タイミングを見極めるためのポイントをあらかじめ把握しておく必要があります。
この章では不動産売却のタイミングを見極める方法について、解説します。

不動産市況と再開発情報:トレンド分析で売り時を予測

不動産が高値で売れるイベントが発生することがあり、駅前の再開発事業や土地区画整理事業が代表的な事例です。
都道府県が主体となって実施するこれらの事業計画は街全体の利便性が向上し人口流入を促進させることから不動産資産価値は上昇しやすくなり、高値売却することが可能になります。
駅近再開発は工事完了時期、土地区画整理事業は仮換地が完了した時期から坪単価は上昇する傾向にありますので、自治体のHPをチェックしたり担当部署に問い合わせて時期を確認しておくことをおすすめします。
一方、最寄り駅の移動や鉄道の廃線といった事業計画が施行されることもあり、この場合は資産価値が下がります。
そのためマイナスの計画が施行されると判明した時点で売却をスタートし、売り抜けすることがポイントです。

減価償却とデッドクロス:注意すべきポイント

減価償却とは国税庁が定めた固定資産を一定期間経費計上できる仕組みのことで、減価償却期間中は経費を抑えられます。
しかし期間は耐用年数によってそれぞれ決まっており終了と同時に収支表が悪化してしまい、赤字になることも多いです。
減価償却の終了以外にも火災保険料の増加や空室率悪化による収入減少が原因になり、赤字になってしまうデッドラインについても注視する必要があり、デッドラインが近くなると不動産売却のタイミングといえます。
このように損失を防ぐための売却や損失が小さいタイミングで売却することも賃貸経営において重要な判断材料であるといえ、長期的に不動産投資を成功させるために押さえておくべきポイントとなります。

「売り抜け」を成功させるための事前準備と査定のコツ

買い手が魅力を感じられるような物件であれば高値かつスピーディーに売却することができ、不動産投資を成功させることができます。
そのためには売主として様々な事前準備が必要となり、さらに不動産会社に査定する際のコツもあります。
この章では売却前の事前準備と不動産会社から提示される査定額と売却プランについて、詳しく解説します。

資産価値を最大化:管理とリフォームの重要性

魅力的な物件にするためには買い手が好印象となるような内装にしておく必要があります。
そのため水回りや設備が正常に動作するのかをチェックしておき、清掃した状態で内覧してもらうことが重要です。
また、設備の劣化や汚れが酷い場合はリフォームすることも検討する必要があります。
ただし物件が入居中の場合は空室時よりも対策できることは限られるため、その場合は現状が分かる「告知書」を買い手に提示し、現状を示したうえで売主負担で対応する項目を説明するのがおすすめです。
このように、買い手が購入後にすぐ賃貸経営をスタートできることをアピールすることで、収益物件は売れやすくなります。

高額査定を引き出す:複数の不動産会社への依頼

売却価格を高く設定するためには物件の査定額が高くなるよう準備する必要がありますが、不動産会社によっても査定額は異なるため注意が必要です。
たとえば居住用物件しか取り扱っていない不動産会社は収益物件の販売に不慣れなケースもあり、査定額が相場よりも低くなることもあります。
また付近の家賃相場や土地相場に詳しくない不動産会社に依頼しても正確な査定額は提示されないため、なるべく多くの不動産会社に査定を依頼することがポイントです。
不動産会社を選ぶ際には査定額だけでなく、提示される売却プランもチェックする必要があります。
集客方法や内覧時の説明は早い段階で買い手を見つけ契約締結するために必須の活動といえますので、信頼して任せられる不動産会社に出会うことが不動産売却を成功させるコツです。

オーナーチェンジ物件をスムーズに「売り抜く」戦略

収益物件は「オーナーチェンジ物件」と呼ばれることも多く、居住用物件として明確に区別された状態で販売することになります。
収益物件の買い手は投資家になるため一般的に居住用物件よりもターゲット層が狭くなり、販売戦略を間違えると長期間売却できないこともあります。
入居者がいればその間の家賃収入は確保できますが、空室状態だと利益を得られないまま放置することになり、赤字期間が長くなってしまいます。
このような状態を避けるためにも、スムーズに売り抜くための販売戦略をオーナーとして立案しておくことが大切です。

