投資用物件の売り時はいつ?不動産投資で売る・売ってはいけないタイミングを解説
投資用不動産の売却は居住目的の住宅やマンションと違って買い手は投資家になるため、投資家が買いたくなるような資産価値と価格のバランスにする必要があります。
そのため一般的な相場はなく、不動産会社でも物件の価格設定に悩むことも多いです。
また投資物件は売却タイミングによって手残り額が大きく変化するため、注意点の一つといえます。
この記事では不動産売却の時期について解説しますので、投資用不動産をいつ売るべきか悩んでいる人は参考にしてください。
- 投資用物件を売った方が良いタイミング
- 投資用物件を売ってはいけないタイミング
相場の見極めはプロでも難しい
不動産売却は資産価値と需要が高い時期に売却するのが高値売却のコツとなっており、不動産会社は不動産市場の動向を常にチェックしています。
しかし投資用物件はこうしたトレンドをベースに売却価格を決めることが難しく、不動産会社も査定額の判断に悩むケースが多いです。
なぜなら投資用物件は投資家が買い手となるため、家賃収入と将来の売却想定価格が購入の決め手となり、通常の価格設定では売却できない可能性が高いからです。
そのため投資家にリスクが大きいと判断されてしまうと売却が難しくなり、販売が長期化することも少なくありません。
このように、投資用物件が確実に売れる金額を見極めることは難しく、売却時には複数の不動産会社に査定の相談をすることがポイントだといえます。
投資用物件を売った方が良いタイミング
不動産投資において不動産価格と同じくらい売却タイミングが重要とされており、ベストタイミングで売却することで多くの資金を手元に残すことができます。
また損失を最小限に抑えられるというメリットもあるため、投資をスタートする時点で売却の要因になり得る状況を調べておくことが大切です。
この章では投資用物件を売却した方が良いタイミングについて、代表的な売却の理由を紹介します。
次の物件を購入する資金を作りたい
収益物件を購入して投資を継続しているものの、より利益率が高い物件が公開されることも多いです。
また現在所有している遠方の不動産を手放し、近くにある物件を購入するケースもあります。
このように他の物件を購入した方が良いと判断した場合は、売却のタイミングだといえます。
物件の管理が大変
物件の掃除や草むしりが大変で売却を決めるオーナーも多く、特に空き家の管理は大きな負担になるケースがあります。
空き家は放置していると火災や倒壊のリスクを抱えることになるため、自治体から特定空家に認定されてしまうと固定資産税の税制優遇撤廃などの措置を受けることもあります。
このようなリスクを抱える前に売却するのがおすすめです。
【参考サイト:「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針 (ガイドライン)】
入居者が決まらず空室が続いている
空室は利益を生まず維持費ばかりかかってしまい、収益が悪化する原因になります。
さらに空室が多い物件は買主が見つかりにくいため売却が長期化するリスクを抱えることになります。
そのため投資用物件は空室が増える前に売却するのがコツといえ、退去の申し出が増えたタイミングで売却するオーナーも多いです。
修繕費が賄えず維持が出来ない
投資用物件は入居者がある程度生活空間を管理してくれますが、設備の破損や修繕にかかる費用はオーナーが負担しなければなりません。
物件の管理は不動産投資にとって不可欠ですが、築年数が古い物件だと維持費が高額になってしまい、収益が悪くなる原因になります。
家賃収入と維持費のバランスが悪くなると健全な賃貸経営が難しくなるため、売却の検討を考えるべき時期といえます。
固定資産税など税金が払えない
不動産を所有し続けるには固定資産税を支払う必要があり、物件によっては都市計画税もかかります。
さらに購入時には不動産取得税と登録免許税、相続であれば相続税が発生することもあり、税金によって初期費用が予想以上に高くなるケースも少なくありません。
その結果、税金の支払いが原因で売却を余儀なくされることもあります。
ローンの返済が難しい
投資用ローンは住宅ローンよりも金利が高く、余裕を持った収益計画でなければローンの返済が困難になってしまうことがあります。
また市場の変化によって金利が上昇し、想定していた利益を得られないというケースも多いです。
ローンを滞納してしまうと次の物件を購入する際に融資を受けられなくなる可能性があるため、返済が滞る前に売却することが大切です。
投資用不動産の売り時
投資用不動産はなるべく高く、スピーディーに売却するのがポイントとなっており、さらに手元に残る資金が増えるタイミングも重要です。
この章では投資用不動産の売り時について、解説します。
1〜3月が売りやすい
4月は就職や入学などで人が移動する季節のため、不動産投資は4月に合わせて賃貸物件を公開するように準備することが重要です。
そのため投資用不動産は1月~3月にかけて投資家から反響が増えるようになりますので、売り時といえます。
金利が低い時
投資ローンが低いと資金計画が組みやすくなり、不動産投資を検討する人が増えます。
金利が安ければ無理に自己資金を使って投資を始める必要がなくなり、オーナーのリスクも減少することになります。
投資はリスクとリターンのバランスを見極めることが重要ですので、金利が低い時期は返済リスクも低くなるためおすすめの売却時期です。
減価償却が終了する前
減価償却とは固定資産を経費計上できる会計上の資産価値となっており、国税庁によって償却期間が定められています。
たとえば木造のアパートは22年が償却期間となっており、SRC造なら47年です。
この期間を超えてしまうと経費は事実上増加してしまうことから、減価償却前に売却を決めるオーナーも多いです。
【参考サイト:主な減価償却資産の耐用年数表】
保有期間が5年を超えた時
不動産を売却する際には譲渡所得税が発生しますが、税率は所有期間によって次のように変動します。
所有期間が5年以内:39.63%
所有期間が5年を超える:20.315%
この税率は居住用・投資用に限らず適用されますので、なるべく所有期間が5年を超えてから売却することをおすすめします。
ただし、相続によって不動産を取得した場合、取得してから3年以内の売却であれば支払った相続税を取得費に加算することができ、課税額を減らすことができるという特例もあります。
そのため売却時期については不動産会社に相談し、ベストな時期を選択することが大事です。
【参考サイト:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁】
家を売ってはいけないタイミング
投資用不動産の収益が悪化したりより良い物件が見つかったのですぐに売りたいと考えるオーナーも多いですが、不動産を売ってはいけないタイミングを知っておく必要があります。
売却タイミングを見誤ってしまうと高値で売却できなかったり、多額の税金を支払ってしまうことにもなりかねません。
このような失敗を避けるためにも、この章で解説する家を売るべきではないタイミングをチェックしておくことが大切です。
相場価格が上昇している、もしくは上昇が予想されている時
不動産の市場価値は常に変動しており、下落することもあれば上昇することもあります。
たとえば最寄りの駅で再開発事業が発表されたり、所有している不動産があるエリアで土地区画整理事業が発表されると地価が上昇し、家賃も高く設定できるようになり売却価格も高くなります。
これ以外にもオリンピックや万博といった世界的なイベントが将来開催される場合にも市場価値が高騰することもあり、売却時期を数年遅らせるのもおすすめです。
このように、街全体の市場価値が上昇する可能性がある場合はすぐに売却せず動向を注視するのがポイントといえます。
ただし再開発事業や世界的イベントの開催があっても必ず市場価値が上昇するわけではなく、さらに築年数の経過によって不動産の資産価値は減少してしまいます。
そのため売却時期の検討期間を設け、適切な判断を心がけることが大事です。
税制優遇が適用されない時期
所有してから5年以内に売却してしまうと譲渡所得税が高くなってしまいますが、マイホームを売却した場合、住まなくなってから3年以内に売却しなければ税制優遇が適用されなくなります。
この税制優遇は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」と呼ばれる制度で、利用することでマイホームを売却する場合は課税額から3,000万円を控除することができます。
この特例は空き家になってから3年を超えて売却したり、所有してから一度でも賃貸に出してしまうと利用できなくなってしまいますので、注意が必要です。
【参考サイト:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁】
まとめ
投資用物件は相場の見極めが難しく、売却しようとしてもすぐに買い手が見つからないことも多いです。
しかし不動産は固定資産税などの税金や維持費がかかり、空室があると収益が赤字になることもあります。
さらに収益が悪い物件は買い手が見つかりにくくなってしまうという悪循環になってしまうことから、投資用不動産は早期売却できる方法を選ぶことが大切です。
空家ベースは活用していない空き家を専門に扱っている不動産ポータルサイトで、多くの投資家が収益物件をチェックしています。
投資家の目につきやすいという特徴がありますので早期売却に繋がりやすく、投資用不動産の売却に向いています。
不動産買取も積極的に行っていますので、売却できずに困っている投資用不動産を所有している人は空家ベースにお問い合わせください。
【参考サイト:空家ベース】
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