内覧制限と融資条件の影響を克服する方法

空室であれば自由に内覧できますが入居者がいると生活している空間を内覧することになり、買い手は細かい部分までチェックできないことになります。
そのため空室状態の画像や設備の一覧表をあらかじめ用意しておき、レントロールと合わせてすぐに提示できるよう不動産会社に渡しておくことをおすすめします。
また買い手が投資ローンを利用する場合は承認を得やすい売却価格にする必要があり、価格調整に応じられるようあらかじめ希望価格よりも高く設定しておくこともポイントです。
このような工夫をすることで希望価格で売却することができ、買い手も安心して購入することができます。

賃借人との交渉とリスク管理:円滑な退去に向けて

オーナーチェンジ物件はあくまでも家賃収入を得る目的とした不動産として売却することになりますが、買い手から物件を解体して更地にすることを要望されることもあります。
居住目的として購入したり新しく家屋やマンションを建築して収益物件化するといった理由でこのような要求を受けることもありますが、もしオーナーとして要望に応える場合、賃借人に退去してもらわなければなりません。
賃借人は賃貸借契約によって居住する権利を得ているため、オーナー都合で退去させるには退去費用などの補償をするのが一般的です。
中には退去に応じないケースもありますので、交渉期間を長く設定し不動産会社を交えて根気よく交渉する必要があります。

「売り抜け」が困難な場合の打開策

希望価格で販売してすぐに買い手が見つかれば問題ありませんが、競合物件の数や不動産市場の影響を受けることで長期間販売を継続しなければならないこともあります。
このような状況を打開するための対策を紹介しますので、これから収益物件を売却する予定のある人は参考にしてください。

価格調整と効果的な宣伝方法の見直し

不動産の売却価格は物件の状況と市場を踏まえて設定することになりますが、相場から大きく逸脱していなければ販売期間が長期間になることは少ないです。
そのため買い手からの反響が少ない場合は価格が相場から乖離している可能性があるといえ、価格調整をするのがポイントです。
特に販売開始直後の3ヶ月は新着物件として投資家から注目を浴びやすく、買い手も見つかる可能性が高いことから販売直後の反響数は注視すべきといえます。
また、物件をどのように宣伝するのかも売り抜けを成功させるためのカギといえ、売主として不動産会社が公開している物件情報を細かくチェックする必要があります。
物件画像やアピールポイント、各部屋の説明コメントなどを工夫することで買い手が興味を持ちやすくなり、結果的に早期売却に繋がります。
不動産会社に任せっぱなしになるのではなく、買い手目線で売却価格や物件情報をチェックすることが大切です。

損切りという選択:判断基準と潜在的なリスク

どのような投資も損失が発生するリスクを抱えており、不動産投資も例外ではありません。
不動産投資の場合は初期投資が多くプラスに転じるためには数年の月日を要することから、キャッシュフローが改善する時期は遅くなりやすいという特徴があります。
そのため運営中に空室率が悪化したり災害発生によって建物の耐久性が低下することで資産価値が下がることもあり、賃貸経営がイメージ通りに進められないことも少なくありません。
このような事態が起きた場合は損失額が増える前に売却し、損切りという形で賃貸経営を終了することが重要だといえます。
不動産投資において損切りのタイミングは非常に難しいとされており、ベテラン投資家でも悩むポイントです。
損切りの最適なタイミングについて正解はありませんが、目標の利益を確保できた時期や損失が発生した時期など、あらかじめ損切りするための条件を設定しておくことがおすすめです。
損切りの条件設定をしておけば売却すべきラインで悩まなくてすむため、焦ることなく賃貸経営を進めることができます。

まとめ|不動産投資の「売り抜け」を成功に導くために

不動産投資において収益物件を売却する出口戦略は賃貸収入と同じくらい重要な収益であり、賃貸収入と売却益の合算で収支計画を立案することも多いです。
このことからも収益物件を購入するタイミングで将来の売却価格をイメージしておく必要があります。
また、実際に売却するタイミングになれば複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格の相場とスピーディーに売却するための売却プランを不動産会社と一緒に考えなければなりません。
このように収益物件の売却を成功させるためには多くの事前準備と検討すべきポイントがありますので、売却のタイミングをなるべく早い段階から見極められるよう注視しておくことが大切です。

空家ベースは、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームです。
戸建て投資で収益物件の売却を考えている方はぜひお問い合わせください